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第61話:カルロス様は私がお世話します
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「あの…私はカルロス様の傍にいて、お世話をしますわ。看護師さんたちもお忙しいですし。それに私…カルロス様の傍にいたいので…」
もうカルロス様から離れたくはない。それに万が一目覚めた時に、私がいないと寂しがるかもしれないし…
「ルミナス、何を言っているんだ。ここにはお前を世話してくれるミリーもいないんだぞ。食事や寝る場所はどうするつもりだ」
「食事ならここにパンがありますわ。それに寝る場所は、カルロス様の隣で寝ます。イスもありますし。私の事は気にして頂かなくても大丈夫ですわ。これでも元騎士団長の娘です。自分の事くらい、何とかします!ですから、お願いします。ここに置いてください」
「ルミナス!!」
「侯爵、ルミナス嬢がこう言ってくれているのだから、どうか彼女の言う通りにさせてあげよう。それに万が一カルロスが目覚めた時、ルミナス嬢が傍にいてくれたら、喜ぶでしょうし…食事なら私が運ぶよ」
「公爵様…」
公爵様が私の味方をしてくれている。
「お兄様がなんと言おうが、私はここを離れるつもりはありません!」
プイっとあっちの方を向いた。
「仕方がないな…分かったよ、もう、我が儘で頑固で俺の言う事を全く聞かないのだから…」
何と言われても構わない。私はここでカルロス様のお世話をするのだ!
「ルミナス、いいか、絶対に迷惑を掛けるなよ。分かったな!」
「分かっておりますわ。幸いこの部屋にはトイレはある様なので、この部屋から出ませんから安心してください」
「それじゃあ、カルロスの事を頼んだよ」
「本当にルミナスは。もし何かあったらこの通信機で連絡を入れろ!」
お兄様が私に通信機を持たせた。なんだかんだ言って、私の事が心配なのね。
2人が病室から出ていくのを見送ると、早速水を汲み、沢山持ってきたタオルでカルロス様の顔を拭く。カルロス様の顔が泥で汚れていたのが、とても気になったのだ。きっと汚れを拭いてもらう余裕もないほど、医師や看護師さんは忙しのだろう。
「カルロス様、綺麗になりましたよ」
近くにあったイスに座り、カルロス様の手を握る。温かい…でも、握り返してくれることはない。
改めて眠るカルロス様を見ると、彼は男前だ。燃える様な赤い髪に触れる。ずっとお風呂に入っていないからか、少しべたついているが、それでも綺麗な髪だ。
「カルロス様、私、カルロス様を迎えに来ましたよ。だから起きて下さい…」
そう呟いてみたものの、起きる気配はない。何度も何度もカルロス様の名前を呼ぶが、その日は全く返答がなかった。
翌日、ふと目を覚ます。いつの間にかカルロス様のベッドに顔をうずめて眠ってしまっていた様だ。
急いで起き上がり、持ってきていたパンをかじる。
「カルロス様、今日はいい天気ですよ」
そう伝えるが、返事はない。途中でお医者さんと看護師さんが来てくれた。診察の結果、明日には王都に帰ってもいいとの事。
有難い事に温かいお湯とタオルを持ってきてくださったので、カルロス様の顔や体を拭いた。
ただ、眠っている男性の体を拭くのは一苦労だ。何とか拭く事が出来たが、私も汗だくになった。せっかくなので、私も自分の体を拭く。もう2日もお風呂に入っていない。
でも…
自分の意思でここに来て、自分の意思でこの地に残っているのだ。泣き言なんて言っていられない。
再びイスに座り、カルロス様を見つめる。
「カルロス様、明日やっと王都に帰れそうですよ。一緒に帰りましょうね」
そう呟いたものの、返事はない。
「カルロス様、返事をしてくださいよ…いつもみたいに、“ルミタン”って呼んでください…」
もしこのままカルロス様が目覚めなかったら…そう思ったら、無性に悲しくなって、1人静かに泣いた。
やっぱりカルロス様のお見送りに行けばよかった。私はずっと待っているから、どうか無理はなしないで下さい、そう言えばよかった。そうすれば、カルロス様は無理をして戦わなかったかもしれないのに…
変な意地を張った自分が、心底嫌になる。
お願い、カルロス様。目を覚まして…
必死に祈る。その時だった。
「ルミナス嬢、カルロスの様子はどうだい?」
やって来たのは公爵様だ。そっと涙をぬぐう。
「相変わらず眠ったままです。そうそう、先生のお話しでは、明日王都に戻ってもいいそうですわ」
「…そうか、それじゃあ、カリオスティーノ侯爵にもその旨を伝えておくよ。ただ、彼はしばらくここに残るかもしれないな。さあ、ルミナス殿、お腹が空いただろう。サンドウィットを持ってきたよ。一緒に食べよう」
「ありがとうございます、頂きますわ」
お優しい公爵様、きっと私に気を使ってサンドウィッチを持ってきてくれたのだろう。公爵様と一緒に、食事を頂いた。そして日が暮れるまで一緒にいてくれた公爵様。
「それじゃあ、私はもうホテルに戻るよ。カルロス、いつまでもルミナス嬢を泣かせていてはいけないぞ。早く目覚めろよ!それじゃあルミナス嬢、明日の朝迎えに来るから」
「はい、お待ちしておりますわ」
公爵様を見送った後、再びカルロス様を見つめる。月明かりに照らされたカルロス様は、本当に美しかった。
そっとカルロス様に寄り添う。温かい…
この温もりが心地よくて、そのまま眠りについてしまったのだった。
もうカルロス様から離れたくはない。それに万が一目覚めた時に、私がいないと寂しがるかもしれないし…
「ルミナス、何を言っているんだ。ここにはお前を世話してくれるミリーもいないんだぞ。食事や寝る場所はどうするつもりだ」
「食事ならここにパンがありますわ。それに寝る場所は、カルロス様の隣で寝ます。イスもありますし。私の事は気にして頂かなくても大丈夫ですわ。これでも元騎士団長の娘です。自分の事くらい、何とかします!ですから、お願いします。ここに置いてください」
「ルミナス!!」
「侯爵、ルミナス嬢がこう言ってくれているのだから、どうか彼女の言う通りにさせてあげよう。それに万が一カルロスが目覚めた時、ルミナス嬢が傍にいてくれたら、喜ぶでしょうし…食事なら私が運ぶよ」
「公爵様…」
公爵様が私の味方をしてくれている。
「お兄様がなんと言おうが、私はここを離れるつもりはありません!」
プイっとあっちの方を向いた。
「仕方がないな…分かったよ、もう、我が儘で頑固で俺の言う事を全く聞かないのだから…」
何と言われても構わない。私はここでカルロス様のお世話をするのだ!
