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第41話
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空が、燃えていた。
ほんの数十分前まで、どこまでも青く澄み渡っていた帝都の空は、今や黒煙と閃光に覆い尽くされている。
皇宮の司令室は、断続的な衝撃と、鳴り響く警報、そしてオペレーターたちの絶望的な報告によって、地獄の様相を呈していた。
「東ウイング、大破! 防衛部隊、全滅しました!」
「通信施設、完全に沈黙! 外部との連絡手段、断たれる!」
「エネルギー供給ラインが次々と切断されています! 皇宮のシールド維持、あと10分も持ちません!」
窓の外では、ヴァリウス派の戦闘機が、まるで獰猛な蜂の群れのように皇宮の上空を飛び交い、容赦のない機銃掃射を繰り返している。地上では、降下した反乱軍の兵士たちが、皇宮の各施設へと殺到していた。最新鋭の装甲兵器を先頭に、その進撃を阻むものはいない。
「くそっ……!」
ゼノは、壁に拳を叩きつけた。
近衛騎士団は、確かに帝国の精鋭だ。だが、その数も装備も、この圧倒的な物量の前ではあまりにも無力だった。騎士たちが勇敢に戦えば戦うほど、その命は無慈悲に刈り取られていく。
このクーデターは、あまりにも周到に準備されていた。
防衛網の無力化、通信の遮断、そして何より、「静寂の日」という最悪のタイミング。全てが、ヴァリウスの描いた筋書き通りに進んでいた。
帝都の各所に配置されていた治安維持部隊も、ヴァリウス派の将軍たちによって、そのほとんどが掌握されていた。彼らは、反乱軍の進攻を黙認、あるいは積極的に支援し、帝都の主要施設――放送局、エネルギー供給プラント、宇宙港――は、戦闘が始まって一時間も経たないうちに、次々と反乱軍の手に落ちていった。
帝都アストリアは、完全に孤立したのだ。
皇宮は、敵性勢力の海に浮かぶ、一隻の孤島と化した。
大和は、その惨状を、司令室の隅でただ立ち尽くして見ていた。
爆音、怒号、悲鳴。人の命が、まるで消耗品のように消えていく。
地球で生きてきた彼の日常とは、あまりにもかけ離れた現実。あまりにも、理不尽な暴力。
(なんで……)
彼の脳裏に、孤児院で無邪気に笑っていた子供たちの顔が浮かんだ。
市場で活気よく働いていた人々の顔が浮かんだ。
そして、自分のために一生懸命になってくれた、エリアーナの顔が。
彼女は、今、大和の隣で、唇を強く噛み締め、必死に涙をこらえている。その小さな肩が、恐怖と悲しみで微かに震えていた。
(なんで、この子たちが、こんな目に……)
無力感が、怒りへと、ゆっくりと、しかし確実に変わっていくのを、大和は感じていた。
それは、まだ形を成さない、熱いマグマのような感情だった。
ゴオオオォォン!
ひときわ大きな爆発が、司令室のすぐ近くで起こった。
凄まじい衝撃波が壁を揺らし、天井の照明が砕け散って、室内は暗闇と非常灯の赤い光に包まれた。
エリアーナが、短い悲鳴を上げてよろめく。
大和は、咄嗟に彼女の腕を掴み、自分の背後へと引き寄せた。
その時、彼の目に映ったのは、崩れ落ちた壁の向こう、炎に照らされた反乱軍兵士たちの、無慈悲な姿だった。
ほんの数十分前まで、どこまでも青く澄み渡っていた帝都の空は、今や黒煙と閃光に覆い尽くされている。
皇宮の司令室は、断続的な衝撃と、鳴り響く警報、そしてオペレーターたちの絶望的な報告によって、地獄の様相を呈していた。
「東ウイング、大破! 防衛部隊、全滅しました!」
「通信施設、完全に沈黙! 外部との連絡手段、断たれる!」
「エネルギー供給ラインが次々と切断されています! 皇宮のシールド維持、あと10分も持ちません!」
窓の外では、ヴァリウス派の戦闘機が、まるで獰猛な蜂の群れのように皇宮の上空を飛び交い、容赦のない機銃掃射を繰り返している。地上では、降下した反乱軍の兵士たちが、皇宮の各施設へと殺到していた。最新鋭の装甲兵器を先頭に、その進撃を阻むものはいない。
「くそっ……!」
ゼノは、壁に拳を叩きつけた。
近衛騎士団は、確かに帝国の精鋭だ。だが、その数も装備も、この圧倒的な物量の前ではあまりにも無力だった。騎士たちが勇敢に戦えば戦うほど、その命は無慈悲に刈り取られていく。
このクーデターは、あまりにも周到に準備されていた。
防衛網の無力化、通信の遮断、そして何より、「静寂の日」という最悪のタイミング。全てが、ヴァリウスの描いた筋書き通りに進んでいた。
帝都の各所に配置されていた治安維持部隊も、ヴァリウス派の将軍たちによって、そのほとんどが掌握されていた。彼らは、反乱軍の進攻を黙認、あるいは積極的に支援し、帝都の主要施設――放送局、エネルギー供給プラント、宇宙港――は、戦闘が始まって一時間も経たないうちに、次々と反乱軍の手に落ちていった。
帝都アストリアは、完全に孤立したのだ。
皇宮は、敵性勢力の海に浮かぶ、一隻の孤島と化した。
大和は、その惨状を、司令室の隅でただ立ち尽くして見ていた。
爆音、怒号、悲鳴。人の命が、まるで消耗品のように消えていく。
地球で生きてきた彼の日常とは、あまりにもかけ離れた現実。あまりにも、理不尽な暴力。
(なんで……)
彼の脳裏に、孤児院で無邪気に笑っていた子供たちの顔が浮かんだ。
市場で活気よく働いていた人々の顔が浮かんだ。
そして、自分のために一生懸命になってくれた、エリアーナの顔が。
彼女は、今、大和の隣で、唇を強く噛み締め、必死に涙をこらえている。その小さな肩が、恐怖と悲しみで微かに震えていた。
(なんで、この子たちが、こんな目に……)
無力感が、怒りへと、ゆっくりと、しかし確実に変わっていくのを、大和は感じていた。
それは、まだ形を成さない、熱いマグマのような感情だった。
ゴオオオォォン!
ひときわ大きな爆発が、司令室のすぐ近くで起こった。
凄まじい衝撃波が壁を揺らし、天井の照明が砕け散って、室内は暗闇と非常灯の赤い光に包まれた。
エリアーナが、短い悲鳴を上げてよろめく。
大和は、咄嗟に彼女の腕を掴み、自分の背後へと引き寄せた。
その時、彼の目に映ったのは、崩れ落ちた壁の向こう、炎に照らされた反乱軍兵士たちの、無慈悲な姿だった。
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