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第21話 奇跡の代償と至高の癒し
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錬金工房のベッドの上で、アリアと名付けられた少女が、ゆっくりと目を開けた。
薄茶色の髪、長い睫毛に縁取られた瞳は、最初、自分がどこにいるのか分からず、不安げに揺れていた。しかし、自分の体が、まるで嘘のように軽いことに気づくと、その目に驚きと、そして歓喜の色が広がった。
「……体が、動く……。苦しく、ない……?」
ずっと彼女を苛んでいた、胸の重苦しさも、呼吸のしづらさも、綺麗さっぱり消え失せている。彼女は、恐る恐る自分の手足を動かし、そして、勢いよくベッドから起き上がった。その動きには、病の影は一片も感じられない。
「治ってる……! 私の病気、治ってる!」
少女は、その場でぴょんぴょんと飛び跳ね、自分の健康を確かめるようにくるくると回った。その無邪気な姿は、つい先ほどまで死の淵を彷徨っていたとは思えないほど、生命力に満ち溢れていた。
「よかった……! 本当によかったですわ!」
工房の入り口から様子を窺っていたリリアが、目に涙を浮かべて駆け寄ってきた。
「さあ、お腹が空いたでしょう。モカが、あなたのために栄養満点のスープを作ってくれましたよ」
リリアに手を引かれ、アリアはリビングへとやってきた。テーブルの上には、湯気の立つチキンスープと、焼きたてのパンが用意されている。
最初は遠慮がちだったアリアだが、モカに「さあ、たくさん食べて!」と優しく促され、スープを一口飲むと、そのあまりの美味しさに目を丸くした。そして、夢中になって食事を始めた。その食べっぷりは、彼女がどれだけ長い間、まともな食事を摂れていなかったかを物語っていた。
食事を終える頃には、アリアはすっかりこの家の雰囲気に馴染んでいた。リリアの膝の上で、王都の流行りのお菓子の話をし、モカのふわふわの尻尾に興味津々でじゃれつき、ピヨちゃんを追いかけてリビングをきゃっきゃと笑いながら走り回っている。
その光景は、どこにでもある、平和な家庭の日常そのものだった。
俺は、そんな賑やかな様子を、ソファの上からぼんやりと眺めていた。
「……仕事の後の一服は、美味いな」
俺は、フィーが淹れてくれた最高級の紅茶をすすりながら、満足げに呟いた。
面倒な仕事ではあったが、その対価として得た静寂と、目の前の平和な光景は、悪くない報酬だった。
「ユータさん。約束を、お忘れではありませんよね?」
紅茶を置いてくれたフィーが、眼鏡の奥の瞳をキラリと光らせて、俺に念を押してきた。
「ああ、分かってるよ。仕事の後には、ご褒美が必要だからな」
俺は、よっこいしょ、と重い腰を上げた。
「お前たち、全員、家の裏に来い。今から、約束のブツを創ってやる」
俺たちが家の裏手の広大な空き地に出ると、アリアを膝に乗せたリリアも、モカも、期待に満ちた顔で俺を見つめていた。
俺は、フィーから受け取った設計図の内容を脳内に展開し、両手を地面にかざした。
「――来たれ、癒しの郷。湧き出でよ、魔導の湯。我が領域に、至高の安息を――創造(クリエイト)!」
俺の宣言と共に、大地が轟音を立てて震え始めた。
地面が隆起し、美しい白木の柱が天に向かって伸び、重厚な瓦屋根がみるみるうちに組み上がっていく。それは、風情のある、巨大な温泉旅館そのものだった。
建物の背後には、自然の岩肌を活かした広大な岩風呂が出現し、そこへ地下から湧き出た透明な湯が、ごうごうと音を立てて注ぎ込まれていく。湯気と共に、硫黄と、そして微かな魔力の香りが辺りに立ち込めた。
数分後。
昨日までただの空き地だった場所には、誰もが息をのむほど見事な温泉郷が、完璧な形で出現していた。
「……これが……温泉……」
リリアが、呆然と呟く。
「わあ! すごい! 湯気がいっぱい!」
モカは、嬉しそうに尻尾をぱたぱたと振っている。
「完璧です……! 設計図通り、いえ、それ以上の魔力効率と空間構成! 素晴らしい!」
設計者であるフィーですら、その完璧すぎる具現化に、興奮を隠しきれない様子だった。
俺は、その見事な出来栄えに満足げに頷くと、早速、一番風呂をいただくことにした。
