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第19話:ライバル?登場です
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カルロス様と婚約して、2ヶ月が過ぎた。なんだかんだ言って、友人やクラスメイトたちの生温かい視線を受けながら、それなりに楽しく過ごしている。
先日、無事婚約披露パーティーも終わった。私の家族はもちろん、カルロス様のご両親もとても幸せそうで、なんだか私も幸せな気持ちになれた。カルロス様は、騎士団員たちにもかなり慕われているという事もわかった。
カルロス様は、本当に素敵な人なのだろう。でも…私はどうしても彼を受け入れる事が、未だに出来ないのだ。
私のぬいぐるみを持ち歩いていたり、鼻息荒く迫ってきたり、私の使ったスプーンやフォーク、ストローなどを密かに持って帰ったりと…はっきり言って気持ち悪い。
それでも友人たちには
“あれほどまでに大切にされているのに、何が不満なの?確かにちょっと…いや、だいぶ変わったところはあるけれど、それでもあんなに愛されているならいいじゃない”
そう言われてしまうのだ。愛されている事は私にもわかる。ただ…その愛が重すぎて、私が受け止め切れていないのだ。
ここまで誰かに愛されるだなんて…なんだか複雑ね。
「はぁ~」
ついため息が出てしまう。
「ちょっとルミナス、ため息なんてつかないでよ。今度はどうしたのよ?」
近くにいたマリーヌが話しかけて来た。
「イヤ…愛されすぎるのもなんだか複雑だなって思って…」
ポツリと本音が出る。
「あなた、それ、皆の前で言わない方がいいわよ。確かにカルロス様は少し変わっていらっしゃるけれど、勉学武術に優れていらっしゃって、見た目もこの国の美しい男性上位3人に入るほどの美青年、さらに公爵令息で次期騎士団長と来たものだ。未だにカルロス様を諦めていない令嬢は多いのだから!」
「まあ、そうなの?でも私への嫌がらせは、すっかりなくなったわよ」
「それはカルロス様がガードしているからよ。今のあなたが平和に暮らせるのは、全てカルロス様のお陰なんだから。どうしてそんな事も分からないのかしら?この子は…」
今度はマリーヌがはぁ~っとため息を付いている。
「そうそう、そう言えばカルロス様のクラスに、留学を終えて帰国した第三王女のアナリス殿下が編入されたそうよ」
アナリス殿下と言えば、非常にお美しいうえ、頭もよく留学先の王太子殿下から求婚されていると聞いている。
「もしかして、隣国の王太子殿下と結婚するために、一時的に帰国したのかしら?」
「そうではない様よ。アナリス殿下には心に決めた令息がいる様で…隣国の王太子殿下との話は、正式に断ったそうよ」
「そうなのね。隣国の王太子殿下の求婚をお断りするだなんて、よほど好きな方がいらっしゃるのね。アナリス殿下のお好きな方ってどんな方かしら?」
そんな話をしている時だった。
「あの、お取込み中申し訳ございません。ルミナス・カリオスティーノ様ですよね。少しお話をしたいのですが、よろしいでしょうか?」
私の元にやって来たのは、なんと今の今まで噂をしていた、アナリス殿下だ。美しい微笑を浮かべながら、私に話し掛けてきたのだ。
「私にですか?はい、もちろん…」
「アナリス殿下、一体どういうつもりですか?」
穏やかな空気をぶった切ったのは、血相を変えてやって来たカルロス様だ。私を庇う様に背に隠すと、アナリス殿下を睨みつけている。一体どうしたのかしら?
「どうもこうもありませんわ。私はずっと、カルロス様の事をお慕いしていたのです。そもそもあなた様は、知識が豊富な女性がお好きだとおっしゃったではありませんか?だから私は、より知識を身に付けようと他国に留学しておりましたのに。それなのに別の令嬢と婚約してしまうだなんて…」
そう言ってシクシク涙を流すアナリス殿下。
「俺は知識が豊富な女性が好きとは言っておりません。知識は多い方がいいですねと、お話しただけです。そもそも陛下を通じて、しっかりお断りを入れたはずですが?」
「そんな…私はあなた様を思って、今まで頑張ってきましたのに…」
さらにシクシク泣くアナリス殿下。どうやらアナリス殿下は、カルロス様の事が大好きな様だ。
「ルミナス様、私はずっとカルロス様をお慕いしておりました。カルロス様が“知識を増やしたら結婚してやる”とおっしゃったから、留学もしたのです。それなのに…酷いと思いませんか?」
「ルミタン、殿下の言っている事は全部嘘だ。俺はずっと君だけを愛していた。陛下にも殿下にも、はっきりと断っていたんだ!本当だ、俺を信じて欲しい」
2人が必死に訴えてくる。
「あの…アナリス殿下。お言葉ですがカルロス様は“知識を増やしたら結婚してやる”なんておっしゃらないと思いますわ。彼は曲がった事は大嫌いだと、兄からも伺っております。ですので、その…殿下が何か勘違いされたのかと…」
「まあ、私が嘘を言っているとでもおっしゃるの?酷い…私はただ、カルロス様を愛していただけなのに…そもそも、あなた様は元騎士団長の娘ですわよね?カルロス様は、元騎士団長を尊敬していましたし。それを利用して、婚約者におさまったのですか?」
「殿下、変な言いがかりはやめて下さい。当時俺ははっきりと言いましたよね。”ルミナス嬢を愛している、彼女といずれ結婚したいから、あなた様とは結婚できない“と。そもそもあなた様が留学する事になったのは…いいえ、何でもありません。とにかく、これ以上ルミタンに絡むのはお止めください!」
