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第11話
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宇宙船『アルテミス』は、数日間の航行を経て、ついに帝国の首都星アストリアへと到着した。
大和は船の展望ラウンジの窓から、その光景を呆然と眺めていた。
眼下に広がるのは、一つの巨大な都市で形成された惑星だった。幾重にも重なるリング状の建造物が大気を貫き、その間を無数の小型艇が光の川となって流れている。白亜の塔が雲を突き抜け、夜空には人工の月がいくつも浮かび、柔らかな光を地上に投げかけていた。想像を絶する、壮麗な未来都市。
「すごい……」
思わず漏れた感嘆の呟きは、偽らざる本心だった。地球のどんな大都市も、このアストリアの前では小さな村に思えてしまうだろう。
「ここが、我がアストレア銀河帝国の心臓部、帝都アストリアです」
隣に立ったエリアーナが、誇らしげにそう言った。彼女の顔色は以前よりずっと良く、その瞳は故郷への帰還と、隣に立つ男への期待で輝いていた。
船がゆっくりと降下し、巨大な宇宙港のドックに着陸する。やがて、船体の軽い振動が止まり、タラップが下ろされる音が響いた。
「さあ、ヤマト様。参りましょう。帝国の民が、あなた様の凱旋を心待ちにしています」
「がいせん……って、俺は戦ってたわけじゃ……」
大和の弱々しい反論は、エリアーナの満面の笑みの前では意味をなさなかった。ゼノに促され、彼はまるで処刑台にでも向かうかのような重い足取りで、タラップへと歩を進める。
そして、船外へと一歩足を踏み出した瞬間。
「「「英雄ヤマト様、万歳! テラノイド万歳!」」」
割れんばかりの、地鳴りのような大歓声が彼を包み込んだ。
目の前に広がっていたのは、見渡す限りの人、人、人。宇宙港の広場を埋め尽くした数十万の民衆が、皆一様にこちらへ向かって手を振り、熱狂的な声を張り上げている。色とりどりの紙吹雪が舞い、楽団が高らかに凱旋のファンファーレを奏でていた。
広場のあちこちには、『救国の英雄ヤマト様』『伝説の再来』『ありがとうテラノイド!』といった言葉が躍る巨大な横断幕やプラカードが掲げられている。
「…………え? なにこれ?」
大和は、目の前の光景が理解できず、完全に思考が停止した。自分はただ、しつこいセールスを追い払ったくらいの感覚でいただけなのに、なぜこんな国家的な歓迎を受けているのか。
「ヤマト様、こちらへ」
エリアーナに優しく手を引かれ、大和は夢遊病者のように歩き出す。彼らのために用意されていたのは、きらびやかな装飾が施されたオープンタイプのフロートだった。それに乗り込むと、フロートはゆっくりと動き出し、民衆が作る花道をパレードのように進み始めた。
「ヤマト様ー!」
「こっちを向いてください!」
民衆の熱狂は、彼が手を振るわけでもなく、ただ呆然と立ち尽くしているだけで、さらに燃え上がっていく。
「なんと奥ゆかしい……」
「あれぞ伝説の種族の風格!」
そんな好意的な解釈がされているとは、もちろん大和は知らない。
彼はただ、引きつった笑みを浮かべながら、必死に状況を理解しようと努めていた。
(帰りたい……。日本に帰って、いつもの丘で、静かに星が見たい……)
勘違いされた英雄の、受難に満ちた帝都生活は、こうして最悪の形で幕を開けたのだった。
大和は船の展望ラウンジの窓から、その光景を呆然と眺めていた。
眼下に広がるのは、一つの巨大な都市で形成された惑星だった。幾重にも重なるリング状の建造物が大気を貫き、その間を無数の小型艇が光の川となって流れている。白亜の塔が雲を突き抜け、夜空には人工の月がいくつも浮かび、柔らかな光を地上に投げかけていた。想像を絶する、壮麗な未来都市。
「すごい……」
思わず漏れた感嘆の呟きは、偽らざる本心だった。地球のどんな大都市も、このアストリアの前では小さな村に思えてしまうだろう。
「ここが、我がアストレア銀河帝国の心臓部、帝都アストリアです」
隣に立ったエリアーナが、誇らしげにそう言った。彼女の顔色は以前よりずっと良く、その瞳は故郷への帰還と、隣に立つ男への期待で輝いていた。
船がゆっくりと降下し、巨大な宇宙港のドックに着陸する。やがて、船体の軽い振動が止まり、タラップが下ろされる音が響いた。
「さあ、ヤマト様。参りましょう。帝国の民が、あなた様の凱旋を心待ちにしています」
「がいせん……って、俺は戦ってたわけじゃ……」
大和の弱々しい反論は、エリアーナの満面の笑みの前では意味をなさなかった。ゼノに促され、彼はまるで処刑台にでも向かうかのような重い足取りで、タラップへと歩を進める。
そして、船外へと一歩足を踏み出した瞬間。
「「「英雄ヤマト様、万歳! テラノイド万歳!」」」
割れんばかりの、地鳴りのような大歓声が彼を包み込んだ。
目の前に広がっていたのは、見渡す限りの人、人、人。宇宙港の広場を埋め尽くした数十万の民衆が、皆一様にこちらへ向かって手を振り、熱狂的な声を張り上げている。色とりどりの紙吹雪が舞い、楽団が高らかに凱旋のファンファーレを奏でていた。
広場のあちこちには、『救国の英雄ヤマト様』『伝説の再来』『ありがとうテラノイド!』といった言葉が躍る巨大な横断幕やプラカードが掲げられている。
「…………え? なにこれ?」
大和は、目の前の光景が理解できず、完全に思考が停止した。自分はただ、しつこいセールスを追い払ったくらいの感覚でいただけなのに、なぜこんな国家的な歓迎を受けているのか。
「ヤマト様、こちらへ」
エリアーナに優しく手を引かれ、大和は夢遊病者のように歩き出す。彼らのために用意されていたのは、きらびやかな装飾が施されたオープンタイプのフロートだった。それに乗り込むと、フロートはゆっくりと動き出し、民衆が作る花道をパレードのように進み始めた。
「ヤマト様ー!」
「こっちを向いてください!」
民衆の熱狂は、彼が手を振るわけでもなく、ただ呆然と立ち尽くしているだけで、さらに燃え上がっていく。
「なんと奥ゆかしい……」
「あれぞ伝説の種族の風格!」
そんな好意的な解釈がされているとは、もちろん大和は知らない。
彼はただ、引きつった笑みを浮かべながら、必死に状況を理解しようと努めていた。
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