地球育ちの俺、銀河帝国では『伝説の古代種族』らしい。~拾われた宇宙船で無自覚に無双してたら、皇女様に求婚されました~

夏見ナイ

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第77話

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どれくらいの、時間が、経っただろうか。
エリアーナの、しゃくり上げる、声が、少しずつ、小さくなっていった。
彼女は、大和の、胸に、顔を、うずめたまま、すんすん、と、鼻を、すすっている。

「……落ち着きましたか?」
大和が、優しく、声をかける。

エリアーナは、こくりと、頷いた。
そして、自分が、ずっと、大和に、抱きしめられていたことに、今更ながら、気づき、顔を、カッと、赤くした。

「も、申し訳、ありません! わ、私、取り乱してしまって……!」

慌てて、身を、離そうとする、エリアーナ。
だが、その体には、まだ、力が、完全には、戻っていなかった。
安心感と、極度の、緊張からの、解放。
それが、一気に、彼女の、体力を、奪っていたのだ。

「あ……」

彼女の体が、ぐらり、と、傾ぐ。
それを、大和は、再び、その、力強い腕で、支えた。

「危ないですよ。まだ、無理しない方がいい」
「で、でも……」

エリアーナは、至近距離にある、大和の、顔を、見上げることが、できなかった。
彼の、鍛え上げられた、胸板が、服越しに、伝わってくる。
その、熱と、硬さに、彼女の、心臓は、再び、早鐘を、打ち始める。

クーデターという、異常事態。
その中で、芽生えた、吊り橋効果も、手伝って。
彼女の、大和への、恋心は、もはや、誰にも、止められない、奔流となっていた。

(ヤマト様……)

彼女は、無意識に、大和の、服の裾を、ぎゅっと、握りしめていた。
もっと、この、温もりに、触れていたい。
ずっと、このまま、守られていたい。
そんな、甘い、願いが、胸に、満ちていく。

その時だった。
彼女の、意識が、ふっと、遠のいていくのを、感じた。
それは、病的な、ものではない。
ただ、安心しきった、体が、休息を、求めている、自然な、眠気だった。

「……ヤマト、さま……」

最後に、愛しい人の、名を、呼び。
エリアーナは、その、全ての、体を、大和に、預けるようにして、静かに、意識を、手放した。
その、寝顔は、まるで、天使のように、安らかで、そして、幸せそうだった。

「……寝ちゃったか」

大和は、腕の中で、すやすやと、寝息を立て始めた、エリアーナの、寝顔を、見下ろし、苦笑いを、浮かべた。
よほど、疲れていたのだろう。

彼は、その、驚くほど、軽い体を、慎重に、そして、優しく、横抱きにした。
いわゆる、お姫様抱っこ、という、やつだ。

「!」

その、光景に、ゼノたちが、再び、息を呑む。
だが、もはや、誰も、何も、言わなかった。
彼らにとって、それは、あまりにも、自然で、そして、あるべき、姿のように、見えたからだ。

「さてと。陛下も、心配しているだろうし、帰りましょうか」

大和は、エリアーナを、抱いたまま、立ち上がった。
そして、騎士たちが、恭しく、開けた、道を、ゆっくりと、歩き始めた。

その、英雄と、姫君が、寄り添う、姿は。
まるで、何百年も、語り継がれてきた、伝説の、ワンシーンを、切り取ったかのような、神々しさを、放っていた。
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