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第52話
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中央塔の上層階へと続く、最後の関門。
そこに設置されていたのは、反乱軍が誇る最新鋭の軍事技術の結晶だった。
フロア全体が、強固なエネルギーフィールドで覆われている。
物理的な攻撃は一切通用せず、高エネルギーのレーザーでさえ、その表面で霧散してしまうという、絶対的な防御壁だ。
そして、そのフィールドの内側には、完全自律型の戦闘ドローンが、百機以上も配備されていた。
「もはや、これまでだ、ヤマト!」
スピーカーから、勝利を確信した指揮官の声が響く。
「そのフィールドは、戦艦の主砲にも耐える! そして、内側からの攻撃は、外へは届かない! 貴様は、袋のネズミなのだ!」
無数の戦闘ドローンが、一斉に大和へと銃口を向ける。
エネルギーフィールドに閉じ込められ、四方八方から集中砲火を浴びる。まさに、絶体絶命の状況だった。
「……なるほど。確かに、面倒くさいな」
大和は、静かに呟いた。
彼は、周囲の壁を覆う、半透明のエネルギーフィールドに触れてみる。ビリビリと、微弱な静電気が指先を刺激した。
(このフィールドを、どうにかしないと、埒が明かないか)
彼は、思考を巡らせる。
物理攻撃も、エネルギー攻撃も、効かない。
ならば。
彼の脳裏に、地球の、それも高校の化学の授業の光景が、ふと蘇った。
退屈な授業中、先生が言っていた言葉。
『いいか、お前ら。どんなに安定したシステムも、その〝大前提〟を崩されると、脆く崩壊するもんだぞ』
システムの大前提。
このエネルギーフィールドを、維持しているものは何か。
それは、膨大な量の「電力」だ。
大和の視線が、床を這う、何本もの極太のエネルギーケーブルに向けられた。
それらは全て、このフロアの壁の一点、フィールドの発生装置へと繋がっている。
「……見つけた」
大和は、戦闘ドローンからの攻撃を、柳に風と受け流しながら、その発生装置へとゆっくりと歩み寄った。
そして、足元に転がっていた、瓦礫の中から、手頃な大きさの金属片を拾い上げた。
「何をする気だ?」
指揮官が、モニター越しに不審な表情を浮かべる。
大和は、その金属片を、エネルギーケーブルが集中する、制御盤の隙間に、ぐっと差し込んだ。
次の瞬間。
バチバチバチッ!
凄まじい音と共に、制御盤から強烈な火花が散った。
大和がやったことは、単純明快。
金属片を使って、回路を意図的にショートさせたのだ。
システムは、想定外の過電流に耐えきれず、悲鳴を上げる。
安全装置が作動するよりも早く、発生装置そのものが、内部から爆発した。
ブツン、という音と共に、フロアを覆っていたエネルギーフィールドが、まるでシャボン玉が弾けるように、あっけなく消滅した。
「そ、そんな……馬鹿な……!」
指揮官の、絶望に満ちた声が響く。
絶対的な防御壁は、地球の高校生レベルのいたずらによって、いとも簡単に破られたのだ。
フィールドが消えたことで、戦闘ドローンたちは、唯一の枷を失った。
彼らは、プログラムされた通り、大和へと殺到する。
だが、大和は、それを待っていた。
彼は、先ほど拾った金属片を、今度はフリスビーのように、横薙ぎに投げつけた。
シュンッ!
音速を超えた金属片は、回転しながら、ドローンたちの群れへと突っ込んでいく。
それは、もはやただの鉄屑ではなかった。
全てを切り裂く、死の円盤だった。
ガキン!ガキン!ガキン!
