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第2章
第24話:ようやく心も落ち着いたのに…
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ベスさんが来てくれた翌日、早速ミミリィさん宅に向かう。ミミリィさんも昨日、ベスさんに励まされた少し元気になったらしい。
「とにかく私たちは夫が帰ってくるまで、家を守る事に全力を尽くしましょう」
「そうね、グレイ様や副騎士団長様が帰ってきた時、私たちがやつれていたらそれこそ物凄く心配されるものね。ただでさえ疲れて帰ってくるのだから、こんな事で心配何てさせられないわ」
私たちが元気でいないと、2人も仕事に集中できない。とにかく今は、元気に過ごして2人の帰りを待つ事にしよう。
「それでもやっぱり寂しくて辛くて、心が折れそうになる事もあると思うの。ねえ、スカーレットさん、もしよければ、たまに家に泊まりに来ない?やっぱり1人で夜過ごすのは寂しくって」
「まあ、それはいいわね。私も1人で夜を過ごすのは辛かったの。ぜひそうしましょう」
その日以降、1日おきでそれぞれの家に泊まる事にした私たち。夜どうしても1人でいると、色々と考えてしまい寂しくなるが、2人だと寂しくなることもない。たまにベスさんも様子を見に来てくれ、3人で晩御飯を食べる事もある。
そんな生活を送る事1ヶ月。グレイ様から“もうすぐ帰れそうだ”との連絡が入った。グレイ様が北の森に行って早2ヶ月。やっともうすぐグレイ様に会えるのね。そう思ったら嬉しくてたまらない。
その日は我が家に泊まる事になっていたミミリィさんと、たまたま遊びに来ていたベスさんの3人で少し豪華な晩御飯を食べた。
「まだ帰ってくる日が決まった訳ではないんだろう?それなのに、もうお祝いをしているのか?気が早い奴らだな」
そう言って笑っているベスさん。確かに気が早いかもしれないが、今までいつ帰ってくるのか分からず、不安な日々を過ごしていたのだ。でも、やっともうすぐ帰れると言う連絡を貰った。なんだかゴールが見えて来たみたいで、嬉しくてたまらない。ミミリィさんも同じことを思ったのか
「やっと夫が帰ってくる日のめどが立ったのよ。喜ばない方がおかしいわ」
そう言ってベスさんに文句を言っていた。
「さあ、せっかくのご馳走なんだから、冷めないうちに食べましょう。今日は久しぶりに、魚をパイで包んだお料理も作ったの。沢山食べて」
「この料理、メチャクチャ旨いんだよな」
そう言って嬉しそうにお料理を頬張るベスさん。やっぱりまだ14歳、あどけなさが残っている。
お料理もお腹いっぱい食べたところで、ベスさんが帰る事になった。
「それじゃあ、俺はそろそろ帰るわ。最近は随分と治安もよくなっているけれど、きちんと戸締りだけはしておけよ」
「ええ、大丈夫ですわ。それじゃあ、ベスさん。おやすみなさい」
「おやすみ、ベスさん」
「おお、おやすみ」
ベスさんが家から出て行ったところを見届け、すぐに内側から鍵を掛ける。よし、戸締りもしっかりしたし、これで安心ね。
「スカーレットさん、せっかくだから今からもう一度お菓子でお祝いをしましょう。やっぱり、スティーブンがもうすぐ帰ってくると思うと嬉しくて。このまま眠るなんてちょっと無理そうだわ」
「確かにそうよね。わかったわ、すぐにお菓子とお茶を準備するから、少し待っていて」
お昼に作ったパウンドケーキを切り、紅茶を入れ、すぐに居間に運ぶ。
「やっぱりスカーレットさんの作ったケーキは美味しいわね。私、どうしてもパウンドケーキってうまく作れないのよね。でも、スティーブンは甘いものが好きだから、作ってあげたいのだけれど」
「あら、ミミリィさんのシフォンケーキ、とっても美味しかったわよ。得意なお菓子を副騎士団長様に食べさせてあげたらいいじゃない。うちはとにかくお肉が好きだから、グレイ様が帰ってきたら、これでもかと言うくらいお肉料理を出すつもりよ」
つい話題も、夫が帰ってきた時の話になってしまう。まあ、それだけ私もミミリィさんも、夫の帰りを待ちわびているという事よね。
その時だった。
ガチャーーン
ガラスが割れるような音が聞こえた。一体何?
