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第24話 過去を越えて、未来の宴
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僕たちの新しい生活は、まず大掃除から始まった。
何年も空き家だったこの家は、埃と蜘蛛の巣に覆われ、お世辞にもすぐに住める状態ではなかった。だが、僕たち三人の手にかかれば、それも一つの楽しいイベントに変わった。
「うおおお! 汚れは俺がまとめて吹き飛ばしてやるぜ!」
バルガスは、ドワーフならではの怪力で、重い家具の残骸やガラクタを軽々と庭へ運び出していく。リリアナは、雑巾を片手に、まるで舞うように部屋の隅々まで磨き上げていった。彼女の俊敏さは、掃除にすら活かされているようだ。
僕は、そんな二人を指揮しながら、家の修繕箇所をチェックしていく。ハズレスキルと言われた僕の能力は、日常生活においても意外なほど役立った。【地図化】スキルで家の構造をスキャンすれば、壁の中の配管の傷みや、屋根の僅かな歪みまで見抜くことができるのだ。
三日も経つ頃には、古びた家は見違えるように綺麗になった。
そして、次に取り掛かったのは、家具の買い出しだ。
「やっぱ、テーブルはデカい一枚板に限るぜ! みんなで飯を食うなら、こうでなくちゃな!」
バルガスは、家具屋で一際大きな樫の木のテーブルを気に入り、それを一人で担いで帰ってきた。その光景に、店の主人も、道行く人々も、あんぐりと口を開けていた。
リリアナは、カーテンや絨毯の色を熱心に選んでいた。彼女には意外な美的センスがあるらしく、僕たちが住む家の内装は、彼女のおかげで殺風景な石造りの家から、温かみのある居心地の良い空間へと変わっていった。
僕は、書斎に置くための大きな本棚と、大量の羊皮紙やインクを買い込んだ。これからは、集めた情報をここに集約し、僕たちの知識の城を築き上げていくのだ。
ベッドも、それぞれの部屋に一番良いものを入れた。硬い藁のベッドで体を痛める生活とは、もうおさらばだ。
全ての家具が揃い、家がようやく「僕たちの家」としての体裁を整えた日。
僕は、二人にある提案をした。
「今夜、本当の打ち上げをやろう。俺たちの『フロンティア』結成と、『惑わしの森』完全攻略、そしてこの新しい家の門出を祝う、盛大な宴だ」
僕の言葉に、二人は最高の笑顔で応えた。
その日の夕方、僕たちの新しい家のキッチンは、食欲をそそる匂いと活気に満ちていた。
「よっしゃあ! 見てろよ、ユキナガ、リリアナ! 俺特製のドワーフ風ローストグリフィンの味を、たっぷり教えてやるぜ!」
バルガスは、市場で一番高かったというグリフィンの巨大なモモ肉を、特製のスパイスで豪快に焼き上げている。地下の工房で、早速自分で打ったという巨大な鉄串を使っているのが、なんとも彼らしい。
「バルガス、焦げてるわよ。こっちは任せて」
リリアナは、エプロン姿で手際よくサラダを作っていた。最初はぎこちなかった包丁さばきも、今ではすっかり様になっている。彼女は、虹色タケを薄くスライスしたものをサラダに散らした。七色に輝くキノコが、料理に彩りを添えている。
僕は、ギルドで手に入れた高級なエールと、エルフの里から取り寄せたという貴重な果実酒の樽を、新しく買った大きなテーブルの上に並べた。
やがて、全ての料理がテーブルに並んだ。
黄金色に焼かれたグリフィンのロースト。虹色タケのサラダ。木の実とチーズをたっぷり使ったシチュー。焼きたての黒パン。
それは、王侯貴族の食卓にも引けを取らないほどの、豪華な宴だった。
