私を陥れる様な婚約者はいりません!彼と幸せになりますから邪魔しないで下さい

Karamimi

文字の大きさ
55 / 57

第55話:今日は宴です

しおりを挟む
「イリーネ、気持ちは分かるが、さっきの顔はよくなかったね。アントアーネは、優しくて大人しかった君の姿しか知らないのだから」

「そうだったわね。ごめんなさい。アントアーネちゃん、ごめんなさい。私、この10年ですっかり気が強くなってしまって」

「そうだったのですね。立ち話も何ですから、屋敷に向かいましょう。イリーネお姉様とお兄様は、あちらの馬車ですわ。それでは後程」

 お兄様たちが馬車に乗るのを見送った後、私とブラッド様も、馬車に乗り込み屋敷へと向かう。

「ブラッド様はイリーネお姉様がお兄様の恋人だって、知っていたのですよね。それなら、どうして教えて下さらなかったのですか?」

 教えてくれていたら、また違った準備が出来たかもしれないのに。

「すまない。アントアーネを驚かせたいから、黙っていて欲しいと、2人から口止めをされていたのだよ」

「そうだったのですね。それにしても、まさかお兄様の相手が、イリーネお姉様だっただなんて。お兄様は、どうやってイリーネお姉様を口説いたのかしら?」

「どちらかというと、イリーネ嬢の方が積極的にアントニオ殿に、アピールしていた感じかな。アントアーネ、昔のイリーネ嬢をイメージしている様だが、今の彼女は性格がまるで別人の様になったのだよ。

 まあ、あれだけ強ければ、この国でも十分やっていけるだろう」

 イリーネお姉様の性格が、すっかり変わってしまったですって?確かにさっき会った時は、なんだか昔のイメージと違っていたけれど…

「詳しくは2人に聞いてみるといいよ」

 そう言って笑ったブラッド様。

 そうこうしているうちに、屋敷が見えてきた。今日はブラッド様の両親やイリーネお姉様の為に、宴が行われる予定だ。

 屋敷に着くと、早速食堂へと案内するお父様とお母様。既にたくさんの料理と飲み物が並んでいた。

「すごいご馳走ね。私達の為に、準備してくれたの?嬉しいわ。あら?これはサルビア王国の伝統料理ね。懐かしいわ」

 おば様が、目を輝かせて料理を見ていた。彼女は元々サルビア王国の貴族令嬢だ。故郷の料理に興奮するのも無理はないだろう。

「リマったら。相変わらずね」

 お母様が、おば様を見て笑っている。なんだか今日のお母様、とても嬉しそうだ。

「皆様、今日はわざわざサルビア王国にいらしていただき、ありがとうございます。明日、いよいよブラッド殿とアントアーネは貴族学院を卒業します。彼らの立派な姿を、ぜひこの目で見ていってください。

 今日はささやかながら、皆様がいらしてくれた感謝を込めて、宴を準備しました。明日に響かない程度に、楽しんでいきましょう」

 お父様の挨拶で、宴がスタートした。

「アントアーネちゃん、ブラッドの気持ちに応えてくれて、本当にありがとう。あなたが義理の娘になると思うと、嬉しくてたまらないわ。実はね、あなたのお母様と約束をしていたの。お互い子供が生まれて、異性同士だったら、子供たちを結婚させましょうねって。

 冗談で言っていた約束が、まさか本当に叶うだなんて」

「本当よね。まさかリマの息子のブラッド様とアントアーネが、婚約する事になるだなんてね。ブラッド様には本当に感謝しているのよ。アントアーネが一番辛いときに、ずっと支えてくれていたのだから。

 それで、婚約披露パーティはいつにする?イリーネちゃんのご両親に挨拶にも行きたいし、私たちも近いうちに、リューズ王国に行こうと思っていたのよ」

「そうね、できるだけ早い方がいいわ。リューズ王国に戻ったら、すぐに2人の婚約手続きを行わないと。婚約披露パーティは、半年以内には行いたいわね」

「それじゃあ、早速婚約披露パーティに着るためのドレスを、新調しないと。忙しくなるわね」

 お母様とおば様が、話しに花を咲かせている。10年ぶりの親友との再会に、話しが止まらないお母様たち。

 ふとその隣を見てみると、お父様とおじ様が、仲良くお酒を飲んでいた。ここでも話題は、私とブラッド様の事だ。

 何だかんだ言って、お父様とおじ様は、気が合う様だ。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

嫌われたと思って離れたのに

ラム猫
恋愛
 私は、婚約者のカイルに嫌われたと思った。冷たくそっけなく、近づくたびに避けられる日々。  距離を置くことを選び、留学の準備も進めて心を落ち着かせようとするけれど——。

