19 / 27
第19話:ミリアが元気になって戻ってきました
しおりを挟む
ミリアが病院に運ばれた翌日、いつもより元気のないダニー。
「ダニー、大丈夫よ。きっとミリアは元気になって戻って来るわ」
落ち込むダニーを抱きしめ、励ます。その時だった。
コンコン
「はい」
玄関を叩く音が聞こえたので慌てて扉を開けると、そこに立っていたのはリリアンの旦那さんだった。
「お父さん!」
嬉しそうに抱き着くダニー。
「ダニー、寂しい思いをさせて悪かったな。レティシアちゃん、今回の件、本当にありがとう。お陰様でミリアの手術は成功したよ。1週間ぐらい入院したら、帰ってこられそうだ」
「それは本当ですか!あぁ、良かった」
ミリアの手術が成功したと聞き、嬉しくて涙が出る。
「ただ、リリアンはそのままミリアに付いている予定だから、しばらくは男2人の生活になるがな」
そう言って笑った旦那さん。そうだわ。
「それなら、家事は私が引き受けますわ。いつもリリアンさんには、本当にお世話になっていますから」
「それは悪いよ。君には大金まで立て替えてもらったんだ。これ以上迷惑を掛ける訳には…」
「迷惑だなんて、とんでもありません。この村で楽しく過ごせているのも、全てリリアンさんのお陰なのです。お願いです、どうかここは私に甘えて下さい」
必死に頼み込んだ。今まで返しても返しきれないほどの恩を、リリアンさんから受けて来た。こんな時ぐらいは、甘えて欲しい。
「わかったよ。それじゃあ、お言葉に甘えさせてもらうよ」
良かったわ。これで少しは、リリアンさんに恩返しが出来るわね。
それから1週間、ミリアとリリアンさんの帰りを待ちながら、2人の世話をする。リリアンさんの旦那さんは
「いつもありがとう。本当に助かるよ」
そう言ってくれる。こんな私でも誰かの役に立てている事が、物凄く嬉しくてたまらない。今までは、いつも誰かにしてもらってばかりだったものね。これからは、誰かの役に立つような生き方がしたい。そう強く思った。
そして待ちに待ったミリアとリリアンさんが帰ってくる日。この日は朝から村の女性陣達も駆け付けてくれ、皆でご馳走を作った。そして昼前、皆と一緒に家の前で2人の帰りを待つ。しばらく待っていると、1台の馬車がやって来た。
馬車が停車すると、飛び出して来たのはミリアだ。まっすぐ私の方に向かって走って来て、そのまま飛びついて来た。
「ミリア、お帰りなさい。元気になったのね。本当に良かったわ」
ミリアをギューッと抱きしめ、そう伝えた。
「レティシアおねえちゃん。ただいま。それと、ありがとう。おねえちゃんがミリアをたすけてくれたってママがいっていたわ」
そう言ってにっこり笑ったミリア。
「さあ、早く中に入りましょう。今日はご馳走を沢山作って待っていたのよ」
女性陣の1人が私たちに声を掛ける。沢山の料理に目を輝かせるミリア。早速パーティースタートだ。嬉しそうにご馳走を頬張るミリア含めた子供たち。その姿を微笑ましく見つめると、リリアンさんが話しかけて来た。
「レティシア、ミリアがこんなにも元気になったのはあなたのお陰よ。本当にありがとう」
深々と頭を下げるリリアンさん。
「気にしないで下さい。私はただ、ミリアを助けたかっただけですから。それに、リリアンさんが悲しむ顔も見たくなかったし」
「あなたって人は…本当にありがとう」
涙を流し、何度も頭を下げるリリアンさん。
「リリアンさん、頭を上げて下さい。とにかく、ミリアが元気になったのですから。ほら、ご馳走を食べましょう」
そう言って食事をリリアンさんに渡した。きっとリリアンさんの事だ。この1週間、ろくに食事もとらずに、ずっとミリアに付き添っていたのだろう。
結局この日は、夕方近くまでパーティーが開かれたのであった。
「やっと皆帰ったわね。子供たちももう寝たわ。レティシア、後片付けまで手伝ってくれてありがとう。お茶を入れたから、一息つきましょう」
私の為にお茶を入れてくれたリリアンさん。せっかくなので、頂く事にした。椅子に座ると、リリアンさんと旦那さんが背筋を伸ばし、真剣な表情で見つめて来た。
「レティシア、今回の件、本当にありがとう。これ、残ったお金よ。それにしてもあんな大金を持っているなんて驚いたわ。言いたくないのなら別に言わなくてもいいのよ。でも、もし話してもいいと思ってくれているのなら、どうしてあんな大金を持っていたのか、教えてくれるかしら?」
