次期騎士団長の秘密を知ってしまったら、迫られ捕まってしまいました

Karamimi

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第13話:ルミタンに近づきたい~カルロス視点~

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この8年、俺は亡き騎士団長と俺に騎士としての基礎を叩き込んでくれたドリトル、それに何よりも愛するルミタンの為に必死に頑張って来た。

でも、肝心のルミタンとの距離は、全く縮まっていない。彼女は騎士団長を失ってから、あまり社交の場に姿を見せなくなった。それならと、彼女が貴族学院に入学するのを心待ちにしていた。でも、彼女は俺の事を全く覚えていません!と言わんばかりに、俺の方は見向きもしないのだ。

それが寂しくてたまらない。さらに興味のない令嬢には詰め寄られるし…俺はずっと騎士団という男ばかりの世界で生きてきたため、令嬢の扱いが全く分からない。

それでも俺のルミタンへの想いが色あせる事はない。それどころか、日に日に増していくばかり。10代目ルミタンを握りながら、ルミタンを思い毎日寂しく眠る。

いっその事、ドリトルにルミタンと婚約したいと話をしてみるか?俺は学院を卒業後には、騎士団長になる事が決まっているのだし。でも、俺はまだ騎士団長になっていない。亡き元騎士団長との約束も大切にしたいし…

それにドリトルは騎士団を辞めて以降、俺に妙によそよそしくなってしまったのだ。そのせいもあり、今はあまり話をしていないし…

そんな悶々とした日々を送っていたある日の事。俺の命より大切なルミタンのぬいぐるみを、なんと学院の裏庭に置いて来てしまったのだ。

俺のルミタンが!
騎士団の稽古が終わると、急いで裏庭へとやって来て、必死に探した。どこだ!どこにいるんだ!ルミタン!

いた!よかった。

「あぁ、よかった。俺の可愛い可愛いルミタン」

あまりの嬉しさに、いつもの様にルミタンに頬ずりをする。本物のルミタンの肌は、もっと柔らかいのだろうな…そんな事を考えていると、どさっと何かが落ちる音が。

音の方を見ると、目を大きく見開き、口をあんぐりと開けている本物のルミタンがそこに立っていた。俺と目があった瞬間、ハッと我に返ったのか

「あ…あの、私は何も見ていませ~ん!!!」

と叫ぶと、物凄いスピードで走って行ってしまった。急いで追いかけようとしたのだが、さすが伝説の元騎士団長の娘、足が速すぎて見失ってしまった。

まさか本物のルミタンに、この姿を見られるだなんて。それにルミタンに俺の気持ちがバレてしまった…

て、待てよ。これはある意味チャンスかもしれない。ルミタンに俺の気持ちがバレてしまったのなら、ここは一気に攻めるべきだ。そうだ、そうしよう。

それに今まできっかけがなくて話しかけられなかったが、今回の件をネタに、話しかける事も出来る!

これはチャンスだ。

急いで家に帰り、両親に明日にでも侯爵家に婚約を申し込みたい旨を話した。

「急にどうしたんだい?カルロス。亡き元騎士団長との約束を果たしたいから、ルミナス嬢への婚約申込は、卒業後にすると言っていたではないか?」

「そのつもりだったのですが、今日俺がルミタンを愛していることが、本人にバレました。バレてしまった以上、隠しておくのも何ですし。それに俺は、騎士団長になる事も決まっています。だから、元騎士団長も大目に見てくれるでしょう」

「…カルロスがそう言うならわかったが、その“ルミタン”と言う呼び方と、ぬいぐるみを抱きしめながら話をするのは止めなさい。お前は仮にも公爵令息で、次期騎士団長が約束された男なのだぞ…」

「これはルミタンそっくりに作らせた大切なぬいぐるみです!いわばルミタンの分身の様なもの。俺の命より大切なルミタンを、父上は手放せというのですか!」

父上に向かって声を荒げる。

「わかった、わかった。すまなかった。ただ、明日侯爵家に行くときは、そのぬいぐるみは置いて行けよ。分かったな」

「分かりました…」

よし、これでルミタンを迎えに行く準備は出来たぞ。明日早速、今日の出来事をネタに、ルミタンに話し掛けよう。

そう思い、朝校門の前で待っていたのだが、なぜか俺の顔を見た瞬間、物凄いスピードで逃げていく。お昼休みも教室で過ごしている様だし…

もしかして、俺を避けているのか?いいや、そんな事はないはずだ。もしかして昨日の今日で、俺に会うのが気まずいのか?とにかく、放課後ルミタンを捕まえる事にした。

授業が終わると、一目散に校門の前にやって来た。ここにいればきっと、ルミタンが現れるはず。案の定、ものすごいスピードでやっくるルミタンの姿が。とっさに腕を掴んだ。

制服越しからも柔らかな感触が伝わる。つい頬が緩むのを必死でこらえた。するとゆっくりとこちらを振り向いたルミタン。でもなぜか、俺の顔を見ると、盛大に吹き出し、お腹を抱えて笑い出したのだ。

とにかく話がしたくて、彼女を抱きかかえ馬車に乗り込んだ。初めて抱くルミタンの感触…それにいい匂いがするぞ…これはたまらないな…

興奮する体を必死に落ち着かせ、本当に名残惜しいが、彼女を向かいに座らせた。ただ、なぜか涙を流し笑い転げているルミタン。俺を見てそんなに喜んでくれるだなんて。でも、これじゃあ話が出来ない。困ったな…

とにかくルミタンの笑いがおさまるまで待とうと思ったのだが、全く収まる気配がない。でも、こんな風にルミタンの笑っている姿を間近で見られるだなんて、幸せすぎる…

さらに声にならない声を発しながら、必死に話をするルミタン。そうか、やっぱり彼女も俺と話したかったのか!そう思い、彼女に話しかけた。

すると少し笑いが落ち着いたのか、ルミタンと話をする事が出来た。どうやら昨日の俺の姿を見て笑っていた様だ。

俺を思って笑っていてくれたなんて、嬉しくてつい笑みがこぼれる。そんなルミタンが愛おしくて、その場でプロポーズまでしてしまった。そして彼女の傍に行こうとしたのだが、間一髪のところで、ルミタンの御者に邪魔されてしまったのだ。

まあいい、後でまたルミタンには、正式に婚約を申し込みに行く事だし。あぁ…やっとルミタンが俺のものになる。考えただけで、鼻血が出そうだ。
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