前世の記憶を取り戻した元クズ令嬢は毎日が楽しくてたまりません

Karamimi

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第98話:ファラオ様と王宮に戻ります

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「まだソリティオの怪我も治っておりませんし、私共はこれにて失礼いたします。関係者の皆様、ご協力感謝いたします。午後からの会議には、出席いたしますので。その時に今回の件を、詳しく他の貴族に話しましょう。

 さすがに今日は、子供たちを休ませてあげましょう。賠償の件は、また後程」

「そうですな、貿易の話は一旦白紙に戻ったものの、このままあの王族たちが愚かな事をしなければ、お互い良い条件で貿易が出来た事は間違いない。

 全て子供たちが頑張ってくれたお陰です。息子もまた一皮むけた様ですし。これからの成長が、増々楽しみですな」

 そう言って笑った騎士団長様。どうやら今回の件で、私たちは一定の評価を受けた様だ。ただ、アラン殿下とアイリ殿下があのような事件を起こさなければ、このまま平和に貿易が出来ていたいのに…

 その為に、私たちがどれほど頑張ったか…とはいえ、起きてしまった事は仕方がない。今回の件は良い勉強になったと思い、次回につなげよう。

 次はルドルフ様のご友人のいらっしゃる国、ランドアイリ王国との貿易を考えている。引きこもっている間に、ランドリア王国の事も色々と調べたのだ。

「ソフィーナ、なんだか嬉しそうだね。ねえ、ソフィーナ、今日はずっと僕の傍にいてくれるだろう?2週間近く、ずっと離れ離れだったんだ。もうソフィーナと離れたくはないな…」

 私の元にやって来たのは、ファラオ様だ。ファラオ様と心が通じ合ってから、こんなに長い時間離れた事なんてなかった。

 私も寂しかったのだ。

「ええ、もちろんですわ。お父様、怪我も治りましたし、私は今から王宮に向かいますわ。ファラオ様と一緒にいたいので」

「…ああ、分かったよ。殿下とソフィーナの婚約の件も、早急に進めないといけないですな、陛下」

「その件に関しても、今日の会議で進めよう。ファラオももう15歳だからな。一刻も早く婚約を結んでしまわないと。ソフィーナ嬢の王妃教育も、早く始めないといけないし。やらなければいけない事が、沢山あるな」

 婚約か…

 この2ヶ月、色々とありすぎてすっかり忘れていたが、アラバシア王国の王族たちが帰った今、今度は私達の婚約話を進めないといけない。やらなければいけない事が、まだまだたくさんあるのだ。

「ソフィーナ、大人たちの話を聞いていたら、きりがない。僕たちはもう行こう」

 ファラオ様に手を引かれ、馬車に乗り込んだ。そして、後ろからギュッと抱きしめられる。

「ソフィーナ、やっと捕まえた。この10日間、君に会いたくて触れたくてどうしようもなかったよ。このまま君に会えなかったら…そう思っただけで、目の前が真っ暗になって。でも、こうやってまたソフィーナに会えて、触れられて本当によかった。

 もう二度と、君から離れたくはないよ」

 ファラオ様…

 アラン殿下を油断させるために、ファラオ様をも騙してしまった。そのせいで、彼がどれほど傷つき、寂しい思いをしていたか…

「ファラオ様、辛い思いをさせてしまい、申し訳ございません。いくらアラン殿下を油断させるためだとはいえ、あなた様に辛い思いをさせてしまったこと、心苦しく思っております。本当にごめんなさい。

 あの…罪滅ぼしとして、今日から10日間、ずっとファラオ様の傍にいますわ。既にお父様と陛下には、許可をとってありますからご安心を」

「それは本当かい?それじゃあ、10日間ずっとソフィーナと一緒にいられるのだね。嬉しいな!ソフィーナ、10日間、ずっと一緒にいようね。寝るときも一緒だよ。分かったね」

「…ええ、分かりましたわ」

 お父様や陛下には、休む部屋は別にする様にと言われているのだが…近々婚約を結ぶ予定だし、私はもうファラオ様以外と結婚するつもりはないから、まあいいか。
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