残ったお金が入ったカバンを机に置くと、真剣な表情で問いかけて来るリリアンさん。私の心はあの日、お金を渡した時に既に決まっている。
「あのお金は、私の父が残してくれたお金なのです」
「お父さんが?」
目を丸くするリリアンさんと旦那さん。私は2人に、自分の事をわかりやすく話した。パンドラ王国の元公爵令嬢だった事、王太子のリアム様と婚約をしていたが、権力者であった父が亡くなった事で、後ろ盾を亡くした事。リアム様が実は別の女性を愛していた事。
自ら国を出る事で、彼を解放した事を…
「そんな…それじゃああまりにもレティシアが可哀そうすぎるわ!」
そう言って涙を流すリリアンさん。
「私の為に泣いてくれてありがとうございます。でも、リアム様には感謝をしているのです。こんな私にも、優しくして下さったので。それに今は、この国で皆さんに囲まれ、幸せに暮らしていますし。ですから、私の事を可哀そうと思わないで下さい」
「あぁ、あなたって子は…」
そう言って私を抱きしめたリリアンさん。
「それから、ミリアの為に使ったお金は返して頂かなくて結構ですわ。どうせ使いきれないお金だったので。ミリアの為に使った事、きっと天国の父も喜んでいるはずです。父は、困った人がいたら手を差し伸べろと言う考えの人だったので」
「そんな訳には行かないわ!さすがにあんな大金…」
「いいえ、どうか気にしないで下さい。その代わり、これからも私と仲良くしてください。それだけで、十分私は幸せですので」
全てを失ったと思っていた私に、最初に手を差し伸べてくれたリリアンさん。私は彼女から受けた恩を、一生忘れないだろう。それくらい、彼女は私にとっての恩人なのだから…
「ありがとう、レティシア。もちろんよ。これからもずっと一緒よ。もしあなたが困った事があったら、必ず助けるわ」
そう言って笑ったリリアンさん。隣で旦那さんも頷いている。なんだかリリアンさんたちに全てを話したら、心が少し軽くなった。これからもこの地で、皆と一緒に生きて行こう。そう心に誓ったレティシアであった。
「ダニー、大丈夫よ。きっとミリアは元気になって戻って来るわ」
落ち込むダニーを抱きしめ、励ます。その時だった。
コンコン
「はい」
玄関を叩く音が聞こえたので慌てて扉を開けると、そこに立っていたのはリリアンの旦那さんだった。
「お父さん!」
嬉しそうに抱き着くダニー。
「ダニー、寂しい思いをさせて悪かったな。レティシアちゃん、今回の件、本当にありがとう。お陰様でミリアの手術は成功したよ。1週間ぐらい入院したら、帰ってこられそうだ」
「それは本当ですか!あぁ、良かった」
ミリアの手術が成功したと聞き、嬉しくて涙が出る。
「ただ、リリアンはそのままミリアに付いている予定だから、しばらくは男2人の生活になるがな」
そう言って笑った旦那さん。そうだわ。
「それなら、家事は私が引き受けますわ。いつもリリアンさんには、本当にお世話になっていますから」
「それは悪いよ。君には大金まで立て替えてもらったんだ。これ以上迷惑を掛ける訳には…」
「迷惑だなんて、とんでもありません。この村で楽しく過ごせているのも、全てリリアンさんのお陰なのです。お願いです、どうかここは私に甘えて下さい」
必死に頼み込んだ。今まで返しても返しきれないほどの恩を、リリアンさんから受けて来た。こんな時ぐらいは、甘えて欲しい。
「わかったよ。それじゃあ、お言葉に甘えさせてもらうよ」
良かったわ。これで少しは、リリアンさんに恩返しが出来るわね。
それから1週間、ミリアとリリアンさんの帰りを待ちながら、2人の世話をする。リリアンさんの旦那さんは
「いつもありがとう。本当に助かるよ」
そう言ってくれる。こんな私でも誰かの役に立てている事が、物凄く嬉しくてたまらない。今までは、いつも誰かにしてもらってばかりだったものね。これからは、誰かの役に立つような生き方がしたい。そう強く思った。
そして待ちに待ったミリアとリリアンさんが帰ってくる日。この日は朝から村の女性陣達も駆け付けてくれ、皆でご馳走を作った。そして昼前、皆と一緒に家の前で2人の帰りを待つ。しばらく待っていると、1台の馬車がやって来た。
馬車が停車すると、飛び出して来たのはミリアだ。まっすぐ私の方に向かって走って来て、そのまま飛びついて来た。
「ミリア、お帰りなさい。元気になったのね。本当に良かったわ」
ミリアをギューッと抱きしめ、そう伝えた。