「ルミナス、いいか、絶対に迷惑を掛けるなよ。分かったな!」
「分かっておりますわ。幸いこの部屋にはトイレはある様なので、この部屋から出ませんから安心してください」
「それじゃあ、カルロスの事を頼んだよ」
「本当にルミナスは。もし何かあったらこの通信機で連絡を入れろ!」
お兄様が私に通信機を持たせた。なんだかんだ言って、私の事が心配なのね。
2人が病室から出ていくのを見送ると、早速水を汲み、沢山持ってきたタオルでカルロス様の顔を拭く。カルロス様の顔が泥で汚れていたのが、とても気になったのだ。きっと汚れを拭いてもらう余裕もないほど、医師や看護師さんは忙しのだろう。
「カルロス様、綺麗になりましたよ」
近くにあったイスに座り、カルロス様の手を握る。温かい…でも、握り返してくれることはない。
改めて眠るカルロス様を見ると、彼は男前だ。燃える様な赤い髪に触れる。ずっとお風呂に入っていないからか、少しべたついているが、それでも綺麗な髪だ。
「カルロス様、私、カルロス様を迎えに来ましたよ。だから起きて下さい…」
そう呟いてみたものの、起きる気配はない。何度も何度もカルロス様の名前を呼ぶが、その日は全く返答がなかった。
翌日、ふと目を覚ます。いつの間にかカルロス様のベッドに顔をうずめて眠ってしまっていた様だ。
急いで起き上がり、持ってきていたパンをかじる。
「カルロス様、今日はいい天気ですよ」
そう伝えるが、返事はない。途中でお医者さんと看護師さんが来てくれた。診察の結果、明日には王都に帰ってもいいとの事。
有難い事に温かいお湯とタオルを持ってきてくださったので、カルロス様の顔や体を拭いた。
ただ、眠っている男性の体を拭くのは一苦労だ。何とか拭く事が出来たが、私も汗だくになった。せっかくなので、私も自分の体を拭く。もう2日もお風呂に入っていない。
でも…
自分の意思でここに来て、自分の意思でこの地に残っているのだ。泣き言なんて言っていられない。
再びイスに座り、カルロス様を見つめる。
「カルロス様、明日やっと王都に帰れそうですよ。一緒に帰りましょうね」
そう呟いたものの、返事はない。
「カルロス様、返事をしてくださいよ…いつもみたいに、“ルミタン”って呼んでください…」
もしこのままカルロス様が目覚めなかったら…そう思ったら、無性に悲しくなって、1人静かに泣いた。
やっぱりカルロス様のお見送りに行けばよかった。私はずっと待っているから、どうか無理はなしないで下さい、そう言えばよかった。そうすれば、カルロス様は無理をして戦わなかったかもしれないのに…
変な意地を張った自分が、心底嫌になる。
お願い、カルロス様。目を覚まして…
必死に祈る。その時だった。
「ルミナス嬢、カルロスの様子はどうだい?」
やって来たのは公爵様だ。そっと涙をぬぐう。
「相変わらず眠ったままです。そうそう、先生のお話しでは、明日王都に戻ってもいいそうですわ」
「…そうか、それじゃあ、カリオスティーノ侯爵にもその旨を伝えておくよ。ただ、彼はしばらくここに残るかもしれないな。さあ、ルミナス殿、お腹が空いただろう。サンドウィットを持ってきたよ。一緒に食べよう」
「ありがとうございます、頂きますわ」
お優しい公爵様、きっと私に気を使ってサンドウィッチを持ってきてくれたのだろう。公爵様と一緒に、食事を頂いた。そして日が暮れるまで一緒にいてくれた公爵様。
「それじゃあ、私はもうホテルに戻るよ。カルロス、いつまでもルミナス嬢を泣かせていてはいけないぞ。早く目覚めろよ!それじゃあルミナス嬢、明日の朝迎えに来るから」
「はい、お待ちしておりますわ」
公爵様を見送った後、再びカルロス様を見つめる。月明かりに照らされたカルロス様は、本当に美しかった。
そっとカルロス様に寄り添う。温かい…
この温もりが心地よくて、そのまま眠りについてしまったのだった。
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