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第58話:カルロス様が…
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「分かりましたわ。皆、ごめんね。なんだか急用の様で…」
「何言っているの。私達の事は気にしないで。どうやら緊急の様だし、ルミナスのお祝いはまた別の日にしましょう」
「ありがとう、皆。それじゃあ、また明日ね」
出来るだけ冷静を装う。ただ…先生の緊迫した様子からして、良くない報告なのだろう。もしかして、カルロス様の身に何かあったのかしら?
一気に体が強張る。大丈夫よ…きっと大丈夫…
震える体を必死に抑えて、馬車に乗り込んだ。恐怖から体が震える。もしかしたらカルロス様ではなく、家族に何かあったのかもしれない…どちらにしろ、わざわざ帰ってこいだなんて、ただ事ではないのだわ。
貴族学院から家までは、馬車で約5分、その5分が、永遠とも感じられる。どうか私の取り越し苦労であってほしい。そう願いつつ、屋敷に着くのを待つ。
まだかしら?なんだか落ち着かなくて、馬車の中をウロウロとする。すると、やっと屋敷が見えて来た。馬車が停まると同時に馬車から飛び降り、屋敷へと向かう。
玄関を勢い良く開けると、そこには涙を流しているクラッセル夫人と、夫人を必死に宥めるお母様。さらに厳しい顔をしたお兄様とクラッセル公爵の姿も。
「皆様お集りになって、一体どうされたのですか?まさかカルロス様の身に何か…」
急いで皆の元に駆け寄った。
「ルミナス、落ち着いて聞くんだ。カルロス殿だが、どうやら討伐中に大けがを負った様で、今現地の病院で治療を受けているそうだ」
「何ですって…カルロス様が…でも、カルロス様はとてもお強いのよ。大けがと言っても、命に別状はないのよね。そうでしょう、お兄様!」
必死にお兄様に縋る。すると…
「怪我の具合はあまり良くないらしい。意識があるのかないのかすら、今は分からない。とにかく私とドリトル殿は現地に向かい、カルロスの様子を見てくるよ」
そんな…
その場にへたり込む…
「ルミナス、大丈夫?しっかりしなさい」
お母様が駆け寄ってきた。カルロス様が大けが…意識があるかも分からないだなんて。
「とにかく、私たちはすぐに現地に向かう。幸いカルロスの頑張りのお陰で、魔物は沈静化出来たらしい。ドリトル殿、行こうか」
「はい!」
公爵とお兄様が、急いで玄関を出て行こうとしている。
「お待ちください!私も連れて行ってください!私はカルロス様の婚約者です。お願いします!」
こんな所で指をくわえて報告を待っているだなんて出来ない。一刻も早く、カルロス様に会いたいのだ。
「ダメだ!現地はまだ混乱している。たくさんのケガ人も出ている様だし。とにかく俺たちが行って様子を…」
「待てません。お願いします、私はカルロス様に酷い暴言を吐いたまま、彼を送り出してしまいました。その事を今、物凄く後悔しています。もし今、現地に向かわなければ、もっともっと後悔すると思うのです。お願いです、どうか連れて行ってください!もし連れて行ってくれなくても、私は1人で現地に向かいますわ」
真っすぐお兄様と公爵様を見つめ、そう告げた。もう後悔はしたくない、たとえどんな現実が待っていようと、王都で待っているだなんて私には出来ないのだ。
「分かったよ、ルミナス嬢。ただ…風呂に入れるかどうかも分からないし、ベッドで眠れるかどいうかも分からない。そんな現場だぞ、いいのかい?」
「お風呂に入れなくてもベッドで寝られなくても、私は構いません。公爵様、ありがとうございます。すぐに準備をして参りますので、少しお待ちを」
ペコリと頭を下げると、急いで自室に戻り準備をする。
「お嬢様、正気ですか?つい今しがたまで魔物と戦っていた場所に向かうだなんて」
隣でミリーが目を丸くして私に問いかけている。
「当たり前でしょう。私はカルロス様の婚約者よ。こんなところで指をくわえて待っているだなんて、出来ないわ。それに私、あの日の事をとても後悔しているの。このままカルロス様にもしもの事があったら、私、悔いても悔いきれない!」
あの日の私は、どうしてカルロス様を見送らなかったのだろう…本当に当時の自分を殴りたいくらい後悔している。だからこそ、もう二度と後悔はしたくないのだ。
「はぁ~、お嬢様は本当に頑固で意地っ張りで、どうしようもない人ですね。本当にもう…」
誰が頑固で意地っ張りでどうしようもない人よ!でも…ため息を付きつつも、準備を手伝ってくれるミリー。彼女なりに私を応援してくれている様だ。
「いいですか、お嬢様。こちらが下着、こちらがワンピースです。お風呂に入れないとの事なので、タオルを多めに入れておきました。これで体を拭いて下さい」
「ありがとう、ミリー。それじゃあ、行ってくるわね」
胸にはカルロス様に似た狼のブローチを付けた。大きなカバンを持って、そのまま玄関へと向かう。
「お待たせしました、さあ、参りましょう」
一刻も早くカルロス様に会いたい、そんな思いで、我先に馬車に乗り込んだ。
カルロス様、今から参ります。どうか命だけは取り留めていてください!
