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第12話:もう二度とフランソアを離さない~デイズ視点~
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「デイズ、色々とありがとう。でも明日は、私1人で抗議に行くよ。どうかフランソアの傍にいてやって欲しい。それから、フランソアはもう、殿下の事を吹っ切った様だ。よほど一夫多妻制を押し進めた殿下が、信じられなかったのだろう。“100年の恋もさめる”と言っていたよ」
「そうなのですね。でも、油断は出来ません。とにかくあの男だけは、絶対にフランソアに会わせてはいけない気がします」
「それは私も同じ気持ちだ。母さんにもこの話しはしておくよ」
「ありがとうございます、それじゃあ僕は、そろそろ行きます。フランソアの着替えが終わる頃ですので」
急いでフランソアの部屋の前に戻ると、ちょうど着替え終わったフランソアがやって来た。僕がデザインしたドレスに身を包んだフランソアは、とても美しい。
その後2人で中庭に行った。僕が作ったダリア畑をとても気に入ってくれた。もしかしたらフランソアの目に映る日は来ないかもしれない。そう思っていた。でも、フランソアに見てもらっただけでなく、とても喜んで貰えた。
本当にこの畑を作ってよかった。
中庭を散歩した後は、夕食の時間だ。すっかり痩せてしまったフランソアにたくさん食べて欲しくて、つい世話を焼いてしまう。さらに義両親もフランソアに沢山食べて欲しい様で、僕と一緒に世話を焼いていた。
今まで王宮で虐げられていたフランソア。急に泣きそうな顔をして自分の手をつねっていた。メイドの話では、人前で泣く事を禁止されていたから、必死に耐えていた様だ。
その話を聞いた瞬間、胸が張り裂けそうになるとともに、フランソアを強く抱きしめた。あんなに辛い日々を送っていたのに、泣く事すら禁止されていただなんて。王族どもや教育係は、鬼畜そのものだ。
僕の腕の中で泣くフランソアをさらに強く抱きしめる。義両親も僕たちを抱きしめてくれた。義母上に至っては、涙まで流していた。
どんな形であれ、フランソアを取り戻せたのは良かった。もう二度とフランソアを手放さないし、何よりあんな辛い思いなんて絶対させない!
フランソアを抱きしめながら、強くそう思った。
少し落ち着いたフランソアと一緒に、食事を再開させた。苺のタルトを見て目を輝かせているフランソア。聞けばデザートは1日1個と決められていたらしい。
本当に聞けば聞くほど腹が立つ。王太子の奴、こんなにフランソアを虐げておいて、よくぬけぬけと迎えに来られたものだ。本当にあの男は狂っている!
怒りで気が狂いそうになるのを必死に堪え、食後はフランソアを部屋まで送り、僕も自室へとやって来た。
湯あみを済ませ、眠ろうと思ったのだが、フランソアが気になって眠れない。フランソア、ちゃんと寝ているかな?そんな思いで、フランソアの部屋をこっそりのぞいた。
すると、気持ちよさそうに寝息を立てて眠っていた。やっぱりフランソアは可愛いな。
「おやすみ、フランソア。いい夢を見るのだよ」
おでこに口づけを落とし、僕も自室に戻り、眠りについたのだった。
翌日、いつもの様に朝早く稽古をしていると、フランソアが僕の元にやって来たのだ。さらに街に出たいなんて言いだした。
もし街になんて出たら、王太子と鉢合わせしてしまうかもしれない。それに、万が一王太子が屋敷に勝手に侵入してきたら…
考えれば考えるほど、不安でたまらなくなる。とにかく街に出る事は禁止、屋敷の中でも、極力1人にならない様にと、厳しく言って聞かせた。
そんな僕の言葉に、不満そうなフランソアだったが、義両親からも僕の言う通りにしなさいと言われ、しぶしぶ了承してくれた。
そしてその言葉通り、フランソアはその日、屋敷でのんびりと過ごしていた。僕が作ったダリア畑を嬉しそうに眺めたり、お茶を飲んだり。
ただ、やはり外に出たいのか、時折空を眺めていた。
よく考えたら5年もの間、王宮からほとんど出してもらえなかったのだ。せっかくお妃候補を辞退して家に帰って来たのに、外に出してやれないだなんて、なんだか可哀そうだな。
僕はフランソアに、伸び伸びと過ごして欲しい。
ただ、やはりこの日も、王太子殿下が訪ねて来た。すぐにフランソアは義母上が奥の部屋へとそれとなく連れて行き、その間に僕が追い返した。本当にしつこい男だ。あの男、これからもずっと屋敷に来るのか?
