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第2話 我が家は万能、怠惰は至高
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柔らかな光が瞼を透過し、意識を優しく揺り起こす。
重いまぶたをこじ開けると、目に飛び込んできたのは、見慣れた薄暗い自室の天井でも、殺風景なオフィスのそれとも違う、温かみのある木目の天井だった。鼻腔をくすぐるのは、消毒液の匂いではなく、新緑と土の匂いが混じったような、清々しい香り。
「……ん?」
体を起こそうとして、すぐに違和感に気づいた。背中に当たる感触が、万年床の煎餅布団とは天と地ほど違う。ふかふかで、それでいて体をしっかりと支えてくれる、極上の寝心地。シーツはさらりとしていて肌触りが最高だ。
慌てて周囲を見渡すと、そこは簡素だが清潔なベッドの上だった。俺が寝ていたのは、質素な木造家屋の一室らしい。窓の外には、鬱蒼とした、しかし陽光がきらめく美しい森が広がっていた。
「……夢、じゃないのか」
ぼんやりとした頭で、あの胡散臭い神とのやり取りを思い出す。過労死、転生、そして『絶対安全領域(マイホーム)』。
どうやら俺は本当に、異世界に来てしまったらしい。
ベッドから降り、自分の体を見下ろす。なんだか視線が少し低くなった気がする。近くにあった姿見を覗き込むと、そこに映っていたのは、見慣れた三十路の社畜の顔ではなかった。
歳は二十歳前後だろうか。黒髪に黒い瞳は変わらないが、前世の不健康そうな面影は一切ない。睡眠不足による隈も、ストレスで刻まれた眉間の皺もない。ごく普通の、健康的な青年の姿がそこにあった。これが新しい俺、『ユータ』の体か。
「若返ったところで、やることは変わらんがな」
俺の目的はただ一つ、引きこもることだ。
ひとまず、神様がくれたという我が家を確認すべく、玄関のドアを開けて外に出てみた。
目の前に広がっていたのは、こぢんまりとした庭だった。手入れはされていないが、雑草も生えておらず、清潔な土が広がっている。家の周りには、石畳でできた幅一メートルほどの小道がぐるりと敷かれており、それが敷地の境界線を示しているようだった。小道から一歩外は、もう深い森。
家そのものは、とんがり屋根の可愛らしい一軒家だ。壁は白漆喰で、柱や窓枠はダークブラウンの木材。派手さはないが、頑丈で居心地が良さそうに見える。まさに、隠れ家と呼ぶにふさわしい佇まいだった。
「さて、と」
俺は満足げに頷くと、さっさと家の中に戻った。外の空気は美味かったが、俺の居場所はここではない。外の世界なんて、どうでもいい。重要なのは、この家の中だ。
改めて室内を見渡す。
玄関を入ってすぐの場所は、リビングダイニングになっているらしかった。広さは二十畳ほどだろうか。先ほどまで俺が寝ていたベッドがポツンと置かれているだけで、他には何もない、がらんどうの空間だ。
「なるほど。ここから俺好みにカスタマイズしていくわけか」
神の言葉を思い出す。『主の思考に応じて、領域内に任意の家具、食事、その他生活必需品を無限に生成できる』。
本当だろうか。もし本当なら、まさに神の御業だ。
ごくりと唾を飲み込む。まずは何から試すべきか。引きこもり生活に必須のアイテム……そうだ、あれだ。
俺はリビングの中央あたりに意識を集中し、強く、強く念じた。
(前世の安アパートには置けなかった、革張りの、三人掛けの、ふっかふかのソファが欲しい!)