「何言っているの。私達の事は気にしないで。どうやら緊急の様だし、ルミナスのお祝いはまた別の日にしましょう」
「ありがとう、皆。それじゃあ、また明日ね」
出来るだけ冷静を装う。ただ…先生の緊迫した様子からして、良くない報告なのだろう。もしかして、カルロス様の身に何かあったのかしら?
一気に体が強張る。大丈夫よ…きっと大丈夫…
震える体を必死に抑えて、馬車に乗り込んだ。恐怖から体が震える。もしかしたらカルロス様ではなく、家族に何かあったのかもしれない…どちらにしろ、わざわざ帰ってこいだなんて、ただ事ではないのだわ。
貴族学院から家までは、馬車で約5分、その5分が、永遠とも感じられる。どうか私の取り越し苦労であってほしい。そう願いつつ、屋敷に着くのを待つ。
まだかしら?なんだか落ち着かなくて、馬車の中をウロウロとする。すると、やっと屋敷が見えて来た。馬車が停まると同時に馬車から飛び降り、屋敷へと向かう。
玄関を勢い良く開けると、そこには涙を流しているクラッセル夫人と、夫人を必死に宥めるお母様。さらに厳しい顔をしたお兄様とクラッセル公爵の姿も。
「皆様お集りになって、一体どうされたのですか?まさかカルロス様の身に何か…」
急いで皆の元に駆け寄った。
「ルミナス、落ち着いて聞くんだ。カルロス殿だが、どうやら討伐中に大けがを負った様で、今現地の病院で治療を受けているそうだ」
「何ですって…カルロス様が…でも、カルロス様はとてもお強いのよ。大けがと言っても、命に別状はないのよね。そうでしょう、お兄様!」
必死にお兄様に縋る。すると…
「怪我の具合はあまり良くないらしい。意識があるのかないのかすら、今は分からない。とにかく私とドリトル殿は現地に向かい、カルロスの様子を見てくるよ」
そんな…
その場にへたり込む…
「ルミナス、大丈夫?しっかりしなさい」
お母様が駆け寄ってきた。カルロス様が大けが…意識があるかも分からないだなんて。
「とにかく、私たちはすぐに現地に向かう。幸いカルロスの頑張りのお陰で、魔物は沈静化出来たらしい。ドリトル殿、行こうか」
「はい!」
公爵とお兄様が、急いで玄関を出て行こうとしている。
「お待ちください!私も連れて行ってください!私はカルロス様の婚約者です。お願いします!」
こんな所で指をくわえて報告を待っているだなんて出来ない。一刻も早く、カルロス様に会いたいのだ。
「ダメだ!現地はまだ混乱している。たくさんのケガ人も出ている様だし。とにかく俺たちが行って様子を…」
「待てません。お願いします、私はカルロス様に酷い暴言を吐いたまま、彼を送り出してしまいました。その事を今、物凄く後悔しています。もし今、現地に向かわなければ、もっともっと後悔すると思うのです。お願いです、どうか連れて行ってください!もし連れて行ってくれなくても、私は1人で現地に向かいますわ」
真っすぐお兄様と公爵様を見つめ、そう告げた。もう後悔はしたくない、たとえどんな現実が待っていようと、王都で待っているだなんて私には出来ないのだ。
「分かったよ、ルミナス嬢。ただ…風呂に入れるかどうかも分からないし、ベッドで眠れるかどいうかも分からない。そんな現場だぞ、いいのかい?」
「お風呂に入れなくてもベッドで寝られなくても、私は構いません。公爵様、ありがとうございます。すぐに準備をして参りますので、少しお待ちを」
ペコリと頭を下げると、急いで自室に戻り準備をする。
「お嬢様、正気ですか?つい今しがたまで魔物と戦っていた場所に向かうだなんて」
隣でミリーが目を丸くして私に問いかけている。
「当たり前でしょう。私はカルロス様の婚約者よ。こんなところで指をくわえて待っているだなんて、出来ないわ。それに私、あの日の事をとても後悔しているの。このままカルロス様にもしもの事があったら、私、悔いても悔いきれない!」
あの日の私は、どうしてカルロス様を見送らなかったのだろう…本当に当時の自分を殴りたいくらい後悔している。だからこそ、もう二度と後悔はしたくないのだ。
「はぁ~、お嬢様は本当に頑固で意地っ張りで、どうしようもない人ですね。本当にもう…」
誰が頑固で意地っ張りでどうしようもない人よ!でも…ため息を付きつつも、準備を手伝ってくれるミリー。彼女なりに私を応援してくれている様だ。
「いいですか、お嬢様。こちらが下着、こちらがワンピースです。お風呂に入れないとの事なので、タオルを多めに入れておきました。これで体を拭いて下さい」
「ありがとう、ミリー。それじゃあ、行ってくるわね」
胸にはカルロス様に似た狼のブローチを付けた。大きなカバンを持って、そのまま玄関へと向かう。
「お待たせしました、さあ、参りましょう」
一刻も早くカルロス様に会いたい、そんな思いで、我先に馬車に乗り込んだ。
カルロス様、今から参ります。どうか命だけは取り留めていてください!
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