もし万が一王太子とフランソアが鉢合わせしてしまったら…
そう考えると、不安でたまらなくなる。
僕は二度とフランソアを失いたくはない。それにフランソアにも、もう我慢させたくはない。何か手を打たないと!
「そうなのですね。でも、油断は出来ません。とにかくあの男だけは、絶対にフランソアに会わせてはいけない気がします」
「それは私も同じ気持ちだ。母さんにもこの話しはしておくよ」
「ありがとうございます、それじゃあ僕は、そろそろ行きます。フランソアの着替えが終わる頃ですので」
急いでフランソアの部屋の前に戻ると、ちょうど着替え終わったフランソアがやって来た。僕がデザインしたドレスに身を包んだフランソアは、とても美しい。
その後2人で中庭に行った。僕が作ったダリア畑をとても気に入ってくれた。もしかしたらフランソアの目に映る日は来ないかもしれない。そう思っていた。でも、フランソアに見てもらっただけでなく、とても喜んで貰えた。
本当にこの畑を作ってよかった。
中庭を散歩した後は、夕食の時間だ。すっかり痩せてしまったフランソアにたくさん食べて欲しくて、つい世話を焼いてしまう。さらに義両親もフランソアに沢山食べて欲しい様で、僕と一緒に世話を焼いていた。
今まで王宮で虐げられていたフランソア。急に泣きそうな顔をして自分の手をつねっていた。メイドの話では、人前で泣く事を禁止されていたから、必死に耐えていた様だ。
その話を聞いた瞬間、胸が張り裂けそうになるとともに、フランソアを強く抱きしめた。あんなに辛い日々を送っていたのに、泣く事すら禁止されていただなんて。王族どもや教育係は、鬼畜そのものだ。
僕の腕の中で泣くフランソアをさらに強く抱きしめる。義両親も僕たちを抱きしめてくれた。義母上に至っては、涙まで流していた。
どんな形であれ、フランソアを取り戻せたのは良かった。もう二度とフランソアを手放さないし、何よりあんな辛い思いなんて絶対させない!
フランソアを抱きしめながら、強くそう思った。
少し落ち着いたフランソアと一緒に、食事を再開させた。苺のタルトを見て目を輝かせているフランソア。聞けばデザートは1日1個と決められていたらしい。
本当に聞けば聞くほど腹が立つ。王太子の奴、こんなにフランソアを虐げておいて、よくぬけぬけと迎えに来られたものだ。本当にあの男は狂っている!
怒りで気が狂いそうになるのを必死に堪え、食後はフランソアを部屋まで送り、僕も自室へとやって来た。
湯あみを済ませ、眠ろうと思ったのだが、フランソアが気になって眠れない。フランソア、ちゃんと寝ているかな?そんな思いで、フランソアの部屋をこっそりのぞいた。
すると、気持ちよさそうに寝息を立てて眠っていた。やっぱりフランソアは可愛いな。
「おやすみ、フランソア。いい夢を見るのだよ」
おでこに口づけを落とし、僕も自室に戻り、眠りについたのだった。
翌日、いつもの様に朝早く稽古をしていると、フランソアが僕の元にやって来たのだ。さらに街に出たいなんて言いだした。
もし街になんて出たら、王太子と鉢合わせしてしまうかもしれない。それに、万が一王太子が屋敷に勝手に侵入してきたら…
考えれば考えるほど、不安でたまらなくなる。とにかく街に出る事は禁止、屋敷の中でも、極力1人にならない様にと、厳しく言って聞かせた。
そんな僕の言葉に、不満そうなフランソアだったが、義両親からも僕の言う通りにしなさいと言われ、しぶしぶ了承してくれた。
そしてその言葉通り、フランソアはその日、屋敷でのんびりと過ごしていた。僕が作ったダリア畑を嬉しそうに眺めたり、お茶を飲んだり。
ただ、やはり外に出たいのか、時折空を眺めていた。
よく考えたら5年もの間、王宮からほとんど出してもらえなかったのだ。せっかくお妃候補を辞退して家に帰って来たのに、外に出してやれないだなんて、なんだか可哀そうだな。
僕はフランソアに、伸び伸びと過ごして欲しい。
ただ、やはりこの日も、王太子殿下が訪ねて来た。すぐにフランソアは義母上が奥の部屋へとそれとなく連れて行き、その間に僕が追い返した。本当にしつこい男だ。あの男、これからもずっと屋敷に来るのか?
もし万が一王太子とフランソアが鉢合わせしてしまったら…
そう考えると、不安でたまらなくなる。
僕は二度とフランソアを失いたくはない。それにフランソアにも、もう我慢させたくはない。何か手を打たないと!
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