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第27話 Aランク冒険者のおもてなし
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「――では、行ってまいります」
「――お任せください」
リリアとフィーは、俺の短い指示を受け、静かに、しかし確かな覚悟を持って頷き合うと、玄関のドアへと向かった。
リリアは、もはや彼女の象徴となった黄金の鎧と白銀の盾を身につけてはいない。動きやすい平服に、腰に『静寂を護る剣』を差しただけの、軽装だ。だが、その佇まいは、そこらの騎士など比較にならないほどの、静かな圧を放っている。
フィーもまた、いつもの研究着姿だ。だが、その額には『賢者のサークレット』が輝き、その瞳は、森羅万象を見通すかのように、深く澄み切っていた。
俺が創り上げた、二人の『賢者の代理人』。彼女たちが、初めて、本格的にその力を示す時が来た。
「ご、ご主人様……。あの人たち、怖そうです……」
モカだけが、不安そうに俺の服の袖を掴んでいる。俺は、彼女の頭を優しく撫でてやった。
「大丈夫だ。ちょっとうるさい客を、追い返しに行くだけだ。すぐに終わる」
俺の言葉に、モカは少しだけ安心したように頷いた。
◇
家の前で、退屈そうに待っていた『赤き獅子の牙』のメンバーたちの前に、二人の女性が、静かに姿を現した。
一人は、王族と見紛うほどの気品を漂わせる、金髪の美少女。
もう一人は、森の賢者のような、神秘的な雰囲気を持つ、銀髪のエルフ。
その、あまりにも場違いで、そしてあまりにも美しい二人の登場に、冒険者たちは一瞬、言葉を失った。
「……なんだ、てめえらは。賢者の家の、小間使いか?」
最初に口を開いたのは、パーティの魔法使いらしき、痩せた男だった。その声には、侮りと、品定めするような、いやらしい響きが混じっている。
その無礼な言葉に、フィーは、表情一つ変えずに答えた。
「わたくしたちは、この家の主に仕える、代理人です。あなた方、『赤き獅子の牙』に、どのようなご用件でしょうか」
その落ち着き払った態度に、リーダーの『赤髪のガイオン』が、面白そうに眉を上げた。
「ほう、代理人ねえ。まあ、いい。俺たちは、この家に住むという賢者様に、腕試しの手合わせを願いたくて来た。もし、俺たちが勝ったら、その力の秘密を教えてもらう。もし、俺たちが負けたら、あんたらの言うことを、何でも一つ聞こう。どうだ、悪い話じゃないだろう?」
その提案は、あまりにも傲慢で、一方的なものだった。彼らは、自分たちが負ける可能性など、微塵も考えていないのだ。
リリアが、その不遜な態度に、カッと眉を吊り上げた。
「無礼な! 主にまみえるどころか、そのお名前を口にすることすら、あなた方には百万年早いですわ!」
リ-157-リアの、凛とした声が、森に響き渡る。その声には、彼女の鎧がなくとも、人を圧倒する『王の威光』の片鱗が宿っていた。
その威圧に、並の冒険者なら気圧されるところだろう。だが、ガイオンは、にやりと笑みを深めるだけだった。
「威勢のいいお嬢ちゃんだ。気に入った。じゃあ、こうしよう。まずは、あんたら代理人が、俺たちの相手をしろ。もし、あんたらが俺たちに膝をつかせることができたら、賢者様への謁見も考えなくもない。どうだ?」
それは、彼らなりの、最大限の譲歩のつもりだったのだろう。
だが、その言葉を聞いたフィーは、ふっ、と、まるで可哀想なものを見るかのように、小さく息を漏らした。
