38 / 51
第38話:選択肢が与えられました
しおりを挟む
完全に固まった私たちの元にやって来たのは、クロエ様だ。どうやらまだいた様だ。
“オニキス、あなた、ブライン様からはどうしても逃げられない様ね…でもあなた、自分だけを愛してくれる人と結婚したいって言っていたから、ある意味よかったじゃない。それじゃあ、私はもう帰るわね。また学院で会いましょう”
そう呟くと、伯爵さまと一緒に部屋から出ていくクロエ様。確かに私だけを愛してくれる人と結婚したいと言ったけれど…
ふとブライン様の方を見ると、スヤスヤと眠っていた。そして血も止まっている。そっとブライン様に近づいた。
久しぶりにじっくり見るブライン様。やっぱりお美しいお顔をしていらっしゃるわ。そっとブライン様の髪に触れる。
「ブライン様、私を愛してくださり、ありがとうございます。でも…どうして私を見たり触れたりすると、鼻血が出るのですか?それじゃあ、私達は夫婦として生活できないではありませんか…」
ついそんな事を呟いてしまう。
「その事なのだが…オニキス嬢、申し訳ないが、ブラインがオニキス嬢になれるように、毎日ブラインに会いに来てやってもらえないだろうか。もちろん、今まで見たいな感じではなく、オニキス嬢に触れたり顔を見たりする練習をするためにだ」
「でも陛下、そんな事をしたら、きっとまたブライン様の鼻血が噴き出るのではありませんか?頻繁に出血していたら、ブライン様のお体に関わります」
頻繁に出血したら、さすがにブライン様の体の負担が大きすぎるだろう。
「そうだな…でも、これはブラインが望んでいる事なんだ。ブラインは誰よりも君の顔を見たい、君に触れたいと思っているんだよ。だから今回、自分のプライドを捨てて、君にありのままの自分をさらけ出した。だから、どうかブラインの気持ちを汲んでやって欲しい」
真っすぐ私を見つめ、そう言った陛下。
「陛下、私はオニキスにそんな負担を強いたくはありません。オニキス、殿下が意識を失っているうちに、他国に逃げよう。そうだ、他国の王太子と婚約をすれば、さすがの殿下も手が出せなくなるだろう」
これは名案だ!と、言わんばかりにお父様が手をポンと叩いている。
「公爵、適当な事を言うな!少しお前はだまっていろ!オニキス嬢、どうかブラインを見捨てないでやって欲しい。まあ、心優しい君ならきっと、ブラインの傍に寄り添ってくれると思うがな」
「陛下、オニキスの優しさにつけ込む様なことをするのはお止めください。オニキス、お父様が間違っていた。まさかブライン殿下がこんな変態だなんて思わなかったんだ。お前が婚約破棄したいと言った時、聞いておけばよかったと今、猛烈に後悔している。大丈夫だ、オニキス。君が望むなら、たとえこの国を追われることになっても、婚約破棄をして見せるから」
「公爵、私の息子を変態扱いしないでくれ。確かにブラインは、少し行き過ぎたところがあるが、それもこれも、オニキス嬢を愛するあまりの行動なんだ。オニキス嬢、どうか分かってやって欲しい」
お父様と陛下が真っすぐ私を見つめている。お兄様も王妃様も、ブライン様の従者のヴァン様も私を見ている。
「私は…正直今日を迎えるまでは、ブライン様と婚約を破棄したいと考えておりました。ブライン様は私の事を嫌っている、そしてクロエ様を愛していると思っていたからです。でも、今日この部屋にやって来て、ブライン様がどれほど私を大切にして下さっているかよくわかりました。確かに、少し驚きましたが…」
部屋の周りを改めて見渡す。本当にいたるところに私の顔が張られているのだ。それに、私の私物も沢山あるし。このドレスなんて、私が9歳の時に気に入って着ていたものなのよね。この手袋は、デビュータントを迎えた時の物だ。
本当に大切に保管してくれている。それが何だか、嬉しい。
「それほどまでに私を愛してくださっているブライン様に、私も出来る限り答えたいと思っております。ですから陛下、お父様、どうかこのまま私を、ブライン様の婚約者でいさせてください」
そう言うと、深々と頭を下げた。
「オニキス、自分が言っている意味が分かっているのかい?殿下の傍にいたら、確実に苦労するんだよ。もしかしたら殿下は、オニキスを克服できないかもしれない」
