42 / 100
第42話:国王との謁見
しおりを挟む
玉座へと続く、長い赤絨毯。その道のりは、まるで永遠のように長く感じられた。
貴族たちの好奇と畏怖の視線を一身に浴びながら、私とアシュレイ様は、ついに玉座の前に辿り着いた。私たちはそこで歩みを止め、壇上に座る国王陛下の前で、練習した通りに、完璧な最敬礼を行った。
純白のドレスの裾が、床に優雅な円を描く。私の動きには、もう以前のような怯えやぎこちなさは欠片もなかった。
「面を上げよ」
国王アルフォンス三世の、威厳に満ちた声が、広間に響き渡った。
私たちはゆっくりと顔を上げる。間近で見る国王陛下は、想像していたよりもずっと精悍で、その瞳には為政者としての鋭い知性が宿っていた。しかし、その視線はどこか探るようで、私という存在を値踏みしているのが分かった。
「アシュレイ・フォン・アイゼンベルク公爵、並びにリナリア・エルフィールド。大儀であった」
「はっ。陛下の御前、恐悦至極に存じます」
アシュレイ様が、淀みない声で応える。
国王の視線が、私たちの後ろに控える従者が捧げ持つ、聖剣エクシードへと注がれた。その瞳が、驚愕の色にわずかに見開かれる。
「……して、それがあの聖剣か」
「御意。陛下よりお預かりいたしました聖剣エクシード、ここに完全なる姿を取り戻し、お返しに上がりました」
アシュレイ様の合図で、従者が一歩前に進み出た。そして、クッションに乗せられた聖剣を、国王の前に恭しく差し出す。
生まれ変わった聖剣は、シャンデリアの光を浴びて、神々しいまでの輝きを放っていた。そのあまりの美しさと、そこから発せられる清浄なオーラに、広間にいた全ての貴族たちから、感嘆のため息が漏れた。
国王もまた、言葉を失って聖剣を見つめている。彼はゆっくりと玉座から立ち上がると、壇上を降り、自らの手で聖剣を手に取った。
ずしりとした重み。手にしっくりと馴染む感触。そして、剣身から伝わる、温かく、力強い脈動。それはもはや、彼が知っていた「壊れた鉄塊」ではなかった。
「……信じられん」
国王が、かすれた声で呟いた。
「百年もの間、我が国の誰もが成し得なかったことを……。まこと、神の御業としか言いようがない」
彼は、聖剣を掲げ、貴族たちに見せるように高らかに宣言した。
「見よ! 我が国の守護の剣、聖剣エクシードは、今、ここに蘇った! これぞ、我が国が神々に愛されている証左なり!」
その言葉に、貴族たちから、どよめきと、そして賞賛の声が上がった。
国王は、満足げに頷くと、再び私の方へと向き直った。その目は、もはや私を値踏みするような色ではなく、畏敬と、そして純粋な興味に満ちていた。
「リナリア・エルフィールドと申したか」
「はい、陛下」
私は、アシュレイ様の教え通り、臆することなく、はっきりと答えた。
「その方が、この奇跡を成したというのか。にわかには信じがたいが、この聖剣が何よりの証拠。……見事である。その功績、いくら賞賛しても足りぬほどだ」
「もったいなきお言葉にございます」
私は、再び優雅に一礼した。
国王は、腕を組み、何かを深く考えているようだった。彼の周りでは、宰相や側近たちが、何事か囁き合っている。
やがて、国王は一つの決断を下したように、顔を上げた。
「リナリア・エルフィールドよ。その方の持つ力、まことに比類なきものと認める。だが、聖剣の修復が、ただの偶然やまぐれでなかったと、万人に示してもらう必要があろう」
その言葉に、広間の空気が再び緊張に包まれた。
「よって、その方に、もう一つの試練を与えることとする」
試練。
その言葉に、アシュレイ様の眉が、ぴくりと動いたのが分かった。彼の腰に回された私の手に、かすかに力がこもる。
「陛下、それは……」
アシュレイ様が何かを言いかけたが、国王はそれを手で制した。
「案ずるな、アシュレイ。リナリア嬢を疑っているわけではない。むしろ、その力を、より確かなものとして、この国の歴史に刻むための儀式だと思ってもらいたい」
国王は、私に向き直ると、厳かに告げた。
「その方に与える試練。それは、我が王宮の中庭にある、『世界樹の若木』を蘇らせることだ」
世界樹の若木。
その名を聞いて、貴族たちの間から、再び大きなざわめきが起こった。
「まさか、あのお枯れになった若木を……」
「あれは、エルフ族から友好の証として贈られた、国の秘宝。だが、もう何十年も前に……」
「神官たちのあらゆる治癒魔法も、全く効果がなかったと聞くぞ」
