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第9章 推理編
再遭遇
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俺と剣姫が倒したはずのあいつが生きている?
「「「「っ!?」」」」
その事実に息を飲むのは奴を知るシア、ディアナ、ユーフィリア、そしてセレス様。
「ランセルさん、エビルズマリスが現れたんですね?」
「いや、あれは分身の方だと思う」
本体ではなく分身。
「……」
確かに、あの異界で倒しきれなかった分身がいたかもしれない。
「ランセル、今はそんなことより治療を!」
ランセルさんの後ろから現れたのはエレナさん。
「コーキさん、手を貸していただけないでしょうか?」
「……分かりました」
「ありがとうございます!」
「では、3人をあちらに寝かせてください」
幸いなことに、深手を負っていた3人に対する治療は順調に進み、俺の持つ魔法薬と治癒魔法を使うことで無事に全員の処置を終えることができた。
実は治療中、冒険者の中にセレス様を狙う者がいるかもしれないという思いが消えず微妙な気持ちに陥ってしまったが、それでもまあ、助けることができて良かったなと……。
ところで、今回現れた分身は冒険者たちの手で屠ることに成功したらしい。3人は重傷を負ったものの、さすが腕利き冒険者といったところだろうか。
また、ヴァーンとアルは地上に出ようとした際に冒険者連中と出くわし、外出を中止したとのこと。分身1頭を倒したとはいえ、他の分身が隠れている可能性もあるのだから自重してくれてよかったよ。
*************************
<トゥオヴィ視点>
「今度は何と書いてあった?」
「……不測の事態があったとのことです」
「それで?」
「しばらくは我慢してもらうことになると」
「……」
この部屋に監禁されてどれくらい経ったのだろう?
薄暗い監禁空間と絶えず襲ってくる眠気に、もう時間の感覚すらなくなってしまった。
ただ、それでも。
扉の下に届く文が私の気力を保ってくれる。我らを救い出す者がここにいるという事実が虜囚生活の苦痛を和らげてくれる。
「トゥオヴィ、まだ魔法は使えぬのか?」
「残念ながら」
「やはり、魔法阻害の仕掛けか?」
「そうだと思います」
魔法発動を阻害し眠りを誘うこの空間。敵には並ではない術者がいると考えた方がいい。
「ですが、魔力は間違いなく回復しておりますので、外に出さえすれば使用できるはずです」
「それは吉報だな」
この部屋を出れたからといって、敵陣からの脱出に成功するとは限らない。いや、普通ならかなり困難だろう。ただし、こちらにはトゥオヴィがいる。彼女が幻影の魔法を使えば脱出も……。
「あとは待つだけか」
「……はい」
焦っても仕方がない。
ここで待つしかない。
分かっていることだが、どうしても気が急いてしまう。
「我が軍はどうしているだろうな?」
「……救出のために手を尽くしているかと」
「であればよいがな」
私のことをよく思わぬあの者たちがどう動くか?
期待できるものではないだろう。
やはり、今はこの文の主だけが……。
「「「「っ!?」」」」
その事実に息を飲むのは奴を知るシア、ディアナ、ユーフィリア、そしてセレス様。
「ランセルさん、エビルズマリスが現れたんですね?」
「いや、あれは分身の方だと思う」
本体ではなく分身。
「……」
確かに、あの異界で倒しきれなかった分身がいたかもしれない。
「ランセル、今はそんなことより治療を!」
ランセルさんの後ろから現れたのはエレナさん。
「コーキさん、手を貸していただけないでしょうか?」
「……分かりました」
「ありがとうございます!」
「では、3人をあちらに寝かせてください」
幸いなことに、深手を負っていた3人に対する治療は順調に進み、俺の持つ魔法薬と治癒魔法を使うことで無事に全員の処置を終えることができた。
実は治療中、冒険者の中にセレス様を狙う者がいるかもしれないという思いが消えず微妙な気持ちに陥ってしまったが、それでもまあ、助けることができて良かったなと……。
ところで、今回現れた分身は冒険者たちの手で屠ることに成功したらしい。3人は重傷を負ったものの、さすが腕利き冒険者といったところだろうか。
また、ヴァーンとアルは地上に出ようとした際に冒険者連中と出くわし、外出を中止したとのこと。分身1頭を倒したとはいえ、他の分身が隠れている可能性もあるのだから自重してくれてよかったよ。
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「……不測の事態があったとのことです」
「それで?」
「しばらくは我慢してもらうことになると」
「……」
この部屋に監禁されてどれくらい経ったのだろう?
薄暗い監禁空間と絶えず襲ってくる眠気に、もう時間の感覚すらなくなってしまった。
ただ、それでも。
扉の下に届く文が私の気力を保ってくれる。我らを救い出す者がここにいるという事実が虜囚生活の苦痛を和らげてくれる。
「トゥオヴィ、まだ魔法は使えぬのか?」
「残念ながら」
「やはり、魔法阻害の仕掛けか?」
「そうだと思います」
魔法発動を阻害し眠りを誘うこの空間。敵には並ではない術者がいると考えた方がいい。
「ですが、魔力は間違いなく回復しておりますので、外に出さえすれば使用できるはずです」
「それは吉報だな」
この部屋を出れたからといって、敵陣からの脱出に成功するとは限らない。いや、普通ならかなり困難だろう。ただし、こちらにはトゥオヴィがいる。彼女が幻影の魔法を使えば脱出も……。
「あとは待つだけか」
「……はい」
焦っても仕方がない。
ここで待つしかない。
分かっていることだが、どうしても気が急いてしまう。
「我が軍はどうしているだろうな?」
「……救出のために手を尽くしているかと」
「であればよいがな」
私のことをよく思わぬあの者たちがどう動くか?
期待できるものではないだろう。
やはり、今はこの文の主だけが……。
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