地球育ちの俺、銀河帝国では『伝説の古代種族』らしい。~拾われた宇宙船で無自覚に無双してたら、皇女様に求婚されました~

夏見ナイ

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第82話

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大公の位を、あっさりと固辞した一件。
それは、大和を、帝国における、絶対的な、聖人君子として、位置づける、決定的な、出来事となった。
もはや、彼に、不敬な態度を、取る者は、帝国内には、一人も、存在しなくなった。

だが、当の大和にとっては、そんな評価は、どうでもいいことだった。
彼の、心の中にある、目標は、ただ、一つ。

「……そろそろ、本気で、帰る方法を、探さないとな」

自室の、ソファに、深く、体を、沈めながら、彼は、呟いた。
クーデターも、終わり、帝国も、平穏を、取り戻した。
これ以上、自分が、この星に、留まる、理由は、ない。
エリアーナの、ことは、少し、気にかかるが、いつまでも、彼女に、甘えているわけにも、いかないだろう。

彼は、決意を、固めた。
今度こそ、本気で、地球への、帰還を、目指そう、と。

しかし、どうすればいいのか。
手がかりは、全く、ない。
自分は、どうやって、この宇宙へ来たのか。それすら、分からないのだ。
天体観測中に、光に、包まれて……。それ以降の、記憶は、曖昧だ。

「やっぱり、専門家に、聞くのが、一番かな」

彼は、帝国の、科学者たちの、顔を、思い浮かべた。
あの、目を、キラキラさせながら、「そくどの、にじょう……!」と、叫んでいた、人たちだ。
彼らなら、何か、知っているかもしれない。

大和は、早速、ゼノに、頼んで、帝国の、最高科学技術院の、院長との、面会を、セッティングしてもらった。

数日後。
大和は、科学技術院の、院長室に、いた。
白衣を、着た、人の良さそうな、老人が、彼の、前に、座っている。

「して、ヤマト様。本日は、どのような、ご用件で?」
院長は、緊張した、面持ちで、尋ねた。
あの、物理学に、革命を、もたらした、神の如き、英雄が、自分に、会いに来るなど、夢にも、思っていなかったのだ。

大和は、単刀直入に、切り出した。
「実は、俺の、故郷の、地球に、帰る方法を、探しているんです。何か、心当たりは、ありませんか?」

その、言葉に、院長は、きょとん、とした。
そして、すぐに、恐縮しきった、顔で、頭を、下げた。

「も、申し訳、ございません……! その、『チキュウ』という、星については、我々の、データベースには、一切の、記録が……。伝説の、星『テラ』のことではないかと、推測は、しておりますが、その、座標すら、特定できていないのが、現状でして……」

「そうですか……」
大和は、がっくりと、肩を、落とした。
やはり、そう、簡単には、いかないか。

「ですが!」
院長は、顔を、上げた。
その目は、好奇心と、探究心で、爛々と、輝いている。
「ヤマト様さえ、よろしければ、我々、科学技術院の、総力を、挙げて、その、謎の、解明に、ご協力させていただきます! ヤマト様が、どのようにして、この宇宙へ、来られたのか。その、プロセスを、解析できれば、あるいは、帰還の、ヒントが、見つかるかもしれません!」

彼は、科学者としての、本能を、刺激されていたのだ。
未知の、超常現象。それを、解き明かしたい、という、純粋な、欲求。

大和は、その、申し出に、一筋の、光明を、見た。
「本当ですか!? ぜひ、お願いします!」

「お任せください! まずは、ヤマト様が、最初に、発見された、宙域の、詳細な、データから、洗い直してみましょう! 何か、特異な、エネルギー反応が、残っているやもしれません!」

こうして、大和の、地球帰還計画は、帝国の、科学の、粋を、集めた、一大、国家プロジェクトとして、本格的に、始動することになった。

大和は、これで、帰れるかもしれない、と、淡い、期待を、抱いていた。
だが、彼は、まだ、知らない。
この、宇宙の、科学力が、彼の、故郷の、特異性を、理解した時、その、勘違いが、さらに、とんでもない、方向へと、加速していくことになる、ということを。
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