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第12章 激闘編
正体
しおりを挟む<エリシティア視点>
「師匠!」
「アルなのか? おめえ、ほんとに?」
ギリオンに弟子がいる?
「見れば分かるだろ」
しかも、このような山中で敵方に?
聞いてないぞ。
「ああ……アルだ」
間違いないのか。
あの少年がギリオンの弟子だと。
「はぁ、しっかりしてくれよなぁ。で、いったい何してんだ?」
「……」
「どうして師匠が弟子を攻撃するんだよ?」
「……おめえにゃ、やってねえ」
「おれの味方に剣を振るったんだから、そういうことだろ?」
「ああ? 売られた喧嘩だぞ」
ギリオンの言う通り。
戦意などなかった我らに、先に仕掛けたのはあちらの方。
「喧嘩を買って何がわりい?」
これもまた正論。
我らは防衛権を正当に行使したにすぎない。
「非があんのはこっちじゃなく、そっちだろうが!」
「……」
「んで、どうして仕掛けてきた?」
そう、それを知りたいんだ。
最初から攻撃的な姿勢だった理由を教えてほしい。
「答えられねえのか? アル?」
「……レザンジュの王軍だと思ったから」
「王軍だから攻撃したってか?」
「ああ」
「理由は?」
「えっ?」
「王軍に仕掛ける理由は何だ?」
「……敵だから」
「敵? どういうこった?」
「それは……っ、師匠は王軍じゃないよな?」
「はっ、オレ様は冒険者だぞ」
「なら、そっちの騎士たちも王軍じゃない?」
「こいつらは……」
「やっぱり王軍なのか?」
「んん……アイスタージウスの手下ではないな」
「弑逆王の軍じゃない? ってことは?」
「……」
ギリオンには上手く答えられないか。
となると。
「あなた方は今のレザンジュ、アイスタージウス軍と敵対しているのですか?」
ウォーライルが前に出るのも必然。
「……まあ、そうだな」
「では、こちらに害意を抱くのは筋違いというもの」
「……」
「我らもまた彼の軍とは敵対関係にありますので」
「あんたら何者なんだ?」
「レザンジュの真王エリシティア様の近衛部隊、と冒険者2名ですな」
「レザンジュ!?」
「「「「「やっぱり敵だ!」」」」」
このやり取りを沈黙のまま聞いていた周りの者から叫び声が上がる。
「「「「「間違ってなかったんだ!」」」」」
「「「「「ああ!」」」」」
こちらの正体を知って再び騒ぎが始まってしまった。
「皆、騒ぐんじゃない!」
それを鎮めたのは、当初から先頭に立っていた壮年男性。
「そちらの言はつまり」
ギリオンとアル少年の傍ら、ウォーライルの正面まで歩み寄ってくる。
「レザンジュのエリシティア王女は弑逆王と敵対している、我らの敵ではないと?」
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