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第45話:事件後初の王族との面会~カルロス視点~
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あの忌まわしい事件から早1ヶ月。俺もルミタンも無事退院できた。ただルミタンはまだ足の骨が治っていないため、自宅で療養している。
俺は傷口も閉じ、今日から貴族学院に通い始めた。でも、やはりルミタンのいない貴族学院は退屈でたまらなかった。
学院が終わると、1ヶ月ぶりに騎士団の稽古場へと顔を出す。今日は午後から王族に呼ばれているのだが、その前に騎士団長に呼び出されている為、騎士団へとやって来たのだ。
「騎士団長、長い間お休みをいただき、ありがとうございました。それで、お話しというのは…」
「カルロス、よく来てくれたな。今回の件、大変だったな。傷の方はどうだい?」
「お陰様でしっかり傷は塞がりました。傷痕は残っておりますが、勲章みたいなものです」
「勲章か…本当にアナリス殿下には困ったものだ。今も北の塔に幽閉されているが“早くここから出せ”と、かなり騒いている様だ。隣国の王太子殿下との結婚も無しになったし…」
そう言って騎士団長がため息を付く。さすがに今回の騒ぎを起こしたアナリス殿下を嫁に貰ってくれるほど、隣国もお人好しではないだろう。
「アナリス殿下の件は、今日にでも私から話をしてみようと思っています。今父とカリオスティーノ侯爵が、裁判に向けて書類の準備もしていますし。それに魔物に手を出すのは、極刑に値する行為です。もちろん、王女でも例外ではありませんから…」
「そうだな、我が騎士団からも、アナリス殿下が関わっていたという証拠の書類を今まとめているところだ。他の貴族たちも今回の件で、かなり騒いでいるし。何より魔物たちが、動き出している…もし魔物たちが街を襲う様なことになれば、王族そのものの存続が危うくなるかもしれないな…」
騎士団長がため息を付く。
「魔物が動き出しているとは…」
「東の森でサンダードラゴンを中心に、かなり活発に動いている様だ。子供は無事返したが、相当ご立腹なのだろう。体制が整い次第、襲ってくるかもしれない。カルロス、もしそうなったら、俺は討伐部隊を率いて魔物退治に行く。だから副団長のお前は、残った騎士団員たちをまとめ上げてくれ」
「何をおっしゃっているのですか?俺ももちろん参加します。俺は元騎士団長の様に、強くて困っている人間を助けるために騎士団になったのです。ですから…」
「カルロス、お前はまだ学生の身だ。今回は俺に任せろ。それに、ルミナス嬢は魔物討伐で父親を亡くている。彼女の心境を考えたら、お前は参加しない方がいいだろう」
確かに騎士団長の言う通り、ルミタンの父親、俺の尊敬する元騎士団長は、魔物たちのせいで命を落とした。もし俺が魔物討伐に参加すると言ったら、ルミタンは悲しむだろう…
「そんな顔をするな。まだ魔物たちが街を襲ったわけではない。このまま何も起こらないかもしれないし。ただ、もしもの時の話をしただけだ」
「はい、分かりました」
騎士団長と話をした後、一度ルミタンの様子を見てから屋敷に戻ってきた。
「カルロス、遅かったな。早速王宮に行こう」
父上と一緒に馬車に乗り込み、王宮を目指す。
「それで騎士団長の話は何だったんだ?」
「はい、やはり魔物たちが活発に動いている様で、もしもの時は残った王都の騎士団員の事を頼むとの事でした」
「そうか…万が一魔物たちが街を襲う様なことがあれば、騎士団長が指揮をとる事になるだろうからな…でも、お前も討伐部隊に参加したいのではないのか?」
「ええ、ただ…ルミタンがどう思うか…それに俺はまだ学生の身なので、参加は難しい様です」
俺は元騎士団長、ルミタンの父親を誰よりも尊敬している。いつか元騎士団長の様になりたいと思って、今まで必死に稽古を続けて来た。だからこそ、魔物討伐には必ず参加したい。でも…