その瞬間、目の前の空間がぼんやりと光ったかと思うと、音もなく、完璧に俺の理想通りのソファが出現した。
焦げ茶色の、使い込むほど味が出そうな上質な本革。体を預ければ沈み込み、しかし腰を痛めない絶妙な硬さを持っていそうなクッション。両脇には幅広の肘掛けまでついている。
「……おお」
思わず感嘆の声が漏れた。恐る恐る近づき、そっと腰を下ろしてみる。
「うおっ……!?」
最高だ。なんだこの座り心地は。俺の体を優しく受け止め、包み込むような感覚。魂が安らぐとはこのことか。もう二度とここから立ち上がりたくない。
「はは……ははは! すごい、本当にすごいぞこの能力!」
俺はソファの上でごろりと寝転がり、子供のようにはしゃいだ。これさえあれば、もう何もいらないとすら思える。
いや、いる。最高のソファがあるなら、最高の環境を整えなければならない。
俺は次々と念じ始めた。
「ソファの前には、木製のローテーブル!」
ぽん、とテーブルが現れる。高さも大きさも完璧だ。
「壁際には、天井まで届く巨大な本棚! 中身は……まあ、今は空でいい」
どしん、と重厚な本棚が出現。これだけあれば、どんな魔導書でも、漫画全巻セットでも収納し放題だ。
「せっかくだからオーディオセットも。電気も無い世界だけど、最高の音質で音楽が聴きたい!」
念じると、真空管アンプを備えた、見るからに高級そうなオーディオセットが出現した。試しに「静かなクラシック」と念じると、どこから電源を取っているのか、スピーカーから澄み切った弦楽四重奏が流れ始めた。魔法ってすごい。
「ついでに、壁には巨大なディスプレイを!」
壁一面に、映画館のスクリーンのような黒い板が現れた。これも魔法で動くのだろう。今はただの黒い板だが、いつか通販で映像が見れるアイテムでも手に入れれば、最高のホームシアターになるに違いない。
ものの数分で、がらんどうだった部屋は、俺の理想が詰まった完璧なリビングへと変貌を遂げた。
「……労働からの、完全な解放だ」
ソファに深く身を沈め、目を閉じる。必要なものは、念じるだけで手に入る。前世のように、欲しいものを買うために身を粉にして働き、汗水垂らして稼いだ金でようやく手に入れる、などという苦行は一切不要。
これこそが、俺が求めていた人生。これこそが、至高の生活。
しばらく至福の時間を味わっていると、腹の虫がぐぅ、と鳴った。そういえば、転生してから何も食べていない。
これも試す時が来たようだ。
俺はローテーブルに意識を向け、前世で一度だけ食べた、あの味が忘れられない逸品を思い浮かべた。
(肉汁溢れる、厚切りのレアステーキ。ソースはオニオン醤油。付け合わせはフライドポテトと人参のグラッセ。それと、キンキンに冷えたビール!)
念じ終えた瞬間、テーブルの上に、じゅうじゅうと音を立てる鉄板に乗ったステーキセットと、グラスに注がれ見事な泡が立ったビールが出現した。立ち上る香ばしい匂いが食欲を刺激する。
「いただきます」
厳かに呟き、ナイフとフォークを手に取る。肉にナイフを入れると、赤い肉汁がじわりと溢れ出した。一口サイズに切り分け、口に運ぶ。
「……うまい!」
噛み締めるたびに、上質な赤身肉の旨味が口いっぱいに広がる。柔らかく、それでいて確かな歯ごたえ。完璧な焼き加減だ。ビールを流し込むと、喉を抜ける炭酸の刺激と麦の苦味が、肉の脂をさっぱりと洗い流してくれる。
俺は夢中で食べた。ポテトも、甘い人参も、すべてが信じられないほど美味い。
あっという間に平らげ、満腹感に満たされてソファに体を預ける。最高の食事だった。
ふと、テーブルの上の空になった皿とグラスが目に入る。そうか、後片付けがあるのか。まあ、食器を洗うくらいは仕方ないか……と思った、その時。
(いや、待てよ? 『生活必需品』を生成できるなら、『後片付け』というサービスも生成できるのでは?)
