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第6話:学院が始まりました
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「お嬢様、今日から3年生ですね。後1年もすれば、お嬢様は王太子妃様になられるのです。私もお嬢様の輿入れと共に、王宮に上がる予定になっておりますので」
嬉しそうに私に話しかけるマリン。
「ありがとう、あなたが付いて来てくれると嬉しいわ。でも、きっと私はブライン様に愛されることなく、1人寂しく王宮の一室で暮らすのね。せめて子供だけでも授けて下さるといいのだけれど…」
あの日以降、私は婚約破棄を諦める事にした。そしてあの日以降、毎日王宮で王妃教育の復習をしている。夕食は陛下や王妃様、ブライン様と一緒に頂いているのだが、相変わらず私に見向きもしないブライン様。
食事が済むと、さっさと自室に戻ってしまうのだ。私、やっぱりブライン様に嫌われているわよね。
それでも陛下や王妃様が優しく接してくれるのが、唯一の救いだ。とりあえず学院が始まったという事で、今日から王妃教育の復習はしなくてもいいらしいので、その点は助かっている。
やっぱり私、ブライン様と今後上手くやっている自信がないわ。婚約破棄…ダメよ、また怒られるわ。それに、私1人では正直どうしていいか分からない。婚約破棄は諦めるしかないのよ。
そうだわ、この1年で、趣味を見つけましょう。輿入れした後、1人でも寂しくない様に。
そんな事を考えながら、貴族学院に向かうため、馬車に乗り込んだ。しばらく走ると、学院に着いた。
馬車を降りると、ちょうどブライン様も通学してきた様で、ブライン様の姿が目に入る。相変わらず美しいブライン様をうっとりと見つめる令嬢たち。そんな中、ピンク色の髪に青い瞳をした令嬢が、ブライン様に飛びついている。あれは、クロエ様だわ。相変わらず仲睦まじい事。
もしかしたら、私を妻に迎えた後、彼女を妾にでもするのかもしれないわね。そう思ったら、無性に悲しくなってその場を急いで後にする。
「オニキス様、おはようございます」
「おはようございます、オニキス様、今年もよろしくお願いいたしますわ」
嬉しそうに私の元にやって来た令嬢たちは、私の大切な友人だ。
「おはようございます、皆様。こちらこそよろしくお願いいたします」
「オニキス様、見ましたか?またクロエ様がブライン殿下にまとわりついていましたわよ。彼女、絶対にブライン殿下を狙っていますわ。オニキス様、注意した方がよろしいのではなくって?」
「私がとやかく言える権利はありませんわ。それに、クロエ様はお美しい女性ですので、きっとブライン様も彼女を気に入っていらっしゃるのでしょう」
だから私と婚約破棄して欲しいのだが、貴族のしがらみという奴が、それを許さないのだ…
「そんな事はありませんわ。殿下もきっと、オニキス様を愛していらっしゃいますわよ」
「ありがとうございます、でも本当に私は大丈夫ですわ。それよりも皆様は、お休み中どうでしたか?」
「聞いて下さい!婚約者のダニー様と喧嘩してしまって…私、もう婚約破棄になるかもしれませんわ」
喧嘩しただけで婚約破棄ですって?貴族同士だと、そんなに簡単に婚約破棄が出来るのもなの?おっといけない、ここはフォローしないと。
「まあ、喧嘩を。でも、ダニー様はきっと、リンダ様を心から愛していらっしゃると思いますわ。だってダニー様、いつもリンダ様を優しい眼差しで見つめていらっしゃいますもの。だから、どうか仲直りしてください」
あれほどまでに優しい眼差しを向けられるリンダ様が羨ましいですわ。私なんて、見向きもして頂けないのですもの…
「オニキス様、ありがとうございます。なんだか仲直りできそうな気がしてきましたわ」
「それは良かったですわ。ほら、あそこにダニー様がいらっしゃいますよ。行っていらしたら?」
「ええ…でも…」
「善は急げです。あっ、ダニー様。ちょっとこちらに来てください」
モジモジしているリンダ様を他所に、ダニー様を呼んだ。
「それでは私たちは行きますので、頑張ってくださいね」
リンダ様に声をかけ、その場を後にする。
「さすがオニキス様ですわ。きっとあの2人、仲直りできますわね」
「私は何もしておりませんわ。あの2人は、元々深い絆で結ばれているのですから」
ふと2人の方を見ると、お互い謝っている様だ。そして照れ臭そうに微笑み合っている。どうやら仲直り出来た様だ。いいわね、私もブライン様とあんな関係になりたかったわ。でも…私たちは無理だった。
なんだか悲しい気持ちになってきた。でも、悲しんでも仕方ない。気を取り直して、教室へと向かう。
貴族学院は基本的に爵位でクラスが決まっている為、3年間同じクラスなのだ。もちろん私とブライン様も同じクラス。ただ、クロエ様はクラスが違うのだ。それでも2人は仲を深めている。やっぱりブライン様も、私の様な気の強そうな令嬢ではなく、可愛らしい令嬢が好きなのだろう。
教室に入ると、既にブライン様がいた。相変わらず男女ともに人気で、楽しそうに話しをしている。私にはあんな顔、一度も見せた事がないのに…
私はこれから一生、笑顔を向けられることもなく、ほとんど会話もすることなくずっとブライン様と過ごすのね。そう思ったら、やっぱり悲しいわ。この1年で、なんとかして婚約破棄出来ないかしら?
