あなたの重すぎる愛は私が受け止めます

Karamimi

文字の大きさ
17 / 51

第17話:カリーナ殿下とご対面です

しおりを挟む
貴族学院の敷地内に入ると、そこには漫画の世界で描かれていた学院風景が広がっている。まさに漫画の世界そのものの風景に、つい目を輝かせてしまう。

その時だった。

「おはよう、クリスティーヌ嬢、アルフレッド殿」

この声は…

ゆっくり声の方を振り向くと、そこには胡散臭い微笑を浮かべたカロイド殿下が。その隣には、金色の髪に緑の瞳をした少女の姿も。間違いない、この子がカリーナ殿下ね。

「おはようございます、カロイド殿下、カリーナ殿下。今日からよろしくお願いいたします」

お父様の面目を潰さないためにも、公爵令嬢として穏やかにカーテシーを決めた。

「ご丁寧にご挨拶ありがとうございます。近くでお目にかかると、本当にお可愛らしい方ですね。兄が気に入るのも無理はありませんわ。どうかこれからは、私とも仲良くしてくださいね」

そう言うと、カリーナ殿下が可愛らしい笑顔を見せてくれた。この笑顔、漫画と同じね。それもセリフも漫画と同じだわ。

「もちろんですわ。それでは私たちはこれで失礼いたします」

殿下たち2人に頭を下げ、その場を去ろうとしたのだが…

「せっかくですから、一緒にホールに行きましょう。私、兄から話を聞いて、クリスティーヌ様に興味を抱きましたの。私、あまり友人もいなくて…ぜひクリスティーヌ様とお友達になりたいと思いまして」

そう言うと、スッと私の手を取ったのだ。

「わかりましたわ。それでは一緒に参りましょう」

とりあえず断る理由もないので、そのまま4人でホールへと向かう。

「クリスティーヌ様とアルフレッド様は、仲睦まじいと兄からお伺いしましたわ。もしかして、婚約のお約束をなされているのですか?」

にっこり笑ってそんな事を聞いて来たカリーナ様。

「ええ、私とアルフレッド様は、いずれ婚約を結ぶつもりでいますわ。私達はお互い愛し合っておりますので」

「まあ、そうなのですね。羨ましいですわ。そう言えば兄が、クリスティーヌ様に興味を抱いている様でして。クリスティーヌ様もアルフレッド様もまだ12歳ですもの。もしかしたら、心変わりもあるかもしれませんものね」

心変わりがあるかもしれないか。そんなもの、ある訳がない。

「それはあり得ませんわ。私は誰よりもアルフレッド様を愛しておりますので。アルフレッド様以外の殿方は、はっきり言って眼中にございませんから」

「僕もクリスティーヌ意外と結婚するつもりはありませんよ」

「お2人とも、本当に仲睦まじいのですね…でも、人の心は変わりますから…クリスティーヌ様だって、最初に兄に会った時は、あんなに兄に興味を持っていらしたではありませんか?そうでしょう?」

「確かにあの時のクリスティーヌ嬢は、僕を見てうっとりとしていたよ。2回目会った時は、別人の様に態度が変わっていてびっくりしたけれどね」

今まで空気だったカロイド殿下も話に入って来た。

「あの時はちょっと、アルフレッド様の事で悩んでおりましたので。まあ、一時の気の迷いという奴ですわね。とにかく私は、アルフレッド様以外の殿方には興味がありませんわ。学院でも、極力アルフレッド様の傍にいたいと考えておりますの」

そう言ってアルフレッド様の腕に絡みつく。

「さあ、ホールにつきましたわ。それではカロイド殿下、カリーナ殿下、また後程」

すっとカリーナ殿下の手を放すと、そのまま別の席にアルフレッド様と座った。

「アルフレッド様、大丈夫ですか?顔色があまり良くありませんが」

ふと隣に座るアルフレッド様を見ると、青い顔をしていた。もしかしたら、カリーナ殿下に会った事が嫌だったのかしら?

「何でもないよ。ただ…いいや、何でもない。ほら、式が始まるよ」

そう言って前を向いたアルフレッド様。

その時だった。なんだか視線を感じ、視線の方を見ると…

こちらを凄い形相で睨んでいる、カリーナ殿下と目があった。ただ、私と目があった瞬間、笑顔になり私に向かって会釈をしている。

あの子…やっぱりカロイド殿下の妹ね…さっき話をしていた時も、私とアルフレッド様の仲をなんとか引き裂こうとしていたし…それに私がアルフレッド様の事を話すと、口元が引きつっていたわ。

