3 / 51
第3話:王宮へ向かいます
しおりを挟む
翌日、今日は快晴だ。いつもはブライン様の瞳の色に合わせて、グリーンのドレスを着ていくのだが、今日は私の瞳に合わせてオレンジのドレスにした。そう、ブライン様との決別の意味も込めている。
「お嬢様、本当にグリーンのドレスでなくてよろしいのですか?」
隣で不安そうに呟くマリン。
「ええ、大丈夫よ。それより私のクローゼット、どれもこれもグリーンのドレスばかりね。今度デザイナーを呼んで、他の色のドレスも作ってもらわないと。婚約破棄をしたら、やっぱりもうグリーンのドレスは控えた方がいいでしょう?」
「お嬢様、あなたって人は…」
私の隣で、マリンがため息を付いている。何がそんなに気に入らないのかしら?この子。さっぱり分からないわ。
「さあ、マリン、行きましょう。もしかしたら今日が王妃様とお茶をするのも、最後になるかもしれないわね。王妃様はとてもいい人なのに。なんだか寂しいわ」
「いいえ…最後になる事は絶対にありませんので、そんな心配はいりませんわ…王妃様には婚約破棄したい事はおっしゃられない様にお願いします…」
「もう、何よ、そのやる気のない言い方わ。大丈夫よ、さすがに王妃様には婚約破棄の話はしないわ。ねえ、マリン。私から婚約破棄の言葉が出たら、ブライン様はきっとお喜びになると思うの。私、最後にブライン様の喜ぶ顔が見るのが、楽しみで仕方がないわ」
せめて最後くらい、喜ぶ顔が見たいのだ。
「…」
何も返事をしないマリン。それどころか、私を残念な者を見る様な目で見つめている。
もう、何なんなのよ、一体!
気を取り直して、馬車に乗り込んだ。しばらく走ると、立派な王宮が見えてきた。ここに来るのも、今日で最後かしら?そう思うと、なんだか寂しいわね。
まずは王妃様とお茶会だ。
いつもの様に中庭に向かうと、美しい金髪を腰まで伸ばした女性が、嬉しそうにこちらに走って来た。そう、王妃様だ。
「オニキスちゃん、待っていたのよ。さあ、早速お茶にしましょう。今日はね、隣国から有名なお茶を取り寄せたの。オニキスちゃんと一緒に飲みたいと思って」
「まあ、とても美味しそうなお茶ですわね。私も今王都で流行っていると言われている、砂糖菓子を持ってきましたの。とても甘くて美味しいのですよ。それに、見た目も可愛いのです」
「まあ、本当ね。お菓子が動物やお花の形をしているわ。これは素敵ね。さあ、座って」
お優しい王妃様はこうやって私を定期的にお茶に誘ってくれるのだ。それにしても王妃様は女神の様に美しい。16歳の息子がいるとはとても思えないわ。ちなみにブライン様の神的な美しさは、王妃様に似た様だ。
「このお茶、とても香りがいいですわ。それに、味もとても美味しいです。そうだわ、このお茶にこの砂糖菓子を入れたら美味しいかと」
早速お茶に砂糖菓子を入れた。ん!これは、美味しすぎるわ。
「王妃様、お茶と砂糖菓子、とても合いますわ。ぜひ試してみてください」
あまりの美味しさに、王妃様にも勧めた。
「こんなに可愛らしいお菓子をお茶にいれるのは勿体ないけれど、せっかくオニキスちゃんが進めてくれるのだから、入れてみるわ」
そう言うと、お茶にお菓子を入れた王妃様。ちょっとした動きも、とても美しい。
「本当だわ。これ、とても美味しいわね。癖になりそうね。本当にオニキスちゃんのチョイスは素晴らしいわ。それで、最近学院はどう?あなたの評判は王宮にも届いているのよ。相変わらず、皆があなたに頼っている様ね。さすがオニキスちゃんね」
王妃様は、私を褒めるのが天才的に上手だ。この人、美しいだけでなく心もとっても綺麗なのだ。つい楽しくて、王妃様と話に花を咲かせる。
「失礼いたします。オニキス様、殿下がお待ちです。そろそろよろしいでしょうか?」
「あら、もうそんな時間なの。もう少しオニキスちゃんと話したいわ。でも、あまり私が独占すると、ブラインに怒られるわね。あぁ、早くオニキスちゃんが嫁いできてくれないかしら?」