「なによ、カルロス様ったら。とにかく私は、絶対にカルロス様を諦めないんだからね」
そう叫ぶと、教室から出て行ったアナリス殿下。
なんだったのかしら?あの人…
先日、無事婚約披露パーティーも終わった。私の家族はもちろん、カルロス様のご両親もとても幸せそうで、なんだか私も幸せな気持ちになれた。カルロス様は、騎士団員たちにもかなり慕われているという事もわかった。
カルロス様は、本当に素敵な人なのだろう。でも…私はどうしても彼を受け入れる事が、未だに出来ないのだ。
私のぬいぐるみを持ち歩いていたり、鼻息荒く迫ってきたり、私の使ったスプーンやフォーク、ストローなどを密かに持って帰ったりと…はっきり言って気持ち悪い。
それでも友人たちには
“あれほどまでに大切にされているのに、何が不満なの?確かにちょっと…いや、だいぶ変わったところはあるけれど、それでもあんなに愛されているならいいじゃない”
そう言われてしまうのだ。愛されている事は私にもわかる。ただ…その愛が重すぎて、私が受け止め切れていないのだ。
ここまで誰かに愛されるだなんて…なんだか複雑ね。
「はぁ~」
ついため息が出てしまう。
「ちょっとルミナス、ため息なんてつかないでよ。今度はどうしたのよ?」
近くにいたマリーヌが話しかけて来た。
「イヤ…愛されすぎるのもなんだか複雑だなって思って…」
ポツリと本音が出る。
「あなた、それ、皆の前で言わない方がいいわよ。確かにカルロス様は少し変わっていらっしゃるけれど、勉学武術に優れていらっしゃって、見た目もこの国の美しい男性上位3人に入るほどの美青年、さらに公爵令息で次期騎士団長と来たものだ。未だにカルロス様を諦めていない令嬢は多いのだから!」
「まあ、そうなの?でも私への嫌がらせは、すっかりなくなったわよ」
「それはカルロス様がガードしているからよ。今のあなたが平和に暮らせるのは、全てカルロス様のお陰なんだから。どうしてそんな事も分からないのかしら?この子は…」
今度はマリーヌがはぁ~っとため息を付いている。
「そうそう、そう言えばカルロス様のクラスに、留学を終えて帰国した第三王女のアナリス殿下が編入されたそうよ」
アナリス殿下と言えば、非常にお美しいうえ、頭もよく留学先の王太子殿下から求婚されていると聞いている。
「もしかして、隣国の王太子殿下と結婚するために、一時的に帰国したのかしら?」
「そうではない様よ。アナリス殿下には心に決めた令息がいる様で…隣国の王太子殿下との話は、正式に断ったそうよ」
「そうなのね。隣国の王太子殿下の求婚をお断りするだなんて、よほど好きな方がいらっしゃるのね。アナリス殿下のお好きな方ってどんな方かしら?」
そんな話をしている時だった。
「あの、お取込み中申し訳ございません。ルミナス・カリオスティーノ様ですよね。少しお話をしたいのですが、よろしいでしょうか?」
私の元にやって来たのは、なんと今の今まで噂をしていた、アナリス殿下だ。美しい微笑を浮かべながら、私に話し掛けてきたのだ。
「私にですか?はい、もちろん…」
「アナリス殿下、一体どういうつもりですか?」
穏やかな空気をぶった切ったのは、血相を変えてやって来たカルロス様だ。私を庇う様に背に隠すと、アナリス殿下を睨みつけている。一体どうしたのかしら?
「どうもこうもありませんわ。私はずっと、カルロス様の事をお慕いしていたのです。そもそもあなた様は、知識が豊富な女性がお好きだとおっしゃったではありませんか?だから私は、より知識を身に付けようと他国に留学しておりましたのに。それなのに別の令嬢と婚約してしまうだなんて…」
そう言ってシクシク涙を流すアナリス殿下。
「俺は知識が豊富な女性が好きとは言っておりません。知識は多い方がいいですねと、お話しただけです。そもそも陛下を通じて、しっかりお断りを入れたはずですが?」
「そんな…私はあなた様を思って、今まで頑張ってきましたのに…」
さらにシクシク泣くアナリス殿下。どうやらアナリス殿下は、カルロス様の事が大好きな様だ。
「ルミナス様、私はずっとカルロス様をお慕いしておりました。カルロス様が“知識を増やしたら結婚してやる”とおっしゃったから、留学もしたのです。それなのに…酷いと思いませんか?」
「ルミタン、殿下の言っている事は全部嘘だ。俺はずっと君だけを愛していた。陛下にも殿下にも、はっきりと断っていたんだ!本当だ、俺を信じて欲しい」
2人が必死に訴えてくる。
「あの…アナリス殿下。お言葉ですがカルロス様は“知識を増やしたら結婚してやる”なんておっしゃらないと思いますわ。彼は曲がった事は大嫌いだと、兄からも伺っております。ですので、その…殿下が何か勘違いされたのかと…」
「まあ、私が嘘を言っているとでもおっしゃるの?酷い…私はただ、カルロス様を愛していただけなのに…そもそも、あなた様は元騎士団長の娘ですわよね?カルロス様は、元騎士団長を尊敬していましたし。それを利用して、婚約者におさまったのですか?」
「殿下、変な言いがかりはやめて下さい。当時俺ははっきりと言いましたよね。”ルミナス嬢を愛している、彼女といずれ結婚したいから、あなた様とは結婚できない“と。そもそもあなた様が留学する事になったのは…いいえ、何でもありません。とにかく、これ以上ルミタンに絡むのはお止めください!」
「なによ、カルロス様ったら。とにかく私は、絶対にカルロス様を諦めないんだからね」
そう叫ぶと、教室から出て行ったアナリス殿下。
なんだったのかしら?あの人…
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