つい身構えてしまう。ミミリィさんもびっくりしたのか、私の隣にやって来た。
するとドアがバーーンと開き、男性が複数人入って来た。
「いたぞ!金色の髪に緑色の瞳をしている。こいつが騎士団長の妻だな。こっちは金色の髪にオレンジ色の瞳をしているぞ。もしかして副騎士団長の妻じゃないのか?」
「似顔絵もそっくりだ。間違いない。まさか2人とも一気に捕まえられるなんて、ついているな。とにかく2人を縛り上げろ」
そう言うと、私たちをあっという間に縛り上げた男たち。何なの、こいつら。隣でミミリィさんが震えている、何とかしないと。
「あなた達は一体何なのですか?こんな事をして、許されるとでも思っているのですか?」
キッと男たちを睨みながら叫ぶ。
「騎士団長の妻だけあって気が強いな。俺たちはお前たちの旦那のせいで、アジトを破壊された組織の生き残りだ。あいつらだけはどうしても許せなくてな。この人質たちを連れていけ」
男の叫び声と共に、そばに控えていた男たちが私たちを担ぎ運び出した。もちろん必死に抵抗するが、かなう訳がない。
「ボス、こいつのポケットに通信機が入っていましたぜ」
ポケットに入れっぱなしになっていた通信機を取り出した男。
「なるほど、これがあればあのにっくき騎士団長と連絡が取れる訳だな。愛する妻が俺たちの手の中にあると知ったら、あいつら、どんな顔をするかな」
そう言うと、それはそれは不気味な顔で笑った男。どうしよう、このままだとグレイ様が…そして何より、私たちも危ない。一体どうすればいいの?
「とにかく私たちは夫が帰ってくるまで、家を守る事に全力を尽くしましょう」
「そうね、グレイ様や副騎士団長様が帰ってきた時、私たちがやつれていたらそれこそ物凄く心配されるものね。ただでさえ疲れて帰ってくるのだから、こんな事で心配何てさせられないわ」
私たちが元気でいないと、2人も仕事に集中できない。とにかく今は、元気に過ごして2人の帰りを待つ事にしよう。
「それでもやっぱり寂しくて辛くて、心が折れそうになる事もあると思うの。ねえ、スカーレットさん、もしよければ、たまに家に泊まりに来ない?やっぱり1人で夜過ごすのは寂しくって」
「まあ、それはいいわね。私も1人で夜を過ごすのは辛かったの。ぜひそうしましょう」
その日以降、1日おきでそれぞれの家に泊まる事にした私たち。夜どうしても1人でいると、色々と考えてしまい寂しくなるが、2人だと寂しくなることもない。たまにベスさんも様子を見に来てくれ、3人で晩御飯を食べる事もある。
そんな生活を送る事1ヶ月。グレイ様から“もうすぐ帰れそうだ”との連絡が入った。グレイ様が北の森に行って早2ヶ月。やっともうすぐグレイ様に会えるのね。そう思ったら嬉しくてたまらない。
その日は我が家に泊まる事になっていたミミリィさんと、たまたま遊びに来ていたベスさんの3人で少し豪華な晩御飯を食べた。
「まだ帰ってくる日が決まった訳ではないんだろう?それなのに、もうお祝いをしているのか?気が早い奴らだな」
そう言って笑っているベスさん。確かに気が早いかもしれないが、今までいつ帰ってくるのか分からず、不安な日々を過ごしていたのだ。でも、やっともうすぐ帰れると言う連絡を貰った。なんだかゴールが見えて来たみたいで、嬉しくてたまらない。ミミリィさんも同じことを思ったのか
「やっと夫が帰ってくる日のめどが立ったのよ。喜ばない方がおかしいわ」
そう言ってベスさんに文句を言っていた。