「レティシアおねえちゃん。ただいま。それと、ありがとう。おねえちゃんがミリアをたすけてくれたってママがいっていたわ」
そう言ってにっこり笑ったミリア。
「さあ、早く中に入りましょう。今日はご馳走を沢山作って待っていたのよ」
女性陣の1人が私たちに声を掛ける。沢山の料理に目を輝かせるミリア。早速パーティースタートだ。嬉しそうにご馳走を頬張るミリア含めた子供たち。その姿を微笑ましく見つめると、リリアンさんが話しかけて来た。
「レティシア、ミリアがこんなにも元気になったのはあなたのお陰よ。本当にありがとう」
深々と頭を下げるリリアンさん。
「気にしないで下さい。私はただ、ミリアを助けたかっただけですから。それに、リリアンさんが悲しむ顔も見たくなかったし」
「あなたって人は…本当にありがとう」
涙を流し、何度も頭を下げるリリアンさん。
「リリアンさん、頭を上げて下さい。とにかく、ミリアが元気になったのですから。ほら、ご馳走を食べましょう」
そう言って食事をリリアンさんに渡した。きっとリリアンさんの事だ。この1週間、ろくに食事もとらずに、ずっとミリアに付き添っていたのだろう。
結局この日は、夕方近くまでパーティーが開かれたのであった。
「やっと皆帰ったわね。子供たちももう寝たわ。レティシア、後片付けまで手伝ってくれてありがとう。お茶を入れたから、一息つきましょう」
私の為にお茶を入れてくれたリリアンさん。せっかくなので、頂く事にした。椅子に座ると、リリアンさんと旦那さんが背筋を伸ばし、真剣な表情で見つめて来た。
「レティシア、今回の件、本当にありがとう。これ、残ったお金よ。それにしてもあんな大金を持っているなんて驚いたわ。言いたくないのなら別に言わなくてもいいのよ。でも、もし話してもいいと思ってくれているのなら、どうしてあんな大金を持っていたのか、教えてくれるかしら?」
残ったお金が入ったカバンを机に置くと、真剣な表情で問いかけて来るリリアンさん。私の心はあの日、お金を渡した時に既に決まっている。
「あのお金は、私の父が残してくれたお金なのです」
「お父さんが?」
目を丸くするリリアンさんと旦那さん。私は2人に、自分の事をわかりやすく話した。パンドラ王国の元公爵令嬢だった事、王太子のリアム様と婚約をしていたが、権力者であった父が亡くなった事で、後ろ盾を亡くした事。リアム様が実は別の女性を愛していた事。
自ら国を出る事で、彼を解放した事を…
「そんな…それじゃああまりにもレティシアが可哀そうすぎるわ!」
そう言って涙を流すリリアンさん。
「私の為に泣いてくれてありがとうございます。でも、リアム様には感謝をしているのです。こんな私にも、優しくして下さったので。それに今は、この国で皆さんに囲まれ、幸せに暮らしていますし。ですから、私の事を可哀そうと思わないで下さい」
「あぁ、あなたって子は…」
そう言って私を抱きしめたリリアンさん。
「それから、ミリアの為に使ったお金は返して頂かなくて結構ですわ。どうせ使いきれないお金だったので。ミリアの為に使った事、きっと天国の父も喜んでいるはずです。父は、困った人がいたら手を差し伸べろと言う考えの人だったので」
「そんな訳には行かないわ!さすがにあんな大金…」
「いいえ、どうか気にしないで下さい。その代わり、これからも私と仲良くしてください。それだけで、十分私は幸せですので」
全てを失ったと思っていた私に、最初に手を差し伸べてくれたリリアンさん。私は彼女から受けた恩を、一生忘れないだろう。それくらい、彼女は私にとっての恩人なのだから…
「ありがとう、レティシア。もちろんよ。これからもずっと一緒よ。もしあなたが困った事があったら、必ず助けるわ」
そう言って笑ったリリアンさん。隣で旦那さんも頷いている。なんだかリリアンさんたちに全てを話したら、心が少し軽くなった。これからもこの地で、皆と一緒に生きて行こう。そう心に誓ったレティシアであった。
105
あなたにおすすめの小説
結婚して5年、冷たい夫に離縁を申し立てたらみんなに止められています。
真田どんぐり
恋愛
ー5年前、ストレイ伯爵家の美しい令嬢、アルヴィラ・ストレイはアレンベル侯爵家の侯爵、ダリウス・アレンベルと結婚してアルヴィラ・アレンベルへとなった。
親同士に決められた政略結婚だったが、アルヴィラは旦那様とちゃんと愛し合ってやっていこうと決意していたのに……。
そんな決意を打ち砕くかのように旦那様の態度はずっと冷たかった。
(しかも私にだけ!!)
