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第100話:元クズ令嬢は愛する人の傍で毎日幸せに暮らしています
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「私もですわ。私も10日間ファラオ様と離れて、改めてあなた様の大切さに気が付きました。ですが私は、まだまだ未熟で経験も浅く、間違った方向に進んでしまう事も多くて…」
「それは僕も同じだよ。つい嫉妬に駆られて、君を追い詰めてしまった事もあったし…あの時はごめんね」
そっと私を抱き寄せたファラオ様。彼の温もり、匂い、全てにおいて私に安らぎを与えてくれる大切な人。
「僕たちはまだ若い。これから沢山間違いを起こすかもしれない。でもその時は、お互いがフォローし合える関係を作れたらいいと、僕は思う。その為にも、どんな些細な事でも、話しをしよう」
「そうですね、私、もうファラオ様に隠し事をしない様にしますわ。これからは何でも相談します」
「そうしてくれると嬉しいよ。僕も何でもソフィーナに話すようにするね。さあ、この話しは終わりにしよう。この庭で、ソフィーナとお茶を飲みたいと思っていたのだよ。もちろん、付き合ってくれるよね」
「ええ、もちろんですわ」
~1年後~
「今日もなんていい天気なのかしら?スカイ、おはよう。それにお花たちも、とても綺麗に咲いているわね。やっぱりこうやって外の空気を吸って、自由に動き回れるのは本当に素敵な事だわ」
今日も王宮の中庭の一角、私のお園を散歩する。1年前、アラバシア王国の王族たちが引き起こした事件は、先日やっと賠償問題にケリがつき、多額の賠償金及び資源が支払われた。
どうしてこんなに時間がかかったかって?それは今回の事件が、想像以上に大問題となったからだ。どうやらアラン殿下とアイリ殿下は、他国でも色々とやらかしていたからだ。
大事にしたくなかった他国の王族たちは、泣く泣く自分たちにとってメリットのない貿易条件を飲まされていたらしい。
今回我が国での事件を知った他国の王族たちが、一斉にアラバシア王国に抗議と貿易の条件廃止を求めたらしい。
そのせいで、アラバシア王国の陛下と王妃殿下は、各国に謝罪に回る羽目になったらしい。もともとアバラシア王国は、非常に小さな国だ。攻め込まれたらひとたまりもない。
今回の件はもちろん、アラバシア王国の貴族たちの耳にも入る事態となった。自分の国の存続を揺るがす大事件を起こしたアラン殿下とアイリ殿下への怒りはすさまじく、貴族たちによって彼らは当初の予定場所ではなく、重犯罪者が収容される施設に収容されたとの事。
大国でもある我が国を始め、主要の大きな国に多大なる迷惑をかけたとあって、極刑を望む声もあったそうだが、どうやら極刑だけは免れたらしい。それでも、贅沢三昧していた彼らにとって、平民以下の劣悪な環境での重労働を課せられる重犯罪者収容施設への移送は、相当辛い物だろう。
自業自得なので、同情するつもりもないが…もし彼らに2度目の人生があるなら、今度は真っ当に生きて欲しい。そう願っている。
「ソフィーナ、またここに来ていたのかい?僕に黙って部屋から出るだなんて、悪い子だね」
私の元にやって来たのは、ファラオ様だ。私たちは半年前、無事婚約披露パーティを終え、私とファラオ様は婚約者同士になったのだ。私達2人の強い希望により、私は王宮で生活をしている。
「あら、ちゃんと使用人には話して来ましたわ。それよりも見て下さい、私が一から育てたダリアが、こんなに綺麗に咲いていますよ。なんて綺麗なのかしら?それに水やりをしたときのしずくが、太陽の光に照らされてとても綺麗ですわ」
「確かに綺麗だね。ただ、勝手に部屋から出ては…」
「あら?ファラオ様、見て下さい。見覚えのない猫がいますわ。随分弱っている様ですが。もしかして、迷い込んだのかしら?」
私達の目の前に現れたのは、スカイ家族とは違う、1匹の猫だ。随分とガリガリだ。
「可哀そうに、すぐに食事をあげるわね」
使用人にすぐに準備してもらい、早速あげた。一生懸命食事をする猫を見ていると、昔を思い出す。あの時、スカイもこんな感じで、一生懸命食べていたわね。懐かしいわ…
「ソフィーナは、あの頃とちっともわかっていないね…」
「ん?何か言いましたか?」
「いや、何でもないよ。この子も飼うのかい?」
「さあ、どうかしら?それはこの子次第ですわね」
この子の人生だもの、私たちが勝手に決める事ではない。もしこの子が、ここが居心地がいいと思ってくれたら、もちろんお世話をするつもりだ。
さてと!