王妃様、ブライン様は私なんて待っておりませんわ。それに私たちは、今から婚約破棄をするのです。なんて事は、言えないわよね。
「私でよろしければ、またいつでもお付き合いしますわ。それでは王妃様、これで失礼いたします」
笑顔で手を振ってくれる王妃様に頭を下げ、ブライン様の元へと向かう。
いよいよね、なんだか緊張してきたわ。
「お嬢様、本当にグリーンのドレスでなくてよろしいのですか?」
隣で不安そうに呟くマリン。
「ええ、大丈夫よ。それより私のクローゼット、どれもこれもグリーンのドレスばかりね。今度デザイナーを呼んで、他の色のドレスも作ってもらわないと。婚約破棄をしたら、やっぱりもうグリーンのドレスは控えた方がいいでしょう?」
「お嬢様、あなたって人は…」
私の隣で、マリンがため息を付いている。何がそんなに気に入らないのかしら?この子。さっぱり分からないわ。
「さあ、マリン、行きましょう。もしかしたら今日が王妃様とお茶をするのも、最後になるかもしれないわね。王妃様はとてもいい人なのに。なんだか寂しいわ」
「いいえ…最後になる事は絶対にありませんので、そんな心配はいりませんわ…王妃様には婚約破棄したい事はおっしゃられない様にお願いします…」
「もう、何よ、そのやる気のない言い方わ。大丈夫よ、さすがに王妃様には婚約破棄の話はしないわ。ねえ、マリン。私から婚約破棄の言葉が出たら、ブライン様はきっとお喜びになると思うの。私、最後にブライン様の喜ぶ顔が見るのが、楽しみで仕方がないわ」
せめて最後くらい、喜ぶ顔が見たいのだ。
「…」
何も返事をしないマリン。それどころか、私を残念な者を見る様な目で見つめている。
もう、何なんなのよ、一体!
気を取り直して、馬車に乗り込んだ。しばらく走ると、立派な王宮が見えてきた。ここに来るのも、今日で最後かしら?そう思うと、なんだか寂しいわね。
まずは王妃様とお茶会だ。
いつもの様に中庭に向かうと、美しい金髪を腰まで伸ばした女性が、嬉しそうにこちらに走って来た。そう、王妃様だ。
「オニキスちゃん、待っていたのよ。さあ、早速お茶にしましょう。今日はね、隣国から有名なお茶を取り寄せたの。オニキスちゃんと一緒に飲みたいと思って」
「まあ、とても美味しそうなお茶ですわね。私も今王都で流行っていると言われている、砂糖菓子を持ってきましたの。とても甘くて美味しいのですよ。それに、見た目も可愛いのです」
「まあ、本当ね。お菓子が動物やお花の形をしているわ。これは素敵ね。さあ、座って」
お優しい王妃様はこうやって私を定期的にお茶に誘ってくれるのだ。それにしても王妃様は女神の様に美しい。16歳の息子がいるとはとても思えないわ。ちなみにブライン様の神的な美しさは、王妃様に似た様だ。
「このお茶、とても香りがいいですわ。それに、味もとても美味しいです。そうだわ、このお茶にこの砂糖菓子を入れたら美味しいかと」
早速お茶に砂糖菓子を入れた。ん!これは、美味しすぎるわ。
「王妃様、お茶と砂糖菓子、とても合いますわ。ぜひ試してみてください」
あまりの美味しさに、王妃様にも勧めた。
「こんなに可愛らしいお菓子をお茶にいれるのは勿体ないけれど、せっかくオニキスちゃんが進めてくれるのだから、入れてみるわ」
そう言うと、お茶にお菓子を入れた王妃様。ちょっとした動きも、とても美しい。
「本当だわ。これ、とても美味しいわね。癖になりそうね。本当にオニキスちゃんのチョイスは素晴らしいわ。それで、最近学院はどう?あなたの評判は王宮にも届いているのよ。相変わらず、皆があなたに頼っている様ね。さすがオニキスちゃんね」
王妃様は、私を褒めるのが天才的に上手だ。この人、美しいだけでなく心もとっても綺麗なのだ。つい楽しくて、王妃様と話に花を咲かせる。
「失礼いたします。オニキス様、殿下がお待ちです。そろそろよろしいでしょうか?」
