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番外編:不安がぬぐいきれない~ロイド視点~
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“セイラ、待ってくれ。僕を置いて1人で逝かないでくれ。いやだ、頼む”
真っ暗な道を、セイラが嬉しそうに走っていく。その先には、美しいお花畑、さらにセイラによく似た女性が、笑顔でセイラを迎え入れようとしているのだ。
あれはきっと、セイラの母親だ。セイラを連れに来たのだ!
“ツィンクル公爵夫人、どうかセイラを連れて行かないで下さい。連れていくなら、僕も一緒に連れて行ってください”
何とかして2人の元に向かおうとするが、全く体が動かない。早くいかないと、セイラを連れていかれてしまう。
“セイラ、行かないで”
次の瞬間、体が動くようになった。これで僕もセイラの元に向かえる。そう思ったのも束の間!
真っ黒な大きな落とし穴の様なものが急に現れ、僕は奈落の底へと落とされた。あぁ…僕はもう二度と、セイラに会う事も触れる事も出来ないのだな…
そんな絶望が、僕を襲った次の瞬間、パチリと目を覚ました。
「またこの夢か…」
セイラが余命宣告を受けてしばらくしたころから、頻繁にこの夢を見るようになった。セイラが一命をとりとめ、病気が完治してからも、相変わらずこの夢を見続けている。
「殿下、酷くうなされておられましたが、大丈夫ですか?一度お医者様に診ていただいた方が…」
「いいや、病気ではないから大丈夫だ」
きっと精神的な面が、大きいのだろう。セイラを失うかもしれないという恐怖が、今でも僕を苦しめている。あの3ヶ月は、本当に生き地獄だった。あれほどまで辛い思いをしたのは、生まれて初めてだ。
あの時の経験が、未だに僕を苦しめている事は分かっている。
ちなみに治療の為にセイラと一緒に寝ていた1ヶ月は、一度もあの夢を見なかった。きっとセイラの温もりが、僕に安心感を与えてくれていたのだろう。
セイラは僕にとって、心臓の様な存在。セイラがいてくれるから、僕は生きていける。セイラが余命宣告をされ、2人で過ごすうちに、その思いはどんどん増していったのだ。
セイラが一命をとりとめた後も、僕はずっと不安だった。もちろん、今でも…
でも大丈夫だ。後半年もすれば、セイラと結婚できる。結婚すれば、ずっとセイラといられる。だから、あと少しの辛抱…
そう自分に言い聞かせた。
もうすぐセイラが王宮にやってくる時間だ、早く準備をしてセイラを向かえないと。
着替えを済ませ、セイラが来るのを待つ。
すると、公爵家の家紋が付いた馬車が入って来て、セイラが降りてきたのだ。
「おはよう、セイラ。今日も顔色がよさそうでよかったよ」
「おはようございます、ロイド様。あら?少し顔色がお悪い様な…」
「おはようございます、ロイド殿下。確かに顔色があまり良くないみたいですね。公務の方はある程度片付いているのでしょう。それなら、少しお休みになった方がよろしいのではないですか?最近の殿下は、少し頑張りすぎです。あなた様が倒れたら、セイラが心配しますので」
一緒に降りてきたのは、セイラの父、ツィンクル公爵だ。相変わらず無表情だが、最近はセイラとの仲を深めている様だ。僕にも意見をして来るようになった。
「公爵もセイラも、心配してくれてありがとう。ですが僕は大丈夫ですよ。それじゃあセイラ、行こうか」
いつもの様に、セイラを王妃教育が行われている部屋まで連れていき、いつもの様に公務をこなす。会えない時間、考える事と言えばセイラの事。
「殿下、やはり一度お医者様に診て頂いた方がよろしいのではありませんか?」
「いいや、平気だよ。早く仕事を片付けて、セイラを迎えに行かないと。それに僕の場合は、医者ではとても治せないからね」
そもそも僕の苦しみなんて、セイラが今まで味わった苦しみや悲しみを考えれば、大したことはない。むしろ僕は、もっと苦しむべきだ。セイラを今まで散々苦しめてきたのだから…
これは僕に対する罰なのかもしれない…
真っ暗な道を、セイラが嬉しそうに走っていく。その先には、美しいお花畑、さらにセイラによく似た女性が、笑顔でセイラを迎え入れようとしているのだ。
あれはきっと、セイラの母親だ。セイラを連れに来たのだ!