俺はダメ元で、食器に向かって念じてみた。
「片付け、完了」
すると、皿もグラスもナイフもフォークも、ふわりと光の粒子に変わり、跡形もなく消え去った。
「…………」
俺は、静かに涙を流した。
ありがとう、神様。後片付け不要。これほどまでに引きこもり向きの、素晴らしい機能があるだろうか。洗い物という、地味に面倒くさい労働からすら解放されるとは。
もはや、この家は俺にとって神殿だ。
すっかり気分が良くなった俺は、最後の仕上げに取り掛かることにした。食事の次は、当然、風呂だ。
「どうせなら、最高の風呂がいい。家の裏庭あたりに、岩造りの露天風呂を。もちろん源泉かけ流しで、湯加減は常に完璧に調整されるやつ」
そう念じると、家の構造がミシミシと音を立てて変化し、リビングの奥に新しい扉が出現した。その扉を開けると、そこは湯けむりが立ち上る脱衣所になっており、ガラス戸の向こうには、俺がイメージした通りの完璧な露天風呂が完成していた。
森の木々を眺めながら、満点の星空の下で湯に浸かることができる。まさに至高の空間だ。
早速服を脱ぎ捨て、ざぶんと湯船に体を沈める。
「……あぁぁぁ」
体の芯まで温まる、極上の湯だった。前世では、狭いユニットバスでカラスの行水をするのが精一杯だった。それに比べて、今のこの状況はなんだ。天国か。いや、天国だ。
俺はゆっくりと体を伸ばし、森の静けさに耳を澄ませた。聞こえるのは、風が木々の葉を揺らす音と、時折聞こえる鳥のさえずりだけ。人の声も、車の騒音も、上司の怒声も、なにもない。
完璧な静寂。完璧な孤独。
「最高だ……」
湯船の中で、俺は何度も呟いた。
「最高の引きこもり生活が、ついに始まったんだ」
これから始まる、誰にも邪魔されない怠惰な日々に思いを馳せる。
鳥の声と風の音だけが、彼の新しい世界のすべてだった。そしてユータにとって、それは完璧な世界だった。
重いまぶたをこじ開けると、目に飛び込んできたのは、見慣れた薄暗い自室の天井でも、殺風景なオフィスのそれとも違う、温かみのある木目の天井だった。鼻腔をくすぐるのは、消毒液の匂いではなく、新緑と土の匂いが混じったような、清々しい香り。
「……ん?」
体を起こそうとして、すぐに違和感に気づいた。背中に当たる感触が、万年床の煎餅布団とは天と地ほど違う。ふかふかで、それでいて体をしっかりと支えてくれる、極上の寝心地。シーツはさらりとしていて肌触りが最高だ。
慌てて周囲を見渡すと、そこは簡素だが清潔なベッドの上だった。俺が寝ていたのは、質素な木造家屋の一室らしい。窓の外には、鬱蒼とした、しかし陽光がきらめく美しい森が広がっていた。
「……夢、じゃないのか」
ぼんやりとした頭で、あの胡散臭い神とのやり取りを思い出す。過労死、転生、そして『絶対安全領域(マイホーム)』。
どうやら俺は本当に、異世界に来てしまったらしい。
ベッドから降り、自分の体を見下ろす。なんだか視線が少し低くなった気がする。近くにあった姿見を覗き込むと、そこに映っていたのは、見慣れた三十路の社畜の顔ではなかった。
歳は二十歳前後だろうか。黒髪に黒い瞳は変わらないが、前世の不健康そうな面影は一切ない。睡眠不足による隈も、ストレスで刻まれた眉間の皺もない。ごく普通の、健康的な青年の姿がそこにあった。これが新しい俺、『ユータ』の体か。
「若返ったところで、やることは変わらんがな」
俺の目的はただ一つ、引きこもることだ。
ひとまず、神様がくれたという我が家を確認すべく、玄関のドアを開けて外に出てみた。
目の前に広がっていたのは、こぢんまりとした庭だった。手入れはされていないが、雑草も生えておらず、清潔な土が広がっている。家の周りには、石畳でできた幅一メートルほどの小道がぐるりと敷かれており、それが敷地の境界線を示しているようだった。小道から一歩外は、もう深い森。