「ファラオ様、そろそろ戻りましょう。この後、ランドレア王国との貿易の件で、ルドルフ様とサラ様がいらっしゃる予定ですし。準備をしておかないと」
「そうだね、公務とはいえ、来週にはソフィーナと一緒に初の外国訪問だ。ランドレア王国はとても魅力的な国だと聞いているから、楽しみだね」
「ええ、とても楽しみですわ。まさか私が異国に行くだなんて」
前世の記憶が戻ってから、色々な事もあった。辛い事もあったが、それ以上に毎日が楽しかった。
そして今、あの頃よりも、もっともっと毎日が幸せで充実した日々を送っている。それはきっと…
そっとファラオ様の方を見つめた。
「どうしたのだい?急に僕を見つめて」
「私、最初の馬車事故に遭って以降、毎日が楽しくてたまらなかったのです。ですが今は、もっともっと幸せで充実した日々を送っています。それはきっと、ファラオ様が傍にいてくれたお陰なのだなって」
「それを言うなら、僕も同じだよ。ソフィーナと心が通じ合ってから、毎日が幸せでたまらないよ。ソフィーナ、僕の傍にいてくれてありがとう。これからも、もっと楽しい毎日を送ろうね」
「ええ、もちろんですわ」
再びギュッと手を握り直した。これからも私は、毎日楽しい時間を過ごすのだろう。
ファラオ様がいる限り、ずっと!
おしまい
~あとがき~
これにて完結です。
最後までお読みいただき、ありがとうございましたm(__)m
「それは僕も同じだよ。つい嫉妬に駆られて、君を追い詰めてしまった事もあったし…あの時はごめんね」
そっと私を抱き寄せたファラオ様。彼の温もり、匂い、全てにおいて私に安らぎを与えてくれる大切な人。
「僕たちはまだ若い。これから沢山間違いを起こすかもしれない。でもその時は、お互いがフォローし合える関係を作れたらいいと、僕は思う。その為にも、どんな些細な事でも、話しをしよう」
「そうですね、私、もうファラオ様に隠し事をしない様にしますわ。これからは何でも相談します」
「そうしてくれると嬉しいよ。僕も何でもソフィーナに話すようにするね。さあ、この話しは終わりにしよう。この庭で、ソフィーナとお茶を飲みたいと思っていたのだよ。もちろん、付き合ってくれるよね」
「ええ、もちろんですわ」
~1年後~
「今日もなんていい天気なのかしら?スカイ、おはよう。それにお花たちも、とても綺麗に咲いているわね。やっぱりこうやって外の空気を吸って、自由に動き回れるのは本当に素敵な事だわ」
今日も王宮の中庭の一角、私のお園を散歩する。1年前、アラバシア王国の王族たちが引き起こした事件は、先日やっと賠償問題にケリがつき、多額の賠償金及び資源が支払われた。
どうしてこんなに時間がかかったかって?それは今回の事件が、想像以上に大問題となったからだ。どうやらアラン殿下とアイリ殿下は、他国でも色々とやらかしていたからだ。
大事にしたくなかった他国の王族たちは、泣く泣く自分たちにとってメリットのない貿易条件を飲まされていたらしい。
今回我が国での事件を知った他国の王族たちが、一斉にアラバシア王国に抗議と貿易の条件廃止を求めたらしい。
そのせいで、アラバシア王国の陛下と王妃殿下は、各国に謝罪に回る羽目になったらしい。もともとアバラシア王国は、非常に小さな国だ。攻め込まれたらひとたまりもない。
今回の件はもちろん、アラバシア王国の貴族たちの耳にも入る事態となった。自分の国の存続を揺るがす大事件を起こしたアラン殿下とアイリ殿下への怒りはすさまじく、貴族たちによって彼らは当初の予定場所ではなく、重犯罪者が収容される施設に収容されたとの事。