“ツィンクル公爵夫人、どうかセイラを連れて行かないで下さい。連れていくなら、僕も一緒に連れて行ってください”
何とかして2人の元に向かおうとするが、全く体が動かない。早くいかないと、セイラを連れていかれてしまう。
“セイラ、行かないで”
次の瞬間、体が動くようになった。これで僕もセイラの元に向かえる。そう思ったのも束の間!
真っ黒な大きな落とし穴の様なものが急に現れ、僕は奈落の底へと落とされた。あぁ…僕はもう二度と、セイラに会う事も触れる事も出来ないのだな…
そんな絶望が、僕を襲った次の瞬間、パチリと目を覚ました。
「またこの夢か…」
セイラが余命宣告を受けてしばらくしたころから、頻繁にこの夢を見るようになった。セイラが一命をとりとめ、病気が完治してからも、相変わらずこの夢を見続けている。
「殿下、酷くうなされておられましたが、大丈夫ですか?一度お医者様に診ていただいた方が…」
「いいや、病気ではないから大丈夫だ」
きっと精神的な面が、大きいのだろう。セイラを失うかもしれないという恐怖が、今でも僕を苦しめている。あの3ヶ月は、本当に生き地獄だった。あれほどまで辛い思いをしたのは、生まれて初めてだ。
あの時の経験が、未だに僕を苦しめている事は分かっている。
ちなみに治療の為にセイラと一緒に寝ていた1ヶ月は、一度もあの夢を見なかった。きっとセイラの温もりが、僕に安心感を与えてくれていたのだろう。
セイラは僕にとって、心臓の様な存在。セイラがいてくれるから、僕は生きていける。セイラが余命宣告をされ、2人で過ごすうちに、その思いはどんどん増していったのだ。
セイラが一命をとりとめた後も、僕はずっと不安だった。もちろん、今でも…
でも大丈夫だ。後半年もすれば、セイラと結婚できる。結婚すれば、ずっとセイラといられる。だから、あと少しの辛抱…
そう自分に言い聞かせた。
もうすぐセイラが王宮にやってくる時間だ、早く準備をしてセイラを向かえないと。
着替えを済ませ、セイラが来るのを待つ。
すると、公爵家の家紋が付いた馬車が入って来て、セイラが降りてきたのだ。
「おはよう、セイラ。今日も顔色がよさそうでよかったよ」
「おはようございます、ロイド様。あら?少し顔色がお悪い様な…」
「おはようございます、ロイド殿下。確かに顔色があまり良くないみたいですね。公務の方はある程度片付いているのでしょう。それなら、少しお休みになった方がよろしいのではないですか?最近の殿下は、少し頑張りすぎです。あなた様が倒れたら、セイラが心配しますので」
一緒に降りてきたのは、セイラの父、ツィンクル公爵だ。相変わらず無表情だが、最近はセイラとの仲を深めている様だ。僕にも意見をして来るようになった。
「公爵もセイラも、心配してくれてありがとう。ですが僕は大丈夫ですよ。それじゃあセイラ、行こうか」
いつもの様に、セイラを王妃教育が行われている部屋まで連れていき、いつもの様に公務をこなす。会えない時間、考える事と言えばセイラの事。
「殿下、やはり一度お医者様に診て頂いた方がよろしいのではありませんか?」
「いいや、平気だよ。早く仕事を片付けて、セイラを迎えに行かないと。それに僕の場合は、医者ではとても治せないからね」
そもそも僕の苦しみなんて、セイラが今まで味わった苦しみや悲しみを考えれば、大したことはない。むしろ僕は、もっと苦しむべきだ。セイラを今まで散々苦しめてきたのだから…
これは僕に対する罰なのかもしれない…
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