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第34話:私、王宮に行きますわ
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殿下からお手紙だなんて、一体何が書かれているのかしら?
「そんな深刻な顔をしなくても大丈夫だよ。きっと王宮に遊びに来ないかという、誘いの手紙だろうから」
そう言ってお父様が、私にお手紙を渡してきたのだ。確かに差出人は、殿下になっている。
「開けてみなさい。すぐに返事が欲しいと言われていてね。王宮から使いの者が待っているのだよ」
「そうだったのですね。それは申し訳ない事をしましたわ」
急いで手紙をあける。するとそこには、お父様がおっしゃった通り、一度王宮に遊びに来て欲しい旨が書かれていた。ただ、指定された日付が…
「お父様、指定された日付が、明日になっておりますわ。王宮に出向くのであれば、準備が必要です。さすがに明日は…」
「ラフな格好で構わないとの事だから、大丈夫だよ。それで、どうする?行くかい?それともお断りするかい?」
笑顔で問いかけてくるお父様。近くには王宮の使いの方と思われる人が、不安そうに私を見つめていた。あの人、私がここに来るまでずっと待っていて下さったのよね。
私が断ったら、あの人ががっかりするかもしれない。でも、急に明日王宮に行けだなんて…
ふと今日のソラ様の言葉が頭をよぎったのだ。ソラ様とルドルフ様は、殿下のお陰で婚約できたと聞いた。彼は2人の恩人なのだ。
ソラ様は私の大切なお友達。殿下には直接お礼を言いたいし。
それに…
ついに拝み出した男性。さすがに断れないか…
「明日の件、承知いたしましたわ。私、王宮に参ります」
その瞬間、男性の顔がぱぁっと明るくなったのだ。
「すぐに返信を書くから、紙とペンを準備して」
「承知いたしました」
「ソフィーナ、本当にいいのかい?別に無理して王宮に行かなくてもいいのだよ」
「お兄様、心配して頂きありがとうございます。無理はしておりませんので、大丈夫ですわ。私、ソラ様の件で殿下にお礼を言いたいと思っておりましたの。ちょうどいい機会なので、お会いしてお礼を言って参りますわ」
「そうか…ソフィーナは優しいからな…それじゃあ、俺も一緒に」
「ソリティオ、明日は私も登城するし、ソリティオが来る必要はないよ。君は今、領地の件で宿題を出しているはずだ。そっちに集中しなさい」
「しかし…」
最近お兄様は次期公爵になるために、お父様と一緒に猛勉強をしている事は知っていた。それなのに、私の事で手を煩わせる訳にはいかない。
「お兄様、お父様もいらっしゃいますし、私は大丈夫ですわ」
「分かったよ、何かあったらすぐに俺に知らせてほしい。いいね、分かったね」
「はい、承知いたしましたわ」
その後殿下にお返事を書き、使いの方に手紙を渡した。笑顔で手紙を受け取ると、足取り軽やかに帰っていく使いの方。あの人、本当に分かりやすい性格をしているわね。つい笑いがこみ上げてくる。
その後夕食を済ませ、自室に戻ってきた。
「お嬢様、明日は殿下にお会いになられるのです。今日は入念にお手入れを行いましょう」
なぜか張り切る使用人たち。言われるがまま、磨き上げられた。
明日殿下に会うのか…私、殿下には本当に迷惑をかけたのよね。きっと殿下は、私の事が大嫌いだったはず。それなのに、どうして私を王宮に呼び出したのかしら?
よくわからないが、あまり深く考えるのは止めよう。そういえば王宮の中庭は、とても素敵だったのよね。せっかくだから昼間の中庭も見せてもらえたら嬉しい。
何だか楽しみになって来たわ。早く明日にならないかしら?
そんな思いで、眠りについたのだった。
「そんな深刻な顔をしなくても大丈夫だよ。きっと王宮に遊びに来ないかという、誘いの手紙だろうから」
そう言ってお父様が、私にお手紙を渡してきたのだ。確かに差出人は、殿下になっている。
「開けてみなさい。すぐに返事が欲しいと言われていてね。王宮から使いの者が待っているのだよ」
「そうだったのですね。それは申し訳ない事をしましたわ」
急いで手紙をあける。するとそこには、お父様がおっしゃった通り、一度王宮に遊びに来て欲しい旨が書かれていた。ただ、指定された日付が…
「お父様、指定された日付が、明日になっておりますわ。王宮に出向くのであれば、準備が必要です。さすがに明日は…」
「ラフな格好で構わないとの事だから、大丈夫だよ。それで、どうする?行くかい?それともお断りするかい?」
笑顔で問いかけてくるお父様。近くには王宮の使いの方と思われる人が、不安そうに私を見つめていた。あの人、私がここに来るまでずっと待っていて下さったのよね。
私が断ったら、あの人ががっかりするかもしれない。でも、急に明日王宮に行けだなんて…
ふと今日のソラ様の言葉が頭をよぎったのだ。ソラ様とルドルフ様は、殿下のお陰で婚約できたと聞いた。彼は2人の恩人なのだ。
ソラ様は私の大切なお友達。殿下には直接お礼を言いたいし。
それに…
ついに拝み出した男性。さすがに断れないか…
「明日の件、承知いたしましたわ。私、王宮に参ります」
その瞬間、男性の顔がぱぁっと明るくなったのだ。
「すぐに返信を書くから、紙とペンを準備して」
「承知いたしました」
「ソフィーナ、本当にいいのかい?別に無理して王宮に行かなくてもいいのだよ」
「お兄様、心配して頂きありがとうございます。無理はしておりませんので、大丈夫ですわ。私、ソラ様の件で殿下にお礼を言いたいと思っておりましたの。ちょうどいい機会なので、お会いしてお礼を言って参りますわ」
「そうか…ソフィーナは優しいからな…それじゃあ、俺も一緒に」
「ソリティオ、明日は私も登城するし、ソリティオが来る必要はないよ。君は今、領地の件で宿題を出しているはずだ。そっちに集中しなさい」
「しかし…」
最近お兄様は次期公爵になるために、お父様と一緒に猛勉強をしている事は知っていた。それなのに、私の事で手を煩わせる訳にはいかない。
「お兄様、お父様もいらっしゃいますし、私は大丈夫ですわ」
「分かったよ、何かあったらすぐに俺に知らせてほしい。いいね、分かったね」
「はい、承知いたしましたわ」
その後殿下にお返事を書き、使いの方に手紙を渡した。笑顔で手紙を受け取ると、足取り軽やかに帰っていく使いの方。あの人、本当に分かりやすい性格をしているわね。つい笑いがこみ上げてくる。
その後夕食を済ませ、自室に戻ってきた。
「お嬢様、明日は殿下にお会いになられるのです。今日は入念にお手入れを行いましょう」
なぜか張り切る使用人たち。言われるがまま、磨き上げられた。
明日殿下に会うのか…私、殿下には本当に迷惑をかけたのよね。きっと殿下は、私の事が大嫌いだったはず。それなのに、どうして私を王宮に呼び出したのかしら?
よくわからないが、あまり深く考えるのは止めよう。そういえば王宮の中庭は、とても素敵だったのよね。せっかくだから昼間の中庭も見せてもらえたら嬉しい。
何だか楽しみになって来たわ。早く明日にならないかしら?
そんな思いで、眠りについたのだった。
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