大国でもある我が国を始め、主要の大きな国に多大なる迷惑をかけたとあって、極刑を望む声もあったそうだが、どうやら極刑だけは免れたらしい。それでも、贅沢三昧していた彼らにとって、平民以下の劣悪な環境での重労働を課せられる重犯罪者収容施設への移送は、相当辛い物だろう。
自業自得なので、同情するつもりもないが…もし彼らに2度目の人生があるなら、今度は真っ当に生きて欲しい。そう願っている。
「ソフィーナ、またここに来ていたのかい?僕に黙って部屋から出るだなんて、悪い子だね」
私の元にやって来たのは、ファラオ様だ。私たちは半年前、無事婚約披露パーティを終え、私とファラオ様は婚約者同士になったのだ。私達2人の強い希望により、私は王宮で生活をしている。
「あら、ちゃんと使用人には話して来ましたわ。それよりも見て下さい、私が一から育てたダリアが、こんなに綺麗に咲いていますよ。なんて綺麗なのかしら?それに水やりをしたときのしずくが、太陽の光に照らされてとても綺麗ですわ」
「確かに綺麗だね。ただ、勝手に部屋から出ては…」
「あら?ファラオ様、見て下さい。見覚えのない猫がいますわ。随分弱っている様ですが。もしかして、迷い込んだのかしら?」
私達の目の前に現れたのは、スカイ家族とは違う、1匹の猫だ。随分とガリガリだ。
「可哀そうに、すぐに食事をあげるわね」
使用人にすぐに準備してもらい、早速あげた。一生懸命食事をする猫を見ていると、昔を思い出す。あの時、スカイもこんな感じで、一生懸命食べていたわね。懐かしいわ…
「ソフィーナは、あの頃とちっともわかっていないね…」
「ん?何か言いましたか?」
「いや、何でもないよ。この子も飼うのかい?」
「さあ、どうかしら?それはこの子次第ですわね」
この子の人生だもの、私たちが勝手に決める事ではない。もしこの子が、ここが居心地がいいと思ってくれたら、もちろんお世話をするつもりだ。
さてと!
「ファラオ様、そろそろ戻りましょう。この後、ランドレア王国との貿易の件で、ルドルフ様とサラ様がいらっしゃる予定ですし。準備をしておかないと」
「そうだね、公務とはいえ、来週にはソフィーナと一緒に初の外国訪問だ。ランドレア王国はとても魅力的な国だと聞いているから、楽しみだね」
「ええ、とても楽しみですわ。まさか私が異国に行くだなんて」
前世の記憶が戻ってから、色々な事もあった。辛い事もあったが、それ以上に毎日が楽しかった。
そして今、あの頃よりも、もっともっと毎日が幸せで充実した日々を送っている。それはきっと…
そっとファラオ様の方を見つめた。
「どうしたのだい?急に僕を見つめて」
「私、最初の馬車事故に遭って以降、毎日が楽しくてたまらなかったのです。ですが今は、もっともっと幸せで充実した日々を送っています。それはきっと、ファラオ様が傍にいてくれたお陰なのだなって」
「それを言うなら、僕も同じだよ。ソフィーナと心が通じ合ってから、毎日が幸せでたまらないよ。ソフィーナ、僕の傍にいてくれてありがとう。これからも、もっと楽しい毎日を送ろうね」
「ええ、もちろんですわ」
再びギュッと手を握り直した。これからも私は、毎日楽しい時間を過ごすのだろう。
ファラオ様がいる限り、ずっと!
おしまい
~あとがき~
これにて完結です。
最後までお読みいただき、ありがとうございましたm(__)m
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