僕たち三人は、真新しい椅子に腰掛けると、互いの顔を見合わせた。
「それじゃあ」
僕がグラスを掲げる。「俺たちの新しい門出と、輝かしい未来に。乾杯!」
「「乾杯!」」
グラスがぶつかり合う、小気味良い音が響き渡った。
宴は、大いに盛り上がった。
バルガスの作る料理は、見た目こそ豪快だったが、味は驚くほど繊細で、とてつもなく美味かった。僕とリリアナは、夢中でその味を堪能した。
酒も進み、僕たちの間には、家族のような和やかな空気が流れていた。
ひとしきり騒いだ後、バルガスが、少しだけ真面目な顔つきで僕に尋ねた。
「なあ、ユキナガ。今更聞くのも野暮かもしれねえが……。あんた、一体何者なんだ? そのスキルもそうだが、立ち居振る舞いが、ただの斥候だったとは思えねえ」
その問いに、リリアナも興味深そうに僕を見つめている。
僕は、グラスに残っていたエールをぐいと飲み干すと、静かに口を開いた。
「……俺は、勇者パーティにいた」
「「はあ!?」」
バルガスとリリアナの声が、再び綺麗にハモった。
「ゆ、勇者パーティって、あの、アレクサンダー様の!?」
バルガスの驚きは無理もなかった。この国で、勇者アレクサンダーの名を知らない者はいない。
僕は、これまでの経緯を、洗いざらい二人に話した。異世界から転移してきたこと。【地図化】スキルを授かったこと。アレクサンダーに拾われたこと。そして、荷物持ち兼斥候として貢献してきたが、戦闘能力がないことを理由に「無能」の烙印を押され、追放されたこと。
全てを話し終えると、部屋には重い沈黙が流れた。
その沈黙を破ったのは、バルガスの怒声だった。
「ふざけんじゃねえぞ、その勇者様とやらは! あんたの力がなけりゃ、あいつらなんてとっくにダンジョンで野垂れ死んでるはずだ! 何も見えてねえ、節穴の集まりか!」
彼は、自分のことのように憤慨してくれた。そのことが、僕の心の傷を少しだけ癒やしてくれた。
「……俺も、似たようなもんさ」
バルガスは、ぽつりと自分の過去を語り始めた。
「俺の【城塞化】は、見ての通り動けねえ。発動には隙もある。若い頃に組んだパーティじゃ、『タイミングが遅い』『肝心な時にそこにいない』って、いつも罵倒された。しまいには、『お前はただの置物だ。荷物持ちでもしてた方がマシだ』ってな。それ以来、誰も俺のスキルをまともに見てくれなかった。だから、ソロで潜るしかなくなったんだ」
彼の言葉に、リリアナが静かに続いた。
「私も……同じよ」
彼女は、俯きながら、震える声で語った。
「私の【縮地】は、いつも仲間を傷つけた。狙った場所に跳べず、味方の魔法使いの詠唱を邪魔したり、ヒーラーの前に飛び出して回復を妨げたり……。前のパーティでは、私のせいでタンク役の人が大怪我をした。それ以来、私は『暴発のリリアナ』って呼ばれるようになった。誰も、私と組みたがらない。私自身も、自分の力が怖かった」
三者三様の、過去の痛み。
ハズレスキルだと蔑まれ、その価値を誰にも理解されなかった孤独。
僕たちは、皆同じだったのだ。
僕は、そんな二人を見て、静かに言った。
「だが、もう違う。俺たちはお互いを見つけた。俺には、お前たちの力が分かる。リリアナ、お前の剣は神速の刃だ。バルガス、お前の盾は不落の城塞だ。そして、俺の眼は、その全てを導くための羅針盤だ」
僕の言葉に、二人は顔を上げた。その瞳には、涙が浮かんでいた。
「ユキナガ……」
「俺たちは、もう一人じゃない。俺たちは、『フロンティア』だ。ハズレの寄せ集めなんかじゃない。誰にも真似できない、最強のパーティだ」
僕がそう宣言すると、三人の間にあった最後の壁が、完全に溶けてなくなったように感じられた。
