次期騎士団長の秘密を知ってしまったら、迫られ捕まってしまいました

Karamimi

文字の大きさ
20 / 66

第20話:アナリス殿下がグイグイ来ます

しおりを挟む
「ルミタン、すまない。彼女には俺からきちんと話をするよ…と言いたいところなのだが、あの方はあまり人の話しを聞かなくてね…陛下に話をするよ。それから、俺のいう事を信じてくれたありがとう。さすが俺のルミタンだ。嬉しいよ」

にんまりと笑ったカルロス様にギュッと抱きしめられ、頬ずりをされた。もちろん、締まりのない顔をしている。ただ、皆もう見慣れたのか、笑う人もいなくなったし、私もなんとも思わなくなった。

「カルロス様、アナリス殿下はあなた様の事を相当お好きな様ですが、そんなにすんなりと諦めて下さるのですか?」

話の感じから言って、諦めてくれそうには思えないのだが…

「大丈夫だよ。俺たちはもう婚約をしているのだから。ただ、あの人は少し思い込みが激しいから…とにかく、俺が何とかするから安心して欲しい。それじゃあ、また後で来るから」

そう言うと、カルロス様も教室を出て行った。大丈夫かしら?

「ルミナス、大丈夫だった?まさかアナリス殿下が、カルロス様をお好きだっただなんて。でもきっと大丈夫よ。カルロス様はあなたの事、気持ち悪いくらい愛していらっしゃるのだから。そうでしょう?ルミナス」

「…ええ、そうね…」

今さらりとカルロス様の事を気持ち悪いと言ったわね…やっぱり皆、カルロス様の事をそういった目で見ていたのか…

「そう言えば…」

ポツリと近くにいた令嬢が呟いた。

「あの…知り合いから聞いたのですが、アナリス殿下は非常に思い込みが激しく、どうやら留学も何か重大な事件を起こして、それをもみ消すために陛下が留学させたと聞いたことがありますわ…本当か嘘か分かりませんが…」

「確かに思い込みが激しそうですものね…ルミナス様、十分お気を付けください。私たちは、あなた達の味方ですわ」

いつの間にか完全に私とカルロス様の事を応援してくれているクラスメイトたち。有難い事なのだが…本当に有難い事なのだが、なんだか複雑な気持ちになる。

「…ありがとうございます」

とりあえずお礼だけ言っておいた。正直ライバルがこの国の第三王女というのが気になるが、まあ、何とかなるだろう。そう思っていたのだが…

「カルロス様、王宮の料理長特製、焼き立ての厚切りステーキです。ぜひ食べて下さい。こっちは朝とれた新鮮な野菜を使ったサラダですわ」

お昼休み、私の元にやって来ていたカルロス様の元に、当たり前の様にやって来たアナリス殿下。カルロス様の逆サイドをがっちりキープしている。

「アナリス殿下、悪いがそれは君の為に料理長が作った食事だろう?俺は自分のを食べますから、遠慮いたします。さあ、ルミタン、一緒にお弁当を食べよう。はい、ルミタンの好きな、野菜と生ハムのロールだよ」

「あ…ありがとうございます…」

カルロス様が私に野菜と生ハムのロールを口に入れた瞬間、後ろからドンと押されたのだ。

フォークが喉の奥まで入ってしまい、せき込む。

「あらごめんなさい。ちょっとぶつかってしまって」

「何がごめんなさいだ。今わざとルミタンにぶつかっただろう?ルミタン、大丈夫かい?」

「え…ええ、大丈夫ですわ…」

「ちょっとぶつかったくらいで、大げさな方ですわね。もしかして、カルロス様に構って欲しくて、その様な事をしていらっしゃるのですか?」

「何だと?とにかく一度医務室に行こう。もしかしたらフォークが喉を傷つけているかもしれないから」

「大丈夫ですわ。そんな事はありませんので。さあ、食事の続きをしましょう」

「いいや、もしもの事があったら大変だ。とにかくすぐに医務室へ」

私を抱きかかえ、急いで医務室へと向かうカルロス様。

「待って、カルロス様。私も行くわ」

当たり前の様についてくるアナリス殿下に対し、付いてこないで欲しいと伝えるカルロス様。カルロス様も大変そうだ。

診察の結果、何ともないとの事だ。

「だから言ったでしょう。カルロス様は大げさなのよ。せっかくのお昼休みが、あなたのせいで潰れたじゃない。どうしてくれるのよ!」

「ごめんなさい、アナリス殿下…」

「ルミタンが謝る必要は無い。もとはと言えば、アナリス殿下がルミタンを押したからこの様な事になったんだ。謝るのはあなたの方でしょう」

「何よ、カルロス様ったら。そんなにこの女が大切なの?とにかく、もう教室に戻りましょう。あなた、1人で戻れるわよね」

「ええ、もちろん…」

「ルミタンを1人で教室に戻らせる訳にはいかない。俺はルミタンを送っていくから、アナリス殿下はお1人で戻っていてください。それでは俺たちはこれで」

「ちょっと待って下さい、カルロス様が行くなら私も行きますわ。それにしても、カルロス様がいないと何にも出来ないのね。こんな女のどこがいいのかしら?」

「アナリス殿下、ルミタンの悪口を言うのはやめて下さい。俺が好きでやっているのですから」

「あら、私は思った事を言っただけですわ。よくみたら、どこにでもいそうな顔だし…」

私の事が相当不満な様で、私の悪口を言っては、カルロス様に怒られているアナリス殿下。非常に気まずい中、教室に戻ってきた。

「それじゃあルミタン、また放課後」

「あら、放課後まで一緒にいるのですか?それなら私ももちろん、一緒にいますわ」

すかさずアナリス殿下が話に入って来る。アナリス殿下まで一緒にいるのか…それにしてもアナリス殿下、カルロス様の事なんて全く無視で、グイグイ来るわね。これは大変だわ…
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完結】公爵家の妾腹の子ですが、義母となった公爵夫人が優しすぎます!

ましゅぺちーの
恋愛
リデルはヴォルシュタイン王国の名門貴族ベルクォーツ公爵の血を引いている。 しかし彼女は正妻の子ではなく愛人の子だった。 父は自分に無関心で母は父の寵愛を失ったことで荒れていた。 そんな中、母が亡くなりリデルは父公爵に引き取られ本邸へと行くことになる そこで出会ったのが父公爵の正妻であり、義母となった公爵夫人シルフィーラだった。 彼女は愛人の子だというのにリデルを冷遇することなく、母の愛というものを教えてくれた。 リデルは虐げられているシルフィーラを守り抜き、幸せにすることを決意する。 しかし本邸にはリデルの他にも父公爵の愛人の子がいて――? 「愛するお義母様を幸せにします!」 愛する義母を守るために奮闘するリデル。そうしているうちに腹違いの兄弟たちの、公爵の愛人だった実母の、そして父公爵の知られざる秘密が次々と明らかになって――!? ヒロインが愛する義母のために強く逞しい女となり、結果的には皆に愛されるようになる物語です! 完結まで執筆済みです! 小説家になろう様にも投稿しています。

愛する夫が目の前で別の女性と恋に落ちました。

ましゅぺちーの
恋愛
伯爵令嬢のアンジェは公爵家の嫡男であるアランに嫁いだ。 子はなかなかできなかったが、それでも仲の良い夫婦だった。 ――彼女が現れるまでは。 二人が結婚して五年を迎えた記念パーティーでアランは若く美しい令嬢と恋に落ちてしまう。 それからアランは変わり、何かと彼女のことを優先するようになり……

【完結済】隣国でひっそりと子育てしている私のことを、執着心むき出しの初恋が追いかけてきます

鳴宮野々花@書籍4作品発売中
恋愛
 一夜の過ちだなんて思いたくない。私にとって彼とのあの夜は、人生で唯一の、最良の思い出なのだから。彼のおかげで、この子に会えた────  私、この子と生きていきますっ!!  シアーズ男爵家の末娘ティナレインは、男爵が隣国出身のメイドに手をつけてできた娘だった。ティナレインは隣国の一部の者が持つ魔力(治癒術)を微力ながら持っており、そのため男爵夫人に一層疎まれ、男爵家後継ぎの兄と、世渡り上手で気の強い姉の下で、影薄く過ごしていた。  幼いティナレインは、優しい侯爵家の子息セシルと親しくなっていくが、息子がティナレインに入れ込みすぎていることを嫌う侯爵夫人は、シアーズ男爵夫人に苦言を呈す。侯爵夫人の機嫌を損ねることが怖い義母から強く叱られ、ティナレインはセシルとの接触を禁止されてしまう。  時を経て、貴族学園で再会する二人。忘れられなかったティナへの想いが燃え上がるセシルは猛アタックするが、ティナは自分の想いを封じ込めるように、セシルを避ける。  やがてティナレインは、とある商会の成金経営者と婚約させられることとなり、学園を中退。想い合いながらも会うことすら叶わなくなった二人だが、ある夜偶然の再会を果たす。  それから数ヶ月。結婚を目前に控えたティナレインは、隣国へと逃げる決意をした。自分のお腹に宿っていることに気付いた、大切な我が子を守るために。  けれど、名を偽り可愛い我が子の子育てをしながら懸命に生きていたティナレインと、彼女を諦めきれないセシルは、ある日運命的な再会を果たし────  生まれ育った屋敷で冷遇され続けた挙げ句、最低な成金ジジイと結婚させられそうになったヒロインが、我が子を守るために全てを捨てて新しい人生を切り拓いていこうと奮闘する物語です。 ※いつもの完全オリジナルファンタジー世界の物語です。全てがファンタジーです。 ※この作品は小説家になろう、カクヨムにも投稿しています。

偽聖女と追放された私は、辺境で定食屋をはじめます~こっそり生活魔法で味付けしていたら、氷の騎士団長様が毎日通ってくるんですけど!?~

咲月ねむと
恋愛
【アルファポリス女性向けHOTランキング1位達成作品!!】 あらすじ 「役立たずの偽聖女め、この国から出て行け!」 ​聖女として召喚されたものの、地味な【生活魔法】しか使えず「ハズレ」の烙印を押されたエリーナ。 彼女は婚約者である王太子に婚約破棄され、真の聖女と呼ばれる義妹の陰謀によって国外追放されてしまう。 ​しかし、エリーナはめげなかった。 実は彼女の【生活魔法】は、一瞬で廃墟を新築に変え、どんな食材も極上の味に変えるチートスキルだったのだ! ​北の辺境の地へ辿り着いたエリーナは、念願だった自分の定食屋『陽だまり亭』をオープンする。 すると、そこへ「氷の騎士団長」と恐れられる冷徹な美形騎士・クラウスがやってきて――。 ​「……味がする。お前の料理だけが、俺の呪いを解いてくれるんだ」 ​とある呪いで味覚を失っていた彼は、エリーナの料理にだけ味を感じると判明。 以来、彼は毎日のように店に通い詰め、高額な代金を置いていったり、邪魔する敵を排除したりと、エリーナを過保護なまでに溺愛し始める。 ​最強の騎士団長と騎士たちに胃袋を掴んで守られながら、エリーナは辺境で幸せなスローライフを満喫中?

王妃を蔑ろにし、愛妾を寵愛していた王が冷遇していた王妃と入れ替わるお話。

ましゅぺちーの
恋愛
王妃を蔑ろにして、愛妾を寵愛していた王がある日突然その王妃と入れ替わってしまう。 王と王妃は体が元に戻るまで周囲に気づかれないようにそのまま過ごすことを決める。 しかし王は王妃の体に入ったことで今まで見えてこなかった愛妾の醜い部分が見え始めて・・・!? 全18話。

愛する夫にもう一つの家庭があったことを知ったのは、結婚して10年目のことでした

ましゅぺちーの
恋愛
王国の伯爵令嬢だったエミリアは長年の想い人である公爵令息オリバーと結婚した。 しかし、夫となったオリバーとの仲は冷え切っていた。 オリバーはエミリアを愛していない。 それでもエミリアは一途に夫を想い続けた。 子供も出来ないまま十年の年月が過ぎ、エミリアはオリバーにもう一つの家庭が存在していることを知ってしまう。 それをきっかけとして、エミリアはついにオリバーとの離婚を決意する。 オリバーと離婚したエミリアは第二の人生を歩み始める。 一方、最愛の愛人とその子供を公爵家に迎え入れたオリバーは後悔に苛まれていた……。

公爵様のバッドエンドを回避したいだけだったのに、なぜか溺愛されています

六花心碧
恋愛
お気に入り小説の世界で名前すら出てこないモブキャラに転生してしまった! 『推しのバッドエンドを阻止したい』 そう思っただけなのに、悪女からは脅されるし、小説の展開はどんどん変わっていっちゃうし……。 推しキャラである公爵様の反逆を防いで、見事バッドエンドを回避できるのか……?! ゆるくて、甘くて、ふわっとした溺愛ストーリーです➴⡱ ◇2025.3 日間・週間1位いただきました!HOTランキングは最高3位いただきました!  皆様のおかげです、本当にありがとうございました(ˊᗜˋ*) (外部URLで登録していたものを改めて登録しました! ◇他サイト様でも公開中です)

愛されなかった公爵令嬢のやり直し

ましゅぺちーの
恋愛
オルレリアン王国の公爵令嬢セシリアは、誰からも愛されていなかった。 母は幼い頃に亡くなり、父である公爵には無視され、王宮の使用人達には憐れみの眼差しを向けられる。 婚約者であった王太子と結婚するが夫となった王太子には冷遇されていた。 そんなある日、セシリアは王太子が寵愛する愛妾を害したと疑われてしまう。 どうせ処刑されるならと、セシリアは王宮のバルコニーから身を投げる。 死ぬ寸前のセシリアは思う。 「一度でいいから誰かに愛されたかった。」と。 目が覚めた時、セシリアは12歳の頃に時間が巻き戻っていた。 セシリアは決意する。 「自分の幸せは自分でつかみ取る!」 幸せになるために奔走するセシリア。 だがそれと同時に父である公爵の、婚約者である王太子の、王太子の愛妾であった男爵令嬢の、驚くべき真実が次々と明らかになっていく。 小説家になろう様にも投稿しています。 タイトル変更しました!大幅改稿のため、一部非公開にしております。

処理中です...