【完結】幸せしかないオメガバース

回路メグル

文字の大きさ
20 / 58

第20話 準備7

しおりを挟む
「本当にごめん。俺ばっかり気持ちよくて」

 ……そういえば、さっきも言っていた気がする。

「……アキヤさっ、いい、んですか?」

 なんとか声を絞り出すと、アキヤさんはふっとすごく嬉しそうに笑ってくれた。

「あぁ。すごくいいよ。ちょっときついけど……この狭さ、俺がミチくんの処女もらっているんだと思うと、興奮しすぎておかしくなりそう。……必死に耐えているけど」

 え? え? 耐えるほどいいの?
 余裕そうに見えるのに?

「……フェロモン嗅いでみる?」
「……?」

 アキヤさんが俺の肩に顔を埋めて項が近づく。

「!?」

 あ……あ、うわ……?
 すごい。フェロモン、すごい、濃い……!
 しかもこれ、落ち着くフェロモンじゃなくて、ドキドキするフェロモンで……。

「ん……、俺の興奮しきったフェロモンで、ミチくんも興奮した?」
「あ……あ、アキヤさぁん……!」

 さっきまであんなに苦しかったのに、体の力が抜ける。
 力の抜けた手で、必死にアキヤさんにしがみついて……どうしよう。
 すごく興奮するんだけど、これ、どうしたらいい? どうしたらこの興奮みたされる?
 俺、こんなの知らない。

「ん……かわいいな……ミチくん、かわいい」

 アキヤさんがキスをしてくれて、それはすごく嬉しいんだけど、それじゃなくて、なにか……もっと、何か……!

「動いていい? もう少し奥まで行きたい」

 奥……指で触れてくれた気持ちいいところ?
 それとも、もっともっと奥の……オメガの……大事なところ?

「ん、奥って言ったら中がキュンってした。かわいいな……このアナル、ミチくんのアナル、大好き。早く動きたい……」
「あ……」

 俺のアルファが奥に来たがっている。
 そうだ、それだ。

「来て、アキヤさん……」

 俺が言うと、アキヤさんが笑みを深めてぐっと腰を進めた。

「ん」
「んぐっ、ん、う、ん……!」

 苦しい、大きい。
 でも、さっきよりも進みやすい気がするし、先端が深くなるほどに奥がソワソワして……。

「ひぅ!?」
「っ?」

 !?

 なに?

 これ、なに?

「あ? え? あ、……あ?」
「ミチくん……」

 アキヤさんが少し腰を引いて、また、あ、うわ、あ!?

「ここ?」
「アァッ!」

 少し強く突かれるだけで頭が真っ白になる。
 たぶん、気持ちいい。
 でも、電気が走ったみたいな大きなビリっと来る感覚で、スイッチが入ったみたいで、苦しいのも痛いのも忘れるくらい全身の感覚がココに集中する。

「ここ、さっきのいいところだよね?」
「あ、あ、あ、あ!?」

 腰が揺れて、アキヤさんの太い部分がそこを何度も行き来する。
 指と全然違う、太い太いカリが、しっかりはまって、こんなの、こんなの……こんなの……!

「きもち、い……っ、きもちい、あ、これ、アキヤさ……!」
「はぁ……っ、よかった」

 アキヤさんも嬉しそうに、いつの間にか流れていた目元の涙をぬぐってくれて……

「もう苦しくない?」

 訊かれた言葉に必死に頷くと……

「じゃあ……」

 アキヤさんが少し腰を引いて……

「あとはもう、気持ちいいだけだね」
「あぁっ!」

 俺の良い場所を引っ掻くように強いピストンが始まる。

「あ、あ、あ、あ、ああぁ、あん、あ!」

 きもちいい。
 何度も動かれると内壁が少し慣れてくるのか、最初みたいなすごい衝撃は薄れてくるけど、そうなると、もう、ただただ気持ちがいいだけで……気持ちいい。すごく、気持ちいい!

「また声がかわいくなった。感じている顔もすごく、エッチでかわいいよ」

 恥ずかしいから隠したい。でも、俺にそんなことを言うアキヤさんだって興奮した顔で、気持ちよさそうにはぁはぁ言っていて……嬉しい。気持ちよくなってくれるの嬉しい。一緒に気持ちよくなれるの嬉しい。上手にセックスできるの嬉しい……!

