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第17話:俺の前に現れた女の子~グラディオン視点~
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ガルディス侯爵家の嫡男として生まれた俺は、父親の強い希望で6歳の時、騎士団に入れられた。元々体を動かすことが大好きだった俺は、騎士団への入団は苦ではなかった。
ただ…
「グラディオン、お前新入りだろ。これ、1人で片づけておけよ」
そう言って面倒な仕事は、全て俺に押し付ける意地悪な先輩たち。
あんな奴らの言う事なんて、聞きたくない。でも、逆らうと後が面倒だ。仕方なく1人片づけをしていると
「あなた、新しく入った子?またあの人たち、新人の子に片づけを全て押し付けて。大丈夫?私も手伝うわ」
オレンジ色の髪に赤い瞳をした女の子が、俺に話しかけてきたのだ。確か騎士団長の娘が、騎士団にいると聞いたことがある。きっとこの子がそうなのだろう。それにしても、女なのに騎士団に入るだなんて、変わっているな。
「これは俺が頼まれた仕事だから。それに誰かに手伝ってもらっただなんて先輩たちに知られると、面倒なので」
そう伝えたのだが…
「この量、1人で片づけていたら夜になってしまうわ。さあ、一緒にやりましょう」
そう言ってもくもくと片づけを始めた女の子。
「そうそう、自己紹介をしないとね。私、ジャンヌ・マリアーズよ。あなたのお名前は?」
「グラディオン・ガルディス」
めんどくさそうに名前を答えた。
「グラディオン、素敵な名前ね。よろしくね、グラディオン」
そう言ってにっこりとほほ笑んだジャンヌ。この子、意外と可愛い顔をしているな…て、そんな事はどうでもいいか。さっさと片づけないと。
この日は2人で片づけたおかげで、何とか夜になるまでに片づける事が出来た。
そしてジャンヌは、この日を境に、俺の片づけを手伝う様になった。さらに
「あなた達、いつもグラディオンにばかり片づけをさせないで、自分たちでしたらどうなの?大体、後輩に片づけを押し付けて恥ずかしくないの?」
隊長がいる前で、大きな声でジャンヌが先輩に意見したのだ。ジャンヌの言葉を聞いた隊長。
「一体どういうことだ?グラディオン1人に片づけをさせていたとは。詳しく話を聞かせてくれ」
隊長に洗いざらいぶちまけたジャンヌによって、意地悪な先輩たちは隊長からこってり絞られていた。
ジャンヌ、あんな事を言って大丈夫かな?俺の不安は的中した。
「ジャンヌ、よくも隊長にチクリやがったな。女だからって、タダじゃおかないぞ!」
真っ赤な顔をして怒り狂う先輩たち。
「隊長にバレたらまずい事をしているあなた達が悪いのでしょう。大体、年下の新人に大きな顔をして、隊長にはペコペコ頭を下げるだなんて、恥ずかしくないのかしら?それでも騎士団員なの?情けない」
おい、ジャンヌ。さすがにマズイぞ。そう思ったのだが、時すでに遅し。
「騎士団長の娘だからって、調子に乗りやがって。ただじゃおかないからな!痛い目見せてやる」
怒り狂った先輩の1人が、ジャンヌに襲い掛かって来たのだ。危ない!そう思ったのだが、ジャンヌはいとも簡単に先輩を倒してしまったのだ。そう、ジャンヌは滅茶苦茶強かったのだ。
「口ばかり達者で、大したことないのね。新人虐めをしている暇があったら、しっかり稽古に励んだらどうなの?いい?もしこれから新人虐めをしたら、私が許さないから。それとも今から、コテンパンにしてあげましょうか?」
ニヤリと笑ったジャンヌ。そんなジャンヌに恐怖を感じたのか
「す…すみませんでした」
そう言って逃げていく先輩たち。あの人たち、大したことないな…
「グラディオン、意地悪な先輩たちは、私が退治したわ。それにしてもあの人たち、口ほどにもなかったわね。あんなに弱いのに、よく威張ってられたわね」
そう言ってジャンヌが笑っていた。
ジャンヌは女の子なのに、あんなに強いだなんて。きっと恐ろしいほど強い騎士団長の娘だから強いのだろう。その時の俺は、そう思っていた。
でも、それは間違いだったのだ。ジャンヌは誰よりも早く稽古場に来て朝練を行い、稽古が終わった後も、必死に自主練を行っていたのだ。
どうしてこんなに頑張るのだろう…ジャンヌは女の子なのに…不思議に思った俺は、ジャンヌに聞いた。すると
「私もね、騎士団に入った頃、先輩に意地悪をされたんだ。私は騎士団長の娘だったことも、気に入らなかったのだと思う。それが悔しくて、必死に稽古に励んだの。絶対にあの人たちより強くなってみせるって。そして、あの先輩たちを見返してやるって!それにね、強かったら意地悪な先輩たちから、皆を守れるでしょう?新しく入って来た子たちには、嫌な思いをして欲しくないの」
そう笑顔で教えてくれた。その言葉通り、ジャンヌは新人虐めをする先輩を見つけると、片っ端から倒していった。