「……よろしいのですか? 今、あなた方は、とんでもない過ちを犯しましたよ」
「ああん?」
「わたくしたちを、ただの代理人だと、侮ったこと。それが、あなた方の、命取りになるかもしれません」
フィーの、静かな警告。
だが、ガイオンは、それをただの強がりと受け取った。
「はっ! 面白い冗談だ! やってやろうじゃねえか! おい、お前ら、準備しろ!」
ガイオンの号令一下、パーティのメンバーが、それぞれ武器を構え、戦闘態勢に入る。
重戦士が、巨大な戦斧(バトルアックス)を肩に担ぐ。
魔法使いが、呪文の詠唱を始める。
盗賊が、腰の短剣に手をかけ、姿を消す。
そして、リーダーのガイオンが、背負っていた巨大な両手剣(クレイモア)を、地面に突き立てた。
Aランク冒険者パーティ『赤き獅子の牙』。その全力の戦闘態勢が放つプレッシャーは、凄まじいものがあった。
だが、リリアとフィーは、微動だにしない。
リリアは、静かに、腰の『静寂を護る剣』の柄に手をかけた。
フィーは、ただ、眼鏡の奥の瞳を、冷ややかに細めるだけだった。
「――では、賢者の家の『おもてなし』を、存分に味わっていただくとしましょう」
◇
「いいか、お前ら! あのエルフの女は俺がやる! お前らは、金髪の嬢ちゃんを、殺さない程度に痛めつけてやれ!」
ガイオンの、自信に満ちた声が響く。
その瞬間、戦いの火蓋は切って落とされた。
「おおおおお!」
重戦士が、地響きを立ててリリアに突進し、巨大な戦斧を振り下ろす。山をも砕くかのような、豪快な一撃。
リリアは、その攻撃を、避けるそぶりすら見せない。
ただ、静かに剣を抜き放ち、その刃で、振り下ろされる戦斧を、正面から受け止めた。
キイイイイイイン!
甲高い金属音が、森にこだまする。
信じられない光景だった。
あれほど巨大な戦斧の一撃を、リリアは、その華奢な体と、細い剣一本で、完全に、完璧に、受け止めてみせたのだ。
「なっ……!?」
重戦士の目が、驚愕に見開かれる。
「そ、そんな馬鹿な! 俺の渾身の一撃を、片手で……!?」
「……あなたの力は、その程度ですか?」
リリアは、冷たく、言い放った。
そして、次の瞬間。彼女の剣が、閃光のように煌めいた。
重戦士の巨大な戦斧が、まるでバターのように、あっけなく、真っ二つに断ち切られていた。
「あ……ああ……」
自慢の武器を失い、呆然と立ち尽くす重戦士。
リリアは、そんな彼に目もくれず、次の標的へと視線を移した。
その間、フィーにも、残りの二人が襲いかかっていた。
「――『炎の矢(ファイア・アロー)』! 『氷の槍(アイス・ランス)』!」
魔法使いが、複数の魔法を同時に放つ。炎と氷の矢が、複雑な軌道を描きながら、フィーへと殺到する。
それと同時に、気配を消していた盗賊が、フィーの背後に音もなく現れ、毒を塗った短剣を、その首筋めがけて突き出した。
挟撃。完璧な連携攻撃。
だが。
「――『絶対反射(リフレクション)』」
フィーは、ただ、一言、静かに呟いただけだった。
その瞬間、彼女の周囲の空間が、鏡のように歪んだ。
殺到した炎と氷の魔法は、すべて、その歪んだ空間に触れた瞬間に軌道を変え、あらぬ方向へと逸れていく。一部は、詠唱した魔法使い自身へと跳ね返り、彼を悲鳴と共に吹き飛ばした。
背後から迫っていた盗賊の短剣もまた、見えない壁に阻まれ、カキン、という音を立てて弾かれる。
「な、なんだと!? 俺のステルスが、見破られて……!?」
盗賊が、驚愕に目を見開く。