「あら、もうそんな時間なの。もう少しオニキスちゃんと話したいわ。でも、あまり私が独占すると、ブラインに怒られるわね。あぁ、早くオニキスちゃんが嫁いできてくれないかしら?」
王妃様、ブライン様は私なんて待っておりませんわ。それに私たちは、今から婚約破棄をするのです。なんて事は、言えないわよね。
「私でよろしければ、またいつでもお付き合いしますわ。それでは王妃様、これで失礼いたします」
笑顔で手を振ってくれる王妃様に頭を下げ、ブライン様の元へと向かう。
いよいよね、なんだか緊張してきたわ。
18
あなたにおすすめの小説
差し出された毒杯
しろねこ。
恋愛
深い森の中。
一人のお姫様が王妃より毒杯を授けられる。
「あなたのその表情が見たかった」
毒を飲んだことにより、少女の顔は苦悶に満ちた表情となる。
王妃は少女の美しさが妬ましかった。
そこで命を落としたとされる少女を助けるは一人の王子。
スラリとした体型の美しい王子、ではなく、体格の良い少し脳筋気味な王子。
お供をするは、吊り目で小柄な見た目も中身も猫のように気まぐれな従者。
か○みよ、○がみ…ではないけれど、毒と美しさに翻弄される女性と立ち向かうお姫様なお話。
ハピエン大好き、自己満、ご都合主義な作者による作品です。
同名キャラで複数の作品を書いています。
立場やシチュエーションがちょっと違ったり、サブキャラがメインとなるストーリーをなどを書いています。
ところどころリンクもしています。
※小説家になろうさん、カクヨムさんでも投稿しています!
【完結】第一王子の婚約者になりましたが、妃になるにはまだまだ先がみえません!
風見ゆうみ
恋愛
「王族に嫁いだ者は、夫を二人もつ事を義務化とする」
第二王子の婚約者である私の親友に恋をした第三王子のワガママなお願いを無効にするまでのもう一人の夫候補として思い浮かんだのは、私に思いを寄せてくれていた次期公爵。
夫候補をお願いしたことにより第一王子だけでなく次期公爵からも溺愛される事に?!
彼らを好きな令嬢やお姫様達ともひと悶着ありですが、親友と一緒に頑張ります!
/「小説家になろう」で完結済みです。本作からお読みいただいてもわかるようにしておりますが、拙作の「身を引いたつもりが逆効果でした」の続編になります。
基本はヒロインが王子と次期公爵から溺愛される三角関係メインの甘めな話です。揺れるヒロインが苦手な方は、ご遠慮下さい。
裏切り者として死んで転生したら、私を憎んでいるはずの王太子殿下がなぜか優しくしてくるので、勘違いしないよう気を付けます
みゅー
恋愛
ジェイドは幼いころ会った王太子殿下であるカーレルのことを忘れたことはなかった。だが魔法学校で再会したカーレルはジェイドのことを覚えていなかった。
それでもジェイドはカーレルを想っていた。
学校の卒業式の日、貴族令嬢と親しくしているカーレルを見て元々身分差もあり儚い恋だと潔く身を引いたジェイド。
赴任先でモンスターの襲撃に会い、療養で故郷にもどった先で驚きの事実を知る。自分はこの宇宙を作るための機械『ジェイド』のシステムの一つだった。
それからは『ジェイド』に従い動くことになるが、それは国を裏切ることにもなりジェイドは最終的に殺されてしまう。
ところがその後ジェイドの記憶を持ったまま翡翠として他の世界に転生し元の世界に召喚され……
ジェイドは王太子殿下のカーレルを愛していた。
だが、自分が裏切り者と思われてもやらなければならないことができ、それを果たした。
そして、死んで翡翠として他の世界で生まれ変わったが、ものと世界に呼び戻される。
そして、戻った世界ではカーレルは聖女と呼ばれる令嬢と恋人になっていた。
だが、裏切り者のジェイドの生まれ変わりと知っていて、恋人がいるはずのカーレルはなぜか翡翠に優しくしてきて……
元男装傭兵、完璧な淑女を演じます。――嫁ぎ先はかつての団長でした!?