ついそんな事を考えてしまうのだった。
嬉しそうに私に話しかけるマリン。
「ありがとう、あなたが付いて来てくれると嬉しいわ。でも、きっと私はブライン様に愛されることなく、1人寂しく王宮の一室で暮らすのね。せめて子供だけでも授けて下さるといいのだけれど…」
あの日以降、私は婚約破棄を諦める事にした。そしてあの日以降、毎日王宮で王妃教育の復習をしている。夕食は陛下や王妃様、ブライン様と一緒に頂いているのだが、相変わらず私に見向きもしないブライン様。
食事が済むと、さっさと自室に戻ってしまうのだ。私、やっぱりブライン様に嫌われているわよね。
それでも陛下や王妃様が優しく接してくれるのが、唯一の救いだ。とりあえず学院が始まったという事で、今日から王妃教育の復習はしなくてもいいらしいので、その点は助かっている。
やっぱり私、ブライン様と今後上手くやっている自信がないわ。婚約破棄…ダメよ、また怒られるわ。それに、私1人では正直どうしていいか分からない。婚約破棄は諦めるしかないのよ。
そうだわ、この1年で、趣味を見つけましょう。輿入れした後、1人でも寂しくない様に。
そんな事を考えながら、貴族学院に向かうため、馬車に乗り込んだ。しばらく走ると、学院に着いた。
馬車を降りると、ちょうどブライン様も通学してきた様で、ブライン様の姿が目に入る。相変わらず美しいブライン様をうっとりと見つめる令嬢たち。そんな中、ピンク色の髪に青い瞳をした令嬢が、ブライン様に飛びついている。あれは、クロエ様だわ。相変わらず仲睦まじい事。
もしかしたら、私を妻に迎えた後、彼女を妾にでもするのかもしれないわね。そう思ったら、無性に悲しくなってその場を急いで後にする。
「オニキス様、おはようございます」
「おはようございます、オニキス様、今年もよろしくお願いいたしますわ」
嬉しそうに私の元にやって来た令嬢たちは、私の大切な友人だ。
「おはようございます、皆様。こちらこそよろしくお願いいたします」
「オニキス様、見ましたか?またクロエ様がブライン殿下にまとわりついていましたわよ。彼女、絶対にブライン殿下を狙っていますわ。オニキス様、注意した方がよろしいのではなくって?」
「私がとやかく言える権利はありませんわ。それに、クロエ様はお美しい女性ですので、きっとブライン様も彼女を気に入っていらっしゃるのでしょう」
だから私と婚約破棄して欲しいのだが、貴族のしがらみという奴が、それを許さないのだ…
「そんな事はありませんわ。殿下もきっと、オニキス様を愛していらっしゃいますわよ」
「ありがとうございます、でも本当に私は大丈夫ですわ。それよりも皆様は、お休み中どうでしたか?」
「聞いて下さい!婚約者のダニー様と喧嘩してしまって…私、もう婚約破棄になるかもしれませんわ」
喧嘩しただけで婚約破棄ですって?貴族同士だと、そんなに簡単に婚約破棄が出来るのもなの?おっといけない、ここはフォローしないと。
「まあ、喧嘩を。でも、ダニー様はきっと、リンダ様を心から愛していらっしゃると思いますわ。だってダニー様、いつもリンダ様を優しい眼差しで見つめていらっしゃいますもの。だから、どうか仲直りしてください」
あれほどまでに優しい眼差しを向けられるリンダ様が羨ましいですわ。私なんて、見向きもして頂けないのですもの…
「オニキス様、ありがとうございます。なんだか仲直りできそうな気がしてきましたわ」
「それは良かったですわ。ほら、あそこにダニー様がいらっしゃいますよ。行っていらしたら?」
「ええ…でも…」
「善は急げです。あっ、ダニー様。ちょっとこちらに来てください」
モジモジしているリンダ様を他所に、ダニー様を呼んだ。
「それでは私たちは行きますので、頑張ってくださいね」
リンダ様に声をかけ、その場を後にする。
「さすがオニキス様ですわ。きっとあの2人、仲直りできますわね」
「私は何もしておりませんわ。あの2人は、元々深い絆で結ばれているのですから」
ふと2人の方を見ると、お互い謝っている様だ。そして照れ臭そうに微笑み合っている。どうやら仲直り出来た様だ。いいわね、私もブライン様とあんな関係になりたかったわ。でも…私たちは無理だった。
なんだか悲しい気持ちになってきた。でも、悲しんでも仕方ない。気を取り直して、教室へと向かう。
貴族学院は基本的に爵位でクラスが決まっている為、3年間同じクラスなのだ。もちろん私とブライン様も同じクラス。ただ、クロエ様はクラスが違うのだ。それでも2人は仲を深めている。やっぱりブライン様も、私の様な気の強そうな令嬢ではなく、可愛らしい令嬢が好きなのだろう。
教室に入ると、既にブライン様がいた。相変わらず男女ともに人気で、楽しそうに話しをしている。私にはあんな顔、一度も見せた事がないのに…
私はこれから一生、笑顔を向けられることもなく、ほとんど会話もすることなくずっとブライン様と過ごすのね。そう思ったら、やっぱり悲しいわ。この1年で、なんとかして婚約破棄出来ないかしら?
ついそんな事を考えてしまうのだった。
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