きっとジャンヌは、騎士団が大好きなのだろう。だからこそ、新しく入った子たちが嫌な思いをして欲しくない。皆が少しでも楽しく過ごせるように、彼女なりに必死なのだろう。
そんなジャンヌを見ていると、俺も頑張らないと!そう思うようになっていた。
ただ…
「グラディオン、お前新入りだろ。これ、1人で片づけておけよ」
そう言って面倒な仕事は、全て俺に押し付ける意地悪な先輩たち。
あんな奴らの言う事なんて、聞きたくない。でも、逆らうと後が面倒だ。仕方なく1人片づけをしていると
「あなた、新しく入った子?またあの人たち、新人の子に片づけを全て押し付けて。大丈夫?私も手伝うわ」
オレンジ色の髪に赤い瞳をした女の子が、俺に話しかけてきたのだ。確か騎士団長の娘が、騎士団にいると聞いたことがある。きっとこの子がそうなのだろう。それにしても、女なのに騎士団に入るだなんて、変わっているな。
「これは俺が頼まれた仕事だから。それに誰かに手伝ってもらっただなんて先輩たちに知られると、面倒なので」
そう伝えたのだが…
「この量、1人で片づけていたら夜になってしまうわ。さあ、一緒にやりましょう」
そう言ってもくもくと片づけを始めた女の子。
「そうそう、自己紹介をしないとね。私、ジャンヌ・マリアーズよ。あなたのお名前は?」
「グラディオン・ガルディス」
めんどくさそうに名前を答えた。
「グラディオン、素敵な名前ね。よろしくね、グラディオン」
そう言ってにっこりとほほ笑んだジャンヌ。この子、意外と可愛い顔をしているな…て、そんな事はどうでもいいか。さっさと片づけないと。
この日は2人で片づけたおかげで、何とか夜になるまでに片づける事が出来た。
そしてジャンヌは、この日を境に、俺の片づけを手伝う様になった。さらに
「あなた達、いつもグラディオンにばかり片づけをさせないで、自分たちでしたらどうなの?大体、後輩に片づけを押し付けて恥ずかしくないの?」
隊長がいる前で、大きな声でジャンヌが先輩に意見したのだ。ジャンヌの言葉を聞いた隊長。
「一体どういうことだ?グラディオン1人に片づけをさせていたとは。詳しく話を聞かせてくれ」
隊長に洗いざらいぶちまけたジャンヌによって、意地悪な先輩たちは隊長からこってり絞られていた。
ジャンヌ、あんな事を言って大丈夫かな?俺の不安は的中した。
「ジャンヌ、よくも隊長にチクリやがったな。女だからって、タダじゃおかないぞ!」
真っ赤な顔をして怒り狂う先輩たち。
「隊長にバレたらまずい事をしているあなた達が悪いのでしょう。大体、年下の新人に大きな顔をして、隊長にはペコペコ頭を下げるだなんて、恥ずかしくないのかしら?それでも騎士団員なの?情けない」
おい、ジャンヌ。さすがにマズイぞ。そう思ったのだが、時すでに遅し。
「騎士団長の娘だからって、調子に乗りやがって。ただじゃおかないからな!痛い目見せてやる」
怒り狂った先輩の1人が、ジャンヌに襲い掛かって来たのだ。危ない!そう思ったのだが、ジャンヌはいとも簡単に先輩を倒してしまったのだ。そう、ジャンヌは滅茶苦茶強かったのだ。
「口ばかり達者で、大したことないのね。新人虐めをしている暇があったら、しっかり稽古に励んだらどうなの?いい?もしこれから新人虐めをしたら、私が許さないから。それとも今から、コテンパンにしてあげましょうか?」
ニヤリと笑ったジャンヌ。そんなジャンヌに恐怖を感じたのか
「す…すみませんでした」
そう言って逃げていく先輩たち。あの人たち、大したことないな…
「グラディオン、意地悪な先輩たちは、私が退治したわ。それにしてもあの人たち、口ほどにもなかったわね。あんなに弱いのに、よく威張ってられたわね」
そう言ってジャンヌが笑っていた。
ジャンヌは女の子なのに、あんなに強いだなんて。きっと恐ろしいほど強い騎士団長の娘だから強いのだろう。その時の俺は、そう思っていた。
でも、それは間違いだったのだ。ジャンヌは誰よりも早く稽古場に来て朝練を行い、稽古が終わった後も、必死に自主練を行っていたのだ。
どうしてこんなに頑張るのだろう…ジャンヌは女の子なのに…不思議に思った俺は、ジャンヌに聞いた。すると
「私もね、騎士団に入った頃、先輩に意地悪をされたんだ。私は騎士団長の娘だったことも、気に入らなかったのだと思う。それが悔しくて、必死に稽古に励んだの。絶対にあの人たちより強くなってみせるって。そして、あの先輩たちを見返してやるって!それにね、強かったら意地悪な先輩たちから、皆を守れるでしょう?新しく入って来た子たちには、嫌な思いをして欲しくないの」
そう笑顔で教えてくれた。その言葉通り、ジャンヌは新人虐めをする先輩を見つけると、片っ端から倒していった。
きっとジャンヌは、騎士団が大好きなのだろう。だからこそ、新しく入った子たちが嫌な思いをして欲しくない。皆が少しでも楽しく過ごせるように、彼女なりに必死なのだろう。
そんなジャンヌを見ていると、俺も頑張らないと!そう思うようになっていた。
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