「まだ魔物たちが襲ってきた訳ではない。とにかく、今は目の前の事を片付ける事が専決だな」
目の前の事か…
いつの間にか王宮に着いていた様で、馬車から降り王族たちが待つ部屋へと向かった。
俺たちが部屋に入ると
「カルロス殿、今回の件、本当にすまなかった。まさかアナリスが僕の目を盗んで、あんな事をしているだなんて思わなかったんだ」
ものすごい勢いで謝罪してきたのは、王太子殿下だ。後ろで陛下や王妃殿下も頭を下げている。
「謝罪は結構です。それよりも、侯爵令嬢で私の婚約者でもあるルミナスを崖から突き落としただけでなく、魔物まで攫ってきて!いくら王族でも、さすがに許される事ではありません。その件については、どうお考えですか?」
「ルミナス嬢には本当に申し訳ない事をしたと思っている。直接謝罪をしたいと伝えたのだが、カリオスティーノ侯爵から“まだ会わせられる状況ではありませんので”と言われてしまって。それで、ルミナス嬢の容態はどうなんだ?」
「退院はしましたが、まだ歩く事は困難な状況です。とにかく、謝罪は結構ですので、早急にアナリス殿下の裁判を行い、厳正なる処罰を願うまでです。それから、騎士団長の話では、サンダードラゴンを中心に魔物たちが活発に動き出しているとの事。万が一魔物たちが街を襲いでもしたら…」
「魔物の件も聞いている…万が一その様な事になれば、アナリスは法律にのっとり…」
「待ってくれ!アナリスは悪気はなかったんだ。だから命だけは…」
「悪気がなかったですって?崖から故意に突き落としただけでなく、私をルミナスから引き離すためだけに、魔物を攫ってきておいて、悪気がないだなんて、よくそんな事が言えるものだ!魔物に手を出すことがどれだけ重罪か、王女ならわかるはずでしょう。それとも、それすら分からない程、王女は愚かなのですか?王女だという理由で今回の罪を軽くすれば、貴族はもちろん平民たちからも不満が上がるでしょう。王族の存続の危機にもつながりかねないと、私は考えております」
頭の悪い陛下にはっきり言ってやった。
俺は傷口も閉じ、今日から貴族学院に通い始めた。でも、やはりルミタンのいない貴族学院は退屈でたまらなかった。
学院が終わると、1ヶ月ぶりに騎士団の稽古場へと顔を出す。今日は午後から王族に呼ばれているのだが、その前に騎士団長に呼び出されている為、騎士団へとやって来たのだ。
「騎士団長、長い間お休みをいただき、ありがとうございました。それで、お話しというのは…」
「カルロス、よく来てくれたな。今回の件、大変だったな。傷の方はどうだい?」
「お陰様でしっかり傷は塞がりました。傷痕は残っておりますが、勲章みたいなものです」
「勲章か…本当にアナリス殿下には困ったものだ。今も北の塔に幽閉されているが“早くここから出せ”と、かなり騒いている様だ。隣国の王太子殿下との結婚も無しになったし…」
そう言って騎士団長がため息を付く。さすがに今回の騒ぎを起こしたアナリス殿下を嫁に貰ってくれるほど、隣国もお人好しではないだろう。
「アナリス殿下の件は、今日にでも私から話をしてみようと思っています。今父とカリオスティーノ侯爵が、裁判に向けて書類の準備もしていますし。それに魔物に手を出すのは、極刑に値する行為です。もちろん、王女でも例外ではありませんから…」
「そうだな、我が騎士団からも、アナリス殿下が関わっていたという証拠の書類を今まとめているところだ。他の貴族たちも今回の件で、かなり騒いでいるし。何より魔物たちが、動き出している…もし魔物たちが街を襲う様なことになれば、王族そのものの存続が危うくなるかもしれないな…」
騎士団長がため息を付く。
「魔物が動き出しているとは…」