「さあ、せっかくのご馳走なんだから、冷めないうちに食べましょう。今日は久しぶりに、魚をパイで包んだお料理も作ったの。沢山食べて」
「この料理、メチャクチャ旨いんだよな」
そう言って嬉しそうにお料理を頬張るベスさん。やっぱりまだ14歳、あどけなさが残っている。
お料理もお腹いっぱい食べたところで、ベスさんが帰る事になった。
「それじゃあ、俺はそろそろ帰るわ。最近は随分と治安もよくなっているけれど、きちんと戸締りだけはしておけよ」
「ええ、大丈夫ですわ。それじゃあ、ベスさん。おやすみなさい」
「おやすみ、ベスさん」
「おお、おやすみ」
ベスさんが家から出て行ったところを見届け、すぐに内側から鍵を掛ける。よし、戸締りもしっかりしたし、これで安心ね。
「スカーレットさん、せっかくだから今からもう一度お菓子でお祝いをしましょう。やっぱり、スティーブンがもうすぐ帰ってくると思うと嬉しくて。このまま眠るなんてちょっと無理そうだわ」
「確かにそうよね。わかったわ、すぐにお菓子とお茶を準備するから、少し待っていて」
お昼に作ったパウンドケーキを切り、紅茶を入れ、すぐに居間に運ぶ。
「やっぱりスカーレットさんの作ったケーキは美味しいわね。私、どうしてもパウンドケーキってうまく作れないのよね。でも、スティーブンは甘いものが好きだから、作ってあげたいのだけれど」
「あら、ミミリィさんのシフォンケーキ、とっても美味しかったわよ。得意なお菓子を副騎士団長様に食べさせてあげたらいいじゃない。うちはとにかくお肉が好きだから、グレイ様が帰ってきたら、これでもかと言うくらいお肉料理を出すつもりよ」
つい話題も、夫が帰ってきた時の話になってしまう。まあ、それだけ私もミミリィさんも、夫の帰りを待ちわびているという事よね。
その時だった。
ガチャーーン
ガラスが割れるような音が聞こえた。一体何?
つい身構えてしまう。ミミリィさんもびっくりしたのか、私の隣にやって来た。
するとドアがバーーンと開き、男性が複数人入って来た。
「いたぞ!金色の髪に緑色の瞳をしている。こいつが騎士団長の妻だな。こっちは金色の髪にオレンジ色の瞳をしているぞ。もしかして副騎士団長の妻じゃないのか?」
「似顔絵もそっくりだ。間違いない。まさか2人とも一気に捕まえられるなんて、ついているな。とにかく2人を縛り上げろ」
そう言うと、私たちをあっという間に縛り上げた男たち。何なの、こいつら。隣でミミリィさんが震えている、何とかしないと。
「あなた達は一体何なのですか?こんな事をして、許されるとでも思っているのですか?」
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男の叫び声と共に、そばに控えていた男たちが私たちを担ぎ運び出した。もちろん必死に抵抗するが、かなう訳がない。
「ボス、こいつのポケットに通信機が入っていましたぜ」
ポケットに入れっぱなしになっていた通信機を取り出した男。
「なるほど、これがあればあのにっくき騎士団長と連絡が取れる訳だな。愛する妻が俺たちの手の中にあると知ったら、あいつら、どんな顔をするかな」
そう言うと、それはそれは不気味な顔で笑った男。どうしよう、このままだとグレイ様が…そして何より、私たちも危ない。一体どうすればいいの?
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