4 / 50
第4話:王族とご対面です
しおりを挟む
翌日も、朝早くにたたき起こされた私は、そのままドレスに着替えさせられた。そして両親や兄、姉夫婦、さらに使用人たちに見守られながら、王宮へと向かう。
「いいですか、お嬢様。あなた様は、シーディス侯爵家の名前を背負って今から王宮へと向かうのです。お嬢様の要領の良さなら問題ないとは思いますが、くれぐれも問題行動を起こさないで下さいね。万が一王宮から追い出されるなんてことがあれば、後世まで残る侯爵家の恥になります」
隣でクロハが熱弁している。朝から元気ね、私は眠くてたまらないわ。大体、昨日王都に戻って来たばかりなのに、もう今日には王宮だなんて、ハードすぎるのよ。
「お嬢様、聞いていらっしゃるのですか?あなた様の行動1つで、侯爵家の運命が決まると言っても過言ではないのです。とにかく、無難に大人しく過ごしてくださいね。この半年を無難に過ごせば、あなた様には領地での楽しいスローライフが待っているのですから」
「朝からギャーギャー騒がないで。分かっているわよ。私、要領だけはいいの。うまくやるわよ」
好き勝手やってさっさと王太子殿下に嫌われてやるわ。そういえばお母様が、王宮の裏には大きな丘があって、乗馬に最適と言っていたわね。大きな木もあると言っていたから、木登りも楽しまないと。
王宮にはたくさんの騎士様もいるだろうから、お相手をしてもらいたいものだわ。
そんな事を考えているうちに、王宮が見えて来た。そういえば私、ずっと領地にいたから、王宮に来るのは初めてなのだ。これが王宮なのね。無駄に豪華で落ち着かないわ。
「お嬢様、いいですか?今からお嬢様はお妃候補なのです。誰に見られても恥ずかしくない様に振舞ってください。分かっていますね」
「分かっているわよ。本当にうるさいわね」
これでも私は侯爵令嬢なのよ。本当にもう。
すっと背筋を伸ばすと、ゆっくりと馬車を降りた。そして近くに控えていた護衛に笑顔を向ける。すると、なぜかスッと目をそらされてしまった。何なの、こっちがせっかく笑顔を向けたと言うのに。目をそらすだなんて失礼な人ね。まあいいわ。
「ヴィクトリア・シーディス侯爵令嬢殿ですね。ようこそいらっしゃいました、どうぞこちらです」
優しそうなメイドが私たちを部屋へと案内してくれる。それにしても、本当に豪華な造りだ事。こんなお屋敷で生活をするだなんて、やっぱり落ち着かない。
「ヴィクトリア様、こちらでございます。しばらくしましたら陛下や王妃殿下、王太子殿下、さらに他のお妃候補者たちとの顔合わせがございます。それまでは、どうかこちらでゆっくりお過ごしください」
笑顔でメイドが部屋から出て行った。
「お嬢様、見て下さい。とても豪華な部屋ですね。さすがお妃候補者のお部屋ですわ。こんなご立派なお部屋がご準備されているだなんて」
「そうね、ただ、令嬢が好みそうな部屋で落ち着かないわ。私はもっとシンプルな部屋が好きなのよ。模様替えをしてもいいかしら?」
ピンクを基調にしたこの部屋は、カーテンもフリルが付いているし、ベッドにもフリルが付いている。ご丁寧にぬいぐるみまで置いてあるわ。私、こういう部屋は好みじゃないのよね。
「お嬢様、何を我が儘をおっしゃっているのですか?せっかくご準備してくださった部屋に文句を言うだなんて。とにかく、大人しくしていてくださいませ。それよりも、すぐに陛下たちとのご対面があるそうです。一度お着替えを…」
「失礼いたします。ヴィクトリア様、どうぞこちらへ」
あら?もう面会の時間なのね。この部屋に来てから10分の経っていたいのだけど…まあいいわ。さっさと面倒な対面を終わらせて、部屋でゆっくり過ごそう。
そう思い、メイドに付いていく。しばらく進むと、立派な扉の前で止まった。
「こちらでございます。どうぞ中へ」
部屋に入ると、既に人が集まっていた。多分あの人が国王陛下で、隣が王妃殿下ね。その隣の無駄に笑顔を作っているのが、王太子殿下か。