家そのものは、とんがり屋根の可愛らしい一軒家だ。壁は白漆喰で、柱や窓枠はダークブラウンの木材。派手さはないが、頑丈で居心地が良さそうに見える。まさに、隠れ家と呼ぶにふさわしい佇まいだった。
「さて、と」
俺は満足げに頷くと、さっさと家の中に戻った。外の空気は美味かったが、俺の居場所はここではない。外の世界なんて、どうでもいい。重要なのは、この家の中だ。
改めて室内を見渡す。
玄関を入ってすぐの場所は、リビングダイニングになっているらしかった。広さは二十畳ほどだろうか。先ほどまで俺が寝ていたベッドがポツンと置かれているだけで、他には何もない、がらんどうの空間だ。
「なるほど。ここから俺好みにカスタマイズしていくわけか」
神の言葉を思い出す。『主の思考に応じて、領域内に任意の家具、食事、その他生活必需品を無限に生成できる』。
本当だろうか。もし本当なら、まさに神の御業だ。
ごくりと唾を飲み込む。まずは何から試すべきか。引きこもり生活に必須のアイテム……そうだ、あれだ。
俺はリビングの中央あたりに意識を集中し、強く、強く念じた。
(前世の安アパートには置けなかった、革張りの、三人掛けの、ふっかふかのソファが欲しい!)
その瞬間、目の前の空間がぼんやりと光ったかと思うと、音もなく、完璧に俺の理想通りのソファが出現した。
焦げ茶色の、使い込むほど味が出そうな上質な本革。体を預ければ沈み込み、しかし腰を痛めない絶妙な硬さを持っていそうなクッション。両脇には幅広の肘掛けまでついている。
「……おお」
思わず感嘆の声が漏れた。恐る恐る近づき、そっと腰を下ろしてみる。
「うおっ……!?」
最高だ。なんだこの座り心地は。俺の体を優しく受け止め、包み込むような感覚。魂が安らぐとはこのことか。もう二度とここから立ち上がりたくない。
「はは……ははは! すごい、本当にすごいぞこの能力!」
俺はソファの上でごろりと寝転がり、子供のようにはしゃいだ。これさえあれば、もう何もいらないとすら思える。
いや、いる。最高のソファがあるなら、最高の環境を整えなければならない。
俺は次々と念じ始めた。
「ソファの前には、木製のローテーブル!」
ぽん、とテーブルが現れる。高さも大きさも完璧だ。
「壁際には、天井まで届く巨大な本棚! 中身は……まあ、今は空でいい」
どしん、と重厚な本棚が出現。これだけあれば、どんな魔導書でも、漫画全巻セットでも収納し放題だ。
「せっかくだからオーディオセットも。電気も無い世界だけど、最高の音質で音楽が聴きたい!」
念じると、真空管アンプを備えた、見るからに高級そうなオーディオセットが出現した。試しに「静かなクラシック」と念じると、どこから電源を取っているのか、スピーカーから澄み切った弦楽四重奏が流れ始めた。魔法ってすごい。
「ついでに、壁には巨大なディスプレイを!」
壁一面に、映画館のスクリーンのような黒い板が現れた。これも魔法で動くのだろう。今はただの黒い板だが、いつか通販で映像が見れるアイテムでも手に入れれば、最高のホームシアターになるに違いない。
ものの数分で、がらんどうだった部屋は、俺の理想が詰まった完璧なリビングへと変貌を遂げた。
「……労働からの、完全な解放だ」
ソファに深く身を沈め、目を閉じる。必要なものは、念じるだけで手に入る。前世のように、欲しいものを買うために身を粉にして働き、汗水垂らして稼いだ金でようやく手に入れる、などという苦行は一切不要。
これこそが、俺が求めていた人生。これこそが、至高の生活。
しばらく至福の時間を味わっていると、腹の虫がぐぅ、と鳴った。そういえば、転生してから何も食べていない。
これも試す時が来たようだ。
俺はローテーブルに意識を向け、前世で一度だけ食べた、あの味が忘れられない逸品を思い浮かべた。
(肉汁溢れる、厚切りのレアステーキ。ソースはオニオン醤油。付け合わせはフライドポテトと人参のグラッセ。それと、キンキンに冷えたビール!)
