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第74話:やっと本来の方向に向き始めました
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「ありがとうございます。それでしたら、一度虹の花の栽培現場をご覧になられるのもいいかもしれませんね。それから、絹にも興味がおありとの事でしたので、そちらの加工工場もご覧になって頂きたいです。
滞在期間は1ヶ月程度とお伺いしておりますので、できるだけたくさんの施設を案内できたらと考えております。どうぞよろしくお願いいたします」
「こちらこそ、よろしくお願いいたします。施設の同行には、今いる方たちが案内してくださるのですよね?」
「ええ、ただ、私とソリティオ以外のメンバーは、同行できない場合もございますが、私共2人は必ず同行いたいしますので」
「ソフィーナ様は、毎回同行して頂けないのですか?ソフィーナ様は私に優しくしてくださいましたので、彼女がいると心強いです。それに女性が誰もいないのは、ちょっと…」
さっきまで明らかにファラオ様を狙っていたアイリ殿下が、急に私を求めてきたのだ。一体どうなっているの?これは罠?
でも、やっといい方向に進んできたのだから、混乱している場合ではない。
「アイリ殿下、ご安心ください。私も同行いたしますわ。精一杯案内できる様務めますので、どうぞよろしくお願いいたします」
アイリ殿下とファラオ様が一緒に出掛けるのだ、お兄様がいるとはいえやはり心配だし、私も同行して、また言い寄られない様にガードしないと。
「それなら安心ですわ。こちらこそ、どうぞよろしくお願いいたします」
アイリ殿下が、にっこりとほほ笑んだのだ。この方、とても綺麗な方だ。男性たちが言い寄るのも、理解できる。現にお兄様やアレック様、セシル様は再び頬を赤くし、完全にノックアウトされているし。
とりあえず貿易の方に力を入れてくれるという事で、いいのかしら?とはいえ、油断は大敵だ。アイリ殿下がファラオ様にちょっかいを出さない様に、注意しないと。
「アラン殿下もアイリ殿下も今日はお疲れでしょうから、この辺にしておきましょう。明日は王都を案内します」
「それは楽しみですわ。ねえ、お兄様」
「そうだね、大国、ソフリス王国の王都はどんな風なのか、とても興味深いので」
「それでは私たちは、これで失礼いたします。明日もよろしくお願いいたします」
笑顔で去っていく殿下たち。
「それじゃあ、俺たちも帰るよ。ファラオ、また明日」
「ファラオ様、くれぐれもアイリ殿下にはお気を付けください。きっとまだ、アイリ殿下はファラオ様を諦めてはいない様ですので」
「ああ、分かっているよ。それにしても、あの切り替えの早さ。そして図々しさ、ただものではなさそうだね。僕ももちろん気を付けるが、ソフィーナも気を付けてくれ。ソフィーナ、家まで送るよ。万が一アラン殿下が、ソフィーナを襲ったりしては大変だからね」
「ファラオ、俺もいるしソフィーナは大丈夫だ。それよりも、明日どこを案内するか、考えておいてくれ。俺も考えておくから。それじゃあ、また明日」
ファラオ様の誘いを断り、そのまま私の手を握りお兄様が歩いていく。アレック様とセシル様とも別れ、馬車に乗り込んだ。
「ソフィーナ、今日はお疲れ様。まさかアイリ殿下が、あんなにもお美しい方だっただなんて。ただ、性格には難がありそうだね」
「お兄様ったら、鼻の下を延ばしていらっしゃるのですもの。さすがに見苦しかったですわ。確かにお美しい方ではありますが…ちょっと個性が強すぎると申しますか…なんと申しますか…」
まさかあの状況で、ファラオ様に猛烈アピールをするだなんて。
「アラン殿下も、ソフィーナの事を随分と気に入った様だね。とはいえ、向こうは小さな島国、対してこっちは他国からも注目されている大国だ。あまりにも理不尽な事をされたら、その時は然るべき対応をとるから」
「おっしゃっている事は立派ですが、アイリ殿下から涙目で訴えられても、同じことが言えるのですか?今日のお兄様なら、ホイホイと許してしまいそうですが…」
さすがに今日のお兄様は、情けなさすぎた。完全に失望だ…
滞在期間は1ヶ月程度とお伺いしておりますので、できるだけたくさんの施設を案内できたらと考えております。どうぞよろしくお願いいたします」
「こちらこそ、よろしくお願いいたします。施設の同行には、今いる方たちが案内してくださるのですよね?」
「ええ、ただ、私とソリティオ以外のメンバーは、同行できない場合もございますが、私共2人は必ず同行いたいしますので」
「ソフィーナ様は、毎回同行して頂けないのですか?ソフィーナ様は私に優しくしてくださいましたので、彼女がいると心強いです。それに女性が誰もいないのは、ちょっと…」
さっきまで明らかにファラオ様を狙っていたアイリ殿下が、急に私を求めてきたのだ。一体どうなっているの?これは罠?