「聖剣以上に、無謀な試練ではないか……」
貴族たちの囁き声が、私の耳にも届いてくる。
だが、私の心は、不思議と落ち着いていた。
枯れた植物を蘇らせること。それは、私がつい先日、公爵邸の庭で成し遂げたばかりの奇跡だった。
これは、試練などではない。
私にとっては、むしろ、自分の力を証明するための、絶好の機会。
私の隣に立つアシュレイ様も、そのことに気づいたのだろう。彼の身体から、すっと緊張が抜けていくのが分かった。彼は、私を信じてくれている。
「……リナリア・エルフィールドよ。この試練、受ける覚悟はあるか」
国王の問いに、私は、迷いなく顔を上げた。
そして、この広間にいる全ての人々に聞こえるように、澄んだ、そして力強い声で、答えた。
「はい、陛下。謹んで、お受けいたします」
私のその返事に、国王は満足げに頷いた。
しかし、その謁見の間の一角で。
私のその自信に満ちた返事を聞いて、顔を憎悪と嫉妬に歪めている二つの影があった。
姉のイザベラと、第二王子エドワード。
彼らは、自分たちの仕掛けた罠が、完璧に機能する瞬間を、今か今かと、待ち構えていたのだった。
貴族たちの好奇と畏怖の視線を一身に浴びながら、私とアシュレイ様は、ついに玉座の前に辿り着いた。私たちはそこで歩みを止め、壇上に座る国王陛下の前で、練習した通りに、完璧な最敬礼を行った。
純白のドレスの裾が、床に優雅な円を描く。私の動きには、もう以前のような怯えやぎこちなさは欠片もなかった。
「面を上げよ」
国王アルフォンス三世の、威厳に満ちた声が、広間に響き渡った。
私たちはゆっくりと顔を上げる。間近で見る国王陛下は、想像していたよりもずっと精悍で、その瞳には為政者としての鋭い知性が宿っていた。しかし、その視線はどこか探るようで、私という存在を値踏みしているのが分かった。
「アシュレイ・フォン・アイゼンベルク公爵、並びにリナリア・エルフィールド。大儀であった」
「はっ。陛下の御前、恐悦至極に存じます」
アシュレイ様が、淀みない声で応える。
国王の視線が、私たちの後ろに控える従者が捧げ持つ、聖剣エクシードへと注がれた。その瞳が、驚愕の色にわずかに見開かれる。
「……して、それがあの聖剣か」
「御意。陛下よりお預かりいたしました聖剣エクシード、ここに完全なる姿を取り戻し、お返しに上がりました」
アシュレイ様の合図で、従者が一歩前に進み出た。そして、クッションに乗せられた聖剣を、国王の前に恭しく差し出す。
生まれ変わった聖剣は、シャンデリアの光を浴びて、神々しいまでの輝きを放っていた。そのあまりの美しさと、そこから発せられる清浄なオーラに、広間にいた全ての貴族たちから、感嘆のため息が漏れた。
国王もまた、言葉を失って聖剣を見つめている。彼はゆっくりと玉座から立ち上がると、壇上を降り、自らの手で聖剣を手に取った。
ずしりとした重み。手にしっくりと馴染む感触。そして、剣身から伝わる、温かく、力強い脈動。それはもはや、彼が知っていた「壊れた鉄塊」ではなかった。
「……信じられん」
国王が、かすれた声で呟いた。
「百年もの間、我が国の誰もが成し得なかったことを……。まこと、神の御業としか言いようがない」
彼は、聖剣を掲げ、貴族たちに見せるように高らかに宣言した。
「見よ! 我が国の守護の剣、聖剣エクシードは、今、ここに蘇った! これぞ、我が国が神々に愛されている証左なり!」
その言葉に、貴族たちから、どよめきと、そして賞賛の声が上がった。
国王は、満足げに頷くと、再び私の方へと向き直った。その目は、もはや私を値踏みするような色ではなく、畏敬と、そして純粋な興味に満ちていた。
「リナリア・エルフィールドと申したか」
「はい、陛下」
私は、アシュレイ様の教え通り、臆することなく、はっきりと答えた。
「その方が、この奇跡を成したというのか。にわかには信じがたいが、この聖剣が何よりの証拠。……見事である。その功績、いくら賞賛しても足りぬほどだ」
「もったいなきお言葉にございます」
私は、再び優雅に一礼した。
国王は、腕を組み、何かを深く考えているようだった。彼の周りでは、宰相や側近たちが、何事か囁き合っている。
やがて、国王は一つの決断を下したように、顔を上げた。
「リナリア・エルフィールドよ。その方の持つ力、まことに比類なきものと認める。だが、聖剣の修復が、ただの偶然やまぐれでなかったと、万人に示してもらう必要があろう」
