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第20話:匿名性の終わり
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夜が支配するプロデューサー室。橘翔太は、ヘッドホンから流れ続けるデモ音源を、もう何度聴いたか分からなかった。聴けば聴くほど、その才能の底知れなさに戦慄する。この曲は、今の音楽業界に溢れる使い捨てのヒットソングとは次元が違う。魂を揺さぶる、本物の芸術だ。
そして、その芸術を生み出したのが、星宮瑠奈が執着する、ただの大学生。
あまりにも出来すぎた偶然。いや、これは神が自分に与えた試練であり、同時に最大のチャンスなのだと橘は確信していた。
彼はヘッドホンを外すと、ラップトップの画面を閉じた。感傷に浸っている時間はない。今は、動くべき時だ。手に入れたいものは、才能だけではない。その才能を最大限に活かすための、あらゆる情報が必要だった。
橘は、プライベート用のスマホを手に取った。アドレス帳から、たった一文字だけ登録された名前を呼び出す。『影』。それは、橘が長年利用している、裏社会にも通じた情報屋のコードネームだった。金さえ払えば、どんな情報でも手に入れてくる男だ。
コール音が三回鳴る前に、相手は電話に出た。
「……夜分に、失礼いたします」
電話の向こうから聞こえてきたのは、感情の読めない、平坦な声だった。
「俺だ。仕事だ。急ぎで調べてほしい人間が二人いる」
橘は、前置きもなしに本題を切り出した。
「一人は、藤堂蓮。武蔵野文芸大学の二年生。もう一人は、朝霧陽葵。同じ大学の一年生だ。おそらく、声優の卵」
橘は、手元にある田中の報告書と、USBメモリの情報を読み上げる。
「欲しいのは、彼らの全てだ。表向きの経歴だけじゃない。ネット上のあらゆる活動、SNSの裏アカウント、交友関係、過去の恋愛遍歴、家族構成。金の糸目はつけん。明日の朝までに、分かる限りの情報を俺のPCに送れ」
「……承知いたしました」
情報屋は、驚く様子も、質問する様子もなく、淡々と了承した。それが、彼らのプロフェッショナルな流儀だった。
「頼んだぞ」
橘はそれだけ言うと、一方的に通話を切った。次に、彼は事務所の法務部と懇意にしている、大手調査会社の担当者に電話をかける。情報屋とは違う、表の世界からのアプローチ。二重三重に網を張り、情報の精度を高める。それが橘のやり方だった。
全ての指示を出し終えた時、窓の外が、わずかに白み始めていた。橘は一睡もしていなかったが、疲労は感じなかった。むしろ、脳はかつてないほど冴え渡っている。彼はデスクの引き出しから、新品の煙草の箱を取り出した。
(藤堂蓮……『ren』)
橘は、その名前を舌の上で転がした。
匿名性のヴェールに隠れて、孤独に才能を磨き上げてきた男。星宮瑠奈という過去の呪縛に囚われ、そして今、朝霧陽葵という新しい光に心を寄せている。人間関係は、極めて不器用。メンタルも、おそらく弱い。だが、一度創作に向き合った時の集中力と、生み出される作品のクオリティは本物。
(面白い……)
橘は、口の端に冷たい笑みを浮かべた。
こういう繊細で、傷つきやすい天才ほど、扱いやすいものはない。彼が大切にしているもの、守りたいものを正確に把握し、そこを的確に突けばいい。
夜明けと共に、橘のPCに次々と調査報告のメールが届き始めた。情報屋と調査会社。ルートは違えど、その内容はほぼ一致していた。橘の読みは、全て正しかった。