広々とした檜造りの内湯。窓の外には、手入れの行き届いた日本庭園まで生成されている。洗い場には、もちろん、シャンプーやボディソープも完備。俺は手早く体を清めると、ざぶん、と湯船に体を沈めた。
「……あぁぁぁ……最高だ……」
体の芯までじんわりと染み渡る、極上の温かさ。肌を優しく包み込む、滑らかな泉質。筋肉の疲労が、溶けていくように消えていく。
これが、『魔導の湯』か。まさに、至高の癒しだ。
俺が極楽気分を味わっていると、女湯の方から、きゃっきゃという賑やかな声が聞こえてきた。
リリア、モカ、フィー、そして、すっかり元気になったアリアも、温泉を満喫しているようだった。
特に、モカは水を得た魚、いや、湯を得た猫のようにはしゃいでいる。猫は水が苦手だと思っていたが、どうやら、お湯は別らしい。
しばらく内湯で温まった後、俺は露天風呂へと移動した。
自然の岩を組み合わせた野趣あふれる湯船。森の木々をすぐそこに眺めながら、満点の星空の下で湯に浸かる。聞こえるのは、風の音と、虫の鳴き声、そして、お湯が流れる心地よい音だけ。
完璧だ。これ以上の贅沢が、この世にあるだろうか。
俺は、岩に頭をもたせかけ、ゆっくりと目を閉じた。
前世の記憶が、ふと蘇る。過労で倒れる寸前、俺が心の底から願ったこと。
――休みたい。もう、なにもしたくない。誰にも邪魔されず、ただ、静かに……。
あの時の、悲痛な願いが、今、最高の形で叶えられている。
俺は、この世界に来て、本当によかったと、心の底から思った。
◇
翌日。
温泉効果で心身ともに完全にリフレッシュしたアリアを、父親の元へと返す時が来た。
対応は、もちろんフィーに丸投げだ。
家の外で、一睡もせずに待ち続けていた父親は、元気に駆け寄ってくる娘の姿を見ると、その目に涙を溢れさせ、何度も何度も、地面に額をこすりつけて感謝の言葉を述べた。
「ありがとうございます……! このご恩は、生涯……いえ、我が一族、末代まで決して忘れません!」
「主の気まぐれに感謝なさい。もう、二度とここへ来てはなりませんよ」
フィーは、代理人としての役目を完璧にこなし、冷たくそう言い放った。
父親は、何度も振り返りながら、しかし、娘の手をしっかりと握りしめ、幸せそうな顔で去っていった。
こうして、一件落着。
我が家には、また、いつも通りの静寂が戻ってくる――はずだった。
その夜。
俺は、完成したばかりの温泉に再び浸かり、極上のリラックスタイムを過ごしていた。湯船には、アヒルのおもちゃの代わりに、ピヨちゃんがぷかぷかと浮いている。
「……ああ、やっぱり家が一番だな」
俺が、心からの本音を呟いた、その時。
リビングにいるフィーから、念話が飛んできた。
『ユータさん。少々、厄介な情報が入りました』
『なんだ?』
『商人マルコが持ち帰った『生命の雫』が、王都の錬金術ギルドで解析され、その規格外の効果が貴族たちの間で大きな話題となっているようです。それに加え、原因不明の難病に苦しんでいた子爵家の令嬢アリアが、森の奥で謎の奇跡によって完治した、という噂も、瞬く間に広まっています』
『……だろうな』
予想通りの展開に、俺はため息をついた。
『問題は、その二つの噂が、魔王軍の諜報部隊の耳にも入った、ということです』
フィーの言葉に、俺の眉がぴくりと動いた。
『ディスプレイの、王都の監視映像をご覧ください。魔王軍の幹部――『炎将軍グレンデル』が、何やら密偵と接触しています』
俺は、湯船に浸かったまま、意識だけをリビングのディスプレイへと飛ばした。
そこには、全身から炎のようなオーラを放つ、禍々しい鎧に身を包んだ巨漢の魔族が映っていた。そいつが、どうやら炎将軍グレンデルらしい。
密偵からの報告を聞いたグレンデルは、にやりと、残忍な笑みを浮かべた。
『――ほう。森の奥に、奇跡を生み出す聖域、か。人間どもにしては、面白いおとぎ話だ。だが、万が一、それが真実ならば、我ら魔王様の覇道にとって、邪魔な存在となりかねん。――よし、俺が直々に、調査してやろう』
その言葉を最後に、グレンデルは炎と共にその場から姿を消した。
『……だ、そうだ』
俺は、念話を切ると、もう一度、深く、深いため息をついた。
「せっかく、最高の温泉ができたってのによ。どうして、こう、次から次へと面倒事が湧いてくるのかねぇ」
俺は、頭に乗っていたピヨちゃんを指でつつきながら、ぼやく。
ピヨちゃんは、俺の言葉が分かったのか分からないのか、ただ、「ピヨ?」と可愛らしく首を傾げるだけだった。
空には、満月が静かに輝いている。