その言葉に、広間の空気が再び緊張に包まれた。
「よって、その方に、もう一つの試練を与えることとする」
試練。
その言葉に、アシュレイ様の眉が、ぴくりと動いたのが分かった。彼の腰に回された私の手に、かすかに力がこもる。
「陛下、それは……」
アシュレイ様が何かを言いかけたが、国王はそれを手で制した。
「案ずるな、アシュレイ。リナリア嬢を疑っているわけではない。むしろ、その力を、より確かなものとして、この国の歴史に刻むための儀式だと思ってもらいたい」
国王は、私に向き直ると、厳かに告げた。
「その方に与える試練。それは、我が王宮の中庭にある、『世界樹の若木』を蘇らせることだ」
世界樹の若木。
その名を聞いて、貴族たちの間から、再び大きなざわめきが起こった。
「まさか、あのお枯れになった若木を……」
「あれは、エルフ族から友好の証として贈られた、国の秘宝。だが、もう何十年も前に……」
「神官たちのあらゆる治癒魔法も、全く効果がなかったと聞くぞ」
「聖剣以上に、無謀な試練ではないか……」
貴族たちの囁き声が、私の耳にも届いてくる。
だが、私の心は、不思議と落ち着いていた。
枯れた植物を蘇らせること。それは、私がつい先日、公爵邸の庭で成し遂げたばかりの奇跡だった。
これは、試練などではない。
私にとっては、むしろ、自分の力を証明するための、絶好の機会。
私の隣に立つアシュレイ様も、そのことに気づいたのだろう。彼の身体から、すっと緊張が抜けていくのが分かった。彼は、私を信じてくれている。
「……リナリア・エルフィールドよ。この試練、受ける覚悟はあるか」
国王の問いに、私は、迷いなく顔を上げた。
そして、この広間にいる全ての人々に聞こえるように、澄んだ、そして力強い声で、答えた。
「はい、陛下。謹んで、お受けいたします」
私のその返事に、国王は満足げに頷いた。
しかし、その謁見の間の一角で。
私のその自信に満ちた返事を聞いて、顔を憎悪と嫉妬に歪めている二つの影があった。
姉のイザベラと、第二王子エドワード。
彼らは、自分たちの仕掛けた罠が、完璧に機能する瞬間を、今か今かと、待ち構えていたのだった。
74
あなたにおすすめの小説
【完結】家族に愛されなかった辺境伯の娘は、敵国の堅物公爵閣下に攫われ真実の愛を知る
水月音子
恋愛
辺境を守るティフマ城の城主の娘であるマリアーナは、戦の代償として隣国の敵将アルベルトにその身を差し出した。
婚約者である第四王子と、父親である城主が犯した国境侵犯という罪を、自分の命でもって償うためだ。
だが――
「マリアーナ嬢を我が国に迎え入れ、現国王の甥である私、アルベルト・ルーベンソンの妻とする」
そう宣言されてマリアーナは隣国へと攫われる。
しかし、ルーベンソン公爵邸にて差し出された婚約契約書にある一文に疑念を覚える。
『婚約期間中あるいは婚姻後、子をもうけた場合、性別を問わず健康な子であれば、婚約もしくは結婚の継続の自由を委ねる』
さらには家庭教師から“精霊姫”の話を聞き、アルベルトの側近であるフランからも詳細を聞き出すと、自分の置かれた状況を理解する。
かつて自国が攫った“精霊姫”の血を継ぐマリアーナ。
そのマリアーナが子供を産めば、自分はもうこの国にとって必要ない存在のだ、と。
そうであれば、早く子を産んで身を引こう――。
そんなマリアーナの思いに気づかないアルベルトは、「婚約中に子を産み、自国へ戻りたい。結婚して公爵様の経歴に傷をつける必要はない」との彼女の言葉に激昂する。
アルベルトはアルベルトで、マリアーナの知らないところで実はずっと昔から、彼女を妻にすると決めていた。
ふたりは互いの立場からすれ違いつつも、少しずつ心を通わせていく。
聖女の力を妹に奪われ魔獣の森に捨てられたけど、何故か懐いてきた白狼(実は呪われた皇帝陛下)のブラッシング係に任命されました
AK
恋愛
「--リリアナ、貴様との婚約は破棄する! そして妹の功績を盗んだ罪で、この国からの追放を命じる!」
公爵令嬢リリアナは、腹違いの妹・ミナの嘘によって「偽聖女」の汚名を着せられ、婚約者の第二王子からも、実の父からも絶縁されてしまう。 身一つで放り出されたのは、凶暴な魔獣が跋扈する北の禁足地『帰らずの魔の森』。
死を覚悟したリリアナが出会ったのは、伝説の魔獣フェンリル——ではなく、呪いによって巨大な白狼の姿になった隣国の皇帝・アジュラ四世だった!
