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第3話:優しさが身に染みる
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長い足でスタスタと歩き出したラファエル様。こんな風に男性に抱っこされたのは、初めてだ。
「ラファエル様、万が一誰かに見られて、あなた様の評判が下がっては大変です。どうか降ろしてください。私は大丈夫ですので」
真っすぐ彼を見つめ、必死に訴えた。すると
「…分かりました。ですが公爵家までは送らせてください。あなた様が心配なのです」
「ありがとうございます。それでは、よろしくお願いします」
お優しいラファエル様、彼の優しさが身に染みる。
その時だった。
「セイラ、ラファエルといたのだね。探したよ、今日のお茶の時間だ。さあ、行こう」
やって来たのは、ロイド様だ。いつも通り無表情のロイド様、ミーア様といた時の嬉しそうな顔とはあまりにもかけ離れている表情に、なんだか胸が締め付けられる。
私たちは婚約者として、1日1時間、2人でお茶をする事が義務付けられている。たいして話が弾むわけではないのに、ロイド様は毎日律儀にこのルールを守っているのだ。
「ロイド様、申し訳ございません。今日は体調がすぐれないので、お屋敷に帰らせていただきますわ。ですからどうか、私の事は気にしないで下さい」
「ロイド殿下、セイラ嬢の体調がすぐれない様ですので、私が彼女を屋敷までお送りして参ります。ですので殿下は、公務にお戻りください。さあ、セイラ嬢、参りましょうか」
「はい、ラファエル様、色々とご迷惑をおかけして申し訳ございませんが、よろしくお願いいたします」
きっと律儀なロイド様の事だ、婚約者として私を屋敷まで送らなければいけないと、考えてしまうだろう。それを察したラファエル様が、自ら私を送る役を買って出てくれたのだ。
ロイド様の負担を減らすために。さすがラファエル様ね。
「待ってくれ、セイラは僕が…」
「ラファエル様が送って下さるとおっしゃって下さっているので、ロイド様はどうか公務にお戻りください。ラファエル様、参りましょう」
ふらつく体を必死に奮い立たせ、ラファエル様に笑顔を向けた。
「殿下、私めがしっかりと送り届けますから、どうかご安心を」
すっと私の手を取り、ゆっくり歩きだしたラファエル様。
“セイラ嬢、辛そうですね。やはり抱っこして馬車まで行きましょうか?”
“いいえ、大丈夫ですわ。お気遣いありがとうございます”
ラファエル様に支えられながら、なんとか馬車に乗り込んだ。座っている事も辛い。
「セイラ嬢、どうか私の方に体を預けて下さい。座っているのも辛いのでしょう?」
「ありがとうございます、ラファエル様は、本当にお優しいのですね」
「…私は優しく何てありませんよ。好きな女性が苦しんでいても、何もできない愚か者です」
「ラファエル様は、好きな女性がいらっしゃるのですね。あなた様の様なお優しくて聡明な殿方に好かれる令嬢は、きっと幸せ者でしょうね」
ラファエル様の好きな人が誰かは知らないが、こんな素敵な男性に愛されるだなんて、きっと幸せ者間違いない。
私もロイド様と幸せになりたかったな…ロイド様に愛されたかった。いくらそう願っても、叶う事は決してないけれど…
「セイラ嬢、私は…」
「屋敷に着いたようですね。ラファエル様、送って下さり、ありがとうございました。それではこれで」
馬車から立ち上がろうとしたのだが、その場で倒れそうになったのを、ラファエル様が受け止めてくれたのだ。
「セイラ嬢、相当体調が思わしくないようですね。私が部屋まで運びます」
すっと私を抱き上げると、そのまま屋敷へと入って行った。
「お嬢様、一体どうされたのですか?あなた様は…」
「セイラ嬢が、王宮で吐血したのです。今すぐ医者の手配を」
「お嬢様が吐血ですって…承知いたしました。すぐに医者を連れて参ります」
