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第29話:国王とヴァンの会話
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「陛下、先ほど殿下にオニキス様の件、話してまいりました」
「そうか…ヴァン、お前には言いにくい事を話させてしまってすまなかったな。それで、ブラインはなんて言っていたのだ?」
「殿下も鼻血の件は気にしておりました。ただ、オニキス様に鼻血の話をする事は抵抗がある様で…だからといって、婚約破棄も嫌だとおっしゃられておりました」
「そうか…実はメッション公爵からも、婚約を一旦白紙に戻した方が良いのではないかと言われていてな。オニキス嬢に対するブラインの態度を、随分前から気にしていたらしい。ただメッション公爵も、ブラインはシャイな性格だからと、大目に見てくれていたんだ。オニキス嬢の様子を監視する程、オニキス嬢の事を愛していると思っていた様だしな」
「公爵様は、殿下がオニキス様の私物を取り寄せている事や、絵師にオニキス様の絵を描かせ、部屋中に貼っている事、オニキス様が使ったストローやスプーンをコレクションしている事、さらに逐一オニキス様の行動を監視している事は知らないのでしょうか?」
「オニキス嬢を監視している事は知っている。公爵家に盗撮機を付けようとした時に、公爵にバレているからな。後、鼻血が出やすいという事も知っているが、ただ…オニキス嬢を見ただけで鼻血が出るとは考えていないだろう」
「そうですか…」
「とにかく、オニキス嬢が婚約破棄を言い出してから、公爵も思う事がある様だ。最近では、オニキス嬢のあらさがしをする為に、ブラインがオニキス嬢を監視しているのではと、考え始めているみたいだ。とにかく、これ以上オニキス嬢を大切にしないなら、オニキス嬢はあげられないと言われているんだよ…公爵はオニキス嬢をとても大切にしているからな…」
ため息を付く国王。
「それに無事オニキス嬢と結婚できたとしても、今のブラインならオニキス嬢に触れる事が出来ないだろう。そうなればきっと、世継ぎも見込めない。何年も世継ぎが出来なければ、きっとオニキス嬢が責められるだろう。オニキス嬢の事を考えると、早い段階で婚約破棄をした方が彼女の為でもある。ただ…」
「殿下が何が何でもオニキス様との婚約破棄を、拒否すると考えられます。きっと他の令嬢と無理やり結婚させたところで、あの殿下の事です。指一本触れないでしょう」
「下手をすると、“国王にはならない”と、言い出すかもしれないな。そうなるとまた厄介だ。本当にどうしたものか…」
「陛下、落ち着いて下さい。まだ結婚までに時間があります。それに何より、殿下はオニキス様がまだ殿下と婚約破棄をしたがっている事に、ショックを受けておりますし。ミレィシャル伯爵令嬢も、きっと近いうちに何らかの動きを見せる事でしょう」
「ミレィシャル伯爵令嬢か…いっその事、彼女が上手くオニキス嬢を他国に逃がしてくれたらいいのだが…て、そんな事をしたらきっと、ブラインは地の果てまでオニキス嬢を探すだろうな…」
遠い目をする陛下。ヴァンも同じく遠い目をしている。
「ミレィシャル伯爵令嬢とオニキス様が何かを起こそうとすればするほど、殿下の中では焦りが生じている様です。とにかく、彼女をうまく利用して、殿下を追い込みましょう。殿下も追い込まれれば、鼻血の件をオニキス様に正直に話すかもしれません。そうすれば、心優しいオニキス様は、殿下に協力してくれるかと」
「オニキス嬢ならきっと、ブラインを見捨てる事はないだろう。オニキス嬢に協力してもらい、彼女に対する免疫を少しずつつけて行けば、克服できるかもしれないしな。それに掛けるしかないか。ヴァン、引き続きブラインの事、よろしく頼む」
「かしこまりました」
陛下に頭を下げ、去っていくヴァンだった。
~あとがき~
新年あけましておめでとうございます。