「あ……!」

 嬉しいって思ったらお腹の奥が熱くなって、あ、絶対に今フェロモン出た。

「あ、アキヤさ、あ、もう、なんか、なんか、お腹、なんか」
「イきそう? もう少しだけ強くしていい? 俺も……」

 俺も?
 イくの?
 俺の中で射精するの?

「ん、うん。いい、いいから、アキヤさんもイくのしてぇ……!」
「っ……! ミチくん!」

 アキヤさんがめちゃくちゃ雄っぽく顔を歪ませる。
 う、うわ、かっこいい……!
 あ、あ、しかも、ピストンすごい!

「あ! あ、あ、あ、あ、あぁぁあ、あぅ、あ、あひ、ひ、っぐ、あ!」
「はぁ、ミチくん、かわいい、イクとこ、見せて、ね?」
「あ、あ、あぁ!」

 すごく求められている。
 アルファが、俺に射精したいって、種付けしたいって、腰振ってくれている。
 俺の、いつの間にか勃っていたペニスも扱かれて、俺をイかせようとしていて、アキヤさんもイこうとしていて、フェロモン濃い。頭痺れる。「イって」ってペニスにも、指にも、口にも、フェロモンにも言われている。視線も。
 アキヤさん、全身で、全部で、俺をイかせようとしている。

 もうだめ。

 こんなの。
 
 アルファに、こんなことされたら……

 体が悦びすぎて、もう、快感の絶頂だ。

「あ、あ、も、イ、いく、いっちゃ、イ、あ、あき、やさ、イ、あぁ!」

 イった。
 射精もしているはず。
 でも、後ろの……アナルの奥からの快感が……射精の気持ち良さよりも深くて……。

「くっ……ミチくん……!」
「あぅ……っ!」

 折角中が満たされていたのに、アキヤさんの太くてかっこよくて気持ちいい大好きになってしまったペニスが俺の中から抜けていく。
 折角気持ち良かったのに寂しいけど……。

「ミチくん……はぁ……」

 アキヤさんが嬉しそうに体を抱きしめてくれて、汗ばんだ皮膚がぴったり重なって……気持ちよかったよって教えてくれる大量のフェロモンが出ていて……。
 
 俺、アキヤさんとセックスしたんだ……アキヤさん俺で気持ち良くなってくれたんだ……。

「……嬉しい」

 思わず呟いた一言で、アキヤさんが俺を抱きしめる手の力が強くなった。


しおりを挟む
感想 46

あなたにおすすめの小説

ただ愛されたいと願う

藤雪たすく
BL
自分の居場所を求めながら、劣等感に苛まれているオメガの清末 海里。 やっと側にいたいと思える人を見つけたけれど、その人は……

ジャスミン茶は、君のかおり

霧瀬 渓
BL
アルファとオメガにランクのあるオメガバース世界。 大学2年の高位アルファ高遠裕二は、新入生の三ツ橋鷹也を助けた。 裕二の部活後輩となった鷹也は、新歓の数日後、放火でアパートを焼け出されてしまう。 困った鷹也に、裕二が条件付きで同居を申し出てくれた。 その条件は、恋人のフリをして虫除けになることだった。

高貴なオメガは、ただ愛を囁かれたい【本編完結】

きど
BL
愛されていないのに形だけの番になるのは、ごめんだ。  オメガの王族でもアルファと番えば王位継承を認めているエステート王国。  そこの第一王子でオメガのヴィルムには長年思い続けている相手がいる。それは幼馴染で王位継承権を得るための番候補でもあるアルファのアーシュレイ・フィリアス。 アーシュレイは、自分を王太子にするために、番になろうとしてると勘違いしているヴィルムは、アーシュレイを拒絶し続ける。しかし、発情期の度にアーシュレイに抱かれる幻想をみてしまい思いに蓋をし続けることが難しくなっていた。  そんな時に大国のアルファの王族から番になる打診が来て、アーシュレイを諦めるためにそれを受けようとしたら、とうとうアーシュレイが痺れを切らして…。 二人の想いは無事通じ合うのか。 現在、スピンオフ作品の ヤンデレベータ×性悪アルファを連載中

あなたと過ごせた日々は幸せでした

蒸しケーキ
BL
結婚から五年後、幸せな日々を過ごしていたシューン・トアは、突然義父に「息子と別れてやってくれ」と冷酷に告げられる。そんな言葉にシューンは、何一つ言い返せず、飲み込むしかなかった。そして、夫であるアインス・キールに離婚を切り出すが、アインスがそう簡単にシューンを手離す訳もなく......。