だが、その静かな夜空の向こうから、厄介な炎の匂いが、風に乗って運ばれてくるような気がしてならなかった。
薄茶色の髪、長い睫毛に縁取られた瞳は、最初、自分がどこにいるのか分からず、不安げに揺れていた。しかし、自分の体が、まるで嘘のように軽いことに気づくと、その目に驚きと、そして歓喜の色が広がった。
「……体が、動く……。苦しく、ない……?」
ずっと彼女を苛んでいた、胸の重苦しさも、呼吸のしづらさも、綺麗さっぱり消え失せている。彼女は、恐る恐る自分の手足を動かし、そして、勢いよくベッドから起き上がった。その動きには、病の影は一片も感じられない。
「治ってる……! 私の病気、治ってる!」
少女は、その場でぴょんぴょんと飛び跳ね、自分の健康を確かめるようにくるくると回った。その無邪気な姿は、つい先ほどまで死の淵を彷徨っていたとは思えないほど、生命力に満ち溢れていた。
「よかった……! 本当によかったですわ!」
工房の入り口から様子を窺っていたリリアが、目に涙を浮かべて駆け寄ってきた。
「さあ、お腹が空いたでしょう。モカが、あなたのために栄養満点のスープを作ってくれましたよ」
リリアに手を引かれ、アリアはリビングへとやってきた。テーブルの上には、湯気の立つチキンスープと、焼きたてのパンが用意されている。
最初は遠慮がちだったアリアだが、モカに「さあ、たくさん食べて!」と優しく促され、スープを一口飲むと、そのあまりの美味しさに目を丸くした。そして、夢中になって食事を始めた。その食べっぷりは、彼女がどれだけ長い間、まともな食事を摂れていなかったかを物語っていた。
食事を終える頃には、アリアはすっかりこの家の雰囲気に馴染んでいた。リリアの膝の上で、王都の流行りのお菓子の話をし、モカのふわふわの尻尾に興味津々でじゃれつき、ピヨちゃんを追いかけてリビングをきゃっきゃと笑いながら走り回っている。
その光景は、どこにでもある、平和な家庭の日常そのものだった。
俺は、そんな賑やかな様子を、ソファの上からぼんやりと眺めていた。
「……仕事の後の一服は、美味いな」
俺は、フィーが淹れてくれた最高級の紅茶をすすりながら、満足げに呟いた。
面倒な仕事ではあったが、その対価として得た静寂と、目の前の平和な光景は、悪くない報酬だった。
「ユータさん。約束を、お忘れではありませんよね?」
紅茶を置いてくれたフィーが、眼鏡の奥の瞳をキラリと光らせて、俺に念を押してきた。
「ああ、分かってるよ。仕事の後には、ご褒美が必要だからな」
俺は、よっこいしょ、と重い腰を上げた。
「お前たち、全員、家の裏に来い。今から、約束のブツを創ってやる」
俺たちが家の裏手の広大な空き地に出ると、アリアを膝に乗せたリリアも、モカも、期待に満ちた顔で俺を見つめていた。
俺は、フィーから受け取った設計図の内容を脳内に展開し、両手を地面にかざした。
「――来たれ、癒しの郷。湧き出でよ、魔導の湯。我が領域に、至高の安息を――創造(クリエイト)!」
俺の宣言と共に、大地が轟音を立てて震え始めた。
地面が隆起し、美しい白木の柱が天に向かって伸び、重厚な瓦屋根がみるみるうちに組み上がっていく。それは、風情のある、巨大な温泉旅館そのものだった。
建物の背後には、自然の岩肌を活かした広大な岩風呂が出現し、そこへ地下から湧き出た透明な湯が、ごうごうと音を立てて注ぎ込まれていく。湯気と共に、硫黄と、そして微かな魔力の香りが辺りに立ち込めた。
数分後。
昨日までただの空き地だった場所には、誰もが息をのむほど見事な温泉郷が、完璧な形で出現していた。
「……これが……温泉……」
リリアが、呆然と呟く。
「わあ! すごい! 湯気がいっぱい!」
モカは、嬉しそうに尻尾をぱたぱたと振っている。
「完璧です……! 設計図通り、いえ、それ以上の魔力効率と空間構成! 素晴らしい!」
設計者であるフィーですら、その完璧すぎる具現化に、興奮を隠しきれない様子だった。
俺は、その見事な出来栄えに満足げに頷くと、早速、一番風呂をいただくことにした。
広々とした檜造りの内湯。窓の外には、手入れの行き届いた日本庭園まで生成されている。洗い場には、もちろん、シャンプーやボディソープも完備。俺は手早く体を清めると、ざぶん、と湯船に体を沈めた。
「……あぁぁぁ……最高だ……」
体の芯までじんわりと染み渡る、極上の温かさ。肌を優しく包み込む、滑らかな泉質。筋肉の疲労が、溶けていくように消えていく。