「それはちょっと困りますが…でも、せっかくブライン様が勇気を出して自分をさらけ出してくださったのです。私も出来る限り協力したいと思いますわ。それに元々、私がブライン様に惚れて婚約を申し込んだのですもの」
そう、元々私がブライン様に惚れたのだから、ブライン様が私を愛していると知った以上、最後まで責任を取らないと。
「しかしだな…」
「公爵、オニキス嬢が出した答えだ。尊重してやろう」
満面の笑みでお父様の肩を叩く陛下。
「それじゃあ、これからもブラインの事をよろしく頼むよ」
「はい、出来る限りの事はさせていただきます」
“オニキス、あなた、ブライン様からはどうしても逃げられない様ね…でもあなた、自分だけを愛してくれる人と結婚したいって言っていたから、ある意味よかったじゃない。それじゃあ、私はもう帰るわね。また学院で会いましょう”
そう呟くと、伯爵さまと一緒に部屋から出ていくクロエ様。確かに私だけを愛してくれる人と結婚したいと言ったけれど…
ふとブライン様の方を見ると、スヤスヤと眠っていた。そして血も止まっている。そっとブライン様に近づいた。
久しぶりにじっくり見るブライン様。やっぱりお美しいお顔をしていらっしゃるわ。そっとブライン様の髪に触れる。
「ブライン様、私を愛してくださり、ありがとうございます。でも…どうして私を見たり触れたりすると、鼻血が出るのですか?それじゃあ、私達は夫婦として生活できないではありませんか…」
ついそんな事を呟いてしまう。
「その事なのだが…オニキス嬢、申し訳ないが、ブラインがオニキス嬢になれるように、毎日ブラインに会いに来てやってもらえないだろうか。もちろん、今まで見たいな感じではなく、オニキス嬢に触れたり顔を見たりする練習をするためにだ」
「でも陛下、そんな事をしたら、きっとまたブライン様の鼻血が噴き出るのではありませんか?頻繁に出血していたら、ブライン様のお体に関わります」
頻繁に出血したら、さすがにブライン様の体の負担が大きすぎるだろう。
「そうだな…でも、これはブラインが望んでいる事なんだ。ブラインは誰よりも君の顔を見たい、君に触れたいと思っているんだよ。だから今回、自分のプライドを捨てて、君にありのままの自分をさらけ出した。だから、どうかブラインの気持ちを汲んでやって欲しい」
真っすぐ私を見つめ、そう言った陛下。
「陛下、私はオニキスにそんな負担を強いたくはありません。オニキス、殿下が意識を失っているうちに、他国に逃げよう。そうだ、他国の王太子と婚約をすれば、さすがの殿下も手が出せなくなるだろう」
これは名案だ!と、言わんばかりにお父様が手をポンと叩いている。
「公爵、適当な事を言うな!少しお前はだまっていろ!オニキス嬢、どうかブラインを見捨てないでやって欲しい。まあ、心優しい君ならきっと、ブラインの傍に寄り添ってくれると思うがな」
「陛下、オニキスの優しさにつけ込む様なことをするのはお止めください。オニキス、お父様が間違っていた。まさかブライン殿下がこんな変態だなんて思わなかったんだ。お前が婚約破棄したいと言った時、聞いておけばよかったと今、猛烈に後悔している。大丈夫だ、オニキス。君が望むなら、たとえこの国を追われることになっても、婚約破棄をして見せるから」
「公爵、私の息子を変態扱いしないでくれ。確かにブラインは、少し行き過ぎたところがあるが、それもこれも、オニキス嬢を愛するあまりの行動なんだ。オニキス嬢、どうか分かってやって欲しい」
お父様と陛下が真っすぐ私を見つめている。お兄様も王妃様も、ブライン様の従者のヴァン様も私を見ている。
「私は…正直今日を迎えるまでは、ブライン様と婚約を破棄したいと考えておりました。ブライン様は私の事を嫌っている、そしてクロエ様を愛していると思っていたからです。でも、今日この部屋にやって来て、ブライン様がどれほど私を大切にして下さっているかよくわかりました。確かに、少し驚きましたが…」
部屋の周りを改めて見渡す。本当にいたるところに私の顔が張られているのだ。それに、私の私物も沢山あるし。このドレスなんて、私が9歳の時に気に入って着ていたものなのよね。この手袋は、デビュータントを迎えた時の物だ。
本当に大切に保管してくれている。それが何だか、嬉しい。
