あなたの重すぎる愛は私が受け止めます

Karamimi

文字の大きさ
13 / 51

第13話:これは夢なのか?~アルフレッド視点~

しおりを挟む
僕の愛するクリスティーヌは、カロイド殿下に取られてしまうのか?そんなのは嫌だ…

地獄に叩き落され、絶望にどん底にいる僕に近づいてきたのは、カリーナ殿下が。

「あら、アルフレッド様。ごきげんよう。見て下さい、お兄様とクリスティーヌ様、本当に仲睦まじいですわね。だから言ったでしょう。私を選んでおけばよかったのに…バカな男。でも、私は優しいから、今からでも自分の行いを反省し、私を選ぶというなら、許してあげても…」

「僕が愛しているのは、クリスティーヌただ1人です。申し訳ないのですが…」

「あの仲睦まじい2人を見ても、まだそんな事を言うのね。まあいいわ、きっと近々、クリスティーヌ様の家から、王妃候補の申し込みが来るわ。このお茶会は、お兄様の王妃候補を探すためのお茶会なのですもの。本当にバカな男。せいぜい2人が幸せになる姿を、指をくわえて見ているといいわ」

そう言って去っていくカリーナ殿下。確かに今回のお茶会は、いずれ国王になるカロイド殿下の婚約者を探す名目も含まれていると聞いていた。もしこのままクリスティーヌが、カロイド殿下の婚約者候補になったら…

考えただけで、倒れそうだ。僕にとってクリスティーヌは、居なくてはならない大切な存在なんだ。もし彼女を失ったら僕は…

その後どうやってお茶会を過ごしたか、覚えていない。ただ屋敷に戻るや否や、クリスティーヌが義父上と義母上に

「私は絶対にカロイド殿下の婚約者候補になりたいです。どうかお願いします。私を好きな殿方に嫁がせてください。お願いします」

そう必死に頭を下げていた。よほど殿下の事が気に入ったのだろう。あんなに必死になるだなんて。ただ、義父上も義母上もクリスティーヌには僕と結婚させて、公爵家を2人で継いでほしいと思っている様で、必死に説得している。さらに僕も必死でクリスティーヌを説得した。


そんな僕たちに向かって

「私は好きな人と結婚する権利も与えられないのですか?とにかく私は、カロイド殿下の婚約者候補になりたいのです」

そう言い捨て、部屋に戻って行ってしまった。きっと頑固なクリスティーヌ事だから、絶対に折れないだろう。

フラフラと自室に戻ると、窓から空を見上げた。

「父上…母上…僕はただ、クリスティーヌさえいてくれたらいいのです…でも、クリスティーヌは、僕以外の男性を好きになった様です…僕はこれからどうやって生きて行けばいいのでしょうか?いっその事、あなた達の元に…」

「坊ちゃま、一体何をなさろうとしているのですか?」

執事が凄い勢いで部屋に入って来たと思ったら、僕を窓から引き離した。僕は無意識のうちに、窓から飛び降りようとしていた様だ。

「クリスティーヌ様の件がショックなのは分かります。ですがどうか、その様な事はお止めください。あなた様を自分の子供の様に可愛がってくださっている公爵様や夫人、それに天国のご両親もきっと悲しまれます」

「でも…クリスティーヌは僕がいない方が、きっと幸せになれるよ…現に僕の事を嫌っているし…」

「確かに今は、坊ちゃまの事を避けていらっしゃるかもしれませんが…でも、まだ王太子殿下と正式に結婚すると決まった訳ではないのでしょう。どうか、希望を捨てないで下さい。とにかく、あなた様は最近色々な事に頑張りすぎです。今日はどうかゆっくり休んでください」

執事はそう言うと、僕をベッドに寝かした。でも、眠れるわけがない。もしかしたら、僕の生きる希望でもあるクリスティーヌを失うかもしれないのだから…

それにカリーナ殿下…あの女も恐ろしい…

僕はその日不安と悲しみで、1人ベッドの中で涙を流し続けたのだった。

翌日。

昨日泣きすぎたせいか、頭がボーっとする。そんな僕を気に掛けてくれるのは、義父上だ。

「アルフレッド、昨日はクリスティーヌがバカな事を言いだしてすまなかったな。クリスティーヌには、私から話をするから」

そう言って僕の肩を叩いて慰めてくれる義父上。その時だった。

「おはようございます!お父様、大事な話がありますわ!」

向こうからものすごい勢いで走って来るクリスティーヌ。それも寝間着なうえ、寝ぐせまで付いている。すかさずクリスティーヌに怒る義父上。

いつもと何だか雰囲気の違うクリスティーヌに、つい話しかけてしまった。いつもの様にあしらわれるかな?そう思ったのだが…

自分はカロイド殿下と結婚したくないし王妃になりたくない、それに公爵家を継ぎたいと言い出したのだ。さらに、僕を悲しませたことに対する謝罪や、僕を気遣う言葉を投げかけてくれたのだ。そして僕の手を握ってくれた。

その手は温かくて柔らかくて、あの頃より少し大きくなっていた。今のクリスティーヌの姿は、昔僕が両親を亡くして泣いていた時、慰めてくれたクリスティーヌそのものだった。これは夢だろうか?夢ならどうか覚めないで欲しい…