「見えている、のではありませんよ」
フィーは、ゆっくりと、振り返った。その額のサークレットが、妖しい光を放っている。
「『わかっている』のです。あなたが、どこにいて、何をしようとしているのか。その思考の、一から十まで、すべて」
その言葉は、盗賊の心を、根源的な恐怖で凍りつかせた。
「ひっ……!」
盗賊は、戦意を喪失し、その場から逃げ出そうとした。
だが、それよりも早く、フィーの冷たい声が響く。
「――『重力牢獄(グラビティ・ジェイル)』」
逃げようとした盗賊の体が、突然、鉛のように重くなり、地面に縫い付けられたように動けなくなった。凄まじい重力が、彼の全身を押し潰さんと、軋ませる。
「ぐ……ぎぎぎ……!」
盗賊は、みっともない悲鳴を上げながら、地面に突っ伏した。
Aランクパーティの、魔法使いと盗賊が、指一本触れられることなく、無力化された瞬間だった。
「……ほう。なるほどな」
リーダーのガイオンだけが、その信じられない光景を、冷静に、しかし、高揚した表情で見つめていた。
「どうやら、ただの小間使いじゃねえらしい。面白い。実に、面白いじゃねえか!」
彼は、地面に突き立てていたクレイモアを引き抜くと、その切っ先を、フィーに向けた。
「てめえ、俺が相手をしてやる。久しぶりに、血が滾ってきたぜ!」
ガイオンの体から、竜殺しの異名に違わぬ、凄まじい闘気が立ち上る。
だが、フィーは、そんな彼を、冷たい目で見下ろすだけだった。
「……あなたでは、わたくしの相手にもなりませんよ」
そして、フィーは、ゆっくりと、ガイオンの背後――重戦士を無力化したリリアの方へと、視線を移した。
「――リリアさん。この男、あなたに差し上げます。存分に、いたぶって差し上げなさい」
その言葉は、絶対的な強者だけが言える、究極の侮辱。
ガイオンの顔から、笑みが、消えた。
彼のプライドは、今、ズタズタに引き裂かれた。
「……てめえら……絶対に、後悔させてやる……!」
怒りに燃える竜殺しと、静かに剣を構える黄金の騎士。
勝負は、まだ、始まったばかりだった。
「――お任せください」
リリアとフィーは、俺の短い指示を受け、静かに、しかし確かな覚悟を持って頷き合うと、玄関のドアへと向かった。
リリアは、もはや彼女の象徴となった黄金の鎧と白銀の盾を身につけてはいない。動きやすい平服に、腰に『静寂を護る剣』を差しただけの、軽装だ。だが、その佇まいは、そこらの騎士など比較にならないほどの、静かな圧を放っている。
フィーもまた、いつもの研究着姿だ。だが、その額には『賢者のサークレット』が輝き、その瞳は、森羅万象を見通すかのように、深く澄み切っていた。
俺が創り上げた、二人の『賢者の代理人』。彼女たちが、初めて、本格的にその力を示す時が来た。
「ご、ご主人様……。あの人たち、怖そうです……」
モカだけが、不安そうに俺の服の袖を掴んでいる。俺は、彼女の頭を優しく撫でてやった。
「大丈夫だ。ちょっとうるさい客を、追い返しに行くだけだ。すぐに終わる」
俺の言葉に、モカは少しだけ安心したように頷いた。
◇
家の前で、退屈そうに待っていた『赤き獅子の牙』のメンバーたちの前に、二人の女性が、静かに姿を現した。
一人は、王族と見紛うほどの気品を漂わせる、金髪の美少女。
もう一人は、森の賢者のような、神秘的な雰囲気を持つ、銀髪のエルフ。
その、あまりにも場違いで、そしてあまりにも美しい二人の登場に、冒険者たちは一瞬、言葉を失った。
「……なんだ、てめえらは。賢者の家の、小間使いか?」