婚約破棄した王子が見初めた男爵令嬢に王妃教育をさせる様です

Mr.後困る
恋愛
婚約破棄したハワード王子は新しく見初めたメイ男爵令嬢に 王妃教育を施す様に自らの母に頼むのだが・・・

婚約解消したはずなのに、元婚約者が嫉妬心剥き出しで怖いのですが……

マルローネ
恋愛
伯爵令嬢のフローラと侯爵令息のカルロス。二人は恋愛感情から婚約をしたのだったが……。 カルロスは隣国の侯爵令嬢と婚約をするとのことで、フローラに別れて欲しいと告げる。 国益を考えれば確かに頷ける行為だ。フローラはカルロスとの婚約解消を受け入れることにした。 さて、悲しみのフローラは幼馴染のグラン伯爵令息と婚約を考える仲になっていくのだが……。 なぜかカルロスの妨害が入るのだった……えっ、どういうこと? フローラとグランは全く意味が分からず対処する羽目になってしまう。 「お願いだから、邪魔しないでもらえませんか?」

【完結】要らないと言っていたのに今更好きだったなんて言うんですか?

星野真弓
恋愛
 十五歳で第一王子のフロイデンと婚約した公爵令嬢のイルメラは、彼のためなら何でもするつもりで生活して来た。  だが三年が経った今では冷たい態度ばかり取るフロイデンに対する恋心はほとんど冷めてしまっていた。  そんなある日、フロイデンが「イルメラなんて要らない」と男友達と話しているところを目撃してしまい、彼女の中に残っていた恋心は消え失せ、とっとと別れることに決める。  しかし、どういうわけかフロイデンは慌てた様子で引き留め始めて――

婚約者の幼馴染って、つまりは赤の他人でしょう?そんなにその人が大切なら、自分のお金で養えよ。貴方との婚約、破棄してあげるから、他

猿喰 森繁
恋愛
完結した短編まとめました。 大体1万文字以内なので、空いた時間に気楽に読んでもらえると嬉しいです。

未来予知できる王太子妃は断罪返しを開始します

もるだ
恋愛
未来で起こる出来事が分かるクラーラは、王宮で開催されるパーティーの会場で大好きな婚約者──ルーカス王太子殿下から謀反を企てたと断罪される。王太子妃を狙うマリアに嵌められたと予知したクラーラは、断罪返しを開始する!

婚約者様への逆襲です。

有栖川灯里
恋愛
王太子との婚約を、一方的な断罪と共に破棄された令嬢・アンネリーゼ=フォン=アイゼナッハ。 理由は“聖女を妬んだ悪役”という、ありふれた台本。 だが彼女は涙ひとつ見せずに微笑み、ただ静かに言い残した。 ――「さようなら、婚約者様。二度と戻りませんわ」 すべてを捨て、王宮を去った“悪役令嬢”が辿り着いたのは、沈黙と再生の修道院。 そこで出会ったのは、聖女の奇跡に疑問を抱く神官、情報を操る傭兵、そしてかつて見逃された“真実”。 これは、少女が嘘を暴き、誇りを取り戻し、自らの手で未来を選び取る物語。 断罪は終わりではなく、始まりだった。 “信仰”に支配された王国を、静かに揺るがす――悪役令嬢の逆襲。

【完結】わたしは大事な人の側に行きます〜この国が不幸になりますように〜

彩華(あやはな)
恋愛
 一つの密約を交わし聖女になったわたし。  わたしは婚約者である王太子殿下に婚約破棄された。  王太子はわたしの大事な人をー。  わたしは、大事な人の側にいきます。  そして、この国不幸になる事を祈ります。  *わたし、王太子殿下、ある方の視点になっています。敢えて表記しておりません。  *ダークな内容になっておりますので、ご注意ください。 ハピエンではありません。ですが、救済はいれました。

処理中です...