【完結】この契約に愛なんてないはずだった

なの
BL
劣勢オメガの翔太は、入院中の母を支えるため、昼夜問わず働き詰めの生活を送っていた。 そんなある日、母親の入院費用が払えず、困っていた翔太を救ったのは、冷静沈着で感情を見せない、大企業副社長・鷹城怜司……優勢アルファだった。 数日後、怜司は翔太に「1年間、仮の番になってほしい」と持ちかける。 身体の関係はなし、報酬あり。感情も、未来もいらない。ただの契約。 生活のために翔太はその条件を受け入れるが、理性的で無表情なはずの怜司が、ふとした瞬間に見せる優しさに、次第に心が揺らいでいく。 これはただの契約のはずだった。 愛なんて、最初からあるわけがなかった。 けれど……二人の距離が近づくたびに、仮であるはずの関係は、静かに熱を帯びていく。 ツンデレなオメガと、理性を装うアルファ。 これは、仮のはずだった番契約から始まる、運命以上の恋の物語。

ハコ入りオメガの結婚

朝顔
BL
オメガの諒は、ひとり車に揺られてある男の元へ向かった。 大昔に家同士の間で交わされた結婚の約束があって、諒の代になって向こうから求婚の連絡がきた。 結婚に了承する意思を伝えるために、直接相手に会いに行くことになった。 この結婚は傾いていた会社にとって大きな利益になる話だった。 家のために諒は自分が結婚しなければと決めたが、それには大きな問題があった。 重い気持ちでいた諒の前に現れたのは、見たことがないほど美しい男だった。 冷遇されるどころか、事情を知っても温かく接してくれて、あるきっかけで二人の距離は近いものとなり……。 一途な美人攻め×ハコ入り美人受け オメガバースの設定をお借りして、独自要素を入れています。 洋風、和風でタイプの違う美人をイメージしています。 特に大きな事件はなく、二人の気持ちが近づいて、結ばれて幸せになる、という流れのお話です。 全十四話で完結しました。 番外編二話追加。 他サイトでも同時投稿しています。

婚約破棄された令息の華麗なる逆転劇 ~偽りの番に捨てられたΩは、氷血公爵に愛される~

なの
BL
希少な治癒能力と、大地に生命を呼び戻す「恵みの魔法」を持つ公爵家のΩ令息、エリアス・フォン・ラティス。 傾きかけた家を救うため、彼は大国アルビオンの第二王子、ジークフリート殿下(α)との「政略的な番契約」を受け入れた。 家のため、領民のため、そして―― 少しでも自分を必要としてくれる人がいるのなら、それでいいと信じて。 だが、運命の番だと信じていた相手は、彼の想いを最初から踏みにじっていた。 「Ωの魔力さえ手に入れば、あんな奴はもう要らない」 その冷たい声が、彼の世界を壊した。 すべてを失い、偽りの罪を着せられ追放されたエリアスがたどり着いたのは、隣国ルミナスの地。 そこで出会ったのは、「氷血公爵」と呼ばれる孤高のα、アレクシス・ヴァン・レイヴンだった。 人を寄せつけないほど冷ややかな瞳の奥に、誰よりも深い孤独を抱えた男。 アレクシスは、心に傷を抱えながらも懸命に生きようとするエリアスに惹かれ、次第にその凍てついた心を溶かしていく。 失われた誇りを取り戻すため、そして真実の愛を掴むため。 今、令息の華麗なる逆転劇が始まる。

『アルファ拒食症』のオメガですが、運命の番に出会いました

小池 月
BL
 大学一年の半田壱兎<はんだ いちと>は男性オメガ。壱兎は生涯ひとりを貫くことを決めた『アルファ拒食症』のバース性診断をうけている。  壱兎は過去に、オメガであるために男子の輪に入れず、女子からは異端として避けられ、孤独を経験している。  加えてベータ男子からの性的からかいを受けて不登校も経験した。そんな経緯から徹底してオメガ性を抑えベータとして生きる『アルファ拒食症』の道を選んだ。  大学に入り壱兎は初めてアルファと出会う。  そのアルファ男性が、壱兎とは違う学部の相川弘夢<あいかわ ひろむ>だった。壱兎と弘夢はすぐに仲良くなるが、弘夢のアルファフェロモンの影響で壱兎に発情期が来てしまう。そこから壱兎のオメガ性との向き合い、弘夢との関係への向き合いが始まるーー。 ☆BLです。全年齢対応作品です☆

処理中です...