でも、やっといい方向に進んできたのだから、混乱している場合ではない。
「アイリ殿下、ご安心ください。私も同行いたしますわ。精一杯案内できる様務めますので、どうぞよろしくお願いいたします」
アイリ殿下とファラオ様が一緒に出掛けるのだ、お兄様がいるとはいえやはり心配だし、私も同行して、また言い寄られない様にガードしないと。
「それなら安心ですわ。こちらこそ、どうぞよろしくお願いいたします」
アイリ殿下が、にっこりとほほ笑んだのだ。この方、とても綺麗な方だ。男性たちが言い寄るのも、理解できる。現にお兄様やアレック様、セシル様は再び頬を赤くし、完全にノックアウトされているし。
とりあえず貿易の方に力を入れてくれるという事で、いいのかしら?とはいえ、油断は大敵だ。アイリ殿下がファラオ様にちょっかいを出さない様に、注意しないと。
「アラン殿下もアイリ殿下も今日はお疲れでしょうから、この辺にしておきましょう。明日は王都を案内します」
「それは楽しみですわ。ねえ、お兄様」
「そうだね、大国、ソフリス王国の王都はどんな風なのか、とても興味深いので」
「それでは私たちは、これで失礼いたします。明日もよろしくお願いいたします」
笑顔で去っていく殿下たち。
「それじゃあ、俺たちも帰るよ。ファラオ、また明日」
「ファラオ様、くれぐれもアイリ殿下にはお気を付けください。きっとまだ、アイリ殿下はファラオ様を諦めてはいない様ですので」
「ああ、分かっているよ。それにしても、あの切り替えの早さ。そして図々しさ、ただものではなさそうだね。僕ももちろん気を付けるが、ソフィーナも気を付けてくれ。ソフィーナ、家まで送るよ。万が一アラン殿下が、ソフィーナを襲ったりしては大変だからね」
「ファラオ、俺もいるしソフィーナは大丈夫だ。それよりも、明日どこを案内するか、考えておいてくれ。俺も考えておくから。それじゃあ、また明日」
ファラオ様の誘いを断り、そのまま私の手を握りお兄様が歩いていく。アレック様とセシル様とも別れ、馬車に乗り込んだ。
「ソフィーナ、今日はお疲れ様。まさかアイリ殿下が、あんなにもお美しい方だっただなんて。ただ、性格には難がありそうだね」
「お兄様ったら、鼻の下を延ばしていらっしゃるのですもの。さすがに見苦しかったですわ。確かにお美しい方ではありますが…ちょっと個性が強すぎると申しますか…なんと申しますか…」
まさかあの状況で、ファラオ様に猛烈アピールをするだなんて。
「アラン殿下も、ソフィーナの事を随分と気に入った様だね。とはいえ、向こうは小さな島国、対してこっちは他国からも注目されている大国だ。あまりにも理不尽な事をされたら、その時は然るべき対応をとるから」
「おっしゃっている事は立派ですが、アイリ殿下から涙目で訴えられても、同じことが言えるのですか?今日のお兄様なら、ホイホイと許してしまいそうですが…」
さすがに今日のお兄様は、情けなさすぎた。完全に失望だ…
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