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第1話 お荷物の追放
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土埃と血の匂いが混じり合う。薄暗いダンジョンの最深部。巨大なミノタウロスの骸が横たわり、その巨体から魔力の残滓が陽炎のように立ち上っていた。
「はっ、雑魚が。俺の聖剣の錆になるにも足りん」
勇者アレクが聖剣ソルブレイバーを振り、付着した怪物の血を払う。黄金の髪は返り血で汚れることもなく、その姿は吟遊詩人が歌う英雄そのものだった。彼の周りには、王国最強と謳われるSランクパーティー『光の剣』のメンバーが誇らしげに立っている。
「アレク様、お見事ですわ。その輝かしい剣技、何度拝見しても心を奪われます」
聖女イリーナがうっとりとアレクを見つめる。彼女の純白の法衣は、この薄汚れた迷宮にあってなお一点の染みもなかった。
「ふん。聖剣の力に頼りすぎだ。俺の魔法があれば、あんな脳筋牛など一撃だったものを」
皮肉を口にしたのは賢者マルスだ。ローブのフードを目深に被り、その表情は窺えない。だが、その声には確かな実力に裏打ちされた自信が満ちていた。
三人が勝利の余韻に浸る中、俺、リアムは黙々と後片付けをしていた。巨大なミノタウロスの角と心臓。それらが今回の主なドロップアイテムだ。血と粘液にまみれたそれを丁寧に布で包み、担いできた大きな背嚢へと収納していく。パーティーにおける俺の役割は、こういう雑用全般だった。荷物持ち、野営の準備、食事の用意、そして戦闘後の素材回収。戦闘能力は皆無。それが俺、リアムだ。
「おいリアム、まだ終わらないのか。のろまだな」
アレクの苛立った声が飛んでくる。
「すみません、アレクさん。今終わります」
俺は慌てて作業を終え、ずしりと重い背嚢を背負い直した。皆はもうとっくにダンジョンの出口へ向かって歩き出している。俺はいつもそうだ。彼らの輝かしい背中を、少し後ろから追いかけるだけ。
王都に戻った俺たちは、拠点にしている高級宿『獅子の鬣亭』の一室に集まっていた。ここは一泊するだけで、平民のひと月の稼ぎが消えるような場所だ。もちろん、俺の金じゃない。全てはパーティーの経費で賄われている。
テーブルの上には、ギルドで換金したばかりの金貨が積まれていた。今回のミノタウロス討伐の報酬だ。アレクが満足げにそれを眺めている。
「今回の働きに応じて分配する。まず俺が四割。聖女イリーナと賢者マルスがそれぞれ三割だ」
その配分に誰も異論はない。討伐の功労者は間違いなく彼ら三人だからだ。俺はただ、そのおこぼれを待つ。いつも通りなら、残った一割の中から生活費としていくらか貰えるはずだ。
「あの、アレクさん……」
俺がおずおずと声をかけると、アレクは心底面倒くさそうな顔でこちらを見た。その目は、道端の石ころを見るような冷たさに満ちている。
「なんだ」
「いえ、俺の分の報酬は……」
その言葉を待っていたかのように、アレクは鼻で笑った。そして、ゆっくりと口を開く。その一言一言は、まるで宣告のように重く、冷たく響いた。
「リアム。お前は今日限りでこのパーティーをクビだ」
空気が凍った。
俺は何を言われたのか、すぐには理解できなかった。クビ? 追放? 誰が? 俺が?
「……え?」
間抜けな声が漏れる。アレクは冷酷な笑みを深めた。
「聞こえなかったのか? お前はクビだと言ったんだ。もう一度言わせるな、お荷物」
お荷物。その言葉が、鋭い刃のように胸に突き刺さる。
「な、んで……ですか。俺、これまでずっとパーティーのために……」
「パーティーのため? 笑わせるな」
アレクは金貨の山を指さす。
「これを見ろ。これは俺たちが命を懸けて稼いだ金だ。お前は戦闘中、何をした? ただ遠くで震えていただけだろう。荷物持ちと素材回収だけ。そんなものは、日雇いのポーターでもできる仕事だ」
ぐうの音も出なかった。事実だからだ。俺は剣も振れない。魔法も使えない。パーティーの戦闘に貢献したことなど一度もなかった。
「お前のような無能を、いつまでも寄生させておくほど俺たちはお人好しじゃない。分かるか? お前は俺たちの稼ぎにたかるだけの寄生虫なんだよ」
寄生虫。その言葉が、頭の中で何度も反響する。
俺は助けを求めるように、他の二人を見た。イリーナとマルス。結成当初からずっと一緒に旅をしてきた仲間だ。彼らなら、きっと何か言ってくれるはずだ。
だが、聖女イリーナは軽蔑の眼差しを俺に向けていた。その目は、汚物を見るかのように冷え切っている。
「当然ですわ、アレク様。わたくし、前から申し上げようと思っておりましたの。このような何の力もない男がパーティーにいるだけで、士気が下がります。神聖な奇跡を扱うわたくしの隣に、あなたのような俗物がいること自体、我慢なりませんでした」
まるで汚い虫を払うかのような仕草で、イリーナは顔をそむける。
「それに、あなたはいつもそうだ。アレク様が聖剣をお使いになった後や、わたくしが奇跡を顕現させた後、いつも顔色が悪くて気味が悪い。神聖な力の余波に当てられているのでしょう。凡人には過ぎた場所にいたということですわ」
そんなことはない。俺はただ、皆の役に立てない自分が不甲斐なくて……。
次に賢者マルスに視線を移す。彼はいつも無口だが、物事を合理的に判断する男だ。無意味な追放など、彼が許すはずがない。
「マルスさんも、何か言ってください……」
しかし、フードの奥から聞こえてきたのは、突き放すような冷たい声だった。
「勇者の判断は合理的だ。リアム、君の存在は我々の戦力計算において、常にゼロだった。いや、足手まといという点ではマイナスだ。不要な変数は、早期に排除するべきだ。それが最適解だよ」
淡々とした口調が、逆に心を抉る。彼にとっては、俺の追放は数式を解くのと同じ。ただ、そこにある不要な項を消去するだけのこと。
誰も、俺の味方はいなかった。
俺がこのパーティーに入れたのは、偶然だった。駆け出しの冒険者だった彼らと、たまたま同じゴブリン討伐の依頼を受けた。その時に荷物持ちとして気に入られ、なし崩しにパーティーの一員になった。それだけだ。彼らがSランクパーティーへと上り詰める中で、俺だけが何も変わらなかった。
「分かったか、リアム。お前の居場所はもうここにはない。とっとと失せろ」
アレクが顎で扉をしゃくる。
「ま、待ってください。報酬だけでも……。これまでの分を、少しでいいですから……」
無一文で放り出されたら、今夜寝る場所すらない。俺は必死に食い下がった。だが、アレクは嘲笑を浮かべるだけだった。
「報酬? 寝言は寝て言え。お前に払う金など一銭もない。むしろ、これまでお前を養ってやった費用を返してもらいたいくらいだ。その服も、そのブーツも、元はと言えば俺たちの金で買ったものだろう? 全部置いていけ」
非情な言葉に、血の気が引いていく。
「そ、そんな……」
「問答無用だ。今すぐ出ていけ。さもないと、力ずくで追い出すことになるぞ」
アレクが聖剣の柄に手をかける。その鞘から放たれるかすかな光が、俺に絶対的な力の差を突きつけた。抵抗など無意味だ。