僕たちは、過去の痛みを共有し、そして乗り越えたのだ。
宴も終わりに近づき、僕たちは未来について語り合った。
「俺は、俺の手で、最高の武具を作ってみてえ」バルガスが、夢見るような目で言った。「そして、その武具を装備した俺が、誰にも破れない最強のタンクになるんだ。お前ら二人を、絶対に守り抜いてみせる」
「私は、この力を、もう誰かを傷つけるためじゃなく、仲間を守るために使いたい」リリアナも、決意を込めて言った。「ユキナガの隣で、あなたが指し示す未来を、一緒に見ていきたいわ」
二人の言葉を受け、僕は静かに自分の目標を口にした。
「俺は、この世界の、全ての未踏破ダンジョンを攻略したい」
僕の壮大な目標に、二人は息を呑んだ。
「それは、俺たちの力を世界に証明するためでもある。だが、それだけじゃない。俺には、知りたいことがあるんだ。このダンジョンの存在理由、そして、俺がこの世界に転移してきた意味。その答えが、世界の果てにある未踏のダンジョンのどこかに、眠っている気がするんだ」
それは、僕の心の奥底にある、根源的な欲求だった。
僕の言葉に、リリアナとバルガスは、力強く頷いた。
「面白い! やってやろうじゃねえか! 世界中のダンジョン荒らしだ!」
「ええ! あなたがリーダーよ! 私たちは、どこまでもついていくわ!」
僕たちの心は、一つの大きな目標に向かって、固く結ばれた。
その夜、宴が終わり、僕たちはそれぞれの新しい部屋で眠りについた。
僕はベッドに横たわりながら、窓の外に浮かぶ月を眺めていた。追放されたあの夜に見た月と、同じ月のはずなのに、全く違って見えた。あの時の月は、僕の孤独を照らし出す冷たい光だった。だが、今の月は、僕たちの輝かしい未来を祝福してくれるような、温かい光に感じられた。
この家が、この仲間たちが、僕の孤独を終わらせてくれた。
もう、僕は一人じゃない。
その確かな安堵感を胸に、僕は静かに目を閉じた。
僕たち『フロンティア』の、本当の冒険が、明日から始まる。
何年も空き家だったこの家は、埃と蜘蛛の巣に覆われ、お世辞にもすぐに住める状態ではなかった。だが、僕たち三人の手にかかれば、それも一つの楽しいイベントに変わった。
「うおおお! 汚れは俺がまとめて吹き飛ばしてやるぜ!」
バルガスは、ドワーフならではの怪力で、重い家具の残骸やガラクタを軽々と庭へ運び出していく。リリアナは、雑巾を片手に、まるで舞うように部屋の隅々まで磨き上げていった。彼女の俊敏さは、掃除にすら活かされているようだ。
僕は、そんな二人を指揮しながら、家の修繕箇所をチェックしていく。ハズレスキルと言われた僕の能力は、日常生活においても意外なほど役立った。【地図化】スキルで家の構造をスキャンすれば、壁の中の配管の傷みや、屋根の僅かな歪みまで見抜くことができるのだ。
三日も経つ頃には、古びた家は見違えるように綺麗になった。
そして、次に取り掛かったのは、家具の買い出しだ。
「やっぱ、テーブルはデカい一枚板に限るぜ! みんなで飯を食うなら、こうでなくちゃな!」
バルガスは、家具屋で一際大きな樫の木のテーブルを気に入り、それを一人で担いで帰ってきた。その光景に、店の主人も、道行く人々も、あんぐりと口を開けていた。
リリアナは、カーテンや絨毯の色を熱心に選んでいた。彼女には意外な美的センスがあるらしく、僕たちが住む家の内装は、彼女のおかげで殺風景な石造りの家から、温かみのある居心地の良い空間へと変わっていった。
僕は、書斎に置くための大きな本棚と、大量の羊皮紙やインクを買い込んだ。これからは、集めた情報をここに集約し、僕たちの知識の城を築き上げていくのだ。
ベッドも、それぞれの部屋に一番良いものを入れた。硬い藁のベッドで体を痛める生活とは、もうおさらばだ。
全ての家具が揃い、家がようやく「僕たちの家」としての体裁を整えた日。
僕は、二人にある提案をした。
「今夜、本当の打ち上げをやろう。俺たちの『フロンティア』結成と、『惑わしの森』完全攻略、そしてこの新しい家の門出を祝う、盛大な宴だ」
僕の言葉に、二人は最高の笑顔で応えた。
その日の夕方、僕たちの新しい家のキッチンは、食欲をそそる匂いと活気に満ちていた。
「よっしゃあ! 見てろよ、ユキナガ、リリアナ! 俺特製のドワーフ風ローストグリフィンの味を、たっぷり教えてやるぜ!」
バルガスは、市場で一番高かったというグリフィンの巨大なモモ肉を、特製のスパイスで豪快に焼き上げている。地下の工房で、早速自分で打ったという巨大な鉄串を使っているのが、なんとも彼らしい。
「バルガス、焦げてるわよ。こっちは任せて」
リリアナは、エプロン姿で手際よくサラダを作っていた。最初はぎこちなかった包丁さばきも、今ではすっかり様になっている。彼女は、虹色タケを薄くスライスしたものをサラダに散らした。七色に輝くキノコが、料理に彩りを添えている。
僕は、ギルドで手に入れた高級なエールと、エルフの里から取り寄せたという貴重な果実酒の樽を、新しく買った大きなテーブルの上に並べた。
やがて、全ての料理がテーブルに並んだ。
黄金色に焼かれたグリフィンのロースト。虹色タケのサラダ。木の実とチーズをたっぷり使ったシチュー。焼きたての黒パン。
それは、王侯貴族の食卓にも引けを取らないほどの、豪華な宴だった。
僕たち三人は、真新しい椅子に腰掛けると、互いの顔を見合わせた。
「それじゃあ」
僕がグラスを掲げる。「俺たちの新しい門出と、輝かしい未来に。乾杯!」
「「乾杯!」」
グラスがぶつかり合う、小気味良い音が響き渡った。
宴は、大いに盛り上がった。
バルガスの作る料理は、見た目こそ豪快だったが、味は驚くほど繊細で、とてつもなく美味かった。僕とリリアナは、夢中でその味を堪能した。
酒も進み、僕たちの間には、家族のような和やかな空気が流れていた。
ひとしきり騒いだ後、バルガスが、少しだけ真面目な顔つきで僕に尋ねた。
「なあ、ユキナガ。今更聞くのも野暮かもしれねえが……。あんた、一体何者なんだ? そのスキルもそうだが、立ち居振る舞いが、ただの斥候だったとは思えねえ」
その問いに、リリアナも興味深そうに僕を見つめている。
僕は、グラスに残っていたエールをぐいと飲み干すと、静かに口を開いた。
「……俺は、勇者パーティにいた」
「「はあ!?」」
バルガスとリリアナの声が、再び綺麗にハモった。
「ゆ、勇者パーティって、あの、アレクサンダー様の!?」
バルガスの驚きは無理もなかった。この国で、勇者アレクサンダーの名を知らない者はいない。
僕は、これまでの経緯を、洗いざらい二人に話した。異世界から転移してきたこと。【地図化】スキルを授かったこと。アレクサンダーに拾われたこと。そして、荷物持ち兼斥候として貢献してきたが、戦闘能力がないことを理由に「無能」の烙印を押され、追放されたこと。
全てを話し終えると、部屋には重い沈黙が流れた。
その沈黙を破ったのは、バルガスの怒声だった。
「ふざけんじゃねえぞ、その勇者様とやらは! あんたの力がなけりゃ、あいつらなんてとっくにダンジョンで野垂れ死んでるはずだ! 何も見えてねえ、節穴の集まりか!」
彼は、自分のことのように憤慨してくれた。そのことが、僕の心の傷を少しだけ癒やしてくれた。
「……俺も、似たようなもんさ」
バルガスは、ぽつりと自分の過去を語り始めた。