「東の森でサンダードラゴンを中心に、かなり活発に動いている様だ。子供は無事返したが、相当ご立腹なのだろう。体制が整い次第、襲ってくるかもしれない。カルロス、もしそうなったら、俺は討伐部隊を率いて魔物退治に行く。だから副団長のお前は、残った騎士団員たちをまとめ上げてくれ」
「何をおっしゃっているのですか?俺ももちろん参加します。俺は元騎士団長の様に、強くて困っている人間を助けるために騎士団になったのです。ですから…」
「カルロス、お前はまだ学生の身だ。今回は俺に任せろ。それに、ルミナス嬢は魔物討伐で父親を亡くている。彼女の心境を考えたら、お前は参加しない方がいいだろう」
確かに騎士団長の言う通り、ルミタンの父親、俺の尊敬する元騎士団長は、魔物たちのせいで命を落とした。もし俺が魔物討伐に参加すると言ったら、ルミタンは悲しむだろう…
「そんな顔をするな。まだ魔物たちが街を襲ったわけではない。このまま何も起こらないかもしれないし。ただ、もしもの時の話をしただけだ」
「はい、分かりました」
騎士団長と話をした後、一度ルミタンの様子を見てから屋敷に戻ってきた。
「カルロス、遅かったな。早速王宮に行こう」
父上と一緒に馬車に乗り込み、王宮を目指す。
「それで騎士団長の話は何だったんだ?」
「はい、やはり魔物たちが活発に動いている様で、もしもの時は残った王都の騎士団員の事を頼むとの事でした」
「そうか…万が一魔物たちが街を襲う様なことがあれば、騎士団長が指揮をとる事になるだろうからな…でも、お前も討伐部隊に参加したいのではないのか?」
「ええ、ただ…ルミタンがどう思うか…それに俺はまだ学生の身なので、参加は難しい様です」
俺は元騎士団長、ルミタンの父親を誰よりも尊敬している。いつか元騎士団長の様になりたいと思って、今まで必死に稽古を続けて来た。だからこそ、魔物討伐には必ず参加したい。でも…
「まだ魔物たちが襲ってきた訳ではない。とにかく、今は目の前の事を片付ける事が専決だな」
目の前の事か…
いつの間にか王宮に着いていた様で、馬車から降り王族たちが待つ部屋へと向かった。
俺たちが部屋に入ると
「カルロス殿、今回の件、本当にすまなかった。まさかアナリスが僕の目を盗んで、あんな事をしているだなんて思わなかったんだ」
ものすごい勢いで謝罪してきたのは、王太子殿下だ。後ろで陛下や王妃殿下も頭を下げている。
「謝罪は結構です。それよりも、侯爵令嬢で私の婚約者でもあるルミナスを崖から突き落としただけでなく、魔物まで攫ってきて!いくら王族でも、さすがに許される事ではありません。その件については、どうお考えですか?」
「ルミナス嬢には本当に申し訳ない事をしたと思っている。直接謝罪をしたいと伝えたのだが、カリオスティーノ侯爵から“まだ会わせられる状況ではありませんので”と言われてしまって。それで、ルミナス嬢の容態はどうなんだ?」
「退院はしましたが、まだ歩く事は困難な状況です。とにかく、謝罪は結構ですので、早急にアナリス殿下の裁判を行い、厳正なる処罰を願うまでです。それから、騎士団長の話では、サンダードラゴンを中心に魔物たちが活発に動き出しているとの事。万が一魔物たちが街を襲いでもしたら…」
「魔物の件も聞いている…万が一その様な事になれば、アナリスは法律にのっとり…」
「待ってくれ!アナリスは悪気はなかったんだ。だから命だけは…」
「悪気がなかったですって?崖から故意に突き落としただけでなく、私をルミナスから引き離すためだけに、魔物を攫ってきておいて、悪気がないだなんて、よくそんな事が言えるものだ!魔物に手を出すことがどれだけ重罪か、王女ならわかるはずでしょう。それとも、それすら分からない程、王女は愚かなのですか?王女だという理由で今回の罪を軽くすれば、貴族はもちろん平民たちからも不満が上がるでしょう。王族の存続の危機にもつながりかねないと、私は考えております」
頭の悪い陛下にはっきり言ってやった。
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