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第60話:カルロス様の容態は
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馬車から降りると、すごい異臭がする。この臭いは…
「ルミナス、何をしている、行くぞ」
お兄様と公爵様がスタスタと歩いて行く。この人たち、この臭いが気にならないのかしら?
壊れかけた病院に入ると、病院はガランとしている。患者はいないのかしら?
「クラッセル公爵、カリオスティーノ侯爵、それから…」
1人の騎士がこちらにやって来た。
「ルミーノ第一騎士隊長、急に押しかけてすまない。それで、カルロス殿の容態は?」
「…はい、こちらです」
どうやらこの男性は、第一騎士隊長の様だ。第一騎士隊長の話では、怪我をした騎士たちのほとんどが、既に王都に運ばれたとの事。ここにいるのは、ごく一部の移動させるにはリスクを伴う患者だけが残っているのと事。
よく見ると、王都から派遣されたのだろう。何人かの医師や看護師さんたちも姿もある。
「この部屋です」
第一騎士隊長に案内された部屋に入る。
「カルロス様!」
とっさにベッドに横たわる彼の元に駆けつけ、抱き着いた。体中包帯を巻かれている。意識がない様で、瞼も閉じたままだ。なんて酷い怪我なの?
「カルロス様、起きて下さい、カルロス様!」
必死にカルロス様に抱き付き、訴える。温かい…それに心臓の音も聞こえる。よかった、生きているわ。
「ルミーノ第一騎士隊長、カルロスの容態は?」
「はい、医者の話では、かなり危険な状況との事で、このまま意識が戻らない事もあるとの事で…」
「そんな、嫌よ。カルロス様、起きて。ごめんなさい、私、あなたに酷い事を言って。本当にごめんなさい。お見送りに行かなくてごめんなさい。どうか…どうか目覚めて。お願い。また“ルミタン”って呼んでください。お願いです!」
必死にカルロス様に訴えかけるが、全く目を覚ます気配はない。
「ルミナス、落ち着け」
カルロス様から私を引き離そうとするお兄様。
「離して!私は彼から離れません!」
ギュッとしがみつき、断固拒否する。
「ルミナス、お前ってやつは…クラッセル公爵、ルミーノ第一騎士隊長、申し訳ない。どうか話を続けてくれ」
「彼女はドリトル殿の妹君で副騎士団長の婚約者の、ルミナス嬢でしたか。どこかで見た事があると思っていたら。そうですか、副騎士団長の為に、わざわざ現地に来てくださったのですね。副騎士団長は、ずっとあなたの事を心配しておりましたから。彼も喜んでいる事でしょう」
「カルロス様はこの地に来ても、私の事をですか?」
「はい、もちろんですよ。副騎士団長は本当に、気持ち悪いくらいあなたの事を大切に思っておりましたから。ずっと“ルミタンに嫌われた。早く魔物を倒して王都に戻らないと!”が口癖だったので。それで少し、無理をしてしまったのでしょう」
カルロス様ったら、本当にもう…再びカルロス様をギュッと抱きしめる。ポロポロと溢れる涙を抑える事が出来ずに、カルロス様の体に落ちた。いけない、カルロス様の体が汚れるわ。急いでふき取った。
第一騎士隊長の話では、最後に残ったサンダードラゴンを倒そうとしたカルロス様が、攻撃を受けてしまったそうだ。それでも気力で倒したものの、力尽きたとの事。
「本当に強い男ですよ…」
そう言って第一騎士隊長も涙を流していた。彼も明日には、王都に戻る様だ。今後は王都に残っていた騎士たちがこの地にやって来て、後始末をするとの事。改めて魔物たちが襲ってくるという事は、とても恐ろしい事なのだと実感した。
第一騎士隊長と話をした後、お兄様たちは医師の話を聞きに行った。これ以上治療しようがないので、後2~3日この地で様子を見たら王都に連れて帰ってもいいとの事。
「ルミナス、お前は一旦公爵と一緒に、隣町のホテルにでも滞在していろ。俺は騎士団員の手伝いを行うから」
「それなら私も行おう。こんな状況で、じっとなんてしていられない」
「お言葉は嬉しいのですが、ここでの作業は主に魔物たちの片づけです。元騎士団員だった俺ですら足手まといになる可能性もあります。既に民たちのほとんどは、隣町に避難しておりますので、公爵はゆっくり休んでいてください」
要するに、騎士団員の経験がない人は、足手まといになるという事なのだろう。
「わかった。それじゃあルミナス嬢、私たちはホテルに向かおうか」
公爵様が部屋から出て行こうとしている。でも私は…
「ルミナス、何をしている、行くぞ」
お兄様と公爵様がスタスタと歩いて行く。この人たち、この臭いが気にならないのかしら?
壊れかけた病院に入ると、病院はガランとしている。患者はいないのかしら?
「クラッセル公爵、カリオスティーノ侯爵、それから…」
1人の騎士がこちらにやって来た。
「ルミーノ第一騎士隊長、急に押しかけてすまない。それで、カルロス殿の容態は?」
「…はい、こちらです」
どうやらこの男性は、第一騎士隊長の様だ。第一騎士隊長の話では、怪我をした騎士たちのほとんどが、既に王都に運ばれたとの事。ここにいるのは、ごく一部の移動させるにはリスクを伴う患者だけが残っているのと事。
よく見ると、王都から派遣されたのだろう。何人かの医師や看護師さんたちも姿もある。
「この部屋です」
第一騎士隊長に案内された部屋に入る。
「カルロス様!」
とっさにベッドに横たわる彼の元に駆けつけ、抱き着いた。体中包帯を巻かれている。意識がない様で、瞼も閉じたままだ。なんて酷い怪我なの?
「カルロス様、起きて下さい、カルロス様!」
必死にカルロス様に抱き付き、訴える。温かい…それに心臓の音も聞こえる。よかった、生きているわ。
「ルミーノ第一騎士隊長、カルロスの容態は?」
「はい、医者の話では、かなり危険な状況との事で、このまま意識が戻らない事もあるとの事で…」
「そんな、嫌よ。カルロス様、起きて。ごめんなさい、私、あなたに酷い事を言って。本当にごめんなさい。お見送りに行かなくてごめんなさい。どうか…どうか目覚めて。お願い。また“ルミタン”って呼んでください。お願いです!」
必死にカルロス様に訴えかけるが、全く目を覚ます気配はない。
「ルミナス、落ち着け」
カルロス様から私を引き離そうとするお兄様。
「離して!私は彼から離れません!」
ギュッとしがみつき、断固拒否する。
「ルミナス、お前ってやつは…クラッセル公爵、ルミーノ第一騎士隊長、申し訳ない。どうか話を続けてくれ」
「彼女はドリトル殿の妹君で副騎士団長の婚約者の、ルミナス嬢でしたか。どこかで見た事があると思っていたら。そうですか、副騎士団長の為に、わざわざ現地に来てくださったのですね。副騎士団長は、ずっとあなたの事を心配しておりましたから。彼も喜んでいる事でしょう」
「カルロス様はこの地に来ても、私の事をですか?」
「はい、もちろんですよ。副騎士団長は本当に、気持ち悪いくらいあなたの事を大切に思っておりましたから。ずっと“ルミタンに嫌われた。早く魔物を倒して王都に戻らないと!”が口癖だったので。それで少し、無理をしてしまったのでしょう」
カルロス様ったら、本当にもう…再びカルロス様をギュッと抱きしめる。ポロポロと溢れる涙を抑える事が出来ずに、カルロス様の体に落ちた。いけない、カルロス様の体が汚れるわ。急いでふき取った。
第一騎士隊長の話では、最後に残ったサンダードラゴンを倒そうとしたカルロス様が、攻撃を受けてしまったそうだ。それでも気力で倒したものの、力尽きたとの事。
「本当に強い男ですよ…」
そう言って第一騎士隊長も涙を流していた。彼も明日には、王都に戻る様だ。今後は王都に残っていた騎士たちがこの地にやって来て、後始末をするとの事。改めて魔物たちが襲ってくるという事は、とても恐ろしい事なのだと実感した。
第一騎士隊長と話をした後、お兄様たちは医師の話を聞きに行った。これ以上治療しようがないので、後2~3日この地で様子を見たら王都に連れて帰ってもいいとの事。
「ルミナス、お前は一旦公爵と一緒に、隣町のホテルにでも滞在していろ。俺は騎士団員の手伝いを行うから」
「それなら私も行おう。こんな状況で、じっとなんてしていられない」
「お言葉は嬉しいのですが、ここでの作業は主に魔物たちの片づけです。元騎士団員だった俺ですら足手まといになる可能性もあります。既に民たちのほとんどは、隣町に避難しておりますので、公爵はゆっくり休んでいてください」
要するに、騎士団員の経験がない人は、足手まといになるという事なのだろう。
「わかった。それじゃあルミナス嬢、私たちはホテルに向かおうか」
公爵様が部屋から出て行こうとしている。でも私は…
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