本年度も、マイペースで書いていこうと思っております。
どうぞよろしくお願いいたしますm(__)m
「そうか…ヴァン、お前には言いにくい事を話させてしまってすまなかったな。それで、ブラインはなんて言っていたのだ?」
「殿下も鼻血の件は気にしておりました。ただ、オニキス様に鼻血の話をする事は抵抗がある様で…だからといって、婚約破棄も嫌だとおっしゃられておりました」
「そうか…実はメッション公爵からも、婚約を一旦白紙に戻した方が良いのではないかと言われていてな。オニキス嬢に対するブラインの態度を、随分前から気にしていたらしい。ただメッション公爵も、ブラインはシャイな性格だからと、大目に見てくれていたんだ。オニキス嬢の様子を監視する程、オニキス嬢の事を愛していると思っていた様だしな」
「公爵様は、殿下がオニキス様の私物を取り寄せている事や、絵師にオニキス様の絵を描かせ、部屋中に貼っている事、オニキス様が使ったストローやスプーンをコレクションしている事、さらに逐一オニキス様の行動を監視している事は知らないのでしょうか?」
「オニキス嬢を監視している事は知っている。公爵家に盗撮機を付けようとした時に、公爵にバレているからな。後、鼻血が出やすいという事も知っているが、ただ…オニキス嬢を見ただけで鼻血が出るとは考えていないだろう」
「そうですか…」
「とにかく、オニキス嬢が婚約破棄を言い出してから、公爵も思う事がある様だ。最近では、オニキス嬢のあらさがしをする為に、ブラインがオニキス嬢を監視しているのではと、考え始めているみたいだ。とにかく、これ以上オニキス嬢を大切にしないなら、オニキス嬢はあげられないと言われているんだよ…公爵はオニキス嬢をとても大切にしているからな…」
ため息を付く国王。
「それに無事オニキス嬢と結婚できたとしても、今のブラインならオニキス嬢に触れる事が出来ないだろう。そうなればきっと、世継ぎも見込めない。何年も世継ぎが出来なければ、きっとオニキス嬢が責められるだろう。オニキス嬢の事を考えると、早い段階で婚約破棄をした方が彼女の為でもある。ただ…」
「殿下が何が何でもオニキス様との婚約破棄を、拒否すると考えられます。きっと他の令嬢と無理やり結婚させたところで、あの殿下の事です。指一本触れないでしょう」
「下手をすると、“国王にはならない”と、言い出すかもしれないな。そうなるとまた厄介だ。本当にどうしたものか…」
「陛下、落ち着いて下さい。まだ結婚までに時間があります。それに何より、殿下はオニキス様がまだ殿下と婚約破棄をしたがっている事に、ショックを受けておりますし。ミレィシャル伯爵令嬢も、きっと近いうちに何らかの動きを見せる事でしょう」
「ミレィシャル伯爵令嬢か…いっその事、彼女が上手くオニキス嬢を他国に逃がしてくれたらいいのだが…て、そんな事をしたらきっと、ブラインは地の果てまでオニキス嬢を探すだろうな…」
遠い目をする陛下。ヴァンも同じく遠い目をしている。
「ミレィシャル伯爵令嬢とオニキス様が何かを起こそうとすればするほど、殿下の中では焦りが生じている様です。とにかく、彼女をうまく利用して、殿下を追い込みましょう。殿下も追い込まれれば、鼻血の件をオニキス様に正直に話すかもしれません。そうすれば、心優しいオニキス様は、殿下に協力してくれるかと」
「オニキス嬢ならきっと、ブラインを見捨てる事はないだろう。オニキス嬢に協力してもらい、彼女に対する免疫を少しずつつけて行けば、克服できるかもしれないしな。それに掛けるしかないか。ヴァン、引き続きブラインの事、よろしく頼む」
「かしこまりました」
陛下に頭を下げ、去っていくヴァンだった。
~あとがき~
新年あけましておめでとうございます。
本年度も、マイペースで書いていこうと思っております。
どうぞよろしくお願いいたしますm(__)m
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