中野森
恋愛
貧乏男爵家の長女クラリスは、弟の学費を稼ぐために男装して傭兵団へ入団した。
副団長にまで上り詰め、団長をはじめとした仲間から信頼を得るが、決して正体は明かさなかった。
やがて戦争が終わり、傭兵団は解散となる。
出稼ぎするために流した嘘の悪評により、修道院入りを覚悟していたクラリスだったが、帰郷した彼女を待っていたのは父からの「嫁ぎ先が決まった」という一言だった。
慌ただしく始まる淑女教育、そして一度も未来の夫と顔合わせすることなく迎えた結婚式当日。
誓いの言葉を促され隣からきこてくる声に、クラリスは凍りつく。
……嘘でしょ、団長!?
かつての想い人でもある傭兵仲間が今は夫となり、妻の正体には気づいていない――気づかれてはいけないのだ、絶対に!
本作品はゆるふわ設定、ご都合主義、細かいことは気にしたら負け!
※この小説は、ほかの小説投稿サイトにも投稿しています。
この婚約は白い結婚に繋がっていたはずですが? 〜深窓の令嬢は赤獅子騎士団長に溺愛される〜
氷雨そら
恋愛
婚約相手のいない婚約式。
通常であれば、この上なく惨めであろうその場所に、辺境伯令嬢ルナシェは、美しいベールをなびかせて、毅然とした姿で立っていた。
ベールから、こぼれ落ちるような髪は白銀にも見える。プラチナブロンドが、日差しに輝いて神々しい。
さすがは、白薔薇姫との呼び名高い辺境伯令嬢だという周囲の感嘆。
けれど、ルナシェの内心は、実はそれどころではなかった。
(まさかのやり直し……?)
先ほど確かに、ルナシェは断頭台に露と消えたのだ。しかし、この場所は確かに、あの日経験した、たった一人の婚約式だった。
ルナシェは、人生を変えるため、婚約式に現れなかった婚約者に、婚約破棄を告げるため、激戦の地へと足を向けるのだった。
小説家になろう様にも投稿しています。
虐げられ続けてきたお嬢様、全てを踏み台に幸せになることにしました。
ラディ
恋愛
一つ違いの姉と比べられる為に、愚かであることを強制され矯正されて育った妹。
家族からだけではなく、侍女や使用人からも虐げられ弄ばれ続けてきた。
劣悪こそが彼女と標準となっていたある日。
一人の男が現れる。
彼女の人生は彼の登場により一変する。
この機を逃さぬよう、彼女は。
幸せになることに、決めた。
■完結しました! 現在はルビ振りを調整中です!
■第14回恋愛小説大賞99位でした! 応援ありがとうございました!
■感想や御要望などお気軽にどうぞ!
■エールやいいねも励みになります!
■こちらの他にいくつか話を書いてますのでよろしければ、登録コンテンツから是非に。
※一部サブタイトルが文字化けで表示されているのは演出上の仕様です。お使いの端末、表示されているページは正常です。
本の虫令嬢ですが「君が番だ! 間違いない」と、竜騎士様が迫ってきます
氷雨そら
恋愛
本の虫として社交界に出ることもなく、婚約者もいないミリア。
「君が番だ! 間違いない」
(番とは……!)
今日も読書にいそしむミリアの前に現れたのは、王都にたった一人の竜騎士様。
本好き令嬢が、強引な竜騎士様に振り回される竜人の番ラブコメ。
小説家になろう様にも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる