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033. 心まで満たす冬のご馳走
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数日後、リリアーナは心を込めて準備した「お届け物」を、いつものように砦の側近に託した。今日のメニューは、体を温める効果の高い「太陽の守りブレンド」のハーブティーに加えて、先日もふもふ達のお手柄で手に入った雪ウサギネズミを使った特製のクリームシチュー(冷めないように、保温性の高い土鍋に入れて)と、小さく切り分けたミートパイだった。
「これは……?」
届け物を受け取った側近は、見慣れない土鍋とパイの包みに少し戸惑った様子を見せたが、リリアーナが「先日、珍しいお肉が手に入りましたので、もしよろしければ辺境伯様の『味見』に加えていただければ、と……。もちろん、ご無理にとは申しません」と説明すると、心得たとばかりに頷き、足早に辺境伯の執務室へと運んでいった。
リリアーナは、その後ろ姿を見送りながら、少しだけドキドキしていた。あの氷の辺境伯が、自分の作った家庭料理のようなものを、どう思うだろうか。口に合わなかったらどうしよう。余計なことをしたと、不興を買ってしまうのではないだろうか。不安は尽きなかったが、それでも、彼に美味しいものを食べて元気になってほしい、という気持ちの方が勝っていた。
一方、執務室で届け物を受け取ったアレクシスは、いつものハーブティーの隣に置かれた、温かな土鍋とパイの包みに、一瞬、動きを止めた。側近からの簡単な説明は受けたが、実際に目の前にすると、その存在感は予想以上だった。鍋からは、肉とクリーム、ハーブが混ざり合った、濃厚で食欲をそそる香りが漂ってくる。パイからも、香ばしく甘いような、複雑な香りが微かに漏れていた。
(……雪ウサギネズミ、だと……? あの女、また奇妙なものを……)
アレクシスは内心で呟いた。雪ウサギネズミが美味で滋養が高いことは、彼も知識としては知っていたが、実際に口にするのは初めてだった。しかも、それをシチューとパイにするとは。彼女の発想は、いつもながら型にはまらない。
彼は、まずハーブティーを一口飲み、思考をクリアにした。それから、意を決して土鍋の蓋を開けた。途端に、芳醇な香りが部屋いっぱいに広がり、アレクシスの空腹でもないはずの胃を刺激した。とろりとした白いシチューの中に、柔らかそうな肉と、色とりどりの根菜(カブや芋、そして見慣れない野生の根菜も入っているようだ)が見える。
アレクシスは、これも自前の携帯用スプーンで、まずシチューを一口、ゆっくりと口に運んだ。
「……っ!」
その瞬間、彼の全身に、これまで経験したことのないような衝撃が走った。濃厚なクリームのコク、柔らかく煮込まれた肉の深い旨味、野菜の自然な甘み、そしてそれら全てをまとめ上げるハーブの絶妙な香り。それは、単に美味しいという言葉では表現しきれない、複雑で、滋味深く、そして何よりも……温かい味がした。
それは、王宮で供されるような、技巧を凝らした洗練された料理とは全く違う。しかし、素材の持ち味を最大限に引き出し、食べる者の心と体を芯から温めるような、力強い生命力に満ちた味わい。まるで、幼い頃に夢見たかもしれない、温かい家庭の食卓で出されるような……そんな、彼が知るはずのない、しかし心の奥底で渇望していたかもしれない、「優しさ」そのもののような味がしたのだ。
アレクシスは、我を忘れたように、スプーンを動かし続けた。一口ごとに、冷え切っていた体の隅々まで温かさが染み渡り、長年の疲労やストレスが、まるで雪解け水のように流れ去っていくような感覚。そして、彼の隠された傷の痛みも、ハーブティーや焼き菓子の時以上に、はっきりと和らいでいくのを感じた。
次に、彼はミートパイを手に取った。サクサクとした素朴な生地の中には、シチューと同じ、肉と野菜がぎっしりと詰まっている。一口齧ると、香ばしい生地と濃厚なフィリングが口の中で一体となり、シチューとはまた違った、満足感のある味わいが広がった。これもまた、飾り気はないが、心の奥深くに響くような、忘れられない味だった。
アレクシスは、いつの間にか、土鍋のシチューも、切り分けられたパイも、全て平らげてしまっていた。空になった器を前に、彼はしばし呆然としていた。満腹感と共に、これまで感じたことのないような、深い満足感と安らぎが、彼の心を支配していた。それは、単に美味しいものを食べたという喜びだけではない。もっと根源的な、魂が満たされるような感覚だった。
(……これが……リリアーナ・フォン・クラインフェルトの……本当の力なのか……?)
彼は、改めて思い知らされた。彼女の力は、単に傷を癒したり、活力を与えたりするだけではない。人の心の一番柔らかい部分に触れ、孤独や痛みを和らげ、温かい光を灯すような、そんな力を持っているのかもしれない。
そして、その力は、今、確実に彼自身に向けられている。彼女は、おそらく無自覚なのだろう。ただ、良かれと思って、心を込めて、これらの料理を作っただけなのだ。しかし、その無垢な行為が、アレクシスの固く閉ざされた心を、いとも簡単に揺さぶり、彼の内面に劇的な変化をもたらしつつある。
(……敵わんな……)
アレクシスは、初めて、心の底からそう思った。力でも、権謀術数でもない。ただひたすらに温かく、優しい「味」によって、自分は完全に篭絡されつつあるのかもしれない。それは、敗北感にも似ていたが、不思議と不快ではなかった。むしろ、その温かさに身を委ねてしまいたいような、抗いがたい誘惑さえ感じていた。
彼は、リリアーナに対する感情が、もはやコントロールできる範囲を超えつつあることを自覚した。警戒心や利用価値といった合理的な判断は、彼女の作るものに触れるたびに後退し、代わりに、もっと個人的で、説明のつかない感情が前面に出てきている。それは、彼女をもっと知りたいという強い欲求であり、彼女の存在そのものへの、否定しきれない惹かれる気持ちだった。
(……このままでは……まずいかもしれんな……)
領主として、冷静さを失うわけにはいかない。しかし、彼女の存在を無視することも、もはや不可能だった。アレクシスは、深い葛藤の中で、一つの結論に達しようとしていた。リリアーナの力を、辺境領全体のために、もっと積極的に活用するべきだ、と。それは、彼女の力を管理下に置くという当初の目的とも合致する。そして、そうすることで、彼女と公的な立場で関わる機会を増やし、この個人的な感情の揺らぎを、職務という枠組みの中に押し込めることができるかもしれない、と考えたのだ。
彼は、リリアーナが進めている畑作りの計画に、より積極的に関与していくことを決めた。彼女の持つ知識と力を最大限に引き出し、辺境の農業を根本から変える。それは、領主としての大義名分にもなるし、彼女と協力して何かを成し遂げるという、新たな関係性を築くきっかけにもなるはずだった。
アレクシスは、空になった土鍋と皿を静かに片付けながら、窓の外の雪景色を見つめた。心の中に残る、温かく優しい味の余韻。それは、彼にとって忘れられない経験となった。そして、その経験が、彼とリリアーナの関係を、そして辺境領の未来を、新たな方向へと導くことになるだろうという予感を、彼は強く感じていた。心まで満たす冬のご馳走は、氷の辺境伯の心を溶かす、大きなきっかけとなったのだった。
「これは……?」
届け物を受け取った側近は、見慣れない土鍋とパイの包みに少し戸惑った様子を見せたが、リリアーナが「先日、珍しいお肉が手に入りましたので、もしよろしければ辺境伯様の『味見』に加えていただければ、と……。もちろん、ご無理にとは申しません」と説明すると、心得たとばかりに頷き、足早に辺境伯の執務室へと運んでいった。
リリアーナは、その後ろ姿を見送りながら、少しだけドキドキしていた。あの氷の辺境伯が、自分の作った家庭料理のようなものを、どう思うだろうか。口に合わなかったらどうしよう。余計なことをしたと、不興を買ってしまうのではないだろうか。不安は尽きなかったが、それでも、彼に美味しいものを食べて元気になってほしい、という気持ちの方が勝っていた。
一方、執務室で届け物を受け取ったアレクシスは、いつものハーブティーの隣に置かれた、温かな土鍋とパイの包みに、一瞬、動きを止めた。側近からの簡単な説明は受けたが、実際に目の前にすると、その存在感は予想以上だった。鍋からは、肉とクリーム、ハーブが混ざり合った、濃厚で食欲をそそる香りが漂ってくる。パイからも、香ばしく甘いような、複雑な香りが微かに漏れていた。
(……雪ウサギネズミ、だと……? あの女、また奇妙なものを……)
アレクシスは内心で呟いた。雪ウサギネズミが美味で滋養が高いことは、彼も知識としては知っていたが、実際に口にするのは初めてだった。しかも、それをシチューとパイにするとは。彼女の発想は、いつもながら型にはまらない。
彼は、まずハーブティーを一口飲み、思考をクリアにした。それから、意を決して土鍋の蓋を開けた。途端に、芳醇な香りが部屋いっぱいに広がり、アレクシスの空腹でもないはずの胃を刺激した。とろりとした白いシチューの中に、柔らかそうな肉と、色とりどりの根菜(カブや芋、そして見慣れない野生の根菜も入っているようだ)が見える。
アレクシスは、これも自前の携帯用スプーンで、まずシチューを一口、ゆっくりと口に運んだ。
「……っ!」
その瞬間、彼の全身に、これまで経験したことのないような衝撃が走った。濃厚なクリームのコク、柔らかく煮込まれた肉の深い旨味、野菜の自然な甘み、そしてそれら全てをまとめ上げるハーブの絶妙な香り。それは、単に美味しいという言葉では表現しきれない、複雑で、滋味深く、そして何よりも……温かい味がした。
それは、王宮で供されるような、技巧を凝らした洗練された料理とは全く違う。しかし、素材の持ち味を最大限に引き出し、食べる者の心と体を芯から温めるような、力強い生命力に満ちた味わい。まるで、幼い頃に夢見たかもしれない、温かい家庭の食卓で出されるような……そんな、彼が知るはずのない、しかし心の奥底で渇望していたかもしれない、「優しさ」そのもののような味がしたのだ。
アレクシスは、我を忘れたように、スプーンを動かし続けた。一口ごとに、冷え切っていた体の隅々まで温かさが染み渡り、長年の疲労やストレスが、まるで雪解け水のように流れ去っていくような感覚。そして、彼の隠された傷の痛みも、ハーブティーや焼き菓子の時以上に、はっきりと和らいでいくのを感じた。
次に、彼はミートパイを手に取った。サクサクとした素朴な生地の中には、シチューと同じ、肉と野菜がぎっしりと詰まっている。一口齧ると、香ばしい生地と濃厚なフィリングが口の中で一体となり、シチューとはまた違った、満足感のある味わいが広がった。これもまた、飾り気はないが、心の奥深くに響くような、忘れられない味だった。
アレクシスは、いつの間にか、土鍋のシチューも、切り分けられたパイも、全て平らげてしまっていた。空になった器を前に、彼はしばし呆然としていた。満腹感と共に、これまで感じたことのないような、深い満足感と安らぎが、彼の心を支配していた。それは、単に美味しいものを食べたという喜びだけではない。もっと根源的な、魂が満たされるような感覚だった。
(……これが……リリアーナ・フォン・クラインフェルトの……本当の力なのか……?)
彼は、改めて思い知らされた。彼女の力は、単に傷を癒したり、活力を与えたりするだけではない。人の心の一番柔らかい部分に触れ、孤独や痛みを和らげ、温かい光を灯すような、そんな力を持っているのかもしれない。
そして、その力は、今、確実に彼自身に向けられている。彼女は、おそらく無自覚なのだろう。ただ、良かれと思って、心を込めて、これらの料理を作っただけなのだ。しかし、その無垢な行為が、アレクシスの固く閉ざされた心を、いとも簡単に揺さぶり、彼の内面に劇的な変化をもたらしつつある。
(……敵わんな……)
アレクシスは、初めて、心の底からそう思った。力でも、権謀術数でもない。ただひたすらに温かく、優しい「味」によって、自分は完全に篭絡されつつあるのかもしれない。それは、敗北感にも似ていたが、不思議と不快ではなかった。むしろ、その温かさに身を委ねてしまいたいような、抗いがたい誘惑さえ感じていた。
彼は、リリアーナに対する感情が、もはやコントロールできる範囲を超えつつあることを自覚した。警戒心や利用価値といった合理的な判断は、彼女の作るものに触れるたびに後退し、代わりに、もっと個人的で、説明のつかない感情が前面に出てきている。それは、彼女をもっと知りたいという強い欲求であり、彼女の存在そのものへの、否定しきれない惹かれる気持ちだった。
(……このままでは……まずいかもしれんな……)
領主として、冷静さを失うわけにはいかない。しかし、彼女の存在を無視することも、もはや不可能だった。アレクシスは、深い葛藤の中で、一つの結論に達しようとしていた。リリアーナの力を、辺境領全体のために、もっと積極的に活用するべきだ、と。それは、彼女の力を管理下に置くという当初の目的とも合致する。そして、そうすることで、彼女と公的な立場で関わる機会を増やし、この個人的な感情の揺らぎを、職務という枠組みの中に押し込めることができるかもしれない、と考えたのだ。
彼は、リリアーナが進めている畑作りの計画に、より積極的に関与していくことを決めた。彼女の持つ知識と力を最大限に引き出し、辺境の農業を根本から変える。それは、領主としての大義名分にもなるし、彼女と協力して何かを成し遂げるという、新たな関係性を築くきっかけにもなるはずだった。
アレクシスは、空になった土鍋と皿を静かに片付けながら、窓の外の雪景色を見つめた。心の中に残る、温かく優しい味の余韻。それは、彼にとって忘れられない経験となった。そして、その経験が、彼とリリアーナの関係を、そして辺境領の未来を、新たな方向へと導くことになるだろうという予感を、彼は強く感じていた。心まで満たす冬のご馳走は、氷の辺境伯の心を溶かす、大きなきっかけとなったのだった。
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