念じ終えた瞬間、テーブルの上に、じゅうじゅうと音を立てる鉄板に乗ったステーキセットと、グラスに注がれ見事な泡が立ったビールが出現した。立ち上る香ばしい匂いが食欲を刺激する。
「いただきます」
厳かに呟き、ナイフとフォークを手に取る。肉にナイフを入れると、赤い肉汁がじわりと溢れ出した。一口サイズに切り分け、口に運ぶ。
「……うまい!」
噛み締めるたびに、上質な赤身肉の旨味が口いっぱいに広がる。柔らかく、それでいて確かな歯ごたえ。完璧な焼き加減だ。ビールを流し込むと、喉を抜ける炭酸の刺激と麦の苦味が、肉の脂をさっぱりと洗い流してくれる。
俺は夢中で食べた。ポテトも、甘い人参も、すべてが信じられないほど美味い。
あっという間に平らげ、満腹感に満たされてソファに体を預ける。最高の食事だった。
ふと、テーブルの上の空になった皿とグラスが目に入る。そうか、後片付けがあるのか。まあ、食器を洗うくらいは仕方ないか……と思った、その時。
(いや、待てよ? 『生活必需品』を生成できるなら、『後片付け』というサービスも生成できるのでは?)
俺はダメ元で、食器に向かって念じてみた。
「片付け、完了」
すると、皿もグラスもナイフもフォークも、ふわりと光の粒子に変わり、跡形もなく消え去った。
「…………」
俺は、静かに涙を流した。
ありがとう、神様。後片付け不要。これほどまでに引きこもり向きの、素晴らしい機能があるだろうか。洗い物という、地味に面倒くさい労働からすら解放されるとは。
もはや、この家は俺にとって神殿だ。
すっかり気分が良くなった俺は、最後の仕上げに取り掛かることにした。食事の次は、当然、風呂だ。
「どうせなら、最高の風呂がいい。家の裏庭あたりに、岩造りの露天風呂を。もちろん源泉かけ流しで、湯加減は常に完璧に調整されるやつ」
そう念じると、家の構造がミシミシと音を立てて変化し、リビングの奥に新しい扉が出現した。その扉を開けると、そこは湯けむりが立ち上る脱衣所になっており、ガラス戸の向こうには、俺がイメージした通りの完璧な露天風呂が完成していた。
森の木々を眺めながら、満点の星空の下で湯に浸かることができる。まさに至高の空間だ。
早速服を脱ぎ捨て、ざぶんと湯船に体を沈める。
「……あぁぁぁ」
体の芯まで温まる、極上の湯だった。前世では、狭いユニットバスでカラスの行水をするのが精一杯だった。それに比べて、今のこの状況はなんだ。天国か。いや、天国だ。
俺はゆっくりと体を伸ばし、森の静けさに耳を澄ませた。聞こえるのは、風が木々の葉を揺らす音と、時折聞こえる鳥のさえずりだけ。人の声も、車の騒音も、上司の怒声も、なにもない。
完璧な静寂。完璧な孤独。
「最高だ……」
湯船の中で、俺は何度も呟いた。
「最高の引きこもり生活が、ついに始まったんだ」
これから始まる、誰にも邪魔されない怠惰な日々に思いを馳せる。
鳥の声と風の音だけが、彼の新しい世界のすべてだった。そしてユータにとって、それは完璧な世界だった。
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