藤堂蓮は、高校時代からいくつかの匿名掲示板や音楽投稿サイトで、『ren』というハンドルネームを使用していた痕跡が確認された。作風や使用機材の変遷も、現在動画サイトに投稿されている作品と完全に一致。これで、『藤堂蓮=ren』という事実は、揺るぎないものとなった。
そして、朝霧陽葵。
彼女のSNSは、比較的簡単に見つかった。アカウントは、彼女の声優としての活動を応援するための、ごく健全なものだ。だが、その投稿内容は、橘にとって宝の山だった。
『今日もrenさんの新曲をリピート! 神すぎる!』
『いつかrenさんの曲を歌うのが夢です!』
『声優のオーディション、頑張るぞー!』
彼女が『ren』の熱烈なファンであること。声優になるという夢を追いかけていること。そして何より、藤堂蓮と同じ映像研究会に所属し、彼を『先輩』と呼び、頻繁に交流を持っていること。
「……ビンゴ、だな」
橘は、モニターに映し出された陽葵の、屈託のない笑顔の写真を見ながら呟いた。
『HIMARI』と『ひまり』。偶然にしては、出来すぎている。この少女が、あのデモ音源で歌っていた奇跡の歌声の持ち主であることは、もはや疑いようがなかった。
さらに、調査報告は、三人の歪な関係性をも浮き彫りにしていった。
藤堂蓮と星宮瑠奈は、高校卒業まで家が隣同士の幼馴染。蓮は瑠奈に告白し、フラれている。それが、彼の創作スタイルに暗い影を落としている可能性。
一方、瑠奈はトップアイドルになった今も、蓮に異常なまでの執着を見せていること。先日も、蓮のアパートや、二人の思い出の公園で、接触を図っていたこと。
そして、蓮は瑠奈の執着に怯えながらも、後輩である陽葵の存在に癒され、救いを求めていること。
完璧だ。
橘は、手に入れた全ての情報を、頭の中で一つの相関図として組み立てていく。
それは、あまりにも脆く、危険なバランスの上で成り立つ、いびつな三角形だった。
藤堂蓮が、喉から手が出るほど欲しい。
彼の才能が、何よりも必要だ。
だが、彼は素直に首を縦に振るだろうか? 答えは否だ。
匿名性を愛し、商業主義を嫌うであろう彼を、どうやって交渉のテーブルにつかせるか。
答えは、もう出ている。
彼の才能そのものではなく、彼が大切にしている『人間関係』を人質に取ればいい。
橘の脳裏に、冷徹なプランが構築されていく。
カードは、三枚ある。
一枚目は、『星宮瑠奈』。蓮と瑠奈の過去をマスコミにリークすれば、蓮の平穏な日常は一瞬で崩壊する。彼は、それを最も恐れているはずだ。
二枚目は、『朝霧陽葵』。彼女の夢。声優としての未来。もし、蓮がスキャンダルに巻き込まれれば、彼女も無傷ではいられない。『renの恋人』『仮歌の少女』として、心無いメディアやファンの格好の餌食になるだろう。蓮が、それを望むはずがない。
そして、三枚目。最強のカードは、他でもない、『ren』という才能そのものだ。このまま埋もれさせていいのか。君の音楽を、君のパートナーの歌声を、本当に待っている人々に届けたくはないのか。クリエイターとしての彼のプライドを、くすぐり、揺さぶる。
これらのカードを巧みに使い分ければ、彼に『ノー』と言わせる隙など、どこにもない。
橘は、ゆっくりと椅子から立ち上がった。窓の外は、すっかり明るくなっている。新しい一日が、始まろうとしていた。藤堂蓮にとっては、人生が根底から覆される一日の始まりだ。
ポケットの中で、スマホが振動した。マネージャーの田中からだった。
「どうだ?」
橘は、短く問う。
『……確保、しました。今、大学の前です。少し、抵抗されましたが』
電話の向こうで、田中が疲労の滲んだ声で報告する。
「そうか。ご苦労だったな。そのまま、事務所の応接室に連れてこい。俺も、すぐに向かう」
電話を切り、橘はデスクに置かれたUSBメモリを、そっと指でなぞった。