これが、『魔導の湯』か。まさに、至高の癒しだ。
俺が極楽気分を味わっていると、女湯の方から、きゃっきゃという賑やかな声が聞こえてきた。
リリア、モカ、フィー、そして、すっかり元気になったアリアも、温泉を満喫しているようだった。
特に、モカは水を得た魚、いや、湯を得た猫のようにはしゃいでいる。猫は水が苦手だと思っていたが、どうやら、お湯は別らしい。
しばらく内湯で温まった後、俺は露天風呂へと移動した。
自然の岩を組み合わせた野趣あふれる湯船。森の木々をすぐそこに眺めながら、満点の星空の下で湯に浸かる。聞こえるのは、風の音と、虫の鳴き声、そして、お湯が流れる心地よい音だけ。
完璧だ。これ以上の贅沢が、この世にあるだろうか。
俺は、岩に頭をもたせかけ、ゆっくりと目を閉じた。
前世の記憶が、ふと蘇る。過労で倒れる寸前、俺が心の底から願ったこと。
――休みたい。もう、なにもしたくない。誰にも邪魔されず、ただ、静かに……。
あの時の、悲痛な願いが、今、最高の形で叶えられている。
俺は、この世界に来て、本当によかったと、心の底から思った。
◇
翌日。
温泉効果で心身ともに完全にリフレッシュしたアリアを、父親の元へと返す時が来た。
対応は、もちろんフィーに丸投げだ。
家の外で、一睡もせずに待ち続けていた父親は、元気に駆け寄ってくる娘の姿を見ると、その目に涙を溢れさせ、何度も何度も、地面に額をこすりつけて感謝の言葉を述べた。
「ありがとうございます……! このご恩は、生涯……いえ、我が一族、末代まで決して忘れません!」
「主の気まぐれに感謝なさい。もう、二度とここへ来てはなりませんよ」
フィーは、代理人としての役目を完璧にこなし、冷たくそう言い放った。
父親は、何度も振り返りながら、しかし、娘の手をしっかりと握りしめ、幸せそうな顔で去っていった。
こうして、一件落着。
我が家には、また、いつも通りの静寂が戻ってくる――はずだった。
その夜。
俺は、完成したばかりの温泉に再び浸かり、極上のリラックスタイムを過ごしていた。湯船には、アヒルのおもちゃの代わりに、ピヨちゃんがぷかぷかと浮いている。
「……ああ、やっぱり家が一番だな」
俺が、心からの本音を呟いた、その時。
リビングにいるフィーから、念話が飛んできた。
『ユータさん。少々、厄介な情報が入りました』
『なんだ?』
『商人マルコが持ち帰った『生命の雫』が、王都の錬金術ギルドで解析され、その規格外の効果が貴族たちの間で大きな話題となっているようです。それに加え、原因不明の難病に苦しんでいた子爵家の令嬢アリアが、森の奥で謎の奇跡によって完治した、という噂も、瞬く間に広まっています』
『……だろうな』
予想通りの展開に、俺はため息をついた。
『問題は、その二つの噂が、魔王軍の諜報部隊の耳にも入った、ということです』
フィーの言葉に、俺の眉がぴくりと動いた。
『ディスプレイの、王都の監視映像をご覧ください。魔王軍の幹部――『炎将軍グレンデル』が、何やら密偵と接触しています』
俺は、湯船に浸かったまま、意識だけをリビングのディスプレイへと飛ばした。
そこには、全身から炎のようなオーラを放つ、禍々しい鎧に身を包んだ巨漢の魔族が映っていた。そいつが、どうやら炎将軍グレンデルらしい。
密偵からの報告を聞いたグレンデルは、にやりと、残忍な笑みを浮かべた。
『――ほう。森の奥に、奇跡を生み出す聖域、か。人間どもにしては、面白いおとぎ話だ。だが、万が一、それが真実ならば、我ら魔王様の覇道にとって、邪魔な存在となりかねん。――よし、俺が直々に、調査してやろう』
その言葉を最後に、グレンデルは炎と共にその場から姿を消した。
『……だ、そうだ』
俺は、念話を切ると、もう一度、深く、深いため息をついた。
「せっかく、最高の温泉ができたってのによ。どうして、こう、次から次へと面倒事が湧いてくるのかねぇ」
俺は、頭に乗っていたピヨちゃんを指でつつきながら、ぼやく。
ピヨちゃんは、俺の言葉が分かったのか分からないのか、ただ、「ピヨ?」と可愛らしく首を傾げるだけだった。
空には、満月が静かに輝いている。
だが、その静かな夜空の向こうから、厄介な炎の匂いが、風に乗って運ばれてくるような気がしてならなかった。
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