ただ、さすが王女だけの事はある。顔はしっかり笑顔だった。でも私は、あんな胡散臭い笑顔に騙されない。さっき凄い形相で睨んでいたのが、彼女の本当の姿なのだろう。

それにアルフレッド様の不安そうな顔。なんだかカリーナ殿下に恐怖を感じている様だった。

カリーナ殿下、要注意人物だわ!
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。

沼野 花
恋愛
夫と子供たちに、選ばれなかったイネス。 すべてを愛人に奪われ、彼女は限界を迎え、屋敷を去る。 だが、その先に待っていたのは、救いではなかった。 イネスを襲った、取り返しのつかない出来事。 変わり果てた現実を前に、 夫はようやく、自分が何を失ったのかを思い知る。 深い後悔と悲しみに苛まれながら、 失ったイネスの心を取り戻そうとする夫。 しかし、彼女の心はすでに、外の世界へと向かっていた。 贖罪を背負いながらもイネスを求め続ける夫。 そして、母の心を知っていく子供たち。 イネスが求める愛とは、 そして、幸せとは――。

侯爵令嬢ソフィアの結婚

今野綾
恋愛
ソフィアは希少なグリーンアイを持つヴィンセントと結婚したが、これは金が欲しいソフィアの父の思惑と高い爵位が欲しいヴィンセントの思惑が一致したからに過ぎない そもそもヴィンセントには美しい恋人がいる 美男美女と名高いヴィンセントとその恋人は身分に大きな差があるために結婚することは叶わないのだ その事をソフィアも耳にしており、この結婚が形ばかりのものであることを知っていた 結婚して早々、ソフィアは実家から連れてきた侍女夫婦とあばら家に住むように言われて… 表紙はかなさんです✨ ありがとうございます😊 2024.07.05

どうぞ、おかまいなく

こだま。
恋愛
婚約者が他の女性と付き合っていたのを目撃してしまった。 婚約者が好きだった主人公の話。

P.S. 推し活に夢中ですので、返信は不要ですわ

汐瀬うに
恋愛
アルカナ学院に通う伯爵令嬢クラリスは、幼い頃から婚約者である第一王子アルベルトと共に過ごしてきた。しかし彼は言葉を尽くさず、想いはすれ違っていく。噂、距離、役割に心を閉ざしながらも、クラリスは自分の居場所を見つけて前へ進む。迎えたプロムの夜、ようやく言葉を選び、追いかけてきたアルベルトが告げたのは――遅すぎる本心だった。 ※こちらの作品はカクヨム・アルファポリス・小説家になろうに並行掲載しています。

虚弱体質?の脇役令嬢に転生したので、食事療法を始めました

たくわん
恋愛
「跡継ぎを産めない貴女とは結婚できない」婚約者である公爵嫡男アレクシスから、冷酷に告げられた婚約破棄。その場で新しい婚約者まで紹介される屈辱。病弱な侯爵令嬢セラフィーナは、社交界の哀れみと嘲笑の的となった。

令嬢から成り下がったメイドの分際で、侯爵様と目が合ってしまって

あおとあい
恋愛
彼はメイドの私に手を差し出した。「私と、踊っていただけませんか?」 かつては伯爵令嬢として、誰もが羨む生活を送っていたエルナ。 しかし、いわれなき罪で家は没落し、今は嫌な貴族の下で働く「身分落ち」のメイド。 二度と表舞台に立つことなどないはずだった。 あの日の豪華絢爛な舞踏会で、彼と目が合うまでは。 アルフォンス・ベルンハルト侯爵。 冷徹な「戦場の英雄」として国中の注目を集める、今もっともホットで、もっとも手が届かない男。 退屈そうに会場を見渡していた彼の視線が、影に徹していた私を捉えて。 彼は真っ直ぐに歩み寄り、埃まみれの私に手を差し出した。 「私と、踊っていただけませんか?」 メイドの分際で、英雄のパートナー!? 前代未聞のスキャンダルから始まる逆転劇。 ※毎日17時更新

【完結】6人目の娘として生まれました。目立たない伯爵令嬢なのに、なぜかイケメン公爵が離れない

朝日みらい
恋愛
エリーナは、伯爵家の6人目の娘として生まれましたが、幸せではありませんでした。彼女は両親からも兄姉からも無視されていました。それに才能も兄姉と比べると特に特別なところがなかったのです。そんな孤独な彼女の前に現れたのが、公爵家のヴィクトールでした。彼女のそばに支えて励ましてくれるのです。エリーナはヴィクトールに何かとほめられながら、自分の力を信じて幸せをつかむ物語です。

【完結】公爵令嬢に転生したので両親の決めた相手と結婚して幸せになります!

永倉伊織
恋愛
ヘンリー・フォルティエス公爵の二女として生まれたフィオナ(14歳)は、両親が決めた相手 ルーファウス・ブルーム公爵と結婚する事になった。 だがしかし フィオナには『昭和・平成・令和』の3つの時代を生きた日本人だった前世の記憶があった。 貴族の両親に逆らっても良い事が無いと悟ったフィオナは、前世の記憶を駆使してルーファウスとの幸せな結婚生活を模索する。

処理中です...