藤堂蓮。
君が、自らの才能を隠すために被っていた、居心地のいい匿名性というヴェール。
それを、今から俺が、この手で剥がし取ってやる。
新しい煙草に火をつけながら、橘は獰猛な笑みを浮かべた。
ショータイムの始まりだった。
そして、その芸術を生み出したのが、星宮瑠奈が執着する、ただの大学生。
あまりにも出来すぎた偶然。いや、これは神が自分に与えた試練であり、同時に最大のチャンスなのだと橘は確信していた。
彼はヘッドホンを外すと、ラップトップの画面を閉じた。感傷に浸っている時間はない。今は、動くべき時だ。手に入れたいものは、才能だけではない。その才能を最大限に活かすための、あらゆる情報が必要だった。
橘は、プライベート用のスマホを手に取った。アドレス帳から、たった一文字だけ登録された名前を呼び出す。『影』。それは、橘が長年利用している、裏社会にも通じた情報屋のコードネームだった。金さえ払えば、どんな情報でも手に入れてくる男だ。
コール音が三回鳴る前に、相手は電話に出た。
「……夜分に、失礼いたします」
電話の向こうから聞こえてきたのは、感情の読めない、平坦な声だった。
「俺だ。仕事だ。急ぎで調べてほしい人間が二人いる」
橘は、前置きもなしに本題を切り出した。
「一人は、藤堂蓮。武蔵野文芸大学の二年生。もう一人は、朝霧陽葵。同じ大学の一年生だ。おそらく、声優の卵」
橘は、手元にある田中の報告書と、USBメモリの情報を読み上げる。
「欲しいのは、彼らの全てだ。表向きの経歴だけじゃない。ネット上のあらゆる活動、SNSの裏アカウント、交友関係、過去の恋愛遍歴、家族構成。金の糸目はつけん。明日の朝までに、分かる限りの情報を俺のPCに送れ」
「……承知いたしました」
情報屋は、驚く様子も、質問する様子もなく、淡々と了承した。それが、彼らのプロフェッショナルな流儀だった。
「頼んだぞ」
橘はそれだけ言うと、一方的に通話を切った。次に、彼は事務所の法務部と懇意にしている、大手調査会社の担当者に電話をかける。情報屋とは違う、表の世界からのアプローチ。二重三重に網を張り、情報の精度を高める。それが橘のやり方だった。
全ての指示を出し終えた時、窓の外が、わずかに白み始めていた。橘は一睡もしていなかったが、疲労は感じなかった。むしろ、脳はかつてないほど冴え渡っている。彼はデスクの引き出しから、新品の煙草の箱を取り出した。
(藤堂蓮……『ren』)
橘は、その名前を舌の上で転がした。
匿名性のヴェールに隠れて、孤独に才能を磨き上げてきた男。星宮瑠奈という過去の呪縛に囚われ、そして今、朝霧陽葵という新しい光に心を寄せている。人間関係は、極めて不器用。メンタルも、おそらく弱い。だが、一度創作に向き合った時の集中力と、生み出される作品のクオリティは本物。
(面白い……)
橘は、口の端に冷たい笑みを浮かべた。
こういう繊細で、傷つきやすい天才ほど、扱いやすいものはない。彼が大切にしているもの、守りたいものを正確に把握し、そこを的確に突けばいい。
夜明けと共に、橘のPCに次々と調査報告のメールが届き始めた。情報屋と調査会社。ルートは違えど、その内容はほぼ一致していた。橘の読みは、全て正しかった。
藤堂蓮は、高校時代からいくつかの匿名掲示板や音楽投稿サイトで、『ren』というハンドルネームを使用していた痕跡が確認された。作風や使用機材の変遷も、現在動画サイトに投稿されている作品と完全に一致。これで、『藤堂蓮=ren』という事実は、揺るぎないものとなった。
そして、朝霧陽葵。
彼女のSNSは、比較的簡単に見つかった。アカウントは、彼女の声優としての活動を応援するための、ごく健全なものだ。だが、その投稿内容は、橘にとって宝の山だった。