人間には効果が薄いが、動物に対しては絶大な癒やし効果を発揮するリリアナの「聖女の力」。 彼女が何気なく白狼をブラッシングすると、苦しんでいた皇帝の呪いが解け始め……?
「余の呪いを解くどころか、極上の手触りで撫でてくるとは……。貴様、責任を取って余の専属ブラッシング係になれ」
こうしてリリアナは、冷徹と恐れられる氷の皇帝(中身はツンデレもふもふ)に拾われ、帝国で溺愛されることに。 豪華な離宮で美味しい食事に、最高のもふもふタイム。虐げられていた日々が嘘のような幸せスローライフが始まる。
一方、本物の聖女を追放してしまった祖国では、妹のミナが聖女の力を発揮できず、大地が枯れ、疫病が蔓延し始めていた。 元婚約者や父が慌ててミレイユを連れ戻そうとするが、時すでに遅し。 「私の主人は、この可愛い狼様(皇帝陛下)だけですので」 これは、すべてを奪われた令嬢が、最強のパートナーを得て幸せになり、自分を捨てた者たちを見返す逆転の物語。
冷遇された公爵令嬢は、敵国最恐の「氷の軍神」に契約で嫁ぎました。偽りの結婚のはずが、なぜか彼に溺愛され、実家が没落するまで寵愛されています
メルファン
恋愛
侯爵令嬢エリアーナは、幼い頃から妹の才能を引き立てるための『地味な引き立て役』として冷遇されてきました。その冷遇は、妹が「光の魔力」を開花させたことでさらに加速し、ついに長年の婚約者である王太子からも、一方的な婚約破棄を告げられます。
「お前のような華のない女は、王妃にふさわしくない」
失意のエリアーナに与えられた次の役割は、敵国アースガルドとの『政略結婚の駒』。嫁ぎ先は、わずか五年で辺境の魔物を制圧した、冷酷非情な英雄「氷の軍神」こと、カイン・フォン・ヴィンター公爵でした。
カイン公爵は、王家を軽蔑し、感情を持たない冷徹な仮面を被った、恐ろしい男だと噂されています。エリアーナは、これは五年間の「偽りの契約結婚」であり、役目を終えれば解放されると、諦めにも似た覚悟を決めていました。
しかし、嫁いだ敵国で待っていたのは、想像とは全く違う生活でした。
「華がない」と蔑まれたエリアーナに、公爵はアースガルドの最高の仕立て屋を呼び、豪華なドレスと宝石を惜しみなく贈呈。
「不要な引き立て役」だったエリアーナを、公爵は公の場で「我が愛する妻」と呼び、侮辱する者を許しません。
冷酷非情だと噂された公爵は、夜、エリアーナを優しく抱きしめ、彼女が眠るまで離れない、極度の愛妻家へと変貌します。
実はカイン公爵は、エリアーナが幼い頃に偶然助けた命の恩人であり、長年、彼女を密かに想い続けていたのです。彼は、エリアーナを冷遇した実家への復讐の炎を胸に秘め、彼女を愛と寵愛で包み込みます。
一方、エリアーナを価値がないと捨てた実家や王太子は、彼女が敵国で女王のような寵愛を受けていることを知り、慌てて連れ戻そうと画策しますが、時すでに遅し。
「我が妻に手を出す者は、国一つ滅ぼす覚悟を持て」
これは、冷遇された花嫁が、敵国の最恐公爵に深く愛され、真の価値を取り戻し、実家と王都に「ざまぁ」を食らわせる、王道溺愛ファンタジーです。
『婚約破棄された聖女リリアナの庭には、ちょっと変わった来訪者しか来ません。』
夢窓(ゆめまど)
恋愛
王都から少し離れた小高い丘の上。
そこには、聖女リリアナの庭と呼ばれる不思議な場所がある。
──けれど、誰もがたどり着けるわけではない。
恋するルミナ五歳、夢みるルーナ三歳。
ふたりはリリアナの庭で、今日もやさしい魔法を育てています。
この庭に来られるのは、心がちょっぴりさびしい人だけ。
まほうに傷ついた王子さま、眠ることでしか気持ちを伝えられない子、
そして──ほんとうは泣きたかった小さな精霊たち。
お姉ちゃんのルミナは、花を咲かせる明るい音楽のまほうつかい。
ちょっとだけ背伸びして、だいすきな人に恋をしています。
妹のルーナは、ねむねむ魔法で、夢の中を旅するやさしい子。