俺は唇を噛み締め、震える手で装備を外した。上質な革鎧。歩きやすい丈夫なブーツ。背負っていた背嚢。それらは全て、俺のものではなくなった。みすぼらしい旅人の服だけを残し、俺は文字通り裸同然になった。
金貨が一枚、足元に投げつけられる。チャリン、と乾いた音がした。
「最後の慈悲だ。それで安酒でも飲んで、自分の無能さを呪うがいい」
それは施しだった。犬に餌をやるような、完全な侮蔑。
俺はもう、何も言えなかった。悔しさよりも、悲しさよりも、ただ虚無感が心を支配していた。振り返らずに部屋を出て、宿の階段を降りる。受付の男が訝しげな顔で俺を見ていたが、構うものか。
外に出ると、冷たい雨が降っていた。賑やかな王都の喧騒が、やけに遠くに聞こえる。俺は、雨に打たれるまま、当てもなく歩き出した。
豪華な宿の一室では、俺が出ていった後の扉を眺め、アレクが満足げに呟いていた。
「これでようやく、足手まといがいなくなったな。これからは、俺たち本来の力で、さらなる高みを目指せる」
その言葉に、イリーナもマルスも、静かに頷いていた。
彼らはまだ知らない。自分たちが失ったものの本当の価値を。そして、これから自分たちを苛むことになる、本当の苦痛の正体を。
もちろん、雨の中を歩く俺自身も、まだ何も知らなかった。
「はっ、雑魚が。俺の聖剣の錆になるにも足りん」
勇者アレクが聖剣ソルブレイバーを振り、付着した怪物の血を払う。黄金の髪は返り血で汚れることもなく、その姿は吟遊詩人が歌う英雄そのものだった。彼の周りには、王国最強と謳われるSランクパーティー『光の剣』のメンバーが誇らしげに立っている。
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「ふん。聖剣の力に頼りすぎだ。俺の魔法があれば、あんな脳筋牛など一撃だったものを」
皮肉を口にしたのは賢者マルスだ。ローブのフードを目深に被り、その表情は窺えない。だが、その声には確かな実力に裏打ちされた自信が満ちていた。
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「おいリアム、まだ終わらないのか。のろまだな」
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「すみません、アレクさん。今終わります」
俺は慌てて作業を終え、ずしりと重い背嚢を背負い直した。皆はもうとっくにダンジョンの出口へ向かって歩き出している。俺はいつもそうだ。彼らの輝かしい背中を、少し後ろから追いかけるだけ。
王都に戻った俺たちは、拠点にしている高級宿『獅子の鬣亭』の一室に集まっていた。ここは一泊するだけで、平民のひと月の稼ぎが消えるような場所だ。もちろん、俺の金じゃない。全てはパーティーの経費で賄われている。
テーブルの上には、ギルドで換金したばかりの金貨が積まれていた。今回のミノタウロス討伐の報酬だ。アレクが満足げにそれを眺めている。
「今回の働きに応じて分配する。まず俺が四割。聖女イリーナと賢者マルスがそれぞれ三割だ」
その配分に誰も異論はない。討伐の功労者は間違いなく彼ら三人だからだ。俺はただ、そのおこぼれを待つ。いつも通りなら、残った一割の中から生活費としていくらか貰えるはずだ。
「あの、アレクさん……」
俺がおずおずと声をかけると、アレクは心底面倒くさそうな顔でこちらを見た。その目は、道端の石ころを見るような冷たさに満ちている。
「なんだ」
「いえ、俺の分の報酬は……」
その言葉を待っていたかのように、アレクは鼻で笑った。そして、ゆっくりと口を開く。その一言一言は、まるで宣告のように重く、冷たく響いた。
「リアム。お前は今日限りでこのパーティーをクビだ」
空気が凍った。
俺は何を言われたのか、すぐには理解できなかった。クビ? 追放? 誰が? 俺が?
「……え?」
間抜けな声が漏れる。アレクは冷酷な笑みを深めた。
「聞こえなかったのか? お前はクビだと言ったんだ。もう一度言わせるな、お荷物」
お荷物。その言葉が、鋭い刃のように胸に突き刺さる。
「な、んで……ですか。俺、これまでずっとパーティーのために……」
「パーティーのため? 笑わせるな」
アレクは金貨の山を指さす。
「これを見ろ。これは俺たちが命を懸けて稼いだ金だ。お前は戦闘中、何をした? ただ遠くで震えていただけだろう。荷物持ちと素材回収だけ。そんなものは、日雇いのポーターでもできる仕事だ」
ぐうの音も出なかった。事実だからだ。俺は剣も振れない。魔法も使えない。パーティーの戦闘に貢献したことなど一度もなかった。
「お前のような無能を、いつまでも寄生させておくほど俺たちはお人好しじゃない。分かるか? お前は俺たちの稼ぎにたかるだけの寄生虫なんだよ」
寄生虫。その言葉が、頭の中で何度も反響する。
俺は助けを求めるように、他の二人を見た。イリーナとマルス。結成当初からずっと一緒に旅をしてきた仲間だ。彼らなら、きっと何か言ってくれるはずだ。
だが、聖女イリーナは軽蔑の眼差しを俺に向けていた。その目は、汚物を見るかのように冷え切っている。
「当然ですわ、アレク様。わたくし、前から申し上げようと思っておりましたの。このような何の力もない男がパーティーにいるだけで、士気が下がります。神聖な奇跡を扱うわたくしの隣に、あなたのような俗物がいること自体、我慢なりませんでした」
まるで汚い虫を払うかのような仕草で、イリーナは顔をそむける。
「それに、あなたはいつもそうだ。アレク様が聖剣をお使いになった後や、わたくしが奇跡を顕現させた後、いつも顔色が悪くて気味が悪い。神聖な力の余波に当てられているのでしょう。凡人には過ぎた場所にいたということですわ」
そんなことはない。俺はただ、皆の役に立てない自分が不甲斐なくて……。
次に賢者マルスに視線を移す。彼はいつも無口だが、物事を合理的に判断する男だ。無意味な追放など、彼が許すはずがない。
「マルスさんも、何か言ってください……」
しかし、フードの奥から聞こえてきたのは、突き放すような冷たい声だった。
「勇者の判断は合理的だ。リアム、君の存在は我々の戦力計算において、常にゼロだった。いや、足手まといという点ではマイナスだ。不要な変数は、早期に排除するべきだ。それが最適解だよ」
淡々とした口調が、逆に心を抉る。彼にとっては、俺の追放は数式を解くのと同じ。ただ、そこにある不要な項を消去するだけのこと。
誰も、俺の味方はいなかった。
俺がこのパーティーに入れたのは、偶然だった。駆け出しの冒険者だった彼らと、たまたま同じゴブリン討伐の依頼を受けた。その時に荷物持ちとして気に入られ、なし崩しにパーティーの一員になった。それだけだ。彼らがSランクパーティーへと上り詰める中で、俺だけが何も変わらなかった。
「分かったか、リアム。お前の居場所はもうここにはない。とっとと失せろ」
アレクが顎で扉をしゃくる。
「ま、待ってください。報酬だけでも……。これまでの分を、少しでいいですから……」
無一文で放り出されたら、今夜寝る場所すらない。俺は必死に食い下がった。だが、アレクは嘲笑を浮かべるだけだった。
「報酬? 寝言は寝て言え。お前に払う金など一銭もない。むしろ、これまでお前を養ってやった費用を返してもらいたいくらいだ。その服も、そのブーツも、元はと言えば俺たちの金で買ったものだろう? 全部置いていけ」
非情な言葉に、血の気が引いていく。
「そ、そんな……」
「問答無用だ。今すぐ出ていけ。さもないと、力ずくで追い出すことになるぞ」
アレクが聖剣の柄に手をかける。その鞘から放たれるかすかな光が、俺に絶対的な力の差を突きつけた。抵抗など無意味だ。
俺は唇を噛み締め、震える手で装備を外した。上質な革鎧。歩きやすい丈夫なブーツ。背負っていた背嚢。それらは全て、俺のものではなくなった。みすぼらしい旅人の服だけを残し、俺は文字通り裸同然になった。
金貨が一枚、足元に投げつけられる。チャリン、と乾いた音がした。
「最後の慈悲だ。それで安酒でも飲んで、自分の無能さを呪うがいい」
それは施しだった。犬に餌をやるような、完全な侮蔑。
俺はもう、何も言えなかった。悔しさよりも、悲しさよりも、ただ虚無感が心を支配していた。振り返らずに部屋を出て、宿の階段を降りる。受付の男が訝しげな顔で俺を見ていたが、構うものか。
外に出ると、冷たい雨が降っていた。賑やかな王都の喧騒が、やけに遠くに聞こえる。俺は、雨に打たれるまま、当てもなく歩き出した。
豪華な宿の一室では、俺が出ていった後の扉を眺め、アレクが満足げに呟いていた。
「これでようやく、足手まといがいなくなったな。これからは、俺たち本来の力で、さらなる高みを目指せる」
その言葉に、イリーナもマルスも、静かに頷いていた。
彼らはまだ知らない。自分たちが失ったものの本当の価値を。そして、これから自分たちを苛むことになる、本当の苦痛の正体を。
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