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第51話
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中央塔を駆け上る大和の進撃は、誰にも止められなかった。
罠を仕掛けた側が、そのあまりの突破劇に恐怖を覚えるほどだった。
中層階に到達した大和を待ち受けていたのは、巨大な鉄球だった。
インディ・ジョーンズばりに、長い坂道の廊下を、轟音と共に転がり落ちてくる。
「今度こそ、ペシャンコだ!」
モニタールームで見ていた兵士が、勝利を確信した。
大和は、迫りくる鉄球を真正面から見据えると、立ち止まった。
そして、鉄球が彼の目の前、数メートルの距離まで迫った瞬間。
彼は、ぐっと腰を落とし、両手を前に突き出した。
「ふんっ」
気合一閃。
彼の両掌が、転がり落ちてくる鉄球を、正面から、がしりと受け止めた。
ゴッ!
鈍い衝撃音と共に、巨大な鉄球は、その場でピタリと動きを止めた。
まるで、発泡スチロールの玉でも受け止めるかのように、平然と。
「……」
モニタールームが、静まり返った。
兵士たちは、開いた口が塞がらない。
大和は、止めた鉄球を、まるでバスケットボールでも扱うかのように、軽々と持ち上げた。
そして、それを、転がってきた方向――坂の上へと、投げ返した。
ゴゴゴゴゴゴ!
鉄球は、重力に逆らって坂を駆け上り、その勢いのまま、モニタールームの壁を突き破って、中にいた兵士たちごと全てを破壊した。
「……静かになったな」
大和は、何事もなかったかのように、再び歩き出す。
次なるフロアは、特殊な音波兵器が設置されていた。
人間には聞こえない高周波の音で、脳神経を直接揺さぶり、立っていることすらできなくさせる、というものだ。
スイッチが押された瞬間、フロア全体に、目に見えない不可聴の暴力が満ちる。
反乱軍は、今度こそ、と確信していた。
肉体がどれだけ頑丈でも、脳を直接攻撃されれば、ひとたまりもないはずだ、と。
しかし、大和は、平然と歩いていた。
首を少し傾げながら。
(なんか、さっきからキーンって音がするな。耳鳴りかな? 寝不足か?)
地球の、それも都会の騒音の中で暮らしてきた彼の聴覚は、この世界の住人よりも、はるかに鈍感だった。
彼にとって、反乱軍の必殺兵器は、「ちょっと不快な耳鳴り」程度の効果しかなかったのだ。
そのあまりの効きの悪さに、兵器を操作していた兵士は、パニックに陥った。
「なぜだ! なぜ効かない! 出力を最大にしろ!」
ブオオオォン!
兵器が、悲鳴のような過負荷音を上げる。
その結果、装置は自身の出力に耐えきれず、爆発四散した。
大和は、突然静かになったフロアに、少しだけ安堵の表情を浮かべた。
「お、耳鳴り、治った。よかった」
彼の、勘違いと無自覚の進撃は、もはや誰にも、何にも、止めることはできなかった。
罠を仕掛けた側が、そのあまりの突破劇に恐怖を覚えるほどだった。
中層階に到達した大和を待ち受けていたのは、巨大な鉄球だった。
インディ・ジョーンズばりに、長い坂道の廊下を、轟音と共に転がり落ちてくる。
「今度こそ、ペシャンコだ!」
モニタールームで見ていた兵士が、勝利を確信した。
大和は、迫りくる鉄球を真正面から見据えると、立ち止まった。
そして、鉄球が彼の目の前、数メートルの距離まで迫った瞬間。
彼は、ぐっと腰を落とし、両手を前に突き出した。
「ふんっ」
気合一閃。
彼の両掌が、転がり落ちてくる鉄球を、正面から、がしりと受け止めた。
ゴッ!
鈍い衝撃音と共に、巨大な鉄球は、その場でピタリと動きを止めた。
まるで、発泡スチロールの玉でも受け止めるかのように、平然と。
「……」
モニタールームが、静まり返った。
兵士たちは、開いた口が塞がらない。
大和は、止めた鉄球を、まるでバスケットボールでも扱うかのように、軽々と持ち上げた。
そして、それを、転がってきた方向――坂の上へと、投げ返した。
ゴゴゴゴゴゴ!
鉄球は、重力に逆らって坂を駆け上り、その勢いのまま、モニタールームの壁を突き破って、中にいた兵士たちごと全てを破壊した。
「……静かになったな」
大和は、何事もなかったかのように、再び歩き出す。
次なるフロアは、特殊な音波兵器が設置されていた。
人間には聞こえない高周波の音で、脳神経を直接揺さぶり、立っていることすらできなくさせる、というものだ。
スイッチが押された瞬間、フロア全体に、目に見えない不可聴の暴力が満ちる。
反乱軍は、今度こそ、と確信していた。
肉体がどれだけ頑丈でも、脳を直接攻撃されれば、ひとたまりもないはずだ、と。
しかし、大和は、平然と歩いていた。
首を少し傾げながら。
(なんか、さっきからキーンって音がするな。耳鳴りかな? 寝不足か?)
地球の、それも都会の騒音の中で暮らしてきた彼の聴覚は、この世界の住人よりも、はるかに鈍感だった。
彼にとって、反乱軍の必殺兵器は、「ちょっと不快な耳鳴り」程度の効果しかなかったのだ。
そのあまりの効きの悪さに、兵器を操作していた兵士は、パニックに陥った。
「なぜだ! なぜ効かない! 出力を最大にしろ!」
ブオオオォン!
兵器が、悲鳴のような過負荷音を上げる。
その結果、装置は自身の出力に耐えきれず、爆発四散した。
大和は、突然静かになったフロアに、少しだけ安堵の表情を浮かべた。
「お、耳鳴り、治った。よかった」
彼の、勘違いと無自覚の進撃は、もはや誰にも、何にも、止めることはできなかった。
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