最初に口を開いたのは、パーティの魔法使いらしき、痩せた男だった。その声には、侮りと、品定めするような、いやらしい響きが混じっている。
その無礼な言葉に、フィーは、表情一つ変えずに答えた。
「わたくしたちは、この家の主に仕える、代理人です。あなた方、『赤き獅子の牙』に、どのようなご用件でしょうか」
その落ち着き払った態度に、リーダーの『赤髪のガイオン』が、面白そうに眉を上げた。
「ほう、代理人ねえ。まあ、いい。俺たちは、この家に住むという賢者様に、腕試しの手合わせを願いたくて来た。もし、俺たちが勝ったら、その力の秘密を教えてもらう。もし、俺たちが負けたら、あんたらの言うことを、何でも一つ聞こう。どうだ、悪い話じゃないだろう?」
その提案は、あまりにも傲慢で、一方的なものだった。彼らは、自分たちが負ける可能性など、微塵も考えていないのだ。
リリアが、その不遜な態度に、カッと眉を吊り上げた。
「無礼な! 主にまみえるどころか、そのお名前を口にすることすら、あなた方には百万年早いですわ!」
リ-157-リアの、凛とした声が、森に響き渡る。その声には、彼女の鎧がなくとも、人を圧倒する『王の威光』の片鱗が宿っていた。
その威圧に、並の冒険者なら気圧されるところだろう。だが、ガイオンは、にやりと笑みを深めるだけだった。
「威勢のいいお嬢ちゃんだ。気に入った。じゃあ、こうしよう。まずは、あんたら代理人が、俺たちの相手をしろ。もし、あんたらが俺たちに膝をつかせることができたら、賢者様への謁見も考えなくもない。どうだ?」
それは、彼らなりの、最大限の譲歩のつもりだったのだろう。
だが、その言葉を聞いたフィーは、ふっ、と、まるで可哀想なものを見るかのように、小さく息を漏らした。
「……よろしいのですか? 今、あなた方は、とんでもない過ちを犯しましたよ」
「ああん?」
「わたくしたちを、ただの代理人だと、侮ったこと。それが、あなた方の、命取りになるかもしれません」
フィーの、静かな警告。
だが、ガイオンは、それをただの強がりと受け取った。
「はっ! 面白い冗談だ! やってやろうじゃねえか! おい、お前ら、準備しろ!」
ガイオンの号令一下、パーティのメンバーが、それぞれ武器を構え、戦闘態勢に入る。
重戦士が、巨大な戦斧(バトルアックス)を肩に担ぐ。
魔法使いが、呪文の詠唱を始める。
盗賊が、腰の短剣に手をかけ、姿を消す。
そして、リーダーのガイオンが、背負っていた巨大な両手剣(クレイモア)を、地面に突き立てた。
Aランク冒険者パーティ『赤き獅子の牙』。その全力の戦闘態勢が放つプレッシャーは、凄まじいものがあった。
だが、リリアとフィーは、微動だにしない。
リリアは、静かに、腰の『静寂を護る剣』の柄に手をかけた。
フィーは、ただ、眼鏡の奥の瞳を、冷ややかに細めるだけだった。
「――では、賢者の家の『おもてなし』を、存分に味わっていただくとしましょう」
◇
「いいか、お前ら! あのエルフの女は俺がやる! お前らは、金髪の嬢ちゃんを、殺さない程度に痛めつけてやれ!」
ガイオンの、自信に満ちた声が響く。
その瞬間、戦いの火蓋は切って落とされた。
「おおおおお!」
重戦士が、地響きを立ててリリアに突進し、巨大な戦斧を振り下ろす。山をも砕くかのような、豪快な一撃。
リリアは、その攻撃を、避けるそぶりすら見せない。
ただ、静かに剣を抜き放ち、その刃で、振り下ろされる戦斧を、正面から受け止めた。
キイイイイイイン!