「それほどまでに私を愛してくださっているブライン様に、私も出来る限り答えたいと思っております。ですから陛下、お父様、どうかこのまま私を、ブライン様の婚約者でいさせてください」
そう言うと、深々と頭を下げた。
「オニキス、自分が言っている意味が分かっているのかい?殿下の傍にいたら、確実に苦労するんだよ。もしかしたら殿下は、オニキスを克服できないかもしれない」
「それはちょっと困りますが…でも、せっかくブライン様が勇気を出して自分をさらけ出してくださったのです。私も出来る限り協力したいと思いますわ。それに元々、私がブライン様に惚れて婚約を申し込んだのですもの」
そう、元々私がブライン様に惚れたのだから、ブライン様が私を愛していると知った以上、最後まで責任を取らないと。
「しかしだな…」
「公爵、オニキス嬢が出した答えだ。尊重してやろう」
満面の笑みでお父様の肩を叩く陛下。
「それじゃあ、これからもブラインの事をよろしく頼むよ」
「はい、出来る限りの事はさせていただきます」
16
あなたにおすすめの小説
差し出された毒杯
しろねこ。
恋愛
深い森の中。
一人のお姫様が王妃より毒杯を授けられる。
「あなたのその表情が見たかった」
毒を飲んだことにより、少女の顔は苦悶に満ちた表情となる。
王妃は少女の美しさが妬ましかった。
そこで命を落としたとされる少女を助けるは一人の王子。
スラリとした体型の美しい王子、ではなく、体格の良い少し脳筋気味な王子。
お供をするは、吊り目で小柄な見た目も中身も猫のように気まぐれな従者。
か○みよ、○がみ…ではないけれど、毒と美しさに翻弄される女性と立ち向かうお姫様なお話。
ハピエン大好き、自己満、ご都合主義な作者による作品です。
同名キャラで複数の作品を書いています。
立場やシチュエーションがちょっと違ったり、サブキャラがメインとなるストーリーをなどを書いています。
ところどころリンクもしています。
※小説家になろうさん、カクヨムさんでも投稿しています!
【完結】第一王子の婚約者になりましたが、妃になるにはまだまだ先がみえません!
風見ゆうみ
恋愛
「王族に嫁いだ者は、夫を二人もつ事を義務化とする」
第二王子の婚約者である私の親友に恋をした第三王子のワガママなお願いを無効にするまでのもう一人の夫候補として思い浮かんだのは、私に思いを寄せてくれていた次期公爵。
夫候補をお願いしたことにより第一王子だけでなく次期公爵からも溺愛される事に?!
彼らを好きな令嬢やお姫様達ともひと悶着ありですが、親友と一緒に頑張ります!
/「小説家になろう」で完結済みです。本作からお読みいただいてもわかるようにしておりますが、拙作の「身を引いたつもりが逆効果でした」の続編になります。
基本はヒロインが王子と次期公爵から溺愛される三角関係メインの甘めな話です。揺れるヒロインが苦手な方は、ご遠慮下さい。
裏切り者として死んで転生したら、私を憎んでいるはずの王太子殿下がなぜか優しくしてくるので、勘違いしないよう気を付けます
みゅー
恋愛
ジェイドは幼いころ会った王太子殿下であるカーレルのことを忘れたことはなかった。だが魔法学校で再会したカーレルはジェイドのことを覚えていなかった。
それでもジェイドはカーレルを想っていた。
学校の卒業式の日、貴族令嬢と親しくしているカーレルを見て元々身分差もあり儚い恋だと潔く身を引いたジェイド。
赴任先でモンスターの襲撃に会い、療養で故郷にもどった先で驚きの事実を知る。自分はこの宇宙を作るための機械『ジェイド』のシステムの一つだった。
それからは『ジェイド』に従い動くことになるが、それは国を裏切ることにもなりジェイドは最終的に殺されてしまう。
ところがその後ジェイドの記憶を持ったまま翡翠として他の世界に転生し元の世界に召喚され……
ジェイドは王太子殿下のカーレルを愛していた。
だが、自分が裏切り者と思われてもやらなければならないことができ、それを果たした。
そして、死んで翡翠として他の世界で生まれ変わったが、ものと世界に呼び戻される。
そして、戻った世界ではカーレルは聖女と呼ばれる令嬢と恋人になっていた。
だが、裏切り者のジェイドの生まれ変わりと知っていて、恋人がいるはずのカーレルはなぜか翡翠に優しくしてきて……
元男装傭兵、完璧な淑女を演じます。――嫁ぎ先はかつての団長でした!?