「俺の【城塞化】は、見ての通り動けねえ。発動には隙もある。若い頃に組んだパーティじゃ、『タイミングが遅い』『肝心な時にそこにいない』って、いつも罵倒された。しまいには、『お前はただの置物だ。荷物持ちでもしてた方がマシだ』ってな。それ以来、誰も俺のスキルをまともに見てくれなかった。だから、ソロで潜るしかなくなったんだ」
彼の言葉に、リリアナが静かに続いた。
「私も……同じよ」
彼女は、俯きながら、震える声で語った。
「私の【縮地】は、いつも仲間を傷つけた。狙った場所に跳べず、味方の魔法使いの詠唱を邪魔したり、ヒーラーの前に飛び出して回復を妨げたり……。前のパーティでは、私のせいでタンク役の人が大怪我をした。それ以来、私は『暴発のリリアナ』って呼ばれるようになった。誰も、私と組みたがらない。私自身も、自分の力が怖かった」
三者三様の、過去の痛み。
ハズレスキルだと蔑まれ、その価値を誰にも理解されなかった孤独。
僕たちは、皆同じだったのだ。
僕は、そんな二人を見て、静かに言った。
「だが、もう違う。俺たちはお互いを見つけた。俺には、お前たちの力が分かる。リリアナ、お前の剣は神速の刃だ。バルガス、お前の盾は不落の城塞だ。そして、俺の眼は、その全てを導くための羅針盤だ」
僕の言葉に、二人は顔を上げた。その瞳には、涙が浮かんでいた。
「ユキナガ……」
「俺たちは、もう一人じゃない。俺たちは、『フロンティア』だ。ハズレの寄せ集めなんかじゃない。誰にも真似できない、最強のパーティだ」
僕がそう宣言すると、三人の間にあった最後の壁が、完全に溶けてなくなったように感じられた。
僕たちは、過去の痛みを共有し、そして乗り越えたのだ。
宴も終わりに近づき、僕たちは未来について語り合った。
「俺は、俺の手で、最高の武具を作ってみてえ」バルガスが、夢見るような目で言った。「そして、その武具を装備した俺が、誰にも破れない最強のタンクになるんだ。お前ら二人を、絶対に守り抜いてみせる」
「私は、この力を、もう誰かを傷つけるためじゃなく、仲間を守るために使いたい」リリアナも、決意を込めて言った。「ユキナガの隣で、あなたが指し示す未来を、一緒に見ていきたいわ」
二人の言葉を受け、僕は静かに自分の目標を口にした。
「俺は、この世界の、全ての未踏破ダンジョンを攻略したい」
僕の壮大な目標に、二人は息を呑んだ。
「それは、俺たちの力を世界に証明するためでもある。だが、それだけじゃない。俺には、知りたいことがあるんだ。このダンジョンの存在理由、そして、俺がこの世界に転移してきた意味。その答えが、世界の果てにある未踏のダンジョンのどこかに、眠っている気がするんだ」
それは、僕の心の奥底にある、根源的な欲求だった。
僕の言葉に、リリアナとバルガスは、力強く頷いた。
「面白い! やってやろうじゃねえか! 世界中のダンジョン荒らしだ!」
「ええ! あなたがリーダーよ! 私たちは、どこまでもついていくわ!」
僕たちの心は、一つの大きな目標に向かって、固く結ばれた。
その夜、宴が終わり、僕たちはそれぞれの新しい部屋で眠りについた。
僕はベッドに横たわりながら、窓の外に浮かぶ月を眺めていた。追放されたあの夜に見た月と、同じ月のはずなのに、全く違って見えた。あの時の月は、僕の孤独を照らし出す冷たい光だった。だが、今の月は、僕たちの輝かしい未来を祝福してくれるような、温かい光に感じられた。
この家が、この仲間たちが、僕の孤独を終わらせてくれた。
もう、僕は一人じゃない。
その確かな安堵感を胸に、僕は静かに目を閉じた。
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