「お待たせして申し訳ございません。ヴィクトリア・シーディスと申します。どうぞよろしくお願いいたします」
令嬢らしくカーテシーを決めた。
「君がヴィクトリア嬢だね。既に他のお妃候補たちも集まっているよ。あそこの席に座ってくれるかい?」
陛下がさす方には、既に令嬢たちが3人座っていた。陛下に指示された席へと座る。
「侯爵令嬢の分際で王族の皆様やマーリン様を待たせるだなんて、一体何を考えているのかしら?」
「あなた、ずっと領地で暮していたのよね。だから常識を知らないのね。ヤダわ、これだから田舎者は…」
2人の令嬢が、扇子で口元を隠しながら、こちらを睨んでいる。なるほど、これがお妃候補の熾烈な争いってやつなのね。
「いいですか、お嬢様。あなた様は、シーディス侯爵家の名前を背負って今から王宮へと向かうのです。お嬢様の要領の良さなら問題ないとは思いますが、くれぐれも問題行動を起こさないで下さいね。万が一王宮から追い出されるなんてことがあれば、後世まで残る侯爵家の恥になります」
隣でクロハが熱弁している。朝から元気ね、私は眠くてたまらないわ。大体、昨日王都に戻って来たばかりなのに、もう今日には王宮だなんて、ハードすぎるのよ。
「お嬢様、聞いていらっしゃるのですか?あなた様の行動1つで、侯爵家の運命が決まると言っても過言ではないのです。とにかく、無難に大人しく過ごしてくださいね。この半年を無難に過ごせば、あなた様には領地での楽しいスローライフが待っているのですから」
「朝からギャーギャー騒がないで。分かっているわよ。私、要領だけはいいの。うまくやるわよ」
好き勝手やってさっさと王太子殿下に嫌われてやるわ。そういえばお母様が、王宮の裏には大きな丘があって、乗馬に最適と言っていたわね。大きな木もあると言っていたから、木登りも楽しまないと。
王宮にはたくさんの騎士様もいるだろうから、お相手をしてもらいたいものだわ。
そんな事を考えているうちに、王宮が見えて来た。そういえば私、ずっと領地にいたから、王宮に来るのは初めてなのだ。これが王宮なのね。無駄に豪華で落ち着かないわ。
「お嬢様、いいですか?今からお嬢様はお妃候補なのです。誰に見られても恥ずかしくない様に振舞ってください。分かっていますね」
「分かっているわよ。本当にうるさいわね」
これでも私は侯爵令嬢なのよ。本当にもう。
すっと背筋を伸ばすと、ゆっくりと馬車を降りた。そして近くに控えていた護衛に笑顔を向ける。すると、なぜかスッと目をそらされてしまった。何なの、こっちがせっかく笑顔を向けたと言うのに。目をそらすだなんて失礼な人ね。まあいいわ。
「ヴィクトリア・シーディス侯爵令嬢殿ですね。ようこそいらっしゃいました、どうぞこちらです」
優しそうなメイドが私たちを部屋へと案内してくれる。それにしても、本当に豪華な造りだ事。こんなお屋敷で生活をするだなんて、やっぱり落ち着かない。
「ヴィクトリア様、こちらでございます。しばらくしましたら陛下や王妃殿下、王太子殿下、さらに他のお妃候補者たちとの顔合わせがございます。それまでは、どうかこちらでゆっくりお過ごしください」
笑顔でメイドが部屋から出て行った。
「お嬢様、見て下さい。とても豪華な部屋ですね。さすがお妃候補者のお部屋ですわ。こんなご立派なお部屋がご準備されているだなんて」
「そうね、ただ、令嬢が好みそうな部屋で落ち着かないわ。私はもっとシンプルな部屋が好きなのよ。模様替えをしてもいいかしら?」
ピンクを基調にしたこの部屋は、カーテンもフリルが付いているし、ベッドにもフリルが付いている。ご丁寧にぬいぐるみまで置いてあるわ。私、こういう部屋は好みじゃないのよね。
「お嬢様、何を我が儘をおっしゃっているのですか?せっかくご準備してくださった部屋に文句を言うだなんて。とにかく、大人しくしていてくださいませ。それよりも、すぐに陛下たちとのご対面があるそうです。一度お着替えを…」
「失礼いたします。ヴィクトリア様、どうぞこちらへ」
あら?もう面会の時間なのね。この部屋に来てから10分の経っていたいのだけど…まあいいわ。さっさと面倒な対面を終わらせて、部屋でゆっくり過ごそう。