中野森
恋愛
貧乏男爵家の長女クラリスは、弟の学費を稼ぐために男装して傭兵団へ入団した。
副団長にまで上り詰め、団長をはじめとした仲間から信頼を得るが、決して正体は明かさなかった。
やがて戦争が終わり、傭兵団は解散となる。
出稼ぎするために流した嘘の悪評により、修道院入りを覚悟していたクラリスだったが、帰郷した彼女を待っていたのは父からの「嫁ぎ先が決まった」という一言だった。
慌ただしく始まる淑女教育、そして一度も未来の夫と顔合わせすることなく迎えた結婚式当日。
誓いの言葉を促され隣からきこてくる声に、クラリスは凍りつく。
……嘘でしょ、団長!?
かつての想い人でもある傭兵仲間が今は夫となり、妻の正体には気づいていない――気づかれてはいけないのだ、絶対に!
本作品はゆるふわ設定、ご都合主義、細かいことは気にしたら負け!
※この小説は、ほかの小説投稿サイトにも投稿しています。
この婚約は白い結婚に繋がっていたはずですが? 〜深窓の令嬢は赤獅子騎士団長に溺愛される〜
氷雨そら
恋愛
婚約相手のいない婚約式。
通常であれば、この上なく惨めであろうその場所に、辺境伯令嬢ルナシェは、美しいベールをなびかせて、毅然とした姿で立っていた。
ベールから、こぼれ落ちるような髪は白銀にも見える。プラチナブロンドが、日差しに輝いて神々しい。
さすがは、白薔薇姫との呼び名高い辺境伯令嬢だという周囲の感嘆。
けれど、ルナシェの内心は、実はそれどころではなかった。
(まさかのやり直し……?)
先ほど確かに、ルナシェは断頭台に露と消えたのだ。しかし、この場所は確かに、あの日経験した、たった一人の婚約式だった。
ルナシェは、人生を変えるため、婚約式に現れなかった婚約者に、婚約破棄を告げるため、激戦の地へと足を向けるのだった。
小説家になろう様にも投稿しています。
虐げられ続けてきたお嬢様、全てを踏み台に幸せになることにしました。
ラディ
恋愛
一つ違いの姉と比べられる為に、愚かであることを強制され矯正されて育った妹。
家族からだけではなく、侍女や使用人からも虐げられ弄ばれ続けてきた。
劣悪こそが彼女と標準となっていたある日。
一人の男が現れる。
彼女の人生は彼の登場により一変する。
この機を逃さぬよう、彼女は。
幸せになることに、決めた。
■完結しました! 現在はルビ振りを調整中です!
■第14回恋愛小説大賞99位でした! 応援ありがとうございました!
■感想や御要望などお気軽にどうぞ!
■エールやいいねも励みになります!
■こちらの他にいくつか話を書いてますのでよろしければ、登録コンテンツから是非に。
※一部サブタイトルが文字化けで表示されているのは演出上の仕様です。お使いの端末、表示されているページは正常です。
本の虫令嬢ですが「君が番だ! 間違いない」と、竜騎士様が迫ってきます
氷雨そら
恋愛
本の虫として社交界に出ることもなく、婚約者もいないミリア。
「君が番だ! 間違いない」
(番とは……!)
今日も読書にいそしむミリアの前に現れたのは、王都にたった一人の竜騎士様。
本好き令嬢が、強引な竜騎士様に振り回される竜人の番ラブコメ。
小説家になろう様にも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる