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第66話
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その日、アストレア銀河帝国の歴史は、二つに分かたれた。
ヴァリウス公爵によるクーデターと、古代兵器ラグナロクの出現、そして、その両方を、たった一人で鎮圧した、英雄ヤマトの神話。
後に、『静寂の日の動乱』と呼ばれることになる、この事件。
その一部始終を、一人の人間が、記録していた。
彼の名は、キケロ。
帝国国営放送の、一介の戦場カメラマンである。
あの日、彼は、偶然にも、非番だった。
帝都の上空に、所属不明の艦隊が現れた時、彼は、ジャーナリストとしての本能に突き動かされ、カメラを手に、自宅を飛び出した。
彼が、記録した映像。
それは、帝国の歴史上、最も、衝撃的で、そして、貴重なものとなった。
彼は、見た。
黒いTシャツの男が、反乱軍の防衛ラインを、まるで、存在しないかのように、突破していく姿を。
重火器の砲身を、素手で、結び目を作るように、ねじ曲げる姿を。
カメラのフラッシュのような、強烈な光で、鉄壁の狙撃部隊を、無力化する様を。
最新鋭の巨大兵器を、子供の障害物競走のように、翻弄し、瓦礫の山へと変える様を。
彼は、見た。
圧倒的な物量差に、追い詰められていた、近衛騎士団が、その男の姿を認めた瞬間、鬼神の如く、奮い立つ様を。
彼は、見た。
中央塔の、数々の罠を、まるで、子供のいたずらを解くかのように、次々と、無力化していく、その知恵と、行動を。
彼は、見た。
帝国最強の巨大ロボット『ナイトメア』が、その男の、デコピン一発で、沈黙する、悪夢のような光景を。
そして。
彼は、見たのだ。
数千年の眠りから覚めた、古代の破壊神『ラグナロク』。
その、都市を一瞬で消滅させる、絶対的な破壊。
それに対し、たった一人で、敢然と、立ち向かっていく、その小さな、しかし、誰よりも、大きな背中を。
拳一つで、神の雷を、かき消し、
柔道の技で、神の体を、大地に、叩きつけ、
プロレスの技で、神の最後の悪意を、天へと、葬り去る。
その、全てを。
キケロは、震える手で、カメラを回し続けた。
涙が、止まらなかった。
恐怖ではない。感動でもない。
ただ、人という、生命の、可能性の、限界を、遥かに、超えたものを、目撃している、という、畏怖。
その、魂の、震えだった。
彼が撮影した、その映像。
それは、後に、帝国最高の機密として、厳重に、封印されることになった。
あまりにも、衝撃的すぎて、公にすれば、帝国の、いや、この宇宙の、全ての価値観が、崩壊しかねないと、判断されたからだ。
だが、その映像の一部は、口コミで、伝説として、語り継がれていく。
そして、その伝説は、やがて、一つの、神話となる。
英雄ヤマトの、神話を。
キケロは、後に、こう、語っている。
「あの日、私は、神を見た。いや……神が、ひれ伏すのを、見たのだ」と。
ヴァリウス公爵によるクーデターと、古代兵器ラグナロクの出現、そして、その両方を、たった一人で鎮圧した、英雄ヤマトの神話。
後に、『静寂の日の動乱』と呼ばれることになる、この事件。
その一部始終を、一人の人間が、記録していた。
彼の名は、キケロ。
帝国国営放送の、一介の戦場カメラマンである。
あの日、彼は、偶然にも、非番だった。
帝都の上空に、所属不明の艦隊が現れた時、彼は、ジャーナリストとしての本能に突き動かされ、カメラを手に、自宅を飛び出した。
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それは、帝国の歴史上、最も、衝撃的で、そして、貴重なものとなった。
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黒いTシャツの男が、反乱軍の防衛ラインを、まるで、存在しないかのように、突破していく姿を。
重火器の砲身を、素手で、結び目を作るように、ねじ曲げる姿を。
カメラのフラッシュのような、強烈な光で、鉄壁の狙撃部隊を、無力化する様を。
最新鋭の巨大兵器を、子供の障害物競走のように、翻弄し、瓦礫の山へと変える様を。
彼は、見た。
圧倒的な物量差に、追い詰められていた、近衛騎士団が、その男の姿を認めた瞬間、鬼神の如く、奮い立つ様を。
彼は、見た。
中央塔の、数々の罠を、まるで、子供のいたずらを解くかのように、次々と、無力化していく、その知恵と、行動を。
彼は、見た。
帝国最強の巨大ロボット『ナイトメア』が、その男の、デコピン一発で、沈黙する、悪夢のような光景を。
そして。
彼は、見たのだ。
数千年の眠りから覚めた、古代の破壊神『ラグナロク』。
その、都市を一瞬で消滅させる、絶対的な破壊。
それに対し、たった一人で、敢然と、立ち向かっていく、その小さな、しかし、誰よりも、大きな背中を。
拳一つで、神の雷を、かき消し、
柔道の技で、神の体を、大地に、叩きつけ、
プロレスの技で、神の最後の悪意を、天へと、葬り去る。
その、全てを。
キケロは、震える手で、カメラを回し続けた。
涙が、止まらなかった。
恐怖ではない。感動でもない。
ただ、人という、生命の、可能性の、限界を、遥かに、超えたものを、目撃している、という、畏怖。
その、魂の、震えだった。
彼が撮影した、その映像。
それは、後に、帝国最高の機密として、厳重に、封印されることになった。
あまりにも、衝撃的すぎて、公にすれば、帝国の、いや、この宇宙の、全ての価値観が、崩壊しかねないと、判断されたからだ。
だが、その映像の一部は、口コミで、伝説として、語り継がれていく。
そして、その伝説は、やがて、一つの、神話となる。
英雄ヤマトの、神話を。
キケロは、後に、こう、語っている。
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