そう思い、メイドに付いていく。しばらく進むと、立派な扉の前で止まった。
「こちらでございます。どうぞ中へ」
部屋に入ると、既に人が集まっていた。多分あの人が国王陛下で、隣が王妃殿下ね。その隣の無駄に笑顔を作っているのが、王太子殿下か。
「お待たせして申し訳ございません。ヴィクトリア・シーディスと申します。どうぞよろしくお願いいたします」
令嬢らしくカーテシーを決めた。
「君がヴィクトリア嬢だね。既に他のお妃候補たちも集まっているよ。あそこの席に座ってくれるかい?」
陛下がさす方には、既に令嬢たちが3人座っていた。陛下に指示された席へと座る。
「侯爵令嬢の分際で王族の皆様やマーリン様を待たせるだなんて、一体何を考えているのかしら?」
「あなた、ずっと領地で暮していたのよね。だから常識を知らないのね。ヤダわ、これだから田舎者は…」
2人の令嬢が、扇子で口元を隠しながら、こちらを睨んでいる。なるほど、これがお妃候補の熾烈な争いってやつなのね。
362
あなたにおすすめの小説
一級魔法使いになれなかったので特級厨師になりました
しおしお
恋愛
魔法学院次席卒業のシャーリー・ドットは、
「一級魔法使いになれなかった」という理由だけで婚約破棄された。
――だが本当の理由は、ただの“うっかり”。
試験会場を間違え、隣の建物で行われていた
特級厨師試験に合格してしまったのだ。
気づけばシャーリーは、王宮からスカウトされるほどの
“超一流料理人”となり、国王の胃袋をがっちり掴む存在に。
一方、学院首席で一級魔法使いとなった
ナターシャ・キンスキーは、大活躍しているはずなのに――
「なんで料理で一番になってるのよ!?
あの女、魔法より料理の方が強くない!?」
すれ違い、逃げ回り、勘違いし続けるナターシャと、
天然すぎて誤解が絶えないシャーリー。
そんな二人が、魔王軍の襲撃、国家危機、王宮騒動を通じて、
少しずつ距離を縮めていく。
魔法で国を守る最強魔術師。
料理で国を救う特級厨師。
――これは、“敵でもライバルでもない二人”が、
ようやく互いを認め、本当の友情を築いていく物語。
すれ違いコメディ×料理魔法×ダブルヒロイン友情譚!
笑って、癒されて、最後は心が温かくなる王宮ラノベ、開幕です。
離婚寸前で人生をやり直したら、冷徹だったはずの夫が私を溺愛し始めています
腐ったバナナ
恋愛
侯爵夫人セシルは、冷徹な夫アークライトとの愛のない契約結婚に疲れ果て、離婚を決意した矢先に孤独な死を迎えた。
「もしやり直せるなら、二度と愛のない人生は選ばない」
そう願って目覚めると、そこは結婚直前の18歳の自分だった!
今世こそ平穏な人生を歩もうとするセシルだったが、なぜか夫の「感情の色」が見えるようになった。
冷徹だと思っていた夫の無表情の下に、深い孤独と不器用で一途な愛が隠されていたことを知る。
彼の愛をすべて誤解していたと気づいたセシルは、今度こそ彼の愛を掴むと決意。積極的に寄り添い、感情をぶつけると――
私が生きていたことは秘密にしてください
月山 歩
恋愛
メイベルは婚約者と妹によって、崖に突き落とされ、公爵家の領地に倒れていた。
見つけてくれた彼は一見優しそうだが、行方不明のまま隠れて生きて行こうとする私に驚くような提案をする。
「少年の世話係になってくれ。けれど人に話したら消す。」
【完結】見返りは、当然求めますわ
楽歩
恋愛
王太子クリストファーが突然告げた言葉に、緊張が走る王太子の私室。
この国では、王太子が10歳の時に婚約者が二人選ばれ、そのうちの一人が正妃に、もう一人が側妃に決められるという時代錯誤の古いしきたりがある。その伝統に従い、10歳の頃から正妃候補として選ばれたエルミーヌとシャルロットは、互いに成長を支え合いながらも、その座を争ってきた。しかしーー
「私の正妃は、アンナに決めたんだ。だから、これからは君たちに側妃の座を争ってほしい」
