前世の記憶を取り戻した元クズ令嬢は毎日が楽しくてたまりません

Karamimi

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第53話:楽しい食事のはずが…

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 気を取り直して、4人で食事をする。

「ソフィーナ、このお料理、とても美味しいよ。はい、あーんして」

 何を思ったのか、私に食べさせようとしたのだ。

「ファラオ様、私はこれでも13歳です。1人で食べられますわ」

 小さな子供でもあるまいし、1人で食べられるのだ。確かに私は年下だが、子ども扱いされるのは心外だ。

 ただ、その瞬間ファラオ様以外の男性陣が、急に笑い出いしたのだ。何かおかしなことでもあったかしら?

「ファラオ、ここでソフィーナ嬢との仲を俺たちにアピールしたかったみたいだけれど、その意図をソフィーナ嬢は理解できなかった様だね」

「そもそも、ファラオがソフィーナ嬢を独り占めしようとするから悪いのだよ。ソフィーナ嬢、俺たちも隣に座っていいかな?」

 何を思ったのか、アレック様とセシル様も私の元にやって来たのだ。

「ソフィーナ嬢、このお料理もとても美味しいね。食べやすいように切ってあげるね」

「ソフィーナ嬢は苺が好きだったね、俺の苺もあげるよ」

 一斉に私の世話を焼き始めたのだ。

「アレックもセシルも急に何だよ。ソフィーナが困惑しているだろう?」

「最初に困惑させたのは、ファラオだろう?ねえ、ソフィーナ嬢、今度のソラ嬢とルドルフ殿の婚約披露パーティは参加するのだよね?もうパートナーは決まったのかい?」

「ええ…ファラオ様と行く事になっておりますわ」

「そうなのかい?それは残念だな。それじゃあその後の夜会に参加するときは、俺がエスコートしてもいいかな?」

「おい、セシル、ずるいよ。それじゃあその次は、俺にエスコートさせてくれるかい?そもそも、どうしてソフィーナ嬢は、あまり夜会に出ないのだい?ソリティオ、ソフィーナ嬢の事を考えたら、もっと夜会に出させるべきではないのかい?」

 今度はお兄様の方に話しがふられる。

「ソフィーナを狙っている男は多いからね。どこの夜会なら安全かを、見極めているのだよ」

「ちょっと見極め過ぎだろう?そうだ、今度俺の家で夜会をするから、その時はぜひソフィーナ嬢も参加してくれ。もちろん、俺のエスコートで」

「それなら俺の家も、近々夜会を開くぞ。ソフィーナ嬢、もちろん参加してくれるよね?」

「えっと…その…」

 なぜかアレック様とセシル様が、詰め寄って来たのだ。急に2人からいっきに色々と言われ、完全にパニックになる。私は元々頭の回転が速い方ではないのだ。

「2人とも落ち着いて。ソフィーナが混乱しているよ。食事も終わったし、一旦落ち着こう。ソフィーナ、こっちにおいで」

 混乱する私の手を引き、連れ出してくれたのはファラオ様だ。そのまま急いで食堂から出る。そして向かったのは、中庭だ。

「ファラオ様、連れ出していただき、ありがとうございます。急にお2人から色々と言われて、頭がパニックになってしまって。それにしても、お2人ともどうされたのですかね?いつもあのような事はないのに」

「きっと2人とも、お互いに嫉妬したのだよ。2人とも、ソフィーナに興味があるようだからね。僕だって、2人にものすごく嫉妬しているし…今日2人がいると知った時のソフィーナ、目を輝かせていただろう?それが妙に腹立たしくて…いつかソフィーナを誰かに取られてしまうのではないかと、不安で胸が押しつぶされそうなんだ」

「ファラオ様…」

「分かっているよ、ソフィーナに選ぶ権利がある事は。でも、どうしても自分の感情が抑えられなくなって。特にアレックとセシルの姿を見た時のソフィーナの嬉しそうな顔を見たら…」
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