社交界に行っても、使用人の前でもどんな時でも冷たい態度を取られた私は周りの噂の恰好の的。
最初こそ我慢していたが、ある日、偶然旦那様とその幼馴染の不倫疑惑を耳にする。
(((こんな仕打ち、あんまりよーー!!)))
旦那様の態度にとうとう耐えられなくなった私は、ついに離縁を決意したーーーー。
【完結】番としか子供が産まれない世界で
さくらもち
恋愛
番との間にしか子供が産まれない世界に産まれたニーナ。
何故か親から要らない子扱いされる不遇な子供時代に番と言う概念すら知らないまま育った。
そんなニーナが番に出会うまで
4話完結
出会えたところで話は終わってます。
娼館で元夫と再会しました
無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。
しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。
連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。
「シーク様…」
どうして貴方がここに?
元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!
余命わずかな私は、好きな人に愛を伝えて素っ気なくあしらわれる日々を楽しんでいる
ラム猫
恋愛
王城の図書室で働くルーナは、見た目には全く分からない特殊な病により、余命わずかであった。悲観はせず、彼女はかねてより憧れていた冷徹な第一騎士団長アシェンに毎日愛を告白し、彼の困惑した反応を見ることを最後の人生の楽しみとする。アシェンは一貫してそっけない態度を取り続けるが、ルーナのひたむきな告白は、彼の無関心だった心に少しずつ波紋を広げていった。
※『小説家になろう』様『カクヨム』様にも同じ作品を投稿しています
※全十七話で完結の予定でしたが、勝手ながら二話ほど追加させていただきます。公開は同時に行うので、完結予定日は変わりません。本編は十五話まで、その後は番外編になります。
追放された悪役令嬢はシングルマザー
ララ
恋愛
神様の手違いで死んでしまった主人公。第二の人生を幸せに生きてほしいと言われ転生するも何と転生先は悪役令嬢。
断罪回避に奮闘するも失敗。
国外追放先で国王の子を孕んでいることに気がつく。
この子は私の子よ!守ってみせるわ。
1人、子を育てる決心をする。
そんな彼女を暖かく見守る人たち。彼女を愛するもの。
さまざまな思惑が蠢く中彼女の掴み取る未来はいかに‥‥
ーーーー
完結確約 9話完結です。
短編のくくりですが10000字ちょっとで少し短いです。
好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】
皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」
「っ――――!!」
「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」
クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。
******
・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。
愛される日は来ないので
豆狸
恋愛
だけど体調を崩して寝込んだ途端、女主人の部屋から物置部屋へ移され、満足に食事ももらえずに死んでいったとき、私は悟ったのです。
──なにをどんなに頑張ろうと、私がラミレス様に愛される日は来ないのだと。
【完結】転生したら悪役継母でした
入魚ひえん@発売中◆巻き戻り冤罪令嬢◆
恋愛
聖女を優先する夫に避けられていたアルージュ。
その夜、夫が初めて寝室にやってきて命じたのは「聖女の隠し子を匿え」という理不尽なものだった。
しかも隠し子は、夫と同じ髪の色。
絶望するアルージュはよろめいて鏡にぶつかり、前世に読んだウェブ小説の悪妻に転生していることを思い出す。
記憶を取り戻すと、七年間も苦しんだ夫への愛は綺麗さっぱり消えた。
夫に奪われていたもの、不正の事実を着々と精算していく。
◆愛されない悪妻が前世を思い出して転身したら、可愛い継子や最強の旦那様ができて、転生前の知識でスイーツやグルメ、家電を再現していく、異世界転生ファンタジー!◆
*旧題:転生したら悪妻でした
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる