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第35話:これは夢でしょうか?
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“セイラ、私の可愛いセイラ”
この声は、お母様?瞼を上げると、そこには優しい微笑を浮かべたお母様の姿が。
「お母様!」
懐かしいお母様の姿に、嬉しくて傍に行こうとしたのだが、体が全く動かないのだ。
“セイラ、愛しているわ。私の可愛いセイラ。どうかお父様の事を、お願いね。さあ、もう行きなさい。愛する人の元に…”
そう言うと、お母様が透け始めたのだ。
「待って下さい、お母様!まだ話したい事が…」
そう叫んだ瞬間、光に包まれたのだ。そして
「セイラ、目を覚ましたのだね。よかった!」
ギュッと私を抱きしめるこの人は…
「ロイド様?どうしてこちらに?私…」
一体どうしたのだったかしら?確かに私は、あの瞬間、命を落としたはずだ。でも、温かい光に包まれたと思ったら、意識が戻って、それで…
あんなに息苦しかった胸も、激しい体の痛みも今は和らいでいる。
「あなた様が私を助けて下さったのですよね?その…私の意識が一時的に戻った時おっしゃられていたことは、本当ですか?」
一時的に意識が戻った時、私の事を愛していると言って下さったのだ。あれは夢だったのかしら?
「僕がセイラを愛しているという事かい?それなら本当だよ。僕はミーア嬢に騙されて、君とラファエルが愛し合っていると思い込んでいたのだよ。その裏で、君がどれほど苦しんでいたかも知らずに。こんな愚かな男だけれど、これからもずっと傍にいてくれるかい?」
そういえばそんな事を言っていたわね。
「ラファエル様は、いつも私の事を気にかけて下さるお優しい方です。ですが私が好きなのは、今も昔もロイド様ただ1人ですわ。ロイド様こそ、ミーア様の事を…そういえばミーア様は今、牢にいると」
ミーア様が牢にいるとは、一体何が起こったのだろうか?
「そうだよ、あの女は、僕に興味がないふりをして僕に近づき、陰でセイラに嫌がらせをしていたのだよ。挙句の果てに、セイラとラファエルが不貞を働いていると嘘の情報を流し、2人を断罪し、セイラを僕の婚約者から引きずりおそろうとしていたのだ。その罪で、あの女は捕まったよ」
「それじゃあロイド様は、ミーア様の事を」
「好きな訳がないだろう?僕にとって彼女は、ただの相談相手だった。でも、僕も愚かだった。まさか騙されているとも知らずに。セイラが苦いものや辛い物、蛇やカエルが好きだと嘘の情報をつかまされた事にも気が付かず、それを信じて君に贈っていたのだから…セイラ、本当にすまなかった」
「そういえばミーア様に、嫌いな物や苦手な物を聞かれた事があったわ…て、いえ、何でもありません。そうだったのですね、全く知りませんでしたわ」
つい心の声が漏れてしまった。だからロイド様は、私の苦手な物を積極的に贈っていたのね。
「セイラ、君は病気になるほど、僕を愛してくれているとも知らずに、本当にすまなかった。これからはずっと一緒に…」
「セイラ、目を覚ましたのだな。よかった」
私の部屋にやって来たのは、なんとお父様だ。目に涙を浮かべている。いつも絶対に話しかけるなオーラ全開のお父様が、今回は穏やかな表情をしているのだ。それが信じられない。
「お父様、どうされたのですか?」
しまった。つい話しかけてしまった。きっと無視されるだろう、そう思ったのだが…
「セイラ、今まですまなかった。私はセイラから母親を奪っただけでなく、父親の愛情も与えてあげられなかった。こんな父親なんて、セイラにとっていらない存在かもしれない。でも私は…」
「いらない存在だなんて、そんな悲しい事を言わないで下さい。私はずっと、お父様とこうやって話がしたかったのです。だから、来てくださってありがとうございます」
あまりのお父様の変わりように驚きつつも、とっさに話しを遮ってしまった。さすがにまずかったかしら?そう思ったのだが
「セイラ…君はなんて優しい子なんだ。本当に今まですまなかった」
あのお父様が、ポロポロと涙を流し、私に謝って来たのだ。これは夢なのかしら?それでもお父様が私を見てくれている。それが嬉しくてたまらない。
そっとお父様の手を握った。
この声は、お母様?瞼を上げると、そこには優しい微笑を浮かべたお母様の姿が。
「お母様!」
懐かしいお母様の姿に、嬉しくて傍に行こうとしたのだが、体が全く動かないのだ。
“セイラ、愛しているわ。私の可愛いセイラ。どうかお父様の事を、お願いね。さあ、もう行きなさい。愛する人の元に…”
そう言うと、お母様が透け始めたのだ。
「待って下さい、お母様!まだ話したい事が…」
そう叫んだ瞬間、光に包まれたのだ。そして
「セイラ、目を覚ましたのだね。よかった!」
ギュッと私を抱きしめるこの人は…
「ロイド様?どうしてこちらに?私…」
一体どうしたのだったかしら?確かに私は、あの瞬間、命を落としたはずだ。でも、温かい光に包まれたと思ったら、意識が戻って、それで…
あんなに息苦しかった胸も、激しい体の痛みも今は和らいでいる。
「あなた様が私を助けて下さったのですよね?その…私の意識が一時的に戻った時おっしゃられていたことは、本当ですか?」
一時的に意識が戻った時、私の事を愛していると言って下さったのだ。あれは夢だったのかしら?
「僕がセイラを愛しているという事かい?それなら本当だよ。僕はミーア嬢に騙されて、君とラファエルが愛し合っていると思い込んでいたのだよ。その裏で、君がどれほど苦しんでいたかも知らずに。こんな愚かな男だけれど、これからもずっと傍にいてくれるかい?」
そういえばそんな事を言っていたわね。
「ラファエル様は、いつも私の事を気にかけて下さるお優しい方です。ですが私が好きなのは、今も昔もロイド様ただ1人ですわ。ロイド様こそ、ミーア様の事を…そういえばミーア様は今、牢にいると」
ミーア様が牢にいるとは、一体何が起こったのだろうか?
「そうだよ、あの女は、僕に興味がないふりをして僕に近づき、陰でセイラに嫌がらせをしていたのだよ。挙句の果てに、セイラとラファエルが不貞を働いていると嘘の情報を流し、2人を断罪し、セイラを僕の婚約者から引きずりおそろうとしていたのだ。その罪で、あの女は捕まったよ」
「それじゃあロイド様は、ミーア様の事を」
「好きな訳がないだろう?僕にとって彼女は、ただの相談相手だった。でも、僕も愚かだった。まさか騙されているとも知らずに。セイラが苦いものや辛い物、蛇やカエルが好きだと嘘の情報をつかまされた事にも気が付かず、それを信じて君に贈っていたのだから…セイラ、本当にすまなかった」
「そういえばミーア様に、嫌いな物や苦手な物を聞かれた事があったわ…て、いえ、何でもありません。そうだったのですね、全く知りませんでしたわ」
つい心の声が漏れてしまった。だからロイド様は、私の苦手な物を積極的に贈っていたのね。
「セイラ、君は病気になるほど、僕を愛してくれているとも知らずに、本当にすまなかった。これからはずっと一緒に…」
「セイラ、目を覚ましたのだな。よかった」
私の部屋にやって来たのは、なんとお父様だ。目に涙を浮かべている。いつも絶対に話しかけるなオーラ全開のお父様が、今回は穏やかな表情をしているのだ。それが信じられない。
「お父様、どうされたのですか?」
しまった。つい話しかけてしまった。きっと無視されるだろう、そう思ったのだが…
「セイラ、今まですまなかった。私はセイラから母親を奪っただけでなく、父親の愛情も与えてあげられなかった。こんな父親なんて、セイラにとっていらない存在かもしれない。でも私は…」
「いらない存在だなんて、そんな悲しい事を言わないで下さい。私はずっと、お父様とこうやって話がしたかったのです。だから、来てくださってありがとうございます」
あまりのお父様の変わりように驚きつつも、とっさに話しを遮ってしまった。さすがにまずかったかしら?そう思ったのだが
「セイラ…君はなんて優しい子なんだ。本当に今まですまなかった」
あのお父様が、ポロポロと涙を流し、私に謝って来たのだ。これは夢なのかしら?それでもお父様が私を見てくれている。それが嬉しくてたまらない。
そっとお父様の手を握った。
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