甲高い金属音が、森にこだまする。
信じられない光景だった。
あれほど巨大な戦斧の一撃を、リリアは、その華奢な体と、細い剣一本で、完全に、完璧に、受け止めてみせたのだ。
「なっ……!?」
重戦士の目が、驚愕に見開かれる。
「そ、そんな馬鹿な! 俺の渾身の一撃を、片手で……!?」
「……あなたの力は、その程度ですか?」
リリアは、冷たく、言い放った。
そして、次の瞬間。彼女の剣が、閃光のように煌めいた。
重戦士の巨大な戦斧が、まるでバターのように、あっけなく、真っ二つに断ち切られていた。
「あ……ああ……」
自慢の武器を失い、呆然と立ち尽くす重戦士。
リリアは、そんな彼に目もくれず、次の標的へと視線を移した。
その間、フィーにも、残りの二人が襲いかかっていた。
「――『炎の矢(ファイア・アロー)』! 『氷の槍(アイス・ランス)』!」
魔法使いが、複数の魔法を同時に放つ。炎と氷の矢が、複雑な軌道を描きながら、フィーへと殺到する。
それと同時に、気配を消していた盗賊が、フィーの背後に音もなく現れ、毒を塗った短剣を、その首筋めがけて突き出した。
挟撃。完璧な連携攻撃。
だが。
「――『絶対反射(リフレクション)』」
フィーは、ただ、一言、静かに呟いただけだった。
その瞬間、彼女の周囲の空間が、鏡のように歪んだ。
殺到した炎と氷の魔法は、すべて、その歪んだ空間に触れた瞬間に軌道を変え、あらぬ方向へと逸れていく。一部は、詠唱した魔法使い自身へと跳ね返り、彼を悲鳴と共に吹き飛ばした。
背後から迫っていた盗賊の短剣もまた、見えない壁に阻まれ、カキン、という音を立てて弾かれる。
「な、なんだと!? 俺のステルスが、見破られて……!?」
盗賊が、驚愕に目を見開く。
「見えている、のではありませんよ」
フィーは、ゆっくりと、振り返った。その額のサークレットが、妖しい光を放っている。
「『わかっている』のです。あなたが、どこにいて、何をしようとしているのか。その思考の、一から十まで、すべて」
その言葉は、盗賊の心を、根源的な恐怖で凍りつかせた。
「ひっ……!」
盗賊は、戦意を喪失し、その場から逃げ出そうとした。
だが、それよりも早く、フィーの冷たい声が響く。
「――『重力牢獄(グラビティ・ジェイル)』」
逃げようとした盗賊の体が、突然、鉛のように重くなり、地面に縫い付けられたように動けなくなった。凄まじい重力が、彼の全身を押し潰さんと、軋ませる。
「ぐ……ぎぎぎ……!」
盗賊は、みっともない悲鳴を上げながら、地面に突っ伏した。
Aランクパーティの、魔法使いと盗賊が、指一本触れられることなく、無力化された瞬間だった。
「……ほう。なるほどな」
リーダーのガイオンだけが、その信じられない光景を、冷静に、しかし、高揚した表情で見つめていた。
「どうやら、ただの小間使いじゃねえらしい。面白い。実に、面白いじゃねえか!」
彼は、地面に突き立てていたクレイモアを引き抜くと、その切っ先を、フィーに向けた。
「てめえ、俺が相手をしてやる。久しぶりに、血が滾ってきたぜ!」
ガイオンの体から、竜殺しの異名に違わぬ、凄まじい闘気が立ち上る。
だが、フィーは、そんな彼を、冷たい目で見下ろすだけだった。
「……あなたでは、わたくしの相手にもなりませんよ」
そして、フィーは、ゆっくりと、ガイオンの背後――重戦士を無力化したリリアの方へと、視線を移した。
「――リリアさん。この男、あなたに差し上げます。存分に、いたぶって差し上げなさい」
その言葉は、絶対的な強者だけが言える、究極の侮辱。
ガイオンの顔から、笑みが、消えた。
彼のプライドは、今、ズタズタに引き裂かれた。
「……てめえら……絶対に、後悔させてやる……!」
怒りに燃える竜殺しと、静かに剣を構える黄金の騎士。
勝負は、まだ、始まったばかりだった。
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