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第48話
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閃光弾によって狙撃部隊を無力化した大和は、皇宮中央塔へと続く最後のエリアに到達した。
そこは、皇族が式典などで使用する、広大なパレード用の道路だった。見通しが良く、隠れる場所もほとんどない。
そして、その道の先には、一体の巨大な兵器が立ち塞がっていた。
それは、ヴァリウス派が切り札として持ち込んだ、最新鋭の四足歩行型重戦車『ベヒモス』だった。全長は30メートルを超え、その巨体には、大型の主砲だけでなく、無数のミサイルランチャーやガトリング砲が搭載されている。まさに、移動要塞と呼ぶにふさわしい威容だ。
「目標、ヤマトを補足! 主砲、エネルギー充填開始!」
ベヒモスのコクピットで、パイロットが叫ぶ。
主砲の先端に、蒼白い光が渦を巻くように収束していく。
あれをまともに食らえば、いくら大和でもただでは済まないかもしれない。少なくとも、彼はそう判断した。
(真正面からぶつかるのは、さすがにマズいか)
大和は、周囲の地形を素早く観察した。
パレード用の道路の両脇には、貴族の像が等間隔で並んだ回廊や、装飾用のアーチがいくつも設置されている。それらは、戦闘を想定していないため、構造的に複雑で、そして脆そうだった。
彼の脳裏に、地球のテレビ番組でよく見た、ある光景が浮かんだ。
アスレチックコースを、参加者が様々な障害物をクリアしながら駆け抜けていく、あの番組。
(……障害物競走、やるか)
大和は、ニヤリと笑うと、ベヒモスに背を向け、回廊の中へと駆け込んだ。
「何!? 逃げる気か!」
「追え! 逃がすな!」
パイロットは、ヤマトが恐怖を感じて逃げ出したと判断した。
ベヒモスは、巨体に似合わぬ機敏さで方向転換すると、大和を追って回廊地帯へと足を踏み入れる。
それが、大和の狙いだった。
入り組んだ回廊の中では、ベヒモスの巨体は、完全な足枷となった。
小回りが利かず、その巨体で自ら設置した像や柱をなぎ倒していく。
「くそっ、邪魔だ!」
パイロットが悪態をつく。
その間にも、大和は、まるでパルクール選手のように、壁を蹴り、柱を飛び移り、軽々と移動していく。
そして、時折、ベヒモスの死角から姿を現すと、近くの柱やアーチの根本を、蹴り一発で破壊した。
「そらよっと」
ドゴォォン!
根本を破壊された巨大な石の柱が、バランスを崩し、ベヒモスの頭上へと倒れ込んでいく。
「うわっ!?」
パイロットは、慌てて機体を後退させる。
だが、その進路を塞ぐように、今度は別の場所で破壊されたアーチの残骸が降り注ぐ。
大和は、ただ地形を利用し、ひたすら障害物を作っているだけだった。
地球の子供の遊びのような、単純な戦術。
しかし、その単純な戦術が、最新鋭の巨大兵器を完全に翻弄していた。
ベヒモスは、自慢の火器を撃つことすらできない。下手に撃てば、周囲の瓦礫を誘爆させ、自分も巻き込まれかねないからだ。
「どこだ! ヤマトはどこにいる!?」
パイロットが、焦りの声を上げる。
レーダーにも、センサーにも、高速で移動する大和の姿は、影のようにしか映らない。
そして、ついに、決定的な瞬間が訪れた。
大和は、ベヒモスを、回廊の中でも特に天井が低く、柱が密集しているエリアへと巧みに誘導した。
そして、そのエリアを取り囲む全ての柱を、瞬く間に破壊して回ったのだ。
ゴゴゴゴゴ……!
支えを失った回廊の天井全てが、一斉に崩落を始めた。
数十トン、いや、数百トンもの石材が、雪崩となって、ベヒモスの頭上へと降り注ぐ。
「だ、脱出……!」
パイロットが脱出レバーに手を伸ばすが、もう遅い。
ベヒモスは、凄まじい轟音と共に、大量の瓦礫の下へと完全に埋没した。
静寂が戻る。
もうもうと立ち上る砂埃の向こうで、大和は、服についた埃をパンパンと払いながら、何事もなかったかのように立っていた。
「さて、と。これで邪魔者はいなくなったかな」
彼は、瓦礫の山と化した巨大兵器に一瞥もくれることなく、中央塔へと続く道を、再び歩き始めた。
そこは、皇族が式典などで使用する、広大なパレード用の道路だった。見通しが良く、隠れる場所もほとんどない。
そして、その道の先には、一体の巨大な兵器が立ち塞がっていた。
それは、ヴァリウス派が切り札として持ち込んだ、最新鋭の四足歩行型重戦車『ベヒモス』だった。全長は30メートルを超え、その巨体には、大型の主砲だけでなく、無数のミサイルランチャーやガトリング砲が搭載されている。まさに、移動要塞と呼ぶにふさわしい威容だ。
「目標、ヤマトを補足! 主砲、エネルギー充填開始!」
ベヒモスのコクピットで、パイロットが叫ぶ。
主砲の先端に、蒼白い光が渦を巻くように収束していく。
あれをまともに食らえば、いくら大和でもただでは済まないかもしれない。少なくとも、彼はそう判断した。
(真正面からぶつかるのは、さすがにマズいか)
大和は、周囲の地形を素早く観察した。
パレード用の道路の両脇には、貴族の像が等間隔で並んだ回廊や、装飾用のアーチがいくつも設置されている。それらは、戦闘を想定していないため、構造的に複雑で、そして脆そうだった。
彼の脳裏に、地球のテレビ番組でよく見た、ある光景が浮かんだ。
アスレチックコースを、参加者が様々な障害物をクリアしながら駆け抜けていく、あの番組。
(……障害物競走、やるか)
大和は、ニヤリと笑うと、ベヒモスに背を向け、回廊の中へと駆け込んだ。
「何!? 逃げる気か!」
「追え! 逃がすな!」
パイロットは、ヤマトが恐怖を感じて逃げ出したと判断した。
ベヒモスは、巨体に似合わぬ機敏さで方向転換すると、大和を追って回廊地帯へと足を踏み入れる。
それが、大和の狙いだった。
入り組んだ回廊の中では、ベヒモスの巨体は、完全な足枷となった。
小回りが利かず、その巨体で自ら設置した像や柱をなぎ倒していく。
「くそっ、邪魔だ!」
パイロットが悪態をつく。
その間にも、大和は、まるでパルクール選手のように、壁を蹴り、柱を飛び移り、軽々と移動していく。
そして、時折、ベヒモスの死角から姿を現すと、近くの柱やアーチの根本を、蹴り一発で破壊した。
「そらよっと」
ドゴォォン!
根本を破壊された巨大な石の柱が、バランスを崩し、ベヒモスの頭上へと倒れ込んでいく。
「うわっ!?」
パイロットは、慌てて機体を後退させる。
だが、その進路を塞ぐように、今度は別の場所で破壊されたアーチの残骸が降り注ぐ。
大和は、ただ地形を利用し、ひたすら障害物を作っているだけだった。
地球の子供の遊びのような、単純な戦術。
しかし、その単純な戦術が、最新鋭の巨大兵器を完全に翻弄していた。
ベヒモスは、自慢の火器を撃つことすらできない。下手に撃てば、周囲の瓦礫を誘爆させ、自分も巻き込まれかねないからだ。
「どこだ! ヤマトはどこにいる!?」
パイロットが、焦りの声を上げる。
レーダーにも、センサーにも、高速で移動する大和の姿は、影のようにしか映らない。
そして、ついに、決定的な瞬間が訪れた。
大和は、ベヒモスを、回廊の中でも特に天井が低く、柱が密集しているエリアへと巧みに誘導した。
そして、そのエリアを取り囲む全ての柱を、瞬く間に破壊して回ったのだ。
ゴゴゴゴゴ……!
支えを失った回廊の天井全てが、一斉に崩落を始めた。
数十トン、いや、数百トンもの石材が、雪崩となって、ベヒモスの頭上へと降り注ぐ。
「だ、脱出……!」
パイロットが脱出レバーに手を伸ばすが、もう遅い。
ベヒモスは、凄まじい轟音と共に、大量の瓦礫の下へと完全に埋没した。
静寂が戻る。
もうもうと立ち上る砂埃の向こうで、大和は、服についた埃をパンパンと払いながら、何事もなかったかのように立っていた。
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