『今日もrenさんの新曲をリピート! 神すぎる!』
『いつかrenさんの曲を歌うのが夢です!』
『声優のオーディション、頑張るぞー!』
彼女が『ren』の熱烈なファンであること。声優になるという夢を追いかけていること。そして何より、藤堂蓮と同じ映像研究会に所属し、彼を『先輩』と呼び、頻繁に交流を持っていること。
「……ビンゴ、だな」
橘は、モニターに映し出された陽葵の、屈託のない笑顔の写真を見ながら呟いた。
『HIMARI』と『ひまり』。偶然にしては、出来すぎている。この少女が、あのデモ音源で歌っていた奇跡の歌声の持ち主であることは、もはや疑いようがなかった。
さらに、調査報告は、三人の歪な関係性をも浮き彫りにしていった。
藤堂蓮と星宮瑠奈は、高校卒業まで家が隣同士の幼馴染。蓮は瑠奈に告白し、フラれている。それが、彼の創作スタイルに暗い影を落としている可能性。
一方、瑠奈はトップアイドルになった今も、蓮に異常なまでの執着を見せていること。先日も、蓮のアパートや、二人の思い出の公園で、接触を図っていたこと。
そして、蓮は瑠奈の執着に怯えながらも、後輩である陽葵の存在に癒され、救いを求めていること。
完璧だ。
橘は、手に入れた全ての情報を、頭の中で一つの相関図として組み立てていく。
それは、あまりにも脆く、危険なバランスの上で成り立つ、いびつな三角形だった。
藤堂蓮が、喉から手が出るほど欲しい。
彼の才能が、何よりも必要だ。
だが、彼は素直に首を縦に振るだろうか? 答えは否だ。
匿名性を愛し、商業主義を嫌うであろう彼を、どうやって交渉のテーブルにつかせるか。
答えは、もう出ている。
彼の才能そのものではなく、彼が大切にしている『人間関係』を人質に取ればいい。
橘の脳裏に、冷徹なプランが構築されていく。
カードは、三枚ある。
一枚目は、『星宮瑠奈』。蓮と瑠奈の過去をマスコミにリークすれば、蓮の平穏な日常は一瞬で崩壊する。彼は、それを最も恐れているはずだ。
二枚目は、『朝霧陽葵』。彼女の夢。声優としての未来。もし、蓮がスキャンダルに巻き込まれれば、彼女も無傷ではいられない。『renの恋人』『仮歌の少女』として、心無いメディアやファンの格好の餌食になるだろう。蓮が、それを望むはずがない。
そして、三枚目。最強のカードは、他でもない、『ren』という才能そのものだ。このまま埋もれさせていいのか。君の音楽を、君のパートナーの歌声を、本当に待っている人々に届けたくはないのか。クリエイターとしての彼のプライドを、くすぐり、揺さぶる。
これらのカードを巧みに使い分ければ、彼に『ノー』と言わせる隙など、どこにもない。
橘は、ゆっくりと椅子から立ち上がった。窓の外は、すっかり明るくなっている。新しい一日が、始まろうとしていた。藤堂蓮にとっては、人生が根底から覆される一日の始まりだ。
ポケットの中で、スマホが振動した。マネージャーの田中からだった。
「どうだ?」
橘は、短く問う。
『……確保、しました。今、大学の前です。少し、抵抗されましたが』
電話の向こうで、田中が疲労の滲んだ声で報告する。
「そうか。ご苦労だったな。そのまま、事務所の応接室に連れてこい。俺も、すぐに向かう」
電話を切り、橘はデスクに置かれたUSBメモリを、そっと指でなぞった。
藤堂蓮。
君が、自らの才能を隠すために被っていた、居心地のいい匿名性というヴェール。
それを、今から俺が、この手で剥がし取ってやる。
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