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第12話:僕の心に再び感情というものが蘇った~ディーノ視点~
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いつもの様に、笑顔でヴィクトリア嬢を迎える。僕の瞳には間違いなく令嬢がうつっているのだが、僕は既に感情を失っている。そう、ただ瞳にうつっているだけの令嬢を席に案内する。
すると何を思ったのか、既に僕の婚約者にはマーリン嬢が内定している為、一緒にすごすのは時間の無駄だからこれで失礼すると言って、部屋から出ていこうとしたのだ。
この子は何を言っているのだろう…
とにかく僕は、王太子として必ず毎日お妃候補たちと面会をしないといけないのだ。それが僕の仕事だから!必死にヴィクトリア嬢を引き留め、何とか席に着いてもらった。
改めて彼女を見る。美しい銀色の髪に、青い瞳をしているヴィクトリア嬢。この子、こんな顔をしているのだな…なぜだろう、今まで色々な令嬢を瞳にうつしてきたのに、記憶に残っている令嬢なんていなかった。むしろ、どの子がどんな顔をしているのかさえ、ほとんど記憶に残っていないのに…
そんな事を考えながら話をしているうちに、再び部屋に戻ろうとするヴィクトリア嬢。だから僕には、王太子としてお妃候補と面会をする義務があるのだってば!
そんな思いで、再び彼女を追いかける。とにかく面会をしなければならないと訴えると、それなら丘に行きたいと言い出したのだ。丘になんて一体何をしに行くのだろう?
そんな疑問を持ちながらも、僕は彼女を丘へと連れて行った。丘に着くと、靴を脱ぎ捨て嬉しそうに走り出すヴィクトリア嬢。
あり得ない、令嬢が靴を脱いで走り出すだなんて。それも物凄い速さだ。急いで僕も追いかけるが、全く追いつかない。それどころか、どんどん離されていく。さらに何を思ったのか、大きな木に登り出したのだ。何なんだ、この子は!万が一木から落ちたら、どうするつもりだ。
必死に木から降りる様に説得するが、降りてくるどころか、僕にまで木に登れと言って来たのだ。この子は何を言っているのだろう。そもそも、令嬢が木登りだなんて!
すぐに降りてくるように説得するが…
「ああ、木登りが出来ないのですね。それでは仕方ありませんわ。とても綺麗ですのに、登れないのでは仕方がありませんね。残念…」
いたずらっ子の様な無邪気な顔で、僕に語り掛けてくるヴィクトリア嬢。彼女に出来て僕に出来ない訳がない。バカにしないで欲しいものだ!
そんな思いから、僕も木に登った。木登りなんて初めてしたが、意外と難しいな。必死に木に登る僕に、ヴィクトリア嬢が笑顔で手を差し伸べてくれた。その手を掴んだ時、柔らかくて温かい感触が手から伝わる。
その瞬間、一気に鼓動が早くなるのを感じた。急にどうしたんだ?僕には一切感情なんてものは、存在していないはずだ。それにさっきから、バカにされて悔しいと思ったり、王太子としてあるまじき木登りをしたりと、一体僕はどうしてしまったのだろう。
そんな僕の動揺とは裏腹に
「ほら、見て下さい。とても綺麗な夕日でしょう?街が夕焼けで真っ赤ですわ」
嬉しそうに夕焼けで照らされた街を指さしているヴィクトリア嬢。彼女が指さす方を見ると、本当に街が真っ赤に染まっていたのだ。その光景は本当に美しくて、思わず
「本当だ、こんな綺麗な夕日は、初めて見たよ…王都の街が、本当に赤く染まっている」
そう呟いてしまった。僕、本当にどうしたのだろう…今までどんな美しいものを見ても、何も思わなかったのに。どうして急に、夕焼けが奇麗と感じるのだろう…
僕は一体、どうしたのだろう。ずっと封印していた感情というものが、少しずつ溢れ出すことに、動揺が隠せない。ふとヴィクトリア嬢の方を見つめる。夕日に照らされた彼女は、本当に美しく、まるで女神さまの様だった。
今までどんな令嬢を見ても、記憶にすら残らなかったのに。それなのに、僕はどうしてしまったのだろう…
そんな僕の気持ちとは裏腹に、夕焼けの赤と言えば、他のお妃候補の令嬢たちが、茹でダコの様な顔をして怒っていたと言って笑い出したのだ。
そう言えばお妃候補の令嬢たちが、顔を赤くして怒っていた様な…それを茹でダコと言って笑うだなんて。
今まで全く興味がなかった令嬢たちの怒り狂う顔を思い出した瞬間、僕もつい吹き出してしまった。確かに彼女の言う通り、茹でダコみたいでみっともなかったな。あんな醜態をさらすだなんて。
こんな風に、声を上げて笑ったのはいつぶりだろう。いいや、初めてかもしれない。声を上げて笑う事って、こんなに気持ちいいのだな。そう思うほど、なんだか清々しい気持ちになった。
すると何を思ったのか、既に僕の婚約者にはマーリン嬢が内定している為、一緒にすごすのは時間の無駄だからこれで失礼すると言って、部屋から出ていこうとしたのだ。
この子は何を言っているのだろう…
とにかく僕は、王太子として必ず毎日お妃候補たちと面会をしないといけないのだ。それが僕の仕事だから!必死にヴィクトリア嬢を引き留め、何とか席に着いてもらった。
改めて彼女を見る。美しい銀色の髪に、青い瞳をしているヴィクトリア嬢。この子、こんな顔をしているのだな…なぜだろう、今まで色々な令嬢を瞳にうつしてきたのに、記憶に残っている令嬢なんていなかった。むしろ、どの子がどんな顔をしているのかさえ、ほとんど記憶に残っていないのに…
そんな事を考えながら話をしているうちに、再び部屋に戻ろうとするヴィクトリア嬢。だから僕には、王太子としてお妃候補と面会をする義務があるのだってば!
そんな思いで、再び彼女を追いかける。とにかく面会をしなければならないと訴えると、それなら丘に行きたいと言い出したのだ。丘になんて一体何をしに行くのだろう?
そんな疑問を持ちながらも、僕は彼女を丘へと連れて行った。丘に着くと、靴を脱ぎ捨て嬉しそうに走り出すヴィクトリア嬢。
あり得ない、令嬢が靴を脱いで走り出すだなんて。それも物凄い速さだ。急いで僕も追いかけるが、全く追いつかない。それどころか、どんどん離されていく。さらに何を思ったのか、大きな木に登り出したのだ。何なんだ、この子は!万が一木から落ちたら、どうするつもりだ。
必死に木から降りる様に説得するが、降りてくるどころか、僕にまで木に登れと言って来たのだ。この子は何を言っているのだろう。そもそも、令嬢が木登りだなんて!
すぐに降りてくるように説得するが…
「ああ、木登りが出来ないのですね。それでは仕方ありませんわ。とても綺麗ですのに、登れないのでは仕方がありませんね。残念…」
いたずらっ子の様な無邪気な顔で、僕に語り掛けてくるヴィクトリア嬢。彼女に出来て僕に出来ない訳がない。バカにしないで欲しいものだ!
そんな思いから、僕も木に登った。木登りなんて初めてしたが、意外と難しいな。必死に木に登る僕に、ヴィクトリア嬢が笑顔で手を差し伸べてくれた。その手を掴んだ時、柔らかくて温かい感触が手から伝わる。
その瞬間、一気に鼓動が早くなるのを感じた。急にどうしたんだ?僕には一切感情なんてものは、存在していないはずだ。それにさっきから、バカにされて悔しいと思ったり、王太子としてあるまじき木登りをしたりと、一体僕はどうしてしまったのだろう。
そんな僕の動揺とは裏腹に
「ほら、見て下さい。とても綺麗な夕日でしょう?街が夕焼けで真っ赤ですわ」
嬉しそうに夕焼けで照らされた街を指さしているヴィクトリア嬢。彼女が指さす方を見ると、本当に街が真っ赤に染まっていたのだ。その光景は本当に美しくて、思わず
「本当だ、こんな綺麗な夕日は、初めて見たよ…王都の街が、本当に赤く染まっている」
そう呟いてしまった。僕、本当にどうしたのだろう…今までどんな美しいものを見ても、何も思わなかったのに。どうして急に、夕焼けが奇麗と感じるのだろう…
僕は一体、どうしたのだろう。ずっと封印していた感情というものが、少しずつ溢れ出すことに、動揺が隠せない。ふとヴィクトリア嬢の方を見つめる。夕日に照らされた彼女は、本当に美しく、まるで女神さまの様だった。
今までどんな令嬢を見ても、記憶にすら残らなかったのに。それなのに、僕はどうしてしまったのだろう…
そんな僕の気持ちとは裏腹に、夕焼けの赤と言えば、他のお妃候補の令嬢たちが、茹でダコの様な顔をして怒っていたと言って笑い出したのだ。
そう言えばお妃候補の令嬢たちが、顔を赤くして怒っていた様な…それを茹でダコと言って笑うだなんて。
今まで全く興味がなかった令嬢たちの怒り狂う顔を思い出した瞬間、僕もつい吹き出してしまった。確かに彼女の言う通り、茹でダコみたいでみっともなかったな。あんな醜態をさらすだなんて。
こんな風に、声を上げて笑ったのはいつぶりだろう。いいや、初めてかもしれない。声を上げて笑う事って、こんなに気持ちいいのだな。そう思うほど、なんだか清々しい気持ちになった。
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