微笑ながら見つめ合う王太子と子爵令嬢。
正妃が正式に決定される半年を前に、二人の努力が無視されるかのようなその言葉に、驚きと戸惑いが広がる。
※誤字脱字、勉強不足、名前間違い、ご都合主義などなど、どうか温かい目で(o_ _)o))
婚約破棄に乗り換え、上等です。私は名前を変えて隣国へ行きますね
ルーシャオ
恋愛
アンカーソン伯爵家令嬢メリッサはテイト公爵家後継のヒューバートから婚約破棄を言い渡される。幼い頃妹ライラをかばってできたあざを指して「失せろ、その顔が治ってから出直してこい」と言い放たれ、挙句にはヒューバートはライラと婚約することに。
失意のメリッサは王立寄宿学校の教師マギニスの言葉に支えられ、一人で生きていくことを決断。エミーと名前を変え、隣国アスタニア帝国に渡って書籍商になる。するとあるとき、ジーベルン子爵アレクシスと出会う。ひょんなことでアレクシスに顔のあざを見られ——。
【完結】レイハート公爵夫人の時戻し
風見ゆうみ
恋愛
公爵夫人である母が亡くなったのは、私、ソラリアが二歳になり、妹のソレイユが生まれてすぐのことだ。だから、母の記憶はないに等しい。
そんな母が私宛に残していたものがあった。
青色の押し花付きの白い封筒に入った便箋が三枚。
一枚目には【愛するソラリアへ】三枚目に【母より】それ以外、何も書かれていなかった。
父の死後、女性は爵位を継ぐことができないため、私は公爵代理として、領民のために尽くした。
十九歳になった私は、婚約者に婿入りしてもらい、彼に公爵の爵位を継いでもらった。幸せな日々が続くかと思ったが、彼との子供を授かったとわかった数日後、私は夫と実の妹に殺されてしまう。
けれど、気がついた時には、ちょうど一年前になる初夜の晩に戻っており、空白だったはずの母からの手紙が読めるようになっていた。
殺されたことで羊の形をした使い魔が見えるようになっただけでなく『時戻しの魔法』を使えるようになった私は、爵位を取り返し、妹と夫を家から追い出すことに決める。だが、気弱な夫は「ソラリアを愛している。別れたくない」と泣くばかりで、離婚を認めてくれず――。
私と幼馴染と十年間の婚約者
川村 あかり
恋愛
公爵令嬢ロゼリアは、王子アルベルトとの婚約を結んでいるが、彼の心は無自覚に幼馴染のミナに奪われていた。ミナの魔法【魅了】が無意識に周りの男性を狂わせ、アルベルトもその例外ではない。
それぞれが生まれつき得意な魔法があり、ロゼリアは見たものや聞いたものを完璧に記録できる【記録・再生】の魔法を持ち、二人の関係に耐えきれず胃の痛みに悩む日々。そんな中、彼女の唯一の理解者の冷静沈着なキースや毒舌のマリーが心の支えとなる。
アルベルトの側近であるガストンは、魔法【増幅】で騒動を盛り上げる一方、ミナの友人リリィは【幻影】の魔法を使ってロゼリアを貶めようと画策する。
婚約者と幼馴染の行動に振り回されるロゼリア。魔法が絡んだ恋愛模様の中で、彼女は本当の愛を見つけられるのか?
【完結】優しいあなたに、さようなら。二人目の婚約者は、私を殺そうとしている冷血公爵様でした
ゆきのひ
恋愛
伯爵令嬢であるディアの婚約者は、整った容姿と優しい性格で評判だった。だが、いつからか彼は、婚約者であるディアを差し置き、最近知り合った男爵令嬢を優先するようになっていく。
彼と男爵令嬢の一線を越えた振る舞いに耐え切れなくなったディアは、婚約破棄を申し出る。
そして婚約破棄が成った後、新たな婚約者として紹介されたのは、魔物を残酷に狩ることで知られる冷血公爵。その名に恐れをなして何人もの令嬢が婚約を断ったと聞いたディアだが、ある理由からその婚約を承諾する。
しかし、公爵にもディアにも秘密があった。
その秘密のせいで、ディアは命の危機を感じることになったのだ……。
※本作は「小説家になろう」さん、カクヨムさんにも投稿しています
※表紙画像はAIで作成したものです
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる