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第25話:話が違うじゃないか~カルロス視点~
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「いくら何でも、アナリスが可哀そうだ。結婚相手くらい、自分で決めさせてやってくれ」
アナリス殿下が退場した後、王太子殿下に泣きつく陛下。自分の息子に泣きつくだなんて、情けない男だ。
「ダメです。アナリスは隣国の王太子殿下の元に嫁がせますから。とにかく、すぐに話しを進めないといけませんので、僕はこれで失礼いたします。カルロス殿、クラッセル公爵、改めてアナリスが申し訳ございませんでした」
俺たちに一礼して去っていく王太子殿下。やはり今回、王太子殿下がいてくれて助かった。
「それでは私たちもこれで失礼いたします。陛下、アナリス殿下が隣国に嫁げば、我が国にとっても有益につながる事は間違いありません。あなたは国王なのですよ。国の事を一番に考えて下さい」
「私だって分かっている。とにかくこれ以上、アナリスがカルロス殿に近づかない様に私も手を打とう」
はぁ~っとため息を付きながら陛下が呟いている。ため息を付きたいのは俺の方だ。とにかく王族との話し合いは終わった。次はドリトルとの話し合いだな。
午後、ドリトルとルミタンの母親が我が家に尋ねて来た。
「カリオスティーノ侯爵、元夫人、よく来てくださった。早速なのだが、午前中王族と話をしてきて、もう二度とカルロスには近づかせないと約束してくれた。貴族学院も辞めさせるし、アナリス殿下は隣国の王太子の元に嫁がせると王太子殿下が約束してくれましてね。侯爵や元夫人にもいらぬ心配をさせてしまい、すまなかった」
父上が笑顔でそう伝えた。
「そうでしたか、ありがとうございます。そうなりますと、近々王太子殿下は隣国に向かうのですよね。確かカルロス殿誘拐未遂事件も、王太子殿下がいなかった時だった様な…」
顎に手を当て、そう呟くドリトル。
「ドリトル、何が言いたいの?公爵様も王太子殿下も動いて下さっているのなら、もう大丈夫なのではなくって?」
元夫人が心配そうに呟いている。
「いいや、油断は出来ないよ。騎士団の基本は、いくら危険が去ったからと言っても、根本の原因が完全に取り除かれない限り、油断はするな!だよね?カルロス殿」
「…ええ、そうですね…」
かつて俺をしばき倒していた時の鋭い目つきのドリトルに戻った。こいつ、さすが元騎士団長の息子、さらに次期騎士団長になるとまで言われた男の事だけはある。たとえ騎士団を辞めても、この男は団員だった時の教訓が身に付いているんだな…恐ろしい男だ。
「それでしたら、安心はできません。とにかく、無事アナリス殿下が隣国に嫁ぐまでは、最大限警戒していきましょう」
そう笑顔で呟くドリトル。その後ルミタンへの護衛の強化などについて話し合いが行われ、ドリトル達は帰って行った。
「いやぁ~、さすが名誉騎士団長の息子だな。ドリトル殿が騎士団に残っていたら、きっとカルロスは騎士団長にはなれなかっただろうな」
そう言って笑いながら俺の肩を父上が叩いていた。確かにドリトルがいたら、俺が次期騎士団長になる事は出来なかっただろう。改めてドリトルのすごさを感じた。そして、ルミタンの兄がドリトルでよかった。そう改めて思った。きっとドリトルなら、どんな相手が来ても、一撃で倒してしまうだろう。あいつは鬼の様に強いのだから…
ただ、王太子殿下もああ言っていたし、さすがのアナリス殿下ももう俺に近づく事は出来ないだろう。
そう思っていたのだが…
翌日
「カルロス様~」
馬車から降りると、満面の笑みで俺の方にやって来るアナリス殿下が…これは夢か?一瞬そう思ったが、どうやら現実の様だ。
「おはようございます。昨日は1人で帰ってしまわれて寂しかったですわ。今日はゆっくりお茶をしましょう」
「アナリス殿下、あなた様は学院を退学になったのではなかったのですか?王太子殿下は…」
「お兄様は朝早く隣国に行きましたわ。だからお父様に頼んで、退学手続きを停止してもらいましたの。私、絶対に隣国には嫁ぎませんから!」
何だって!そうか、王太子殿下は隣国の王太子殿下と話をするため、旅立ったのか!それで全く役に立たないどころか、いらん事しかしない国王が退学手続きを取り消したのか!
おのれ国王め!!!
そうか…昨日ドリトルが警戒していたのは、この事だったのか…
今朝も
“万が一アナリス殿下が学院に来ていたらいけないから、ルミナスは侯爵家の馬車でいかせる”
と言って、俺の迎えを拒否したのだな。
それにしても、王族どもめ。嘘ばっかり並べやがって!とにかくすぐに王族に抗議をしないと。でも、肝心の唯一話が通じる王太子殿下はいないし…
とにかく王太子殿下が帰ってくるまで、この女は野放しという訳か…
そして俺は、しばらく愛しのルミタンに会う事も出来ないだなんて!
俺の周りをウロチョロする目障りな女を視界に入れながら、これからどうしたものかと頭を抱えるのだった。
※次回、ルミナス視点に戻ります。
アナリス殿下が退場した後、王太子殿下に泣きつく陛下。自分の息子に泣きつくだなんて、情けない男だ。
「ダメです。アナリスは隣国の王太子殿下の元に嫁がせますから。とにかく、すぐに話しを進めないといけませんので、僕はこれで失礼いたします。カルロス殿、クラッセル公爵、改めてアナリスが申し訳ございませんでした」
俺たちに一礼して去っていく王太子殿下。やはり今回、王太子殿下がいてくれて助かった。
「それでは私たちもこれで失礼いたします。陛下、アナリス殿下が隣国に嫁げば、我が国にとっても有益につながる事は間違いありません。あなたは国王なのですよ。国の事を一番に考えて下さい」
「私だって分かっている。とにかくこれ以上、アナリスがカルロス殿に近づかない様に私も手を打とう」
はぁ~っとため息を付きながら陛下が呟いている。ため息を付きたいのは俺の方だ。とにかく王族との話し合いは終わった。次はドリトルとの話し合いだな。
午後、ドリトルとルミタンの母親が我が家に尋ねて来た。
「カリオスティーノ侯爵、元夫人、よく来てくださった。早速なのだが、午前中王族と話をしてきて、もう二度とカルロスには近づかせないと約束してくれた。貴族学院も辞めさせるし、アナリス殿下は隣国の王太子の元に嫁がせると王太子殿下が約束してくれましてね。侯爵や元夫人にもいらぬ心配をさせてしまい、すまなかった」
父上が笑顔でそう伝えた。
「そうでしたか、ありがとうございます。そうなりますと、近々王太子殿下は隣国に向かうのですよね。確かカルロス殿誘拐未遂事件も、王太子殿下がいなかった時だった様な…」
顎に手を当て、そう呟くドリトル。
「ドリトル、何が言いたいの?公爵様も王太子殿下も動いて下さっているのなら、もう大丈夫なのではなくって?」
元夫人が心配そうに呟いている。
「いいや、油断は出来ないよ。騎士団の基本は、いくら危険が去ったからと言っても、根本の原因が完全に取り除かれない限り、油断はするな!だよね?カルロス殿」
「…ええ、そうですね…」
かつて俺をしばき倒していた時の鋭い目つきのドリトルに戻った。こいつ、さすが元騎士団長の息子、さらに次期騎士団長になるとまで言われた男の事だけはある。たとえ騎士団を辞めても、この男は団員だった時の教訓が身に付いているんだな…恐ろしい男だ。
「それでしたら、安心はできません。とにかく、無事アナリス殿下が隣国に嫁ぐまでは、最大限警戒していきましょう」
そう笑顔で呟くドリトル。その後ルミタンへの護衛の強化などについて話し合いが行われ、ドリトル達は帰って行った。
「いやぁ~、さすが名誉騎士団長の息子だな。ドリトル殿が騎士団に残っていたら、きっとカルロスは騎士団長にはなれなかっただろうな」
そう言って笑いながら俺の肩を父上が叩いていた。確かにドリトルがいたら、俺が次期騎士団長になる事は出来なかっただろう。改めてドリトルのすごさを感じた。そして、ルミタンの兄がドリトルでよかった。そう改めて思った。きっとドリトルなら、どんな相手が来ても、一撃で倒してしまうだろう。あいつは鬼の様に強いのだから…
ただ、王太子殿下もああ言っていたし、さすがのアナリス殿下ももう俺に近づく事は出来ないだろう。
そう思っていたのだが…
翌日
「カルロス様~」
馬車から降りると、満面の笑みで俺の方にやって来るアナリス殿下が…これは夢か?一瞬そう思ったが、どうやら現実の様だ。
「おはようございます。昨日は1人で帰ってしまわれて寂しかったですわ。今日はゆっくりお茶をしましょう」
「アナリス殿下、あなた様は学院を退学になったのではなかったのですか?王太子殿下は…」
「お兄様は朝早く隣国に行きましたわ。だからお父様に頼んで、退学手続きを停止してもらいましたの。私、絶対に隣国には嫁ぎませんから!」
何だって!そうか、王太子殿下は隣国の王太子殿下と話をするため、旅立ったのか!それで全く役に立たないどころか、いらん事しかしない国王が退学手続きを取り消したのか!
おのれ国王め!!!
そうか…昨日ドリトルが警戒していたのは、この事だったのか…
今朝も
“万が一アナリス殿下が学院に来ていたらいけないから、ルミナスは侯爵家の馬車でいかせる”
と言って、俺の迎えを拒否したのだな。
それにしても、王族どもめ。嘘ばっかり並べやがって!とにかくすぐに王族に抗議をしないと。でも、肝心の唯一話が通じる王太子殿下はいないし…
とにかく王太子殿下が帰ってくるまで、この女は野放しという訳か…
そして俺は、しばらく愛しのルミタンに会う事も出来ないだなんて!
俺の周りをウロチョロする目障りな女を視界に入れながら、これからどうしたものかと頭を抱えるのだった。
※次回、ルミナス視点に戻ります。
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