金属が断ち切られる軽快な音が、連続して響き渡る。
一体、また一体と、戦闘ドローンが、綺麗な切断面を残して、地面へと落下していく。
最後のドローンが活動を停止した時、フロアは、無数の機械の残骸で埋め尽くされていた。
大和は、その中央に立ち、静かに息を吐いた。
「……さて、と。そろそろ、最上階かな」
彼の前には、玉座の間へと続く、最後の扉が、静かに佇んでいた。
そこに設置されていたのは、反乱軍が誇る最新鋭の軍事技術の結晶だった。
フロア全体が、強固なエネルギーフィールドで覆われている。
物理的な攻撃は一切通用せず、高エネルギーのレーザーでさえ、その表面で霧散してしまうという、絶対的な防御壁だ。
そして、そのフィールドの内側には、完全自律型の戦闘ドローンが、百機以上も配備されていた。
「もはや、これまでだ、ヤマト!」
スピーカーから、勝利を確信した指揮官の声が響く。
「そのフィールドは、戦艦の主砲にも耐える! そして、内側からの攻撃は、外へは届かない! 貴様は、袋のネズミなのだ!」
無数の戦闘ドローンが、一斉に大和へと銃口を向ける。
エネルギーフィールドに閉じ込められ、四方八方から集中砲火を浴びる。まさに、絶体絶命の状況だった。
「……なるほど。確かに、面倒くさいな」
大和は、静かに呟いた。
彼は、周囲の壁を覆う、半透明のエネルギーフィールドに触れてみる。ビリビリと、微弱な静電気が指先を刺激した。
(このフィールドを、どうにかしないと、埒が明かないか)
彼は、思考を巡らせる。
物理攻撃も、エネルギー攻撃も、効かない。
ならば。
彼の脳裏に、地球の、それも高校の化学の授業の光景が、ふと蘇った。
退屈な授業中、先生が言っていた言葉。
『いいか、お前ら。どんなに安定したシステムも、その〝大前提〟を崩されると、脆く崩壊するもんだぞ』
システムの大前提。
このエネルギーフィールドを、維持しているものは何か。
それは、膨大な量の「電力」だ。
大和の視線が、床を這う、何本もの極太のエネルギーケーブルに向けられた。
それらは全て、このフロアの壁の一点、フィールドの発生装置へと繋がっている。
「……見つけた」
大和は、戦闘ドローンからの攻撃を、柳に風と受け流しながら、その発生装置へとゆっくりと歩み寄った。
そして、足元に転がっていた、瓦礫の中から、手頃な大きさの金属片を拾い上げた。
「何をする気だ?」
指揮官が、モニター越しに不審な表情を浮かべる。
大和は、その金属片を、エネルギーケーブルが集中する、制御盤の隙間に、ぐっと差し込んだ。
次の瞬間。
バチバチバチッ!
凄まじい音と共に、制御盤から強烈な火花が散った。
大和がやったことは、単純明快。
金属片を使って、回路を意図的にショートさせたのだ。
システムは、想定外の過電流に耐えきれず、悲鳴を上げる。
安全装置が作動するよりも早く、発生装置そのものが、内部から爆発した。
ブツン、という音と共に、フロアを覆っていたエネルギーフィールドが、まるでシャボン玉が弾けるように、あっけなく消滅した。
「そ、そんな……馬鹿な……!」
指揮官の、絶望に満ちた声が響く。
絶対的な防御壁は、地球の高校生レベルのいたずらによって、いとも簡単に破られたのだ。
フィールドが消えたことで、戦闘ドローンたちは、唯一の枷を失った。
彼らは、プログラムされた通り、大和へと殺到する。
だが、大和は、それを待っていた。
彼は、先ほど拾った金属片を、今度はフリスビーのように、横薙ぎに投げつけた。
シュンッ!
音速を超えた金属片は、回転しながら、ドローンたちの群れへと突っ込んでいく。
それは、もはやただの鉄屑ではなかった。
全てを切り裂く、死の円盤だった。
ガキン!ガキン!ガキン!
金属が断ち切られる軽快な音が、連続して響き渡る。
一体、また一体と、戦闘ドローンが、綺麗な切断面を残して、地面へと落下していく。
最後のドローンが活動を停止した時、フロアは、無数の機械の残骸で埋め尽くされていた。
大和は、その中央に立ち、静かに息を吐いた。
「……さて、と。そろそろ、最上階かな」
彼の前には、玉座の間へと続く、最後の扉が、静かに佇んでいた。
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