ときどき、だれかの心のなかで、静かに花を咲かせます。
ふたりのまほうは、まだ小さくて、でもあたたかい。
「だいすきって気持ちは、
きっと一番すてきなまほうなの──!」
風がふくたびに、花がひらき、恋がそっと実る。
これは、リリアナの庭で育つ、
小さなまほうつかいたちの恋と夢の物語です。
罰として醜い辺境伯との婚約を命じられましたが、むしろ望むところです! ~私が聖女と同じ力があるからと復縁を迫っても、もう遅い~
上下左右
恋愛
「貴様のような疫病神との婚約は破棄させてもらう!」
触れた魔道具を壊す体質のせいで、三度の婚約破棄を経験した公爵令嬢エリス。家族からも見限られ、罰として鬼将軍クラウス辺境伯への嫁入りを命じられてしまう。
しかしエリスは周囲の評価など意にも介さない。
「顔なんて目と鼻と口がついていれば十分」だと縁談を受け入れる。
だが実際に嫁いでみると、鬼将軍の顔は認識阻害の魔術によって醜くなっていただけで、魔術無力化の特性を持つエリスは、彼が本当は美しい青年だと見抜いていた。
一方、エリスの特異な体質に、元婚約者の伯爵が気づく。それは伝説の聖女と同じ力で、領地の繁栄を約束するものだった。
伯爵は自分から婚約を破棄したにも関わらず、その決定を覆すために復縁するための画策を始めるのだが・・・後悔してももう遅いと、ざまぁな展開に発展していくのだった
本作は不遇だった令嬢が、最恐将軍に溺愛されて、幸せになるまでのハッピーエンドの物語である
※※小説家になろうでも連載中※※
あなたが「いらない」と言った私ですが、溺愛される妻になりました
有賀冬馬
恋愛
「君みたいな女は、俺の隣にいる価値がない!」冷酷な元婚約者に突き放され、すべてを失った私。
けれど、旅の途中で出会った辺境伯エリオット様は、私の凍った心をゆっくりと溶かしてくれた。
彼の領地で、私は初めて「必要とされる」喜びを知り、やがて彼の妻として迎えられる。
一方、王都では元婚約者の不実が暴かれ、彼の破滅への道が始まる。
かつて私を軽んじた彼が、今、私に助けを求めてくるけれど、もう私の目に映るのはあなたじゃない。
【完結】聖女を愛する婚約者に婚約破棄を突きつけられましたが、愛する人と幸せになります!
ユウ
恋愛
「君には失望した!聖女を虐げるとは!」
侯爵令嬢のオンディーヌは宮廷楽団に所属する歌姫だった。
しかしある日聖女を虐げたという瞬間が流れてしまい、断罪されてしまう。
全ては仕組まれた冤罪だった。
聖女を愛する婚約者や私を邪魔だと思う者達の。
幼い頃からの幼馴染も、友人も目の敵で睨みつけ私は公衆の面前で婚約破棄を突きつけられ家からも勘当されてしまったオンディーヌだったが…
「やっと自由になれたぞ!」
実に前向きなオンディーヌは転生者で何時か追い出された時の為に準備をしていたのだ。
貴族の生活に憔悴してので追放万々歳と思う最中、老婆の森に身を寄せることになるのだった。
一方王都では王女の逆鱗に触れ冤罪だった事が明らかになる。
すぐに連れ戻すように命を受けるも、既に王都にはおらず偽りの断罪をした者達はさらなる報いを受けることになるのだった。
精霊の森に追放された私ですが、森の主【巨大モフモフ熊の精霊王】に気に入られました
腐ったバナナ
恋愛
王都で「魔力欠損の無能者」と蔑まれ、元婚約者と妹の裏切りにより、魔物が出る精霊の森に追放された伯爵令嬢リサ。絶望の中、極寒の森で命を落としかけたリサを救ったのは、人間を食らうと恐れられる森の主、巨大なモフモフの熊だった。
実はその熊こそ、冷酷な精霊王バルト。長年の孤独と魔力の淀みで冷え切っていた彼は、リサの体から放たれる特殊な「癒やしの匂い」と微かな温もりに依存し、リサを「最高のストーブ兼抱き枕」として溺愛し始める。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる