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第50話
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近衛騎士団が、最後の力を振り絞って反撃を開始したことで、皇宮内は再び混沌の渦へと叩き込まれた。
その混乱に乗じて、大和はついに、目的の場所である皇宮中央塔の入り口へとたどり着いた。
中央塔は、皇宮の心臓部であり、皇帝の執務室や居住区、そして帝国の最重要機密が保管されている場所だ。
当然、その防衛システムは、皇宮の中でも群を抜いて堅牢だった。
巨大なエントランスホールに足を踏み入れると、そこには既に反乱軍の兵士たちが陣を構え、大和を待ち構えていた。
「来たぞ! ここから先へは一歩も通すな!」
指揮官の号令と共に、兵士たちが一斉に攻撃を開始する。
だが、大和はもはや、彼らをまともに相手にするつもりはなかった。
彼は、ホールの中央に鎮座する、巨大なシャンデリアを見上げた。
そして、足元に転がっていた、装飾用の金属製の球体を拾い上げると、それをピッチャーが投げるように、シャンデリアの根元へと投げつけた。
ヒュンッ!
金属球は、凄まじい速度で飛び、寸分の狂いもなく、シャンデリアを吊るす極太の鎖に直撃した。
ガキンッ!という甲高い音と共に、鎖がちぎれる。
数トンの重さがある豪華絢爛なシャンデリアが、真下にいた兵士たちの頭上へと、轟音と共に落下した。
「うわあああ!」
兵士たちの悲鳴が、シャンデリアの激突音に掻き消される。
大和は、その脇を、何事もなかったかのように通り過ぎ、上階へと続く大階段を駆け上がっていった。
中央塔の内部は、ヴァリウスが仕掛けた、悪趣味な罠で満ち溢れていた。
次の階層では、通路の壁から、高圧電流が流れるレーザーの網が、行く手を阻んでいた。
「ふははは! これで終わりだ、ヤマト! 触れれば黒焦げになるぞ!」
スピーカーから、反乱軍兵士の嘲笑が響く。
大和は、一瞥すると、近くの部屋から、清掃用に使われていたゴム製の分厚いマットを引っ張り出してきた。
そして、そのマットを、まるでマントのように羽織った。
「え?」
兵士たちが、きょとんとする。
大和は、そのまま、レーザーの網の中を、平然と歩いて通り抜けていった。
ゴムは、電気を通さない。
地球の小学生でも知っている、あまりにも単純な理屈だった。
「ば、馬鹿な!? なぜ効かんのだ!?」
兵士たちの驚愕の声を背に、大和はさらに上を目指す。
その先の廊下では、床が突然抜け落ち、深い落とし穴が出現した。
底には、鋭い金属の杭が、無数に並んでいる。
「今度こそ、串刺しだ!」
だが、大和は落ちなかった。
床が抜ける、そのコンマ数秒の瞬間を、彼は正確に捉えていた。
そして、崩れる床を、まるで跳び箱でも跳ぶかのように、軽々と飛び越えていったのだ。
彼の、地球の重力に最適化された異常なまでの跳躍力が、罠そのものを無意味にしていた。
さらにその上階では、帝国最強と謳われる暗殺者の一族、「影の一族」の生き残りが、雪辱を果たすべく待ち構えていた。
彼らは、気配を消し、天井の梁や、柱の影から、一斉に毒針や刃物を投げつける。
しかし。
ヒュッ、ヒュッ、と空気を切り裂く音を、大和は全て聞き取っていた。
彼は、飛んでくる暗器の軌道を、見ることなく、完璧に予測していた。
そして、飛んできた毒針を、二本の指で、ひょいとつまんで止める。
投げつけられた短剣を、飛んできたハエでも払うかのように、手の甲で軽く弾き返す。
「な……!?」
「我々の暗器が……子供の玩具のように……」
影の一族は、その神業を前に、完全に戦意を喪失した。
彼らは、自ら影の中へと姿を消し、二度と大和の前に現れることはなかった。
高圧電流も、落とし穴も、最強の暗殺者も。
帝国の常識では必殺であるはずの罠が、大和の「地球の常識」の前では、ことごとく無力化されていく。
彼は、ただ、当たり前のことをしているだけ。
その自覚のないまま、彼は、中央塔の最上階へと、歩を進めていくのだった。
その混乱に乗じて、大和はついに、目的の場所である皇宮中央塔の入り口へとたどり着いた。
中央塔は、皇宮の心臓部であり、皇帝の執務室や居住区、そして帝国の最重要機密が保管されている場所だ。
当然、その防衛システムは、皇宮の中でも群を抜いて堅牢だった。
巨大なエントランスホールに足を踏み入れると、そこには既に反乱軍の兵士たちが陣を構え、大和を待ち構えていた。
「来たぞ! ここから先へは一歩も通すな!」
指揮官の号令と共に、兵士たちが一斉に攻撃を開始する。
だが、大和はもはや、彼らをまともに相手にするつもりはなかった。
彼は、ホールの中央に鎮座する、巨大なシャンデリアを見上げた。
そして、足元に転がっていた、装飾用の金属製の球体を拾い上げると、それをピッチャーが投げるように、シャンデリアの根元へと投げつけた。
ヒュンッ!
金属球は、凄まじい速度で飛び、寸分の狂いもなく、シャンデリアを吊るす極太の鎖に直撃した。
ガキンッ!という甲高い音と共に、鎖がちぎれる。
数トンの重さがある豪華絢爛なシャンデリアが、真下にいた兵士たちの頭上へと、轟音と共に落下した。
「うわあああ!」
兵士たちの悲鳴が、シャンデリアの激突音に掻き消される。
大和は、その脇を、何事もなかったかのように通り過ぎ、上階へと続く大階段を駆け上がっていった。
中央塔の内部は、ヴァリウスが仕掛けた、悪趣味な罠で満ち溢れていた。
次の階層では、通路の壁から、高圧電流が流れるレーザーの網が、行く手を阻んでいた。
「ふははは! これで終わりだ、ヤマト! 触れれば黒焦げになるぞ!」
スピーカーから、反乱軍兵士の嘲笑が響く。
大和は、一瞥すると、近くの部屋から、清掃用に使われていたゴム製の分厚いマットを引っ張り出してきた。
そして、そのマットを、まるでマントのように羽織った。
「え?」
兵士たちが、きょとんとする。
大和は、そのまま、レーザーの網の中を、平然と歩いて通り抜けていった。
ゴムは、電気を通さない。
地球の小学生でも知っている、あまりにも単純な理屈だった。
「ば、馬鹿な!? なぜ効かんのだ!?」
兵士たちの驚愕の声を背に、大和はさらに上を目指す。
その先の廊下では、床が突然抜け落ち、深い落とし穴が出現した。
底には、鋭い金属の杭が、無数に並んでいる。
「今度こそ、串刺しだ!」
だが、大和は落ちなかった。
床が抜ける、そのコンマ数秒の瞬間を、彼は正確に捉えていた。
そして、崩れる床を、まるで跳び箱でも跳ぶかのように、軽々と飛び越えていったのだ。
彼の、地球の重力に最適化された異常なまでの跳躍力が、罠そのものを無意味にしていた。
さらにその上階では、帝国最強と謳われる暗殺者の一族、「影の一族」の生き残りが、雪辱を果たすべく待ち構えていた。
彼らは、気配を消し、天井の梁や、柱の影から、一斉に毒針や刃物を投げつける。
しかし。
ヒュッ、ヒュッ、と空気を切り裂く音を、大和は全て聞き取っていた。
彼は、飛んでくる暗器の軌道を、見ることなく、完璧に予測していた。
そして、飛んできた毒針を、二本の指で、ひょいとつまんで止める。
投げつけられた短剣を、飛んできたハエでも払うかのように、手の甲で軽く弾き返す。
「な……!?」
「我々の暗器が……子供の玩具のように……」
影の一族は、その神業を前に、完全に戦意を喪失した。
彼らは、自ら影の中へと姿を消し、二度と大和の前に現れることはなかった。
高圧電流も、落とし穴も、最強の暗殺者も。
帝国の常識では必殺であるはずの罠が、大和の「地球の常識」の前では、ことごとく無力化されていく。
彼は、ただ、当たり前のことをしているだけ。
その自覚のないまま、彼は、中央塔の最上階へと、歩を進めていくのだった。
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