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第60話
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、帝都の戦況を、一瞬にして塗り替えた。
もはや、クーデターの内乱などという、矮小なレベルの話ではなくなっていた。
あれは、この星そのものを、滅ぼしかねない、絶対的な災厄だ。
「全艦、ラグナロクを集中攻撃! 何としても、あれを止めろ!」
上空で戦闘を繰り広げていた、皇帝派の第一防衛艦隊、そして、ヴァリウス派の反乱軍艦隊。
ついさっきまで殺し合っていた彼らが、奇しくも、同じ目的のために動き始めた。
双方の艦隊から、無数のビームやミサイルが、ラグナロクへと降り注ぐ。
だが、その全ては、無意味だった。
ラグナロクの黒い装甲の表面に、目に見えないエネルギーフィールドが展開され、全ての攻撃を、完全に無力化していく。
戦艦の主砲ですら、その装甲に、かすり傷一つ、つけることができない。
逆に、ラグナロクは、その巨体から、無数の子機や、小型のレーザー砲を展開させ、空中の艦隊へと、反撃を開始した。
それは、もはや戦闘ではなかった。
一方的な、虐殺だ。
帝国の誇る最新鋭の戦艦が、次々と火を噴き、撃墜されていく。
地上の状況も、また、悲惨だった。
「退避しろ! 全員、ここから離れるんだ!」
ゼノは、生き残った騎士たちや、皇帝派の兵士たちと共に、市民の避難誘導にあたっていた。
だが、パニックに陥った民衆と、崩壊していく街並みの中で、その活動は困難を極めていた。
その時、ラグナロクの、巨大な赤い単眼が、地上で逃げ惑う、彼らの姿を捉えた。
『生命反応、多数確認。脅威度判定、軽微。排除を開始』
ラグナロクの、肩部に搭載された、無数のハッチが開く。
そこから、数百、数千という数の、小型ミサイルが、一斉に発射された。
それは、まるで、死の雨。
逃げ惑う市民たちを、無差別に、そして正確に、狙っていた。
「くそっ!」
ゼノは、一人の子供を庇うように、その前に立ちはだかった。
彼は、自らのオーラを、最大まで高め、防御壁を展開する。
他の騎士たちも、同じように、市民を守るために、自らの身を盾にした。
だが、その抵抗は、あまりにも、儚かった。
ズドドドドドドド!
ミサイルの雨が、大地に着弾し、連続的な大爆発を巻き起こす。
ゼノたちの張ったオーラの壁は、最初の数発を防いだだけで、あっけなく砕け散った。
「ぐっ……あああああ!」
凄まじい衝撃波と、熱風が、彼らの体を、容赦なく打ちのめす。
ゼノの体は、宙を舞い、地面に叩きつけられた。
全身の骨が、軋む音がする。意識が、遠のいていく。
薄れゆく視界の中で、彼が見たもの。
それは、降り注ぐミサイルの雨の向こう、天を衝くようにそびえ立つ、黒い破壊神の姿だった。
そして、その破壊神が、次の攻撃のために、再び、主砲にエネルギーを充填し始めている、絶望的な光景。
(もはや……これまでか……)
エリアーナ様、師匠、申し訳、ありませぬ――。
心の中で、最後の謝罪を呟き、ゼノは、静かに、目を閉じようとした。
その、まさに、その時。
天から、何かが、降ってきた。
それは、ミサイルでも、瓦礫でもない。
黒いTシャツを着た、一人の、人間の男だった。
男は、ゼノたちの目の前に、音もなく、着地した。
まるで、猫のように、しなやかに。
そして、ラグナロクが放とうとしていた、黒い破壊の光線を、真正面から、見据えた。
「師匠……?」
ゼノが、最後の力を振り絞り、かすれた声を出す。
そこに立っていたのは、紛れもなく、佐藤大和だった。
もはや、クーデターの内乱などという、矮小なレベルの話ではなくなっていた。
あれは、この星そのものを、滅ぼしかねない、絶対的な災厄だ。
「全艦、ラグナロクを集中攻撃! 何としても、あれを止めろ!」
上空で戦闘を繰り広げていた、皇帝派の第一防衛艦隊、そして、ヴァリウス派の反乱軍艦隊。
ついさっきまで殺し合っていた彼らが、奇しくも、同じ目的のために動き始めた。
双方の艦隊から、無数のビームやミサイルが、ラグナロクへと降り注ぐ。
だが、その全ては、無意味だった。
ラグナロクの黒い装甲の表面に、目に見えないエネルギーフィールドが展開され、全ての攻撃を、完全に無力化していく。
戦艦の主砲ですら、その装甲に、かすり傷一つ、つけることができない。
逆に、ラグナロクは、その巨体から、無数の子機や、小型のレーザー砲を展開させ、空中の艦隊へと、反撃を開始した。
それは、もはや戦闘ではなかった。
一方的な、虐殺だ。
帝国の誇る最新鋭の戦艦が、次々と火を噴き、撃墜されていく。
地上の状況も、また、悲惨だった。
「退避しろ! 全員、ここから離れるんだ!」
ゼノは、生き残った騎士たちや、皇帝派の兵士たちと共に、市民の避難誘導にあたっていた。
だが、パニックに陥った民衆と、崩壊していく街並みの中で、その活動は困難を極めていた。
その時、ラグナロクの、巨大な赤い単眼が、地上で逃げ惑う、彼らの姿を捉えた。
『生命反応、多数確認。脅威度判定、軽微。排除を開始』
ラグナロクの、肩部に搭載された、無数のハッチが開く。
そこから、数百、数千という数の、小型ミサイルが、一斉に発射された。
それは、まるで、死の雨。
逃げ惑う市民たちを、無差別に、そして正確に、狙っていた。
「くそっ!」
ゼノは、一人の子供を庇うように、その前に立ちはだかった。
彼は、自らのオーラを、最大まで高め、防御壁を展開する。
他の騎士たちも、同じように、市民を守るために、自らの身を盾にした。
だが、その抵抗は、あまりにも、儚かった。
ズドドドドドドド!
ミサイルの雨が、大地に着弾し、連続的な大爆発を巻き起こす。
ゼノたちの張ったオーラの壁は、最初の数発を防いだだけで、あっけなく砕け散った。
「ぐっ……あああああ!」
凄まじい衝撃波と、熱風が、彼らの体を、容赦なく打ちのめす。
ゼノの体は、宙を舞い、地面に叩きつけられた。
全身の骨が、軋む音がする。意識が、遠のいていく。
薄れゆく視界の中で、彼が見たもの。
それは、降り注ぐミサイルの雨の向こう、天を衝くようにそびえ立つ、黒い破壊神の姿だった。
そして、その破壊神が、次の攻撃のために、再び、主砲にエネルギーを充填し始めている、絶望的な光景。
(もはや……これまでか……)
エリアーナ様、師匠、申し訳、ありませぬ――。
心の中で、最後の謝罪を呟き、ゼノは、静かに、目を閉じようとした。
その、まさに、その時。
天から、何かが、降ってきた。
それは、ミサイルでも、瓦礫でもない。
黒いTシャツを着た、一人の、人間の男だった。
男は、ゼノたちの目の前に、音もなく、着地した。
まるで、猫のように、しなやかに。
そして、ラグナロクが放とうとしていた、黒い破壊の光線を、真正面から、見据えた。
「師匠……?」
ゼノが、最後の力を振り絞り、かすれた声を出す。
そこに立っていたのは、紛れもなく、佐藤大和だった。
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