今にも泣きそうになるのを必死に堪えた。そして一旦クリスティーヌを自室に戻し、着替えをするように伝えた。僕はどうしてもクリスティーヌの部屋の前から動く事が出来ずに、その場に待機する。

すると中から、メイドの声が聞こえてくる。一体何の話をしているのだろう。しばらく待っていると、着替えを済ませたクリスティーヌが出て来た。僕の顔を見ると、嬉しそうに僕に駆け寄ってきてくれたのだ。

本当にこれは夢ではないのだよな?どうしても信じられなくて、こっそりと自分の手をつねってみたが、痛い。どうやら夢ではない様だ。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。

沼野 花
恋愛
夫と子供たちに、選ばれなかったイネス。 すべてを愛人に奪われ、彼女は限界を迎え、屋敷を去る。 だが、その先に待っていたのは、救いではなかった。 イネスを襲った、取り返しのつかない出来事。 変わり果てた現実を前に、 夫はようやく、自分が何を失ったのかを思い知る。 深い後悔と悲しみに苛まれながら、 失ったイネスの心を取り戻そうとする夫。 しかし、彼女の心はすでに、外の世界へと向かっていた。 贖罪を背負いながらもイネスを求め続ける夫。 そして、母の心を知っていく子供たち。 イネスが求める愛とは、 そして、幸せとは――。

侯爵令嬢ソフィアの結婚

今野綾
恋愛
ソフィアは希少なグリーンアイを持つヴィンセントと結婚したが、これは金が欲しいソフィアの父の思惑と高い爵位が欲しいヴィンセントの思惑が一致したからに過ぎない そもそもヴィンセントには美しい恋人がいる 美男美女と名高いヴィンセントとその恋人は身分に大きな差があるために結婚することは叶わないのだ その事をソフィアも耳にしており、この結婚が形ばかりのものであることを知っていた 結婚して早々、ソフィアは実家から連れてきた侍女夫婦とあばら家に住むように言われて… 表紙はかなさんです✨ ありがとうございます😊 2024.07.05

どうぞ、おかまいなく

こだま。
恋愛
婚約者が他の女性と付き合っていたのを目撃してしまった。 婚約者が好きだった主人公の話。

P.S. 推し活に夢中ですので、返信は不要ですわ

汐瀬うに
恋愛
アルカナ学院に通う伯爵令嬢クラリスは、幼い頃から婚約者である第一王子アルベルトと共に過ごしてきた。しかし彼は言葉を尽くさず、想いはすれ違っていく。噂、距離、役割に心を閉ざしながらも、クラリスは自分の居場所を見つけて前へ進む。迎えたプロムの夜、ようやく言葉を選び、追いかけてきたアルベルトが告げたのは――遅すぎる本心だった。 ※こちらの作品はカクヨム・アルファポリス・小説家になろうに並行掲載しています。

虚弱体質?の脇役令嬢に転生したので、食事療法を始めました

たくわん
恋愛
「跡継ぎを産めない貴女とは結婚できない」婚約者である公爵嫡男アレクシスから、冷酷に告げられた婚約破棄。その場で新しい婚約者まで紹介される屈辱。病弱な侯爵令嬢セラフィーナは、社交界の哀れみと嘲笑の的となった。

令嬢から成り下がったメイドの分際で、侯爵様と目が合ってしまって

あおとあい
恋愛
彼はメイドの私に手を差し出した。「私と、踊っていただけませんか?」 かつては伯爵令嬢として、誰もが羨む生活を送っていたエルナ。 しかし、いわれなき罪で家は没落し、今は嫌な貴族の下で働く「身分落ち」のメイド。 二度と表舞台に立つことなどないはずだった。 あの日の豪華絢爛な舞踏会で、彼と目が合うまでは。 アルフォンス・ベルンハルト侯爵。 冷徹な「戦場の英雄」として国中の注目を集める、今もっともホットで、もっとも手が届かない男。 退屈そうに会場を見渡していた彼の視線が、影に徹していた私を捉えて。 彼は真っ直ぐに歩み寄り、埃まみれの私に手を差し出した。 「私と、踊っていただけませんか?」 メイドの分際で、英雄のパートナー!? 前代未聞のスキャンダルから始まる逆転劇。 ※毎日17時更新

【完結】6人目の娘として生まれました。目立たない伯爵令嬢なのに、なぜかイケメン公爵が離れない

朝日みらい
恋愛
エリーナは、伯爵家の6人目の娘として生まれましたが、幸せではありませんでした。彼女は両親からも兄姉からも無視されていました。それに才能も兄姉と比べると特に特別なところがなかったのです。そんな孤独な彼女の前に現れたのが、公爵家のヴィクトールでした。彼女のそばに支えて励ましてくれるのです。エリーナはヴィクトールに何かとほめられながら、自分の力を信じて幸せをつかむ物語です。

【完結】公爵令嬢に転生したので両親の決めた相手と結婚して幸せになります!

永倉伊織
恋愛
ヘンリー・フォルティエス公爵の二女として生まれたフィオナ(14歳)は、両親が決めた相手 ルーファウス・ブルーム公爵と結婚する事になった。 だがしかし フィオナには『昭和・平成・令和』の3つの時代を生きた日本人だった前世の記憶があった。 貴族の両親に逆らっても良い事が無いと悟ったフィオナは、前世の記憶を駆使してルーファウスとの幸せな結婚生活を模索する。

処理中です...