使用人たちが大慌てで、お医者様を呼びに行った。
その間に私は、ラファエル様にベッドまで運んでもらい横になった。
「ラファエル様、万が一誰かに見られて、あなた様の評判が下がっては大変です。どうか降ろしてください。私は大丈夫ですので」
真っすぐ彼を見つめ、必死に訴えた。すると
「…分かりました。ですが公爵家までは送らせてください。あなた様が心配なのです」
「ありがとうございます。それでは、よろしくお願いします」
お優しいラファエル様、彼の優しさが身に染みる。
その時だった。
「セイラ、ラファエルといたのだね。探したよ、今日のお茶の時間だ。さあ、行こう」
やって来たのは、ロイド様だ。いつも通り無表情のロイド様、ミーア様といた時の嬉しそうな顔とはあまりにもかけ離れている表情に、なんだか胸が締め付けられる。
私たちは婚約者として、1日1時間、2人でお茶をする事が義務付けられている。たいして話が弾むわけではないのに、ロイド様は毎日律儀にこのルールを守っているのだ。
「ロイド様、申し訳ございません。今日は体調がすぐれないので、お屋敷に帰らせていただきますわ。ですからどうか、私の事は気にしないで下さい」
「ロイド殿下、セイラ嬢の体調がすぐれない様ですので、私が彼女を屋敷までお送りして参ります。ですので殿下は、公務にお戻りください。さあ、セイラ嬢、参りましょうか」
「はい、ラファエル様、色々とご迷惑をおかけして申し訳ございませんが、よろしくお願いいたします」
きっと律儀なロイド様の事だ、婚約者として私を屋敷まで送らなければいけないと、考えてしまうだろう。それを察したラファエル様が、自ら私を送る役を買って出てくれたのだ。
ロイド様の負担を減らすために。さすがラファエル様ね。
「待ってくれ、セイラは僕が…」
「ラファエル様が送って下さるとおっしゃって下さっているので、ロイド様はどうか公務にお戻りください。ラファエル様、参りましょう」
ふらつく体を必死に奮い立たせ、ラファエル様に笑顔を向けた。
「殿下、私めがしっかりと送り届けますから、どうかご安心を」
すっと私の手を取り、ゆっくり歩きだしたラファエル様。
“セイラ嬢、辛そうですね。やはり抱っこして馬車まで行きましょうか?”
“いいえ、大丈夫ですわ。お気遣いありがとうございます”
ラファエル様に支えられながら、なんとか馬車に乗り込んだ。座っている事も辛い。
「セイラ嬢、どうか私の方に体を預けて下さい。座っているのも辛いのでしょう?」
「ありがとうございます、ラファエル様は、本当にお優しいのですね」
「…私は優しく何てありませんよ。好きな女性が苦しんでいても、何もできない愚か者です」
「ラファエル様は、好きな女性がいらっしゃるのですね。あなた様の様なお優しくて聡明な殿方に好かれる令嬢は、きっと幸せ者でしょうね」
ラファエル様の好きな人が誰かは知らないが、こんな素敵な男性に愛されるだなんて、きっと幸せ者間違いない。
私もロイド様と幸せになりたかったな…ロイド様に愛されたかった。いくらそう願っても、叶う事は決してないけれど…
「セイラ嬢、私は…」
「屋敷に着いたようですね。ラファエル様、送って下さり、ありがとうございました。それではこれで」
馬車から立ち上がろうとしたのだが、その場で倒れそうになったのを、ラファエル様が受け止めてくれたのだ。
「セイラ嬢、相当体調が思わしくないようですね。私が部屋まで運びます」
すっと私を抱き上げると、そのまま屋敷へと入って行った。
「お嬢様、一体どうされたのですか?あなた様は…」
「セイラ嬢が、王宮で吐血したのです。今すぐ医者の手配を」
「お嬢様が吐血ですって…承知いたしました。すぐに医者を連れて参ります」
使用人たちが大慌てで、お医者様を呼びに行った。
その間に私